こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は222話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
222話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱走⑦
とても優しくて、むしろゾッとするような感じがする声。
アグリチェの人々はしばらく忘れていた事実を思い出した。
アグリチェで生まれ育った人なら、上位の捕食者から漂う気運を誰よりも敏感に察知するもので、それは今やロクサナから流れ出る気運とも同じだ。
ロクサナは死んだラントの寵愛を受けるほどの優れた能力を証明された娘。
そしてデオンの後を継いで月例評価の度に2位の座を堅く守ってきた彼らの腹違いの姉。
知らない人たちはロクサナの圧倒的な美しさに目が眩んで勘違いしやすかったが、彼女もやはり誰よりも非情なアグリチェだった。
そのため、以前からロクサナに下手に立ち向かっていたのはシャーロット程度しかいない。
もちろん、彼女もある瞬間からはロクサナの顔色をうかがうようになったが。
今も兄妹たちの間に挟まっていたシャーロットが訳もなくドキッとして目立たないようにコッソリと身を隠した。
ロクサナが気に障ることを加減なく表し寒気を漂わせたのに続き、ジェレミーまで彼女の心を歪めた張本人たちを今にも歯ごたえがあるように睨みつけると、他の腹違いの兄妹たちはそれこそ死にそうな気持ちに。
彼らはベルティウムの人形術に好意的な発言をした異母兄弟たちに物悲しい視線を送る。
ジェレミーが首長になってからしばらく薄氷の上を歩いているようだったアグリチェの雰囲気が、最近になってそれもロクサナのおかげで少し厚くなったのに、こんな風に溶かそうとするなんて。
もちろん、誰よりもアグリチェらしいロクサナがさっきに庭で見えたように、死んだ兄の肉体を持った人形を本当に切なく思っているはずがないと思っていた。
だが、ただでさえ廃棄処分されて恥ずかしく死んだ兄の遺体が他の家にまで渡って実験体として使われる屈辱をもう一度受けたと考えれば、妹の立場としては十分自尊心を傷つけられないことだ。
アグリチェの人々は、そのようにアグリチェの考え方どおりロクサナの心情を理解する。
そして、この場を離れたら、空気の読めないことを言って、自分たちの平安を壊す危機に立たせた腹違いの兄弟たちを、必ず彼らの手で再教育させなければならないと決心した。
そのように陰惨な視線を受けた兄弟たちは、それぞれ理由の分からない悪寒を感じながら身をすくめた。
「ジェレミー、実はあなたにまだ言えなかったことがあるの」
ロクサナは兄弟たちを送り返し、ジェレミーと二人きりの席で話しはじめた。
これまでタイムリーな時ではなく、考え出さなかった話で、彼女がアグリチェを離れてペデリアンで過ごした時間とカシスとの関係に対する内容だ。
「去年の冬、私がアグリチェを出た時からユグドラシルに来る前までの話よ」
「姉ちゃん」
ところがジェレミーが低い声でロクサナの言葉を遮った。
「ここで私たちが久しぶりに会った時、私が言ったこと覚えてる?」
もちろん覚えている。
だが、そもそも返事を求めて投げかけた質問ではないようで、ジェレミーはロクサナの反応を待たずに話し続けた。
「姉ちゃんがこうやってまた私の前に現れてくれたから、もう他のことは関係ないと言ったじゃん。それは今も同じ。だから姉ちゃんは・・・」
深海のように深いジェレミーの青い瞳がロクサナをまっすぐ直視している。
「好きなことは何でもしていいよ」
何となく・・・、ロクサナが言おうとしていることを既に知っているような目つき。
顔色を伺ってみると、これまでユグドラシル内でロクサナがペデリアンに見せた友好的な姿を単純に戦略的な行動とは思っていないようだった。
しかし、まさかこんな言葉まで聞くとは思わなかったので、ロクサナは向かい合った弟の顔をじっと眺めるしかなかった。
「だからそんな顔をしないで笑って、姉ちゃん。ね?」
ジェレミーはそのような彼女の手を先に掴んで微笑む。
その顔を見てロクサナは生硬な感じに浸るしかなかった。
子供たちは本当に早く成長するんだね。
ユグドラシルに来てジェレミーを見ながら何度も感じた感想ではあったが、今回はいつにも増して鮮明に響いた。
ロクサナはその変化が不思議で嬉しかったが、もう一方では少し残園で寂しくもある複雑な感情を感じた。
しかし、結局はロクサナも仕方なくジェレミーの真似をして笑ってしまう。
ジェレミーの成長が嬉しいですね。
ロクサナも心から嬉しい様子が見られます。