こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は268話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
268話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面の下の素顔②
廊下の外の窓から見える訪問客を見ていると感慨深かった。
数えきれないほど多くの人が、エレナが建てたサロンとバシリカを訪れたと思うと、回帰前と比べてあまりにも変わった位相が肌で感じられる。
代役に過ぎなかった自分がついにここまで上がってきたという事実が彼女の胸をいっぱいにした。
「ベロニカ」
エレナは低い声で彼女の名前を呟く。
今でも鮮明に覚えている。
死んでいく自分を虫を見るように見下ろしていたベロニカの嫌悪感ある視線が、イアンを奪って笑っていた悪魔のような顔が、手を伸ばしても届かなかったベロニカを見て嗚咽した自分の姿が走馬灯のように通り過ぎてく。
目を閉じさえすれば思い浮かぶ恐ろしい記憶。
深い傷痕が残り永遠に癒やされそうになかったトラウマ。
長い準備で、いつでもベロニカの首を掴むことができるようになった。
もう記憶の残滓を清算する時間だ。
サロン側は開場後、最も多くの訪問客が訪れただけに、本館ではなく別館に閉場宴会を準備した。
ホールだけでは足りず、劇場や公演場を開放し、一つの空間として活用した。
本館の3倍を超える膨大な空間であるにもかかわらず、500人に迫る訪問客が訪れただけに、本館のホールと繋がる通路まで足の踏み場がない。
エレナは別館のメインホールに入る巨大な大理石のドアの前に立つ。
ドアの向こうからヒソヒソ話が聞こえてきた。
あの人だかりの中にベロニカがいる。
彼女と向き合う考えだけでも、妙なときめきと緊張感がエレナを刺激した。
「さあ、ドアを開けるよ」
仮面をかぶったカリフが力いっぱいドアを開ける。
眩しいほど煌めくシャンデリアと照明、そして色とりどりの仮面をかぶった訪問客の視線がエレナに向けられた。
穏やかに響く演奏の音を除けば、約束でもしたかのように静かになったホールにエレナの靴の音が冷たく響き渡る。
やがて溢れる拍手の音。
本館のオープン時とは比べものにならない多くの来場者の拍手は、エレナの胸を躍らせた。
そんな訪問客を見てエレナが胸を手で覆いながら優雅に挨拶をする。
マーメイドドレスが流行し、新しく始まった挨拶法でエレナが初めて試み、今は令嬢や貴婦人たちも広く利用する礼法だった。
拍手の音が次第に収まる頃、エレナがうつむいていた頭を上げる。
「こんにちは、貴賓の皆さま。Lです」
エレナは老若男女を問わず、一度見れば魅了される魅惑的でありながらも、格調高い笑みを浮かべた。
そんな彼女の視線は数百人が密集している訪問客の中で唯一仮面をかぶっていない令嬢に向かう。
目立つほど露出が激しいマーメイドドレスに濃い化粧、どこか下品に見えながらも、あえてむやみにできない権威に押しつぶされ、目さえ合わせにくい女、ベロニカ・フォン・フリードリヒだった。
「ベロニカ公女です」
「あんな大騒ぎをしてまた来るなんて。どういう考えでしょうか?」
「そうですね。なぜまた来たのでしょうか?この前のように冷水を浴びせないでほしいのですが」
ベロニカの存在を意識した訪問客の視線は芳しくなかった。
「必ず仮面をかぶらなければならない」というサロンの規則を黙殺し、地位を前面に出した勝手な行動は皆の眉をひそめる。
エレナは高慢だが優雅さを失わない歩き方で、踊り場の前に歩いてきた。
これまでLの身分で人々の前に立つときは、学術院時代から愛用していた茶色の短髪のカツラをかぶっていた。
二重身分と大公家の追跡から脱し、自由に活動するために。
しかし、もはやその必要はない。
これ以上後ろに隠れたり、自分を隠す理由がなくなったから。
Lが持つ地位、評判、存在感は帝国を飲み込んでも残る権勢を享受する大公家さえ彼女をむやみにできなくさせた。
「バシリカの開場を迎え、こんなに多くの方にお越しいただき、ありがとうございます。先日、本館で小さな事故が起きたため、内心気を揉んでいたのですが、皆さまのおかげで一安心することができました」
柔らかい声と笑顔で雰囲気をリードしながらも、エレナの冷たい視線だけはベロニカから離れなかった。
火をつけた犯人がお前だという事実を知っていると。
だから気をつけろと。
私がお前を狙っているということを。
しかし、厚かましいのか、罪の意識がないのか、ベロニカはむしろ嘲笑した。
お前に何ができるのかと言うように。
(私の顔を見ても笑っていられるかしら?)
そうすればするほど、エレナの満面の笑顔がさらに濃くなっていく。
ベロニカがあれほど無視して軽蔑していた代役が息の根を締めてきたLという事実を知った時、果たして彼女がどんな表情をするのか想像ができなかった。
エレナの正体を知った時の反応が気になります!
ベロニカの目的も不穏ですね・・・。
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