こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は243話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
243話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 巨大な嵐⑨
人形たちは3階まで這い上がっていた。
最短距離を計算して建物と建物の間に連結された中央通路に向かって走っている途中、目立つものをもう一つ掴んで壊している時、カシスの前に一群の人々が現れる。
「お兄様!」
そこにはシルビアもいた。
建物の中にいた人々が集まって人形の破壊と負傷者の救出に乗り出したという。
ジャンヌは他の人々と一緒に救助された人々を治療し保護していると言った。
ちょうど廊下に入ってきた人形がもう一体あったが、人が多いうえに、彼らもやはり人形と戦うのにある程度慣れているためか比較的簡単に制圧することができた。
カシスは人々が人形の腕を分離した後、動けないように固く縛るのを見てシルビアに尋ねた。
「シルビア、父さんは?」
「向こうにいます!」
人形を縛っておくよりは、四肢と頭を別々に分解して壊すのが確実だろうが、外見が人なので困るようだった。
それでも戦闘力は確実に喪失したように見えるので問題はなさそうだ。
予想通り、シルビアとジャンヌの隣にはリセルがいるので、彼らを置いていっても安心できる。
「まだ人形が残っているから気をつけて!」
彼はシルビアに頼んですぐに振り向いた。
シルビアは一人で行くカシスを止めようとしたが、すぐに彼がどこに行こうとしているのか気付いて言葉を変える。
「お兄様も気をつけて!」
カシスは壊れた人形の残骸が残った廊下を走った。
ロクサナは彼に自分のところに来るなという意思を伝えたが、カシスはその言葉に従うことができなかった。
もちろん、彼女が十分に自分の身を守ることができる人であることを知っている。
しかし、事実を直視することと安心することは、また別の問題だ。
蝶々が余計なことをするようにカシスの周囲をうろついていた。
カシスはそれを無視する。
幸いなことに、昨日彼はロクサナに自分の力を惜しみなく吹き込んだ。
あの程度なら自己治癒力も上昇しただろうから、カシスとしてはそれだけが少しでも慰めになった。
もちろん、ロクサナが少しでも怪我をする場合は想像もしたくなかったが。
毒蝶がロクサナのそばに彼を導いてくれれば良いが、どうしてもそのつもりはないようだった。
それでカシスは目の前の障害物をかき分けて、彼女がいると予想される場所を一人で察して、そこに急いで足を運んだ。
ニックスのいる隣の建物に向かって。
パァッ!バン!
誰かがドアを壊して入ってくる。
ニックスは外から聞こえてくる音に緊張していたが、すぐに視界に入ってきた顔を確認して驚いて叫んでしまった。
「どうして君たちがここに!」
キギー。キギー。
奇妙な音を出すベルティウムの人形たちが部屋の中に縛られているニックスを発見し、彼に近づいた。
チェンガン!
すぐに固定されていた鎖が壊れて、彼らはニックスを連れて部屋を出る。
全てがあっという間に起こったので、ニックスは少し気が気でなかった。
人形たちは、拘束具で四肢が縛られた彼を、ほとんど引きずっていく。
「ちょっと待って・・・」
不便さから何か言うかと思ったが、状況が緊迫していることを知って、ニックスはただ口をつぐんだ。
その上、戦闘人形は当初からコミュニケーション能力が不足して対話がほとんど通じなかった。
人形たちが従うのはただノエルだけだから、このようなことをした人が誰なのかはあえて聞かなくても明らかだ。
ノエルは彼を救うために他の人形を送ったに違いない。
では、さっきから聞こえてきた外の騒音もそのためか?
収拾が可能なのかと心配になりながらも、一方では心の片隅に感動が込み上げることもあった。
昨日の聴聞会では、やはり彼がノエルを誤解したようだ。
あの時、ノエルの目つきから以前になかった暗くてしつこい何かを発見して拒否感を感じたが、やはりそれはニックスに向けた感情ではなかったようだった。
人形たちはノエルがどこにいるのか知っているように躊躇なくニックスを引っ張って移動する。
通路が近いのか、壁にかかった燭台の火が細かく揺れた。
それは窓一つなくふさがれた壁に、どこか不吉に感じられる黒い影を濃く落とす。
そうするうちに突然視野が開けた空間が現れた。
隣の建物につながる中央通路だ。
窓一つなかった廊下とは違って、ここは壁面をはじめ床と天井まで全てガラスでできている。
それでその中に足を一歩踏み出すやいなや眩しい光が頭の上に降り注いだ。
それほど強い光ではなかったが、ニックスはそれを非常に明るいと感じた。
ニックスが一瞬たじろぐと、人形たちがまた彼を引き止める。
一時も浪費することを容認できないように、後ろの人形たちもニックスを追い詰めた。
キッキッ。
修理が必要な人形から漏れ出る奇妙な音がニックスの神経を尖らせる。
「ニックス!」
突然聞き慣れた音声が鼓膜を裂くように前から飛んできた。
ニックスはその音に従って頭を上げる。
「ノエル・・・」
ところが、とうしてだろうか。
光の中で走ってくるノエルを見た瞬間、胸の深いところで昨日のような強烈な拒否感がこみ上げてきた。
相変わらずのぎこちなさと相変わらずの・・・、ぞっとする感覚。
ニックスは思わず自分に向かって伸びてくるノエルの手を避けてしまった。
それでも足りず、彼は何歩も後ずさりしてノエルと距離を広げる。
ただでさえ不安定な足取りを運んでいたノエルは、それに空振りをしながらよろめいた。
最初、ニックスは当惑し、ノエルはわけが分からず、ぼんやりとした視線を上げた。
そうするうちに状況に気づいた後、ノエルの顔に徐々にさざ波のような感情の波動が起き始める。
「なんで・・・、なんで避けるの?」
最終的には熱い熱がノエルを襲う。
熱気に包まれた瞼がほてった。
それよりもっと深い中は、爆発した溶岩で覆われたように沸騰している。
「やっと・・・」
限界まで追い込まれた焦りが激しい怒りに変わるのはあっという間だった。
「やっと会えたのに」
ノエルはあえて手を引いたニックスに、言葉では言い表せないほどの憤りを感じた。
「ノエル、それが・・・」
「やっと手に入るようになったのに・・・!」
ニックスは思わず言い訳をしようとする。
しかし、ノエルはそのような機会を与えなかった。
「捕まえて!」
熱した鉄のような声が人形たちに命令する。
ニックスは飛びかかる人形たちに反射的に抵抗しようとしたが、彼の攻撃性に反応して拘束具が作動したため、結局あっけなく捕まってしまう。
「これはどういうことだ・・・!」
人形たちは彼を床に打ち込んだ。
「今すぐこれ置けないの?ノエル・・・!」
ニックスは冷たいガラスに頬を押されたまま、目を見開いてノエルを見つめた。
ノエルは鋭い視線を受けて一瞬ひるみ、詭弁をふるう。
「あなたが悪い!あなたが私を避けるから・・・!」
鋭い肉感が前触れもなくニックスを貫通したのはまさにその瞬間だった。
背筋を伝って流れる不吉な予感に彼はしばらく身震いする。
「あなた・・・、私を助けに来たんじゃないね?」
ついに歪んだニックスの唇から、低く荒々しい声が吐き出された。
その瞬間、ノエルの瞳孔が小さく揺れる。
「私は・・・」
どもる声が乾いてひび割れたノエルの唇から漏れた。
続いて、ニックスの鼓膜を刺した言葉は思ったよりもっと現実感がなくて、彼は今自分が何を聞いたのか全く理解できなくなった。
「あなたの心臓が必要だ」
ついにノエルとニックスが遭遇!
自分を助けにきたと思っていた相手に裏切られたニックスは、どのような行動に移るのでしょうか?
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