こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は173話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
173話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 懺悔
「デンデン」という神殿の鐘が四方に鳴り響く。
正午を告げる鐘の音だ。
国中が内外で揺れ動く時局であるにもかかわらず、天気は何気なく晴れていた。
晴れた冬の午後の日差しがステンドグラスの天井を突き破り、巨大な壁に建てられた聖像を照らしている。
子羊を抱えた聖アグネス。
それを見上げながら、フレイヤはそのままじっと立っていた。
まるで釘でも刺さったように、あるいは祈りでもするように両手をぎゅっと握って。
どれほどそのようにぼんやりしていたのか、後ろからゆっくりと近づいてきた誰かが肩に手を乗せた瞬間、びっくりして半分ほど悲鳴を上げたほどだ。
「ああ、何をそんなにびっくりしているんだい?ここで驚くことが何があるんだよ」
「・・・」
「フリー?顔色が悪いね。何があったんだい?」
いつものように優しい口調で尋ねる大司教の目じりには心配の色がちらついていた。
フレイヤは彼を長い間ぼんやりと見ていた。
エレンディル神殿の大司教であり、彼女の伯父、彼女が覚えていない母胎時代から今まで一生を知ってきた男を・・・。
「伯父さん」
「どうしたの?」
「私、全部言いました」
「全部言った?」
「あの時・・・聖アグネスの祝日、日曜日。本当のことを全部言いました、オメルタ公爵家の人たちに」
「・・・」
大司教はしばらく何も言わなかった。
しばらくすると声がかすんで穏やかだった。
「そう、やっばりそうだったんだ」
「すみません、私が始めておいて・・・」
「いや、よくやった。それで君の良心が引っかかったなら仕方ないことだよ。私も最初からそんな覚悟もなしに我が意地っ張り娘の懇願を聞いてくれたのではない」
心のこもった言葉。
それは本当に心からの言葉だった。
限りなく優しく暖かい慰めに紫色の瞳が徐々に涙を浮かべていく。
「フリー?ああ、本当に大丈夫だって。泣かないで。罪悪感を感じたなら、むしろいいことだから。私たちみんな・・・」
「伯父さん、私を助けてください」
「私にできることなら何でも・・・」
「伯父さん、私は修道院に入りたいです。両親が反対しようがしまいが、私が誓約できるように助けてください」
終始穏やかだった大司教の目が、今度こそ厳しく硬直する。
一方、フレイヤの方はますます泣きべそをかいていった。
「それが急に何が大変なことになるというのか?この前みたいに魔鉱石を食べると言ったほうがいいね、いったいどうして急に・・・」
「私は、私はゴンパロニエレがどのように死ぬのかはっきり見ました。目の前で、そういう恐ろしいことが起こるかもしれないということを、初めて知りました」
「それがいったい・・・いや、彼が君にとってそんなに大事な人だったんだ?」
「いいえ、彼も私もそんなふうには思いませんでした。ただ軽く遊びやすい人だと、一緒にいると楽しい愉快な人だと。ただそう思っただけなのに・・・」
美しい紫色の目から涙がこぼれる。
フレイヤは乾いた唾をごくりと飲み込み、それからどもり話し続けた。
「ただそういう仲だっただけなのに、気が狂いそうな気分だったんです。こんなおぞましい気分、こんな、こんなおぞましい感情になるのは初めてです。こんなに惨めなこともこんなに悲しいことも、そして彼をそうさせた人を殺してしまいたいほど怒りが起こるのも」
「それはお前の過ちでは・・・」
「分かりませんか?公子妃の兄が私の腕に倒れて死にました。全身から血を流し、その血がどれだけ・・・やっと私があの日、あの祝日に何をしたのか気づいたんです。私が冒険がてらやらかしたことに、誰かを困らせるつもりでやったことに、周りの人たちはどんな気持ちだったのでしょうか。私の家族も友逹も全部・・・甚だしくは公子妃にも本当に何を犯したのか悟ってしまったんです」
涙に濡れた顔が真っ白になったままぶるぶる震える。
その顔を眺める大司教の顔も真っ白になっていた。
「・・・その罪は私のせいだよ。全部私の過ちだ。私があなたを止めるべきだった。お前が幼い時から無条件に聞き入れるだけでなく拒絶することも知っていればよかったのに・・・」
「いいえ、伯父さんのせいでもありません!全部私の過ちです。私が望んでしたことです。今私が感じるこの辛い気持ち、すべて私が犯したことの代価です。もう以前に戻る自信がありません。どうせもう帰ることもできないけど、このまま平気なふりをして、ずうずうしく生きていく自信がないんですよ。だから最後に私を助けてください」
「ひどいこと言うのはやめなさい!自らに過度な罰を与えようとしてはいけない。あなたはまだ幼くて学ぶことも多い。これから経験することも多いし。どんな過ちを犯したとしても、あなたは北部のピュリアーナ家の娘だ。誰もあなたを見下すことができない!それを全部捨てて、この盛りの年で修道院なんて、とんでもない話だ!」
断固として厳格な言葉だった。
それでもフレイヤは退かない。
「もし彼がそうして死ななかったら、またそうすることで公子妃がそうならなかったら、私はずっと以前のように生きていられたかも知れません。しかし、もう両方ともありません。私は、私は、その時、私が告解の聖事をしながら公子妃と大喧嘩をしたと言った日を覚えていますか?」
「覚えている。しかし・・・」
「あの時私が言った言葉全部覚えていますか?公子妃が鏡の部屋で血まみれに殴られるのを見ました。その前に彼女の一番上の兄が彼女に何をしているのかも。彼女がそうやって強制的に戻って、そこで何かを経験してあるかどうか想像もできません。弟をそうやって死なせて、妹をそうやって扱う男に」
「それは・・・」
「まだわからないんですか?私は私がとてもひどいです。あの男の人と私は変わらないです。それを今になって気付いてしまったんですよ。少しでも心から惹かれた男がそのように死んだからではありません。私が彼女にどうしたんですか。彼女に何をしたんですか。その上、私の弟まで利用して・・・あの子が私のせいでパラディン夢を永遠に諦めるようになってしまったことを知っていますか?あの子が幼い時から憧れていた方々が全部受け入れてくれることを拒否するということを・・・」
「それは、時間がもう少し経ったら、これからどうなるか分からない・・・」
「いいえ、そうだとしても、私はこのまま皆と向き合い、世俗で生きる自信がありません。どうか、私を助けてください」
「だめだと言った!お前は一時は一国の母后を夢にまで見た子じゃないか、これからもっと明るい未来が開かれているのにこのままこのように・・・」
「このままだと、私は一人で枯れてしまうかもしれません。もう、誰かと友情を分かち合う自信も愛を分かち合う自信もありません。たった一度もまともにそうしたことはないが、一生空の殻で生きてきたが、後になってやっと気づいてまともにやってみようとしたが、それを教えてくれた2人が皆無惨に行ってしまったと!こんな私が誰と会って結婚をして幸せに暮すことができるでしょうか!?」
とうとう、すすり泣き始める彼女を大司教はただぼんやりと眺めるしかなかった。
向かいの壁に立っている聖アグネスの聖像が彼らの上に悲しそうな笑みを浮かべている。
フレイヤはまだ若かった。
まだ生きていく日も経験することが多かった。
たとえ今苦しさに身悶えしているとしても、いつかは・・・。.
「いつかは帰ってくると誓えば・・・」
「伯父さん・・・?」
「気が変わる日が来たら帰ってくると誓え。そうするなら私を助けてあげるから」
フレイヤは伯父の足元にひざまずいて十字を切った。
エンツォの死でこれまでの行いを反省したフレイヤ。
ここまで追い詰められるとは思わなかったです・・・。
いつかは戻ってくるのでしょうか?
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