こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は129話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
129話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 妖精②
「それなら、ここはシンデレラの童話の中ではなかったのですね」
私はダニエルを見つめながら呟く。
その瞬間、ばっとして頭の中で何かが取り除かれる感じがした。
かすかにブーンと鳴っていた幻聴が完全に消える。
なんでシンデレラだと思ったの?
理解できない。
なんでよりによってシンデレラだったんだろう?
その時、ダニエルが尋ねた。
「シンデレラって何ですか?」
シンデレラは何かって?
その瞬間、私はシンデレラが名前だということに気づく。
灰だらけのシンデレラ。
コンチとパッチのように、それは名前だった。
だから、ここがシンデレラになるには、アシュリーの名前がエラだったり、とにかくシンデレラと似ていなければならない。
「私が住んでいたところにある童話です。だから・・・」
私はシンデレラの話を辿々しく説明する。
継母と継姉たち、そして亡くなった父。
きれいで心優しいシンデレラは、あらゆるいじめを受けて、城で開かれるパーティーに招待されると。
「ふむ・・・」
話を聞いたダニエルの眉間にしわができた。
彼は私に身をかがめたまま言った。
「それは王大妃殿下の話と似ていますね」
「アシュリーじゃないんですか?」
私はびっくりして尋ねる。
ダニエルも私の質問に片眉を上げ、小さなうめき声を上げた。
そしてすぐにくすくす笑う。
「なるほど。加護がなぜよりによってこの家の絶望に反応したのか分かります」
「なぜですか?」
「この家は古いんですよ」
それは私も知っている話なんだけど?
私が顔をしかめると、彼は足を組んで言った。
「多くの絶望が溜まっているということでもあります」
「絶望に反応したということですか?」
「そして先行学習を思い出したんですよね」
先行学習?何の先行学習?
そういえば、この家に王大妃殿下が泊まったことがあるという話が思い出される。
私はしかめっ面をしながら尋ねた。
「王妃殿下が妖精の助けで王子の妃になったのですか?」
「その方が今アシュリーと状況がかなり似ていると聞きました。もちろん、その方はアシュリーと違って、父親が貴族で、継母は平民出身だったそうです」
私は善意を施すようにと言った王大妃を思い出す。
善良に暮らせばいつか報われると言っただろうか。
だからだったんだ。
彼女は報われる税賞を受賞したのだ。
「王大妃殿下を助けてくれたのがあなたのお母さんだったのでしょうね」
ダニエルは悪戯っぽく、バレた顔をした。
王大妃が彼の代母になってくれた理由が分かる。
私はため息をついた。
「妖精の代母はいなかったのですね」
ダニエルが妖精だから、強いて言えば妖精のゴッドファーザーになるだろう。
そういえば、、彼のしたさまざまな冗談が思い浮かんだ。
それがただの冗談だと思ったが、違ったのだ。
「私が望めばアイリスを王妃にしてあげる」と言ったこともあり、「私が嫌がる奴を遠くまで追い出してやる」と言ったこともある。
ふむ。
私が望めばこの国をあげるとも言った。
私は首をかしげながら尋ねる。
「本当に私が望めば、この国をくれるんですか?」
ダニエルは一瞬驚いて、すぐににっこりと笑った。
そして、注意深く私の手を握る。
「はい、奥様。あなたが望むなら何でも」
今や彼の呼び名はミルドレッドではなく妻になっていた。
私はそれが私のためだということに気づき、ため息をつく。
「どうして私だったのでしょうか?」
「契約をしたはずです」
「何の契約ですか?」
「・・・」
ダニエルは私の質問にしばらく口をつぐんだ。
そして、自分が握った私の手を見下ろしながら話した。
「もともとあなたの願いをかなえてくれる条件だったのでしょう」
「もともと自分がどんな人だったのか、思い出せないのですが?」
「だからあなたの記憶を消したのでしょうね」
何を言ってるのか分からない。
私が困惑した表情をすると、ダニエルはため息をついた。
私がもどかしくてため息をついているのではない。
彼は再び罪悪感のある表情をしていた。
「本来なら、私がミルドレッド・バンズ夫人の願いを聞き入れるべきでした。しかし、私はそうではありませんでした。加護は彼女の絶望に引かれてここに来て、数多くの絶望を噛み合ったはずです」
私は信じられないように尋ねる。
「この家には絶望がそんなに多いのですか?」
ダニエルは首をかしげて苦笑いした。
そして、私の手をこすって言った。
「今すぐだとアシュリーもいましたから」
なるほど。
フレッド・バンズの遺体を発見したという手紙に絶望したのはミルドレッドだけではないことを思い出した。
ミルドレッドは2人目の夫が死んだが、アシュリーは最後の残りの実父が死んだのだ。
「あくまでも私の推測ですが、おそらく正しいでしょう。加護はミルドレッド・バンズ夫人だけでなく、アシュリーの絶望も発見し、2人の願いを叶えるためにどこからかあなたを呼んできたのです」
アシュリーの願いが何なのか分かる気がする。
お母さんが、だから私があなたを捨てるなと言ったんじゃないかな。
それとも愛してくれるとか。
しかし、ミルドレッドの願いは何だったのだろうか。
「そしてたぶん・・・」
そこでダニエルの言葉が止まる。
多分何?
私が目を丸くすると、彼は私の視線を避けた。
そして、慎重に話した。
「加護は絶望に反応します。それがあなたのところに行ったということは・・・」
私が絶望したという意味だ。
とすんと心臓が弾んだ。
私は口を開けてダニエルをじっと見た。
私が?なんで?どうして?
いくら考えても思い出せない。
「お、覚えていません」
私は息を切らしながらダニエルにささやいた。
何の絶望をしたの?
私がどうして絶望したんだろう?
ダニエルは頭を上げて私を見上げ、再び視線を落とす。
そして小さくささやいた。
「私のせいです。最近あなたの調子があまり良くなかったのは。私があなたと加護の契約を引き受けようとしたんですよ」
「では、どうなるのですか?」
「私があなたを帰らせることができるようになります」
私はダニエルの長いまつげをぼんやりと見つめた。
気がついた。
私は最初から自分の元の世界に戻ろうとは思わなかったのだ。
それがおかしいという考えさえしなかった。
私の本来の状況が絶望的だったから、加護がそのように考えるようにしたかもしれない。
「だからあなたの記憶を消したのでしょう。私があなたを帰らせることができないように。あなたが名前を覚えられないように」
「それでは、もともと私が絶望したということですね?」
「はい」
ここはシンデレラの世界であっても、当時の状況ではない可能性が高いのですね。
そして、主人公の真実・・・。
主人公の過去に何があって、彼女は絶望したのでしょうか?
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