こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
今回は43話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
43話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- お父様と二人で③
遊ぼうと言ったので、私は父に計画があると思った。
ところが、仕事をしなくてもいいという言葉とは裏腹に、父は急いで執務室を整理して私に尋ねる。
「うちの末っ子、お父さんと何をして遊びたいですか?」
「なに・・・?」
ただ私はお父さんがしたいことをしたいんだけど。
これまで私が父にちょっと疎かだったので、きっと一緒にやりたいことがあるだろうと思った。
それに・・・。
(私はこんなことは決めたことがないのに・・・)
戦争で勝つ方法とか、反乱に成功する方法とかは、スラスラ優先順位まで決めて言えたんですけれども。
私は迷ってじっとしていれば、父が何かしようと決めてくれると思った。
姉と兄と遊ぶ時もいつもそうだから。
私が何かしようとしなくても、二人が楽しいことをいつも話してくれたんだもの。
何よりそっちの方がずっと楽しいだろうから。
私が良いことより、父がしたいことをしてほしかった。
しかし父はただ私を眺めてじっと待っている。
「お父さんはこうやってじっとしているのも楽しいんだ。だから何でも思い出したら話してみなさい、うちの末っ子」
すると、本当にソファーに座って私を抱いてじっと窓の外を眺めているのではないか。
(こんなことならいっそあそこにたくさん積もった仕事でもした方が良いと思うが)
私が話していない間に流れる時間が無駄に残念に思う。
しかし、父は採勤する考えもなく、ただ私の希望事項だけを辛抱強く待っている。
(私もただこうしているのもいいけど)
やっばりそれはもったいないと思う。
私が父と時間をあまり過ごさなかったのは、単に手をあまり握らなかったからではなかった。
(公爵様だからお忙しい時もあったんだよ)
母はよほどならいつもそばにいたが、父は一月の半分ほとお屋敷を留守にしていたものだから。
残りの半分も本当に数日を除いては朝と夜頃になってようやく顔を見ることができたし。
私は姉、兄としていたことを熱心に頭の中で思い出した。
『野外活動はだめだよ』
私を診察した主治医がそうだった。
『三日くらいは室内で暖かく過ごさなければなりません。熱は下がりましたが、まだ体が弱い状態ですから』
じゃあ、室内でできることを考えないといけないんだけど。
(お父さんと人形遊びをすることもできないじゃないか)
もっと家族と平凡な生活をした経験があったら、奇抜な遊びのネタを考えることができたのに。
こうなると分かっていたら時間を作って暇つぶしに家族小説とか読むべきだったかな。
一生懸命頭を働かせてみても、これといったことが思いつかないので、私は退屈な答えを出すしかなかった。
「ほ・・・む」
簡単ではない発音なので、私はとても念入りに口を開いた。
「本?」
「うん」
私はこれで父が一緒に本を読もうという意味をすぐわかってくれると思った。
それなのに。
「本で何をしようか?」
返ってきた質問に私はまた当惑した。
本で読むこと以外に他に何ができるの?
「本を積むこともできるし、うちの赤ちゃんにはまだ早いようだが、字の練習をしてみることもできるし、お母さんに怒られるだろうが、本で秘密基地も作れるよ」
え?
いや、どうしてそんなに突拍子もない方向に大げさになるんですか、お父さん。
しかし、いつもならすぐに気づいて行動してくれたはずの父が、今日はなんとなく断固としていた。
優しくないとかそういうわけではないが、なんとなく必ず私が言うことを望んでいるように見えるというか。
「それでうちの末っ子は何がしたいんだろう?」
本を読んでください。
少ない言葉なのに、今の私の舌の動きではとてもゆっくりと言わなければならなかった。
それで分かってくれと言うように本を手で指したが、父は知らんぷりをして問い返す。
本当にどうしたんだろう?
私がこれまで疎かにしてきたと意地悪をするんですか?
私は悔しがりながらも、思い切って口を開いた。
まだ発音がめちゃくちゃであまり話したくないのに!
「ほむ、よ、んで」
いろいろな努力をしてそう言った時、一瞬私の目を疑った。
なんとなく父がとても感動したように目頭を赤くして私の頭を撫でてくれたから。
「よく言えましたね、うちの末っ子」
そして私はまた怪しくなった。
どんな部分に感動て、また何を褒めているのか分からなくて。
でも理由も分からないのに私も一緒にじーんとなる。
それで私が父の胸に抱きつくと、小さな笑い声と共に本当によくやったように背中を軽く叩く手が後に続いた。
タウンハウス内にも子供たちのための図書館がある。
領地の邸宅に比べて規模は少なかったが、首都であるだけに最新刊のきれいな童話が多かった。
あるものは芸術作品に近いので、子供たちの手で勝手に扱われても大丈夫なのか心配になるほどだ。
「さて、何が見たいですか?」
そして父は図書館に来ても私に尋ねてくる。
何でも私が持ってくれば全部読んでくれたが、本人が本を選びはしなかった。
父の膝の上に座り、低い声で聴かせてくれる童話を聞く。
本を三冊ぐらい読んだ頃だろうか、父はなんとなく面白いという言い方をした。
「うちの末っ子はダミアンが幼い時よりもっと集中力がいいね」
私はその言葉にびっくりする。
「あなたと比較しようとしているんじゃない、ただ不思議だからだよ」
「ふ、ぎ?」
私の問いに父はそれもうまいというように、頭を撫でながらうなずいた。
「こんな時は本を読み終えるまで我慢できない場合が多いから」
父はそう言って、今度は姉の子供の頃を思い出して楽しく話した。
「ラウレンシアだけでも本をたった2ページぐらいめくったんだけど、私にこれ読んで、あれ読んで。と、別の本を持ってきたから」
すると、私をぎゅっと抱きしめる。
「こんなにじっと座ってもいなかったよ。うちの子供たちはどうして3人ともこんなに違うのか」
いくら経験のない国でも、今の父の言うことが否定的な意味ではないということはすぐに気づいた。
そもそも否定的な感情が混ざると紛らわしいこともないから。
その後も父は本を読み間かせ、単語を1つ1つ読めるように誘導した。
「これは何だっけ?お父さんが少し前に読んでくれたんですが、覚えていますか?」
「ホオアンイ」
「そう、トラです。うちの末っ子が一番好きなトラ」
一番好きなものではないんだけど。
しかし、あえて訂正はしなかった。
そうして本を何冊か読んだ時は、自分も知らないうちに父がちょっと止まっても単語を真似して話していた。
恐ろしい反復学習の力・・・!
一生懸命に読んでるからだろうか、それとも病気で起きたばかりだろうか。
夕焼けが揺れる頃、私はとても眠りがこぼれるのを感じた
体が揺れると、父親が低い笑い声とともに背中を軽くたたいた。
「うちの末っ子、声をたくさん聞かせてくれてありがとう」
うん?声・・・?
「お父さんが末っ子をいじめたわけじゃないのに、いじめられたと思ったらどうしよう?」
私はその言葉に、眠気が襲ってくる中でも、つぶやきながら答えた。
「違うよ・・・」
「本当に?うちのアナスタシアは優しいね」
優しいのはお父さんの方だと思うんだけど。.
そういえば、もうお父さんは誤解しないかな?
私がお父さんを他の家族に比べてあまり好きじゃないと思わないでほしいんだけど。
父親が聞くことにめちゃくちゃな発音だけに気を使っていたため、本来の目的は逹成できなかったようで、妙な気分だった。
こんなことはなかったのに・・・。
しかし、だんだんと眼の前に遠ざかりながら聞いた父の声は、私が本当に思いもよらない心配事であった。
「うちの末っ子もやりたいことがあるはずなのに、周りから先に言われてしまうみたいで」
違うよ、私はそれもすごく好きなんだけど。
お姉さんとお兄さんが私の話を横取りするのではなく、私のことを考えてそうしてくれるから。
遥かな意識の中で、私は何と答えてみたが、それが眠りの中で言ったのか、それとも本当に口の外に出たのか分からなかった。
いつもとは違う過ごし方。
公爵の誤解は解けたのでしょうか?
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