こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は112話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
112話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱出⑤
バン!
ドアは完全に壊れ、フランツは他の部下と一緒に部屋に押し入った。
いつもにっこりと微笑んでいたフランツの顔は、悪鬼のように醜く歪んでいる。
「素直に協力していただけるのであれば、悪事はしません、ユディットさん」
私はゆっくりと席から立ち上がった。
平気なふりをして、腰をまっすぐにしてフランツと堂々と向き合う。
「いいですよ。その代わりルカの安全は確保してください」
「叔母さん!」
ルカは反発するようにかっと叫んだ。
何とかフランツの接近を防ごうとするかのように、ルカは腰の短剣で手を伸ばした。
しかし、何度か腰を触っていたルカは、すぐに呆然とした顔をする。
短剣がなくなったからだ。
逃げている間にどこか落としたのではないだろうか。
ルカは自分を許せないかのように歯を食いしばった。
「私も甥っ子に悪いことをしたくない。いいよ。約束しよう」
嘘だ、詐欺師め。
自分の子供にも平気で悪いことをしておいて、お世辞をよく言う。
しかし、今はそれに露骨に反発することができない状況だった。
私はうなずいてフランツに近づく。
「叔母さん!」
ルカは私のスカートをつかんだが、私はわざと冷たくルカの手を振り払う。
気持ちがよくなかったが、仕方がなかった。
近づく私を見つめるフランツの悲しそうな笑顔が気持ち悪い。
吐き気を催そうとして何気ないふりをして表情を整えた。
フランツは従順な私の態度を喜びながら、元気な片方の手で私を引き寄せて抱きしめた。
彼の手がうずくまったようにくっついたが、実状は私を盾にしようとすることが感じられた。
そうしてフランツとぴったりくっついた瞬間、私はスカートに隠しておいた短剣を注意深く取り出す。
ドアが落ちていくのを見てルカを抱きしめていた間にこっそりと持ち出したルカの短剣だ。
短剣をフランツのわき腹に突き刺した。
「くぅ!な、何を・・・!」
「映画でこういう時は、必ずナイフをひねったんだ」
私は歯を食いしばって力を入れて短剣を捻る。
手にできた傷がずきずきと痛み、指先から抵抗感が感じられた。
しかし、このままフランツを処理できなければ、ルカと私が死ぬかもしれないと思うと、なかった力が湧いた。
「なんてこった!」
「クッ!」
フランツは私を床に叩きつける。
それからよろめきながらわき腹をつかんだ。
まともに刺したのか、彼のわき腹からは休むことなく血が流れ、彼の手は血で染まった。
フランツの体は大きく揺れる。
彼の唯一の片目は怒り、驚き、不信感に満ちていた。
「こんな・・・」
フランツはピストルを取り出した。
ピストルを握った手から血がぽたぽた落ちて床を濡らす。
「そうだね、いいよ。みんなで一緒に死んで終わらせよう」
銃口が私を狙った。
すべての気力を使い果たした私は、びくともできない。
ただ目を見開いたままのフランツを睨むだけ。
その時、ルカがフランツに向かって突撃した。
ルカの小さな体がフランツのふくらはぎに激突する。
フランツは引き金を引くのをやめてピストルを離した。
タン!
発射された弾丸がどこかに飛んで行き、ピストルは床に落ちる。
ルカはピストルに向かって手を伸ばした。
しかし、ルカの指先がピストルに触れる前、フランツの部下がピストルを足で蹴って遠くに送るのが先だった。
「小僧がこんなにちゃっかりしているのか?貧民街出身もこうではないだろう!」
部下が悪口とともにルカの髪の毛を握りしめる。
「ダメ!」
私はかっと叫んだ。
精一杯叫んでいるうちに息を飲んだ。
一言でも間違えればルカが死ぬかもしれない状況。
頭が真っ白になった。
私は息を切らして彼らに交渉の申し出をした。
「こんな状況になったのに、必ずフランツの肩を持たなければならないの?フランツを近衛兵に投げて減免してもらえるように交渉した方がいいんじゃない?」
フランツの部下は私の言葉にしばらく動揺しているようだった。
そして逆にフランツの怒りが空を突き刺す。
「ユ・・・ユディット・マイバウム!」
その時、遠くから聞こえてきた足音がだんだん近づいてきて、力強い男たちの声が聞こえた。
「みんな、動くな!」
「フランツ・バーケンレース!あなたを王族拉致罪及び王宮無断侵入罪、爆発物所持罪、反逆罪で逮捕する!素直に投降しなければ即殺だ。もう一度言う。素直に投降しなければ即殺だ!」
すべてが終わりだ。
フランツの部下は素早く視線を交わす。
ルカの髪の毛をつかんでいた人が手を解き、私たちに背を向けたままフランツを包み始めた。
形勢が逆転した。
「<ぅ・・・この恩も知らない犬のような奴らが・・・!」
フランツは怒りに満ちた目であたりを見渡し、突然狂人のように笑い出した。
「ははは!」
彼はひょいと手を上げた。
彼の左手には銃が握られていた。
さっき銃は床に落ちたはずなのに。
しかし、すぐに状況に気づいた。
片腕なので弾倉を替えるのが大変なので、銃を余分にもう一つ持っていたようだ。
「私が一人で死ぬことはないと言った!」
フランツが銃を私たちの方へ突き出す。
私?ルカ?
フランツの銃口は不安そうに揺れた。
覗界がゆるくなり、フランツの手が引き金を引く姿がゆっくりと見えた。
背筋を伝って登った鳥肌が立つ。
全身を支配した。
タン!
銃声が部屋の中を鳴らした。
「クフッ!」
ところが、いざ血を吐いたのはフランツだった。
驚愕で目を見開いた彼の胸が、徐々に赤い血で染まっていく。
フランツの体は床に崩れ落ちた。
その後、遠くから銃を持っているリューディガーの姿が見えた。
彼の銃からは火薬の煙がぼやけていた。
固く閉ざされた口元と固いあごから、彼が私のことをとれほど心配していたかが感じられる。
リューディガーと目を合わせた私は、もうすべてが終わったという安堵感に明るく笑った。
しかし、リューディガーは目を大きく見開いた。
青ざめた彼の顔は恐怖で満ちていた。
なぜ?
「ユディットさん!」
リューディガーは私の名前を叫びながら走ってきた。
何であんなに焦るんだろう。
ゆっくりと頭を下げた。
「あれ・・・?」
ほこりで汚れたドレスの裾に赤い血がにじんでいた。
さっきフランツのわき腹を刺した時についた血かと思い、思わずわき腹に手を移す。
わき腹がひりひりした。
フランツが倒れる直前に撃った銃弾に当たったようだ。
あまりにも緊張で張り切っていたため、銃に撃たれた苦痛さえまともに認知できなかったようだった。
遅ればせながら苦痛が押し寄せてくる。
汽車で銃弾をかすめた時とは次元が違った。
「ウウッ・・・」
「叔母さん!」
そばにいたルカもやっと事態に気づいたのか顔色が真っ青になる。
足の力が抜けた。
私はどっかり腰を下ろし、ルカとリューディガーが走ってくる気配を感じた。
誰かが私を抱き上げたが、ぼんやりと曇った目には何も見えない。
「大丈夫?しっかりしろ!」
「ユディットさん、私の声は聞こえますか?ユディットさん!」
ルカとリューディガーが何度も私を呼んでいるようだったが、そのすべてが彼岸の向こうから聞こえてくるようにぼんやりと感じられた。
これで本当に終わりだ。
それでもちょっと気楽に気絶できるね。
銃傷を負った状況だったが、すっきりした気持ちで私はにっこり笑った。
「このバカ、なんで笑うんだよ!」
「ユディットさん?しっかりしてください。気絶してはいけません。ユディットさん!」
2人はどうにかして私の気を引き締めさせようと努力したが、今日一日中緊張したせいか疲れがあふれ出るようにあふれた。
私はゆっくりと瞬きをして、とうとう気が動転した。
私をゆっくりと襲ってきた車の後部ライト。
突然路地から飛び出した車を見つけたときは、すでに足を踏み入れていた瞬間だった。
やっと減速した車は、私の目の前で止まる。
でもびっくりした私は後ずさりして、結局そのまま道路にどっかりと転んでしまった。
「前をちゃんと見て回れよ!」
「すみません!」
いくら信号のない踏切とはいえ、私の過ちもあった。
一緒に3次会に行く友逹が心配そうに尋ねる。
「大丈夫?」
「う、うん。酔いがさめたわ」
私は首を横に振った。
「今日の調子が全然良くないんだけど。私、3次会はパス」
「そうだね。帰ってちょっと休んで」
「うん。またね。いい週末を過ごしてね」
友逹にあいさつをした私は家に帰ってきた。
酔いがさめたと思ったが、翌日の二日酔いは依然として続いた。
その後は出勤して、上司に怒られて、渋滞で地団太を踏んで、映画館で見て後悔するほどうんざりした映画、いつもと変わらず過ぎ去った私の誕生日、両親の還暦、生まれて初めて行った海外旅行。
そのように一日一日を生きていく姿がパノラマのようにひらひらと通り過ぎていく。
そのように記憶を振り返っているうちに、私は自分が一度も「冬の森の主」という小説を読んだことがなかったことに気づいた。
その後、私は平凡な死を迎えた。
他人が普通に死を考えると思い浮かぶような死だ。
病室に横になって呼吸器に依存して人生を支えていた私の心臓の鼓動が止まった。
そうして生を終えた私が再び目を覚ました時は、生まれ変わった後だった。
赤ん坊の視野が焦点をまともにつかむまではしばらくかかったが、記憶の中を浮遊する私としては早送りをしたようにすぐに過ぎた。
赤ちゃんの目に映った家は、お世辞でもいいとは言えないものだった。
古びた軒。
梁にすわったほこり。
そして、粗末な家とは全く似合わない外見のお父さんとお母さん。
そしてお姉さん。
初対面の人だろうが、彼らは私の記憶にはっきりと刻まれていた。
「あ・・・」
これが私の生まれ変わりなら。
すると、すべてを悟った私は、ぽつりぽつりとため息をついた。
憑依ではなかった。
私がまさにユディットだったのだ。
ユディットは無事なのでしょうか?
そして衝撃の事実。
主人公は憑依してユディットになったのではないのですね。
では、なぜユディットはルカの未来を知っていたのでしょうか?
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