こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は115話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
115話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 幸福が訪れる春②
「リュディガーさんはどうやって近衛兵たちを率いて来たんですか?先王殿下がリュディガーさんに下された謹慎を解いてくださったんですか?」
「先王殿下は、ユディットさんが拉致されたという知らせを聞いて、気絶しました。おかげさまで邪魔者がなくて仕事の処理が早かったです」
「・・・」
老衰した老人が気絶したというが、一抹の心配もない涼しい態度を見ると、私の前にいる人がリュディガーなのだと思った。
(泣きすぎてちょっとこんがらがったんだけどね)
私がそう思っているとは夢にも知らないリューディガーは平気で話を続ける。
「イザベラと言いましたか。ユディットさんが収めた」
「はい。そうだ、イザベラは今大丈夫ですか?」
「命に別状はありませんが、休息が必要な状態です」
「よかった・・・」
私は安堵のため息をつく。
イザベラがどうなったのか、ずっと心の中にとげのようにつまずいたが、今になって安心することができた。
「そのイザベラという女中がやっと気を取り、ユディットさんが拉致されたという事実を知らせたおかげで、すぐに非常事態が宣言されました。そのおかげで立ち入り禁止令も一時的に取り消されたのです。そのおかげで、私がユディットさんの拉致の知らせを聞くことになったのです」
「私が拉致されたことを知ってもすぐに訪ねてくるのが容易ではなかったはずなのに・・・」
「はい、貧民街は私でも容易ではないところですから。ルカがいなかったら・・・何が起こったのか考えるのも嫌ですね」
リューディガーの顔が沈重に沈んだ。
すでに終わったことなのに、最悪を察して固く閉ざされた青灰色の瞳は絶望に満ちている。
「しかし、ルカが貧民街についていくらよく知っているとしても、快くルカを前面に出すのは簡単なことではないでしょう」
いくらルカが賢くても、他人が見るには10歳の子供だった。
その上、首都に上京したばかりの子供がブルーイェンの貧民街に対して詳しいということは簡単に信じがたいことだ。
「ルカはユディットさんのことに関しては、無駄なことを言ったことがないじゃないですか。いつも本気でした」
「おじさんは藁にもすがってみようという気持ちだっただけじゃないか」
聞いていたルカがぶつぶつ言った。
そういえば、私が拉致されている間、ルカがリュディガーを叔父と呼んでいたよね。
拉致された時は状況が状況なので聞くことができなかったが、今は大丈夫だろうと思った私はそれとなく尋ねた。
「そういえばルカ、どうしてリュディガーさんをおじさんと呼び始めたの?」
「・・・」
ルカは再び口をつぐんだ。
拉致された小部屋で聞いた時と同じ、あまり答えたくないというような反応だ。
「私もそれが気になっていました。ルカはいつも私に敵わないと思っていたし・・・今回のことでルカに点数が削られてもしっかり削られたと思いましたが・・・」
フランツを逃したことがそれほど気になったのか、リュディガーはずっと自責の念に満ちた独り言を続けた。
そんなリュディガーを眺めていたルカの覗線がしばらく底を向く。
話すにも勇気が要る。
しばらくしてやっと考えが整理されたように、ルカが静かに呟いた。
「私が今までおじさんと呼ばなかったのは、おじさんが不満だっただけだからじゃない」
不満だけではないという話であれば、不満でもあったという話だが・・・。
しばらく言いがかりをつけたい気持ちが突然沸き上がったが、私は口をぎゅっと閉じた。
まあ、しばらく流れてきたルカの記憶から推測すると、ルカがリュディガーに私感が多いのも十分に理解できることでもあったし。
「叔父さんは私がヨナスの唯一の子だからよくしてあげようとした。実の子のように思うとも言った。私に責任を果たそうと思って。私がヨナスの子だから。私がまた別のヴィンターヴァルトだから」
「・・・」
リューディガーは静かにルカの話に耳を傾けている。
ルカはリュディガーを見つめた。
これまで余裕満々だった幼い顔が悲しみで歪んでいた。
勇気を出して話を切り開いたにもかかわらず、依然として容易なことではないようにルカはしばらくためらった。
それだけ言いにくいことなのだろうか?
ルカはまるで告解でもするかのようにやっと話を切り出した。
「でも・・・私はヴィンターヴァルトじゃない」
ルカの言葉は青天の露震のようだった。
ルカについて他の人より多いことを知っている私としても初めて聞く言葉だ。
ルカの言葉を理解できなかった私は目だけ大きく開ける。
ルカはどう見てもヨナスの子供であり、ヨナスもヴァネッサに似ていると言った。
そんなルカがヴィンターヴァルトじゃないなんて・・・。
まさか。
私は布団を握りしめる。
これまで秘密として残されていた先代の真実が手に取るようにちらついた。
口火を切るのが問題で、その後は簡単だった。
ためらっていたのが嘘のように、ルカは次々と話を続ける。
「私が叔父さんを叔父さんと呼ばなかったのは、叔父さんが私の叔父さんではないからだ。私たちは血一滴も混ざっていないから」
「・・・」
「叔父さんが兄だと思っているヨナスは、そもそもヴィンターヴァルト家の血筋ではなかった。ヴィンターヴァルト公爵は私の祖父ではない」
小説の、いや、ルカの人生の一番大きな分岐点は、まさにリュディガーがヴィンターヴァルトの後継者としてルカを連れて行くために現れた時だ。
その根源が最初から間違っていたという事実を明らかにするのはどんな気持ちだろうか?
そして・・・30年間兄と信じてきたヨナスが実兄ではなかったという事実を、幼い甥の口から聞くリューディガーの心情はどうだろうか。
リューディガーの顔はいつものように淡々としていた。
しかし、その中がいつものように静かなのか、それとも嵐が吹き荒れるように落ち着かないのかは全く見当がつかない。
二人の間の激しい綱引きのような雰囲気の中で、私は口をぎゅっと閉じて様子を見た。
「叔父さんは甥だと信じていた人のために命をかけたが、私はリューディガー・ヴィンターヴァルトを・・・叔父さんと呼ぶ資格のない人だ。そう思って今までおじさんと呼ばなかったんだ」
「・・・」
虚心坦懐に事実を打ち明けたルカはすっきりするように見えた。
すべてを手から離してしまったようなすっきりした微笑は、今までルカがどれほど心の中に多くのものを積み上げていたかが感じられて残念だった。
自分のために死んだおじさん。
しかし、いざ彼とは血が続かなかった。
その事実に気づいた時のルカがどれほど絶望し、後悔したか、私はただ推測するだけだった。
「だから私はヴィンターヴァルトの後継者にはなれない。今まではヴィンターヴァルトの後継者の位置でフランツをけん制しなければならなかったのでわざわざ明かさなかったが・・・。フランツを処理したのだから、この事実を明らかにして後継者の座を下ろすだろう。ヴィンターヴァルトですべきことはすべて終わった」
ルカは当初、ヴィンターヴァルトにそれほど長く滞在するつもりがなかったことは明らかだった。
ヴィンターヴァルトで他の人たちとの関係は疎かにしたまま情報だけをかき集めたことが今になって理解できる。
だけど・・・。
「なぜ、今まで血縁じゃないからおじさんと呼ばなかったのに、今になって急に心を変えた理由が何なのか気になるの?」
「・・・」
正解だ。
私の気持ちを読んだようなルカの質問に私は口をぎゅっと閉じた。
ルカはそんな私を見てくすくす笑い、すぐに笑みを浮かべる。
「おばさんの言うことが正しかったんだ」
「うん?私の話?」
「人のことを全部知ることはできないって」
うん、確かに私はそんなことを言った。
ルカがなぜそんなにリュディガーに壁を作るのか分からなかった時だったからできた、そのような忠告だ。
「叔母さんが拉致されたという知らせを聞いて王宮に到着した叔父さんは・・・私が知っていると思ったリューディガー・ヴィンターヴァルトではなかった。冷静で、いつも余裕があり、愛を知らない・・・そんな人とは決して思えない姿だった」
ルカがヴィンターヴァルトではないという真実。
リューディガーは何を思っているのでしょうか?
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