こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は140話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
140話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 展示会②
「いらっしゃいませ。モーガン伯爵、伯爵夫人」
ほのかな音楽が演奏されると同時に、少し早く到着したお客さんが入ってきた。
招待状に書いた時間より30分も早い。
私は年配の伯爵夫妻にお辞儀をし、二人を中に案内した。
「病院なんて新鮮ですね」
伯爵夫人の言葉に私はにっこり笑って説明する。
「男爵様が普段、困っている人たちを助けることに関心があったようです。私たちは病院に来ることがないので、直接来るようなことを作れば病院が後援されやすいのではないかと思ってここに決めました」
伯爵夫人の表情が少しおかしくなろうとしたが、再び元に戻った。
彼女はあたりを見回しながらうなずく。
「そうです。私たちはこんな所に来ることがないですね。来る前に他の建物を通り過ぎましたが、古いですね」
工事前のこの建物を見たならもっと驚いたでしょうね。
私はそう思って、カイラの絵だけを展示した壁に2人を案内する。
「それで後援を要請したらどうかと思いました。ああ、もちろん、この建物は招待状を回す前にほとんど建て直しましたので、心配しないでください」
どうしても病院という場所が不安だったのか、あたりを見回した伯爵が私の言葉にどぎまぎして微笑んだ。
確かに、病院はそれほど人気のある場所ではないようだ。
招待したのがダニエルだから来たのであって、他の人が招待したとすれば来なかったと思う。
入口から不安そうな表情で入ってくる人もいた。
私はダニエルのそばに忍び寄る。
彼も来る人たちを迎えていた。
「場所が病院でなかったら、もっと多くの人が来ていたはずですが」
「今も十分に多いですよ」
確かにそうだね。
私はいつの間にか列に並んでいる人たちに視線を向けた。
ルーインは玄関に立って招待状を確認していた。
「しかし、より多くの人が来てこそ、より多くの後援を受けることができるのではないでしょうか?」
ダニエルは私の質問ににっこりと笑う。
「病院であるにもかかわらず招待を受け入れたということは、病院に敵対的でない人か、私に好意を持った人である可能性が高いです。後援はその二つの部類の人がします」
それもその通りだね。
通りすがりの男爵に微笑み、ダニエルにうなずいた。
どうせ後援する人は決まっている。
病院という場所は、そのような人をろ過するフィルターになりかねない。
「お母さん」
その時、アイリスが私に近づいてきた。
彼女は最近王子妃候補に上がったことで多くの人々と挨拶をしていたところだ。
私はちょうど入ってきたスチューワード伯爵と伯爵夫人に挨拶した後だった。
「どうしたの?」
私の質問にアイリスが固い表情で遠くのステューワード伯爵夫妻を見る。
伯爵夫人と何かあったのか?
私はダニエルに挨拶した後、私に挨拶していた伯爵夫人の態度を思い出し、首をかしげた。
ステュワード伯爵夫人はどことなく急いでいた。
招待されたので出席はしたが、急用でもあるような様子だ。
「今の彼女は誰ですか?」
「彼女?スチューワード伯爵夫人?」
アイリスは、スチューワード伯爵夫妻が内側に入るのを見た後、私をつかんで片方に向かった。
彼女は最も少ない絵の前まで進み、しばらく考えているような表情をした。
「どうしたの?伯爵夫人があなたに何か言った?」
そうとは思えない。
伯爵夫人はアイリスと同年代のように見えた。
実際にはアイリスより6歳ぐらい上だろう。
しかし、それだけだ。
彼女はすでに結婚しており、私の知る限りではアイリスと接点がない。
「前にその夫人と何かあったのですが。気持ち悪くてすぐ忘れてしまったんですよ」
どういうこと?
私がそれはどういうことかという表情をすると、アイリスが首を回して周辺を見回した。
そうしてまた私を振り向いて囁く。
「大したことではないかもしれませんが、最近アシュリーの件もあって」
「アイリス、私があなたの言うことを無視したり、大したことないと言ったことがある?」
私の言葉にアイリスの顔に安堵の笑みが浮かんだ。
彼女は声を少し大きくして言った。
「前に、だからケイシー卿のギャラリーに行った時、あの女の人が私に声をかけたんです」
アイリスの説明が続いた。
ステュワード伯爵夫人が彼女に近づき、変なことを言ったというのだ。
お互いにレベルの合う人同士で結婚しなけれはならないとか。
彼女のそばにいる人はずいぶん前から好きな人がいたとか。
「あまりにも戸惑ってしまって。そうじゃないですか?一度も見たことない女性が私に急にそんなことを言うから・・・」
当然だ。
私はうなずいてアイリスの腕をつかんだ。
少し興奮していたアイリスは、私が自分の気持ちに共感すると、再び落ち着きを取り戻した。
そして顔を赤らめながら言った。
「私は伯爵夫人が言う人がリアンだと思いました」
「リアンじゃなかったの?」
アイリスは私の質問に唇をかんだ。
リアンじゃなかったんだろうね。
考えてみると、リアンはちょっと分別がないが、好きな女性が別にいたとして、アイリスにプロポーズするほど暴れん坊ではない。
それに万がーでもそんな暴れん坊なら、城で皇太子妃候補を選ぶのではなく、好きな女性と結婚させただろう。
では、スチュワード伯爵夫人は一体なぜアイリスにそんなことを言ったのだろうか。
私がじっくり考えて何も言わないと、アイリスが恥ずかしそうに顔を包みながら言った。
「わかりません。私の名前を知っていたんです。それに喧嘩腰でかっとなって・・・」
まさかケンカしたのか?
私はどうしても喧嘩したのかと聞くことができず、アイリスの顔を見る。
彼女はぶつぶつ話を続けた。
「ちょっと言い争いをしました」
「あ、うん・・・」
何て言えばいいんだろう?
人が生きていると口喧嘩くらいはすることもあるよね?
よくやった?
しかし、私が何かを言う前に、アイリスは顔を上げ、真剣な表情で再び話した。
「でも、考えてみたらおかしいんです。あの女性が言ったのがリアンなら、その子はどうして王子妃候補を選んで試験を受けるんですか?」
「そうだね」
「それに、私はあの時リアンが王子だということも知らなかったんです」
何だって?
じゃあ、なんでリアンを断ったの?
私は驚いてアイリスを見て、すぐにウェブスター卿のことを思い出した。
そうだ、彼女は妹たちの責任を取るべきだと思っていた。
その時、アイリスが知っていたリアンは没落貴族だったし。
私は何も言わずにアイリスを見つめていた。
アイリスがかわいそうになった。
彼女がリアンを断ったのは私とフレッドのせいだ。
私がフレッドと結婚しなかったら、彼が私の財産を持って去って死ななかったら、アイリスは豊かではなくても余裕があっただろうし、没落貴族として知っていたリアンのプロポーズを喜んで受け入れただろう。
簡単だったはずの道が、私のために曲がりくねった道になったと思うと、罪悪感が浮かんだ。
私は黙ってアイリスの手を握る。
「伯爵夫人が何か勘違いしたようですが、それが話す人を勘違いしたのではないようです」
「話す人?」
「私の名前を知っていました。会ったこともないのにですよ?」
会ってすぐに「バーンズさんってアイリスを呼んだ」と話した。
私はしばらく考えてから尋ねる。
「伯爵夫人の周りの人も知らないの?」
「私は伯爵夫人の友人どころか、家族も誰だか知りません」
本当に変なことだね。
アイリスがなぜ気に障りながら私に話したのかわかった。
私は眉をひそめて胸の前で腕を組んだ。
私もスチュワード伯爵家とは一面識もない。
まさかダニエルを知ってるのかな?
それともリリーかアシュリーが知っているかもしれない。
私はアイリスの肩を抱き締めながら言った。
「大したことじゃないと思う。男爵様と話してみるわ」
何か手違いがあったに違いない。
不安な表情だったアイリスは、一層軽くなった顔でうなずいた。
彼女を慰めるために言った言葉だが、本当にそう思ったりもする。
大したことないだろう。
私は引き下がるアイリスを見て、近くに立って絵を見ている人に頭を向けた。
アイリスと話していたので、お客さんと挨拶ができなかった。
それだけ埋め合わせるべきだった。
スチュワード伯爵夫人がアイリスを知っていたのはなぜ?
本当に大したことのない出来事なのでしょうか?
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