こんにちは、ピッコです。
「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。
今回は46話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
46話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- トーナメント②
エイデンが伝えてくれた招待状に応じるのか、それとも自宅で休んで旅の疲れを癒すのか?
「グレン、どうしますか?必ず参加する必要はありません」
「うちの家門の騎士の中で試合に出る人がいるのか?」
彼に答えたのはナディアではない他の人だった。
「あ、はい。私が出ることにしました」
まさに騎士団の末っ子、ファビアンだ。
ファビアンをじっと見つめていたグレンがため息と共に答える。
「・・・行かないわけにはいかないね」
試合に出る家臣がいるのに、当主が参観しないなんて。
そうすると当主の顔が酷く潰れるだろう。
それでグレンは試合を観戦するという返事を書いて送った。
時間が流れ、いつの間にか試合当日。
侯爵家一行はトーナメントを見物するためにコロシアムにたどり着く。
巨大な建築物の大きさに何人かの家臣が口を開いた。
「ほとんど砦のようですね」
「トーナメントといっても年に1、2回開かれるはずなのに、その間こんな大きな建物をどこに使うというんですか?」
それに答えたのはナディアだ。
「剣闘士の試合が開かれる時に使う。首都は剣闘場文化が発逹しているんだ。一日でも休む日がないほど賑やかよ」
「ああ・・・剣闘士たちが」
その時グレンは口を開いた。
「よく来たようだね」
「頻繁に・・・ではありません。お父さんの後を追って時々来たりしました。自意ではなかったのですが。血が飛び散る姿をあえてお金を使いながらまで見たくはないから」
本来なら参観客席は足の踏み場もなくいっぱいになっていただろうが、今日の試合は騎士間の決闘なので観客の立場が厳格に制限されている。
貴族か、あるいは貴族に準ずる名誉と富を持つ者、そして彼らが使う使用人。
だからといって、大きな空間が色あせるほどがらんとしているわけではなかった。
王の誕生年のおかげで、全国各地から貴族たちが上京したおかげだ。
中でも普通の座席とは別の上座が存在したが、王族と大領主が位置しというところだった。
当然のことながら、ナディアとグレンも上座に案内される。
周りを見回すとみんな知っている顔だ。
だから、見たくない人たちまで参加していたという話だった。
だから来るのが嫌だったんだけと。
「ナディア、やっと会えたね」
「お父様」
誰が座席配匿をしたかは分からないが、バラジット家とはかなり近い距離だった。
ナディアはにっこり笑って言った。
「さすがですね。こんな競技がお好きだから」
「うちの家門でも試合に出る人がいるからだ。来ないわけにはいかなかった」
「そうですか。どなたですか?」
「それは見れば分かるだろう」
実はあまり気にならなかった。
2人は他の人たちの挨拶を一つ一つ受け入れた後、元の位置に戻る。
試合時間が迫ってくると、国王をはじめとする王族まで到着する。
国王夫妻、王女1人、そして王子2人。
暗い黒髪の男が第2王子リアム、そして明るい金髪の男が第1王子のフレイだった。
あの中の一人、いや、二人には用件があるが・・・。
(もう近づくのはちょっと性急だね)
性急に考えてはうまくいかないものだ。
席を立って王族に対する礼遇を示した彼女は、すぐに再び競技場に視線を向ける。
いつの間にか最初の試合が始まっていた。
両者とも最初に名前を聞いた騎士だ。
グレンは彼女にささやいた。
「退屈な顔だね」
「実際に退屈ですからね。言ったじゃないですか。血が飛び散る姿をあえて見物する趣味はないと。私以外の貴婦人たちも同じでしょう」
「でも、こういうのは興味深いんじゃない?今日の優勝者が誰に黄金のバラを捧げるのか、という問題がね」
「ああ、そういえば・・・」
忘れていたことを思い出したが、興味がわかないのは相変わらずだった。
これまでトーナメントの「黄金のバラ」は、自分とは程遠い話だったからだ。
優勝した騎士は自分のレディーに黄金のバラを捧げる権利が与えられるが、普通、自分の妻や婚約者にそれを捧げたりした。
未婚なら、私が仕える主君の夫人や娘、あるいはその場で最も身分の高い女性に捧げるのが慣例だ。
言い換えれば、誰が優勝しても「黄金のバラ」がナディアの手に入る可能性は限りなく低いという意味だった。
バラジット家の騎士が優勝したとしても、黄金のバラはカレインのものになるはずだから。
(そういえば以前、カレインは実際に黄金のバラを貰ったことがあったよね)
多分17歳の時だったかな?
羨ましいという気持ちがなかったら嘘だろう。
黄金のバラそのものよりは、あの子があまりにも当たり前のように享受する待遇や関心のようなものが羨ましかった。
嫡女は嫡女、庶女は庶女。
自分のものになれないものを欲しがってはいけないととっくに諦めたが、それでも時々羨ましい気持ちになるのは仕方がなかった。
「今年の黄金バラの持ち主は誰になるのか気になりますね」
「貰いたいと思ったことはないのか?」
「黄金のバラといっても値段にしてはいくらもしないじゃないですか。特に興味はありません」
言葉はそうだが瞬間的に目元に苦い残念な気配が通り過ぎるのは仕方なかった。
彼女の気持ちの正確な原因は分からなかったが,一つ確かなことがあった。
「関心がない」という言葉が嘘だということ。
(・・・こんなことになると分かっていたら、私が代わりに出て行っていたのに)
ファビアンの実力では優勝を狙うことは難しいだろうから。
後になって後悔したが、すでに去った船だ。
やむを得ず次の機会を狙うしかない。
「侯爵様、もうファビアンの番です」
「いよいよか」
ちょうど競技場の中に見慣れた顔が入ってきたので、2人の会話は自然に中断された。
緊張の色が漂い始める。
「ウィンターフェル侯爵家の家臣、レサード・ノックス準男爵の息子、ファビアン・ノックス卿!」
名前が呼ばれると同時にヘルメットの覆いを下ろしたので、ナディアはもう自分の護衛の顔を見ることができなかった。
騎士同士の決闘に興味がない彼女だったが、今回の試合だけは集中して見守らなければならなかった。
怪我をするのではないかと心配になったためだ。
しかし、彼女の心配が顔負けするほど、ファビアンはたった10合で勝利を収めた。
「あいつなかなかだな」
「そうなんですよ。あんなに飛び回るとは思わなかった」
「決勝まで行けるんじゃないかな?」
「大幸運が伴えは優勝まで狙うのも・・・」
「いや、それは出すぎた」
「もし、もしファビアンが優勝したら・・・黄金のバラは誰のものになるでしょうか?」
誰かが当たり前のことをなぜ聞くのかというように笑いながら答えた。
「当然奥様のものだろう。当たり前のことをどうして聞く?あいつ、恋人も婚約者もいないじゃないか」
「片思いの女性はいるかもしれませんね」
「そんなのないよ。確かだよ」
口ではそう言うが、彼らの中で真剣に優勝を期待する人は誰もいなかった。
ただ退屈な中でおしゃべりができて嬉しいだけ。
みんなが浮かれてファビアンの決勝まで出られる可能性を占っている時だった。
対戦表をのぞき込んでいた1人の騎士が口を開いた。
「あれ、優勝はちょっと難しそうですね?」
「なんで?」
「ここの対戦表を見てください。この対戦表のとおりなら、次の競技でタクミ卿に会います」
「・・・」
「おそらくパラジット家を代表して出てきたのでしょう」
家臣たちの間でしばらく沈黙が流れる。
彼らの多くはグレンと共にカラアイ遠征に参戦した人々だった。
つまり、両目で直接彼の実力を目撃したという意味だ。
短い沈黙を破って誰かが口を開いた。
「なんで出てきたの?こんな試合に出る立場ではないんですが」
「どうなんだろう」
それはナディアも不思議な点だった。
(タクミがトーナメントに出たことがあったっけ?)
過去の人生で言えば、この時期のトーナメントは婚約後に行われた試合だった。
もし過去にも彼がこの試合に出ていたら、覚えていないはずがなかった。
(もしかしたら私と婚約できなかったのがバタフライ効果になって試合に出るようになったのかもしれない)
どんな理由があっても彼女の気にするところではなかった。
もしかしたら、自分の履歴にトーナメントで優勝したことを付け加えたかったのかもしれない。
そうする中でもトーナメントは継続して行われ、いつの間にかファビアンの次の試合が始まる番だった。
トーナメントにタクミが出る理由は?
ファビアンと対決する可能性も?
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