こんにちは、ピッコです。
「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。
今回は48話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
48話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- トーナメント④
予想外のイベントだったが場内の雰囲気は肯定的だった。
たびたびライバルと比較されていた二人の決闘を直接見ることができるなんて。
そこに行ってこんな見物をするというのか?
「どちらが勝つと思いますか?」
「そうですね。よくわかりませんが、私はウィンターフェル侯爵のほうが・・・」
「タクミ卿はドラゴンを倒した英雄じゃないですか。私はタクミ卿に一票を投じます」
「今日あった試合の中で一番興味深いな」
しかもウィンターフェル家の家臣までちょうどよかったそうで、この機会に鼻筋をつぶして声援していた。
どうやらこの決闘が気に入らないのは私一人のようだ。
ナディアは深いため息をつく。
止めたい気持ちが山々だったが・・・。
(ここまで来た以上は噛めませんね)
この状況で試合をキャンセルできるわけがない。
タクミの計略に巻き込まれたと思うと気分があまり良くなかった。
しかも、決闘中に発生する負傷は相手の責任を問うことができないため、心配が先立つしかない。
「お体に気をつけてください。絶対に怪我をしてはいけません。そしてこれを・・・どうせ迷信なのは知っていますが」
そう言ってナディアが取り出したのは白いハンカチだった。
端っこに自分の名前のイニシャルが刺繍されたハンカチ。
「戦場に出る時、妻からもらった物を身につけると、幸運が訪れるという言葉があるじゃないですか」
「・・・」
「何をためらっているんですか?早く受け取ってください」
躊躇うような態度に、彼女はハンカチを持った手をさらに突き出した。
気のせいか、グレンの頬が少し赤くなったような気もする。
ついにハンカチを受け取ったグレンは口を開いた。
「ありがたく受けるよ。しかし、心配しなくてもいい。私はむしろ今の状況が嬉しいから」
「え?何がですか?」
ナディアは目を丸くして尋ねたが、グレンは意味深長に笑うだけで答えてくれなかった。
その時、鎧を持ってきた使用人たちが世話をし始めたので、彼女は仕方なく数歩退かなければならなかった。
ファビアンが言った。
「奥様、とりあえず客席にお帰りください」
「・・・そうね」
どうせここまで来たからには、彼の勝利を祈るしかない。
ナディアは使用人たちと一緒に元の場所に戻った。
準備を終えたグレンが競技場の上に上がってきた時、タクミはすでにずっと前から待っていた状態だ。
しかし、彼はグレンを見つめていなかった。
彼が見つめるのはグレンではなく、グレンの肩にぶら下がったハンカチ。
あまりにも露骨な視線なので、かなり距離が離れているにもかかわらず、知らないふりをすることができない。
「・・・ほう?」
最初はただの騎士としての好勝心かと思った。
噂が広まっている異邦人の騎士と一度は競ってみたいという考えは、グレンも思っていたことだから。
だが、ハンカチを眺める彼の目つきに向き合う瞬間、ある直感が頭をもたげた。
それは本能的な不快感。
グレンは不快感を確認するためにまず口を開いた。
「一つ聞きたいことがあるんだけど」
「私が答えられるのなら、お答えします」
「もし勝ったら、どのレディーにバラを捧げるの?卿には妻も婚約者もいないと聞いているが」
「私の主君の娘さんであるレディー・カレインに捧げるのが正しいでしょうが・・・私の突然の申し出で驚いた侯爵夫人に慰労の意味で差し上げるようにします」
「は」
結局、グレンの口から短くそら笑いが出てしまった。
どうやら自分に決闘を申し込んだ理由は、騎士としての好勝心ではなく、恋敵としての敵憮心のようだ。
「卿の故郷は東大陸だと言ったのか?」
「いいえ。東大陸よりはるかに遠いところです」
「東大陸でもどこでもいい。私が忠告を一つしよう」
「忠告?」
「卿の故郷ではどうか分からないが、この国で他人の妻を見くびると、刀の針を避けることができなくなるだろう。まさに今日みたいにね」
すると、タクミが眉をつり上げる。
「急にそんな話がどうして出てくるのか分かりませんが」
「それを敢えて自分の口で言ってくれなければならないのか?すでに本人がもっとよく知っているはずなのに」
「・・・」
彼はしばらく黙っていたが、すぐに口角を上げた。
非常に人為的な笑みだ。
「侯爵の忠告は心に刻んでおきましょう。お礼に私も一つお知らせしたいです。子供のいない夫婦は本物の夫婦ではありません。それはつまり、離婚が非常に簡単だという意味です」
タクミは笑いながら皮肉を言った。
「まさか公爵様が貴重な娘さんを一生劣悪な一つの北部に打ち込んでおくと思ったのではないでしょう?」
「・・・」
離婚。
それはグレンの病気だった。
ナディアからすべてが終わったら離婚してくれると言われたのがつい最近のことだったので。
しかし、このまま黙っているわけにはいかなかった。
「私との結婚を選んだのは公爵ではなく、ナディア本人だということをまさか知らないのか?」
「・・・」
グレンはそれまで知らなかったが、それはタクミの最も痛い部分。
公爵から聞いた言葉が彼の傷をかき分ける。
凱旋式の直前に婚約が覆されたのは、他でもないナディア本人の選択だったからだ。
「勝手に考えてください。どうせ結婚生活は長くないでしょうから、今楽しんでおいた方がいいでしょう」
「卿こそ今勝手に騒ぎ立てておけ。この試合が終わった後はそうできないだろうから」
「・・・」
「・・・」
会話はそれで終わりだった。
競技場の上を霜降りのような寒さが漂う。
チェン!
2人が同時に剣を抜くと、客席から歓声と拍手の声が沸き起こった。
まもなく巨大な衝突音が騒々しい歓声を覆ってしまう。
バン!
正面から衝突したオーラが空中で炎のように揺れる。
まるでオーラが爆発するような場面だった。
同時に後ろに数歩退いた2人がすぐに再び剣を振り下ろす。
チェン!チェン!チェン!
剣と剣があっという間に数十回衝突すると、まるで剣が泣いているような音が鳴った。
観客の大半は目でついていけない速度だ。
「くっ!」
グレンは顔のすぐそばを通り過ぎる剣を首をひねって流した。
すると、剣がまっすぐ首に向かって飛んでくる。
距離を広げて攻撃を避けたグレンが口を開いた。
「・・・•このトーナメントが親善試合だということを忘れたのか?」
「決闘中に発生する負傷に対しては責任を問うことができません」
そういう声は平然としている。
「不幸にも負傷があまりにも酷くて命を失う事例も存在します」
「初めからこうするつもりだったんだ。公爵は知っているのか?」
「知りません。しかし、私を見捨てるようではないですね。あなたがここで死んだら、北部と戦争をしなければならないだろうから」
話し終わるやいなや、再び剣撃がグレンに向かって伸びてくる。
真っ黒なオーラーがまるで波のようにうねった。
グレンは力比べをする代わりに、体を横に回して抜け出す。
すると、波のようにうねっていたオーラが地面に突っ込まれる。
火薬が爆発するような轟音が響いた。
いや、実際にも地面が破裂したように大きな穴ができたのだから誇張ではないだろう。
グレンは一瞬バランスを崩したタクミに剣を突きつける。
しかし、剣が空中を割った時、タクミは辛うじて数歩後に退いた状態だった。
「はあ・・・」
グレンは彼が荒れた息づかいを選ぼうとした瞬間に連続して攻撃してくる。
チェン!
剣と剣が素早くぶつかり合った。
空中にオーラの残像が蜃気楼のように残っている。
本能的に危機感を感じたタクミが、オーラを絞り出すように剣に押し込んだ。
霧のように揺れる気を纏った剣が大きな音を立てて激突する。
クアアアン!
轟音とともに土ぼこりが起こった。
視界がぼやけるほどの量だ。
観客たちが慌ててざわめく。
「な、何?どうしたんだろう?」
「競技場が見えない」
しばらくすると、土ぼこりが消え、視野に入ってきた。
それは相手の首に剣を突きつけているグレンの姿だ。
チェン!
「ストップ!」
床に剣が落ちる音とともに国王が大きく叫んだ。
場内の動きが皆びんと止まった。
人々の視線を一身に受けながら、国王が決闘を仲裁する。
「二人ともいい加減に、これ以上決闘を続けると、どちらか一方が重傷を負うか心配だね」
「陛下、私もなるべくそうしたいですが・・・」
グレンはタクミをちらりと見て続けた。
「ご存知のように、決闘は一方が敗北を認めるまで続けるのが原則です」
「・・・」
人々の視線が床に散らばった剣に向かった。
決闘中に剣を逃したということは敗北したも同然だ。
タクミが淡々と敗北を認めた。
「・・・負けました」
トーナメントの優勝者がひっくり返った瞬間だった。
しばしの沈黙が流れ、客席から雷のような歓声が沸き起こる。
「ワアアア!」
パチパチパチパチ!
大きな拍手を聞くとやっと終わったという実感が湧いてくる。
グレンは短いため息をついて兜を脱いだ。
あの生意気な奴をひどく殴ってやりたい気持ちとは別に、見る目が多いので、ひとまず騎士としての礼儀は守らなければならない。
彼が先に手を出すと、タクミが握手に応じる。
2人が丁寧に決闘を終える姿を見せると、客席から聞こえる歓声がさらに大きくなった。
短い握手を終えた彼が、すぐ客席に顔を向けた。
ナディアの姿を確認するためだ。
上座に覗線を移すと、グレンはすぐに彼女を見つけることができた。
安堵したように笑っているが、依然として青白い気配が消えないナディアの顔を。
ようやく彼の口元に笑みが浮かんだ。
二人の対決はグレンの勝利で終わりましたね。
タクミがナディアにここまで執着する理由が気になります。
単純に惚れているからでしょうか?
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