こんにちは、ピッコです。
「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。
今回は50話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
50話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 食事会
トーナメントが終わり、それぞれの自宅に戻る道。
豪華な公爵家の馬車もやはり公爵邸に向かう途中だった。
窓の外を眺めていたバラジット公爵がふと何かおかしいことに気づく。
馬車の中がとても静かだったのだ。
(・・・人に黄金のバラを奪われても黙っている子じゃないのに?)
もし、タクミが無駄に決闘申請をしなかったとしても、黄金のバラの持ち主はカレインになったはずだからだ。
しかし、カレインは落ち着いた顔で向かいに座っているだけだった。
好奇心を抑えきれなかった彼が口を開く。
「一昨年、黄金のバラの主になったのだから今年は欲張らないのか?」
「え?」
カレインは質問の意図を考えるようにしばらく瞬きをした後、すぐに笑いながら答えた。
「もちろん悔しいですね。最後の決闘がなかったら、私の手に入っていたでしょうから。しかし、タクミ卿を処罰しろとも言えないし、仕方ないですね?騎士としての好勝心だったのでしょう」
「・・・お前がそんなことを言うなんて意外だな」
「これはちょっとした親善試合じゃないですか」
彼女は肩をすくめた。
本当に大したことないように。
「どうせこうなったのだから、今日の試合を些細なイベントぐらいに片付けてしまうしかありません。私や父が彼を罰するなら、私たち公爵家がウィンターフェル侯爵にやられた敗北を気にしているという意味しかないじゃないですか?」
「・・・」
公爵の顔に驚きが広がる。
世間知らずの子供のようだった娘があんなに大人っぽく振る舞うなんて、感嘆がなければ嘘だろう。
「考えがずいぶん深まったね。さすが私の娘だ」
「何ですか」
父親の褒め言葉に彼女の両頬にはにかむような笑みが浮かんだ。
しかし、それもつかの間一続いた言葉に再び表情が固まる。
「私の娘なら当然そうすべきだ。あなたのお姉さんが役に立つように振る舞ったようにね」
「・・・」
このような度に、喉までこみ上げてくる言葉があった。
しかし、結局彼女は何も言えなかった。
子供のように泣き叫んでも返ってくることは何もないという事実を、腹違いの姉が親切に教えてくれたのではないか?
まさに自分の婚約親賀パーティーでのことだ。
カレインが答えられなかったため、2人の会話は途絶えた。
馬車が公爵邸に到着するまで、2人の間では何の会話も交わさなかった。
「到着しました、公爵様」
やがて御者がドアを開けてくれながら到着を知らせた。
カレインは馬車から降りるやいなや、父にうつむいて言った。
「お先に失礼します」
「そうだね、疲れているだろうから入って休みなさい」
後ろを向いて足を運ぶカレインの目元は赤く染まっていた。
乳母がそんな彼女の後を追って尋ねる。
「トーナメントで何かあったんですか、お嬢さん?」
「トーナメントなんか問題じゃないよ」
カレインはソファーに座り込んで神経質につぶやいた。
「お父さんが一体どうしてあんなにお姉さんを高く評価するのか分からない。たかが北部に行ってスパイの役割をするということで?」
もちろん、自分の口で先に自任したことが印象的だったかもしれない。
しかし、自信満々に乗り出したら成果がないといけないよね?
結婚してからもっともらしい情報を持って来てくれた、ウィンターフェル家に打撃を与えたのか。
むしろ、ウィンターフェルは当主の結婚を起点に、次第に勢いに乗っていた。
ハーブで大金を儲けたのに続き、レイナ地域を占めるまで・・・!
これではウィンターフェル側では、ナディアを「幸運の女神」と思ってもおかしくなかった。
「いったいお姉さんがうちの家門にしてくれたことは何?逆に北部には好材料ばかり起きているじゃないか・・・うん?」
怒りを鎮めるように独り言を続けていたカレインが固まる。
言ってみると何か変だった。
「そういえば、ちょっとおかしいね?」
「何がですか?」
「お姉さんが北部に行って以来、ウィンターフェルが徐々に強くなっているじゃないか」
「あら、そういえば・・・」
「最初からおかしかった。ハーブを買ったが、それがよりによってペストの治療剤だって?何かおかしくない?実は姉さんがペストが広がることを事前に知っていたんじゃないかな?」
「いいえ、ナディア嬢さんは一介のお嬢さんにすぎないんですもの。お嬢さんや公爵様も知らなかったことをどうやって分かったんですか?」
「あの子はお父さんの書斎に出入りするから、報告を途中で横取りしたかもしれない。そしてレイナ地域が陥落したのも何かおかしい」
実は、カレインも頭ではナディアにそのような能力があることを否定していた。
しかし、状況上、何か疑わしいのは事実だ。
自分が疑いを抱いているほどだから、父親もやはり何かおかしいと思っているだろう。
もしここで疑いの炎を出すことができれば、ナディアと父親の物質的な距離は遠い。
つまり、互いに誤解が生じても対話を交わしながら解決するのは難しいという意味だった。
うまく対処さえすれば、お父さんがお姉さんから心をおさめることもできるんじゃない?
彼女の青い瞳にうら寂しい光が漂った。
トーナメントから三日後、ウィンターフェル家のタウンハウスには一通の招待状が届いた。
差出人はバラジット公爵、差出人はナディアだ。
手紙の内容を要約すると、今のように二つの家門が一つに集まる機会がほとんどないので、これを機に食事でも一緒にしようという内容だった。
ナディアは静かにうめき声を上げた。
それもそのはずだ。
「ええと、本当に招待状が来るとは思いませんでした」
エイデンからいつかみんなで食事でもしようという話を聞いたが、ただのお世辞だと思った。
まさか本当に招待状が来るとは。
ファビアンが答える。
「まずは姻戚関係ですからね。遠くにいるとともかく、首都まで来たのに見ないふりをするのもおかしいですよね」
(それはそうだ。お父さんはちょっと・・・表から見えるようにということをとても大事に思う方だった)
対外的には、彼は家庭に忠実な夫であり、2人の娘の父親だった。
息子がいないにも関わらず甥を後継者として育ててまで再婚しないのは「死んだ妻を懐かしむため」という噂まで出すほどだから話を終えたのだ。
そこに2人の娘を非常に大事にするという設定はおまけだった。
そのため、ほぼ1年ぶりに首都に戻った娘と一緒に食事さえしなければ、和やかな家族という絵にひびが入ってしまうだろう。
「もちろん、今回の食事の目的は和気あいあいとした絵を演出しようということではないと思うけど・・・」
ナディアは首を回して尋ねる。
「グレン、大丈夫ですか?」
「食事くらいなら、まあ。そもそも首都に来た時から予想していたことだった」
グレンのため息交じりの返事に、ナディアはすぐに新しい便箋を取り出す。
「それでは招待状に応じると答えます」
「好きなようにして」
「あ、それからもう一つお話したいことがあるんですが」
「うん?」
「父は私を北部に植えたスパイのようなものと考えていますので、この機会に私と二人きりで話を交わそうと思います。私から得られる情報はないかと」
「だから疑われないためには、ウィンターフェルの内部事情を適当に解決する必要がある?」
「いえいえ!」
ナディアは弱々しく手を振った。
「そんなはずがないでしょう?もしお父さんがそのように出てきたら、私が適当に嘘を混ぜて話します。ウィンターフェルと家臣の間に亀裂が生じているとか、まあそんな偽情報をですね。私が心配しているのは、もしあなたが誤解するのではないかと思ってそうしたことです」
「だから・・・公爵と単独面談する姿を見えるとしても二重スパイではないか疑うなということか?」
「はい」
グレンは思わずため息をつく。
私がそんな些細なことで疑いを抱くはずがないじゃないか?
(いったいこの女の頭の中で・・・私たちはいったいどのくらいの仲なんだ?)
信じられる同僚程度にはなると思ったが、それさえも違うようだ。
私が恥ずかしくなるほど積極的に愛情を示した時が良かった。
グレンはひどく落ち込んでいた。
「私は君を信じる」
「それなら幸いです」
ナディアは招待状を出して席を立つ。
「それでは晩餐会に招待も受けたので、着て行くドレスを決めなければなりませんね」
領地から持ってきた服はそれほど多くなかったが、公式的な場に同じ衣装を着て出ないほどではあった。
ドレスルームに入ったナディアは服をかき回して叫んだ。
「パーヴィアン卿!ちょっと来て、服が似合うか見てくれませんか?」
「私は女性の服は本当に知りません!」
「じゃあ、外に出て女中でも呼んで・・・うん?」
ところが、その時だった。
真っ黒な何かが派手なドレスの間に混じっている姿が目に入ったのは。
ナディアの視線はゆっくりとそこに戻った。
あれはまるで・・・。
「トカゲのしっぽ?」
一般的なトカゲにしては少し大きかった。
そして、それはすごく・・・見慣れたサイズ。
ナディアはあの裾の後ろに隠された姿を予想すると同時に、努めて否定し、一歩ずつ歩み寄る。
ガサガサ。
ついにドレスの裾の後ろから姿を現したのは・・・。
「キ、キルツ」
「・・・ノア?」
なんでお前がここにいるんだ?
ナディアのあごがぽろりと垂れた。
カレインがナディアを怪しんでいますね。
今度の食事会は平穏に終わらないでしょう。
そして忍び込んできたノア。
グレンの反応が気になります。
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