こんにちは、ピッコです。
「ジャンル、変えさせて頂きます!」を紹介させていただきます。
今回は125話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
125話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 先王の決断
数日後、先王の面会禁止が解禁された。
私は面会許可が下りるやいなや、すぐ先王を訪ねる。
「おじいさん、大丈夫ですか?」
「おお、ユディット・・・!」
先王は私を歓迎し、にっこりと笑った。
深くへこんだしわの下、はちみつ色の瞳に涙があふれる。
しかし、私は面と向かって笑うことができなかった。
面会は可能だったが、先王は依然として席を守った状態だったからだ。
顔はまたなぜそんなに青ざめているのか、ベッドではなく棺桶に横たわっていても信じられるほどだった。
(いざ連れて行かれたのは私なのに・・・)
結局は私のせいでこうなったのではないか。
気の毒な気持ちで、私は心配のこもった目で先王をじっと見つめた。
先王は依然として私と向き合ったことが信じられないのか私の手をぎゅっと握っている。
彼の視線が私の手に残っている傷に触れた。
先王はびっくりして目を見開いた。
「きれいな手はまたどうしたんだろう。あいつらがそうしたのか?あの悪いものたちがあなたを拷問でもしたの?」
低い声が流れる先王の声は地獄の前奏のように殺伐としていた。
彼の血走った目が私の手を綿密に調べる。
傷はほとんど癒えてもう跡だけが残ったが、先王の目には血でも流れているように見えるようだった。
「いいえ。これは私が逃げている間にミスしたからです。大きな傷ではないので、心配しないでください」
「大きな傷ではないなんて!」
先王は少しため息をついた。
その間、先王の視線が私の左手薬指に挟まれたラベンダーダイヤモンドの指輪に触れた。
そうでなくても、リュディガーを不満に思う先王ではないか。
先王が癇癪を起こして、また倒れたりしては困る。
もう一度血圧が上がれば本当に大変なことになるかも知れないだけに、私は慌てて指輪を隠して手を縮めた。
でも、これはどういうことだ。
「今すぐその指輪を外せ」とか、「本当にできない」とか「ゴロゴロ」と叫ぶと思ったが、先王は視線を斜めにしてもぐもぐと噛むだけだった。
「ほら・・・指輪はまたどうしてあの格好をしているのか。元々はもっともらしい感じだったと思うんだけど」
私は指輪を見る。
脱出を試みながら襟章が磨り減ってなくなったため、みすぽらしく見えるかもしれないが、ダイヤの光だけは相変わらずだった。
(私があそこまで苦労して勝ち取ったから、今の幸せがあるという感じなんだ)
胸がいっぱいでもあるし、私は先王の顔色を伺いながら慎重にリューディガーについて言及した。
「リュディガーさんが新しいものと取り替えてくれると言ったのですが・・・私はこれが特に愛着がありますね。こういうのは意味がもっと重要ですから」
リュディガーが取り上げられたが、先王はむしろ沈痛で頭を下げた。
口先だけ上手だった先王が、しばらくして話を切り出す。
「あのくそったれのおかげで君を救えたと聞いた。」
あまりにも小さく言ったので、最初は私が聞き間違えたと思った。
先王がリュディガーの肩を持つとは?
(どうしたんだろう?らしくない。人が死ぬ時になると変わるそうだけど)
私はいぶかしがって先王の顔を見る。
日暮れはするが死ぬ人ではないようだが・・・私が心配するかどうかはともかく、先王は私の手に視線を固定したまま沈痛に言葉を続けた。
「私が君を守ってあげると言ったのに、この王室で君が拉致されることも知らなかったとは。私が口が二つでも言うことがないね」
罪悪感のある声には痛恨の声があった。
自分が以前のように訂正できなかったことを認めた老人からは、敗北感と無力感が感じられた。
私は急いで先王を慰める。
「おじいさんのせいではありません。爆薬まで使って王宮の視線をそらしたじゃないですか。彼らがそうするとは誰も知りませんでした」
「いや、そんなことは全部いい言い訳だ。私があなたを王宮に閉じ込めたのは、王宮なら安全だという確信のためだった。でももし君がヴィンターヴァルトのタウンハウスにいたら、こんなことはなかっただろう」
「・・・」
「また私の手で、私の意地で同じ過ちを犯しそうになったんだ。もし君を失っていたら、私はどれほど後悔しただろうか」
「・・・」
先王のしわの寄ったまぶたがぶるぶる震えた。
祖母とヴァネッサ王女を思い出したのか、彼の黄金色の瞳が濃く染まっていく。
ヴァネッサ王女は先王が自分を大切にしているのはグレタ王女のためだと思ったはずだが、先王としてはグレタ王女とは別にヴァネッサを大切にしていたはずだ。
私を心配する彼の心が本気であるように。
以前は先王がなぜそんなにヴィンターヴァルトならば、恥をかいたのか理解できなかったが、今は少し分かるような気がした。
ヴァネッサが子供を産んで死んだのも死んだことだが、彼女がヨナスを妊娠した時期を考えると、公爵が王女に生半可に手を出したと勘違いするのにちょうど良かった。
それともヴァネッサをセクハラした後、その事実でヴァネッサを脅迫して無理やり結婚することになったとか。
私がその考えをするようになったのは、鉄道敷設権を提案したのがヴィンターヴァルト家ではなく、先王だという話を聞いてからだった。
鉄道敷設権を得るためにマクシミリアンが願いの杯に願いを込めたのではないかという話が暗に流れるほど、鉄道敷設権はヴィンターヴァルト側に有利な契約だった。
それで考えもしなかった。
(鉄道敷設権がただヴァネッサのために、そしてヴァネッサの子供のために先王がかけておいた安全装置だったなんて)
先王は鉄道敷設権を対価として支払いながら、わざとヴィンターヴァルト家に首輪を結んでおいたのだ。
公爵を信じられなかったんだよ。
(実際にヴァネッサ王女を愛して結婚したわけではないから、それが先王の目にもっとよく見えただろうし。もし公爵がヴァネッサ王女を粗末に扱うのではないかと戦々恐々とした末に出した妙手ではなかっただろうか?)
先王がそこまでしたが、ヴァネッサは出産中に死んでしまう。
どんなにがっかりしたことだろう。
おそらく、ヴィンターヴァルトに向かって首をかしげたくない気持ちだったのだろう。
そんなにヴィンターヴァルトなら、歯を震わせていた彼が屑を震わせたままつぶやいた。
「私は・・・ヴィンターヴァルトのやつは本当に信じられないが・・・」
先王は小さく息を吹きかけた。
「でも、あいつ・・・あいつはかなり覇気がよかった。しつこいし、根性もあるし。男な自分の相手を獲得するために、そんな意地くらいは張らないと。権力に祈るのではなく」
先王の言葉に私は口をあんぐりと開けた。
先王が言う「やつ」てリュディガーのことだよね?
まさか今これ・・・私たちの仲を許してくれるの?
本当に?
信じられなかった私は、口を開いただけだった。
「それなら・・・」
「私がこれからどういう顔であなたの結婚を邪魔するのか?」
先王は苦笑いして呟いた。
そう言う先王の勢いが衰えていて、ただ喜ぶわけにはいかなかった。
私は笑うことも泣くこともできない気持ちで先王を見上げる。
「でも、おじいさん・・・」
「ああ、こういう時はただわかりました、と言えばいいのだ。私がまた心を変えたらどうするつもりだ」
先王はくすくす笑いながら、意地悪そうに付け加えた。
先王の笑い声には元気がなかった。
健康が良くないためなのか、それともあれほど強かった自尊心と意地が崩れたためなのか。
もしかしたら両方かもしれない。
とにかくあれほど望んでいた結婚の許しだった。
先王が反対するとしても、リュディガーとの関係を再考するつもりはなかったが、先王が許してくれると、いざ気分が変だった。
私はいきなり先王を抱きしめる。
絹の服をゆったりと羽織ったが、腕に触れる彼の体格はとても乾いていた。
私が急に抱きしめてびっくりしたように、先王はしばらく立ち止まった。
しかし、すぐに私の背中を軽くたたいた。
その手はとても優しく暖かかったので、訳もなく目頭が赤くなる。
私は先王の肩に顔をうずめてつぶやくように言った。
「ありがとう。おじいさんの祝福を受けながら結婚できて本当に嬉しいです」
「前もって言っておくが、祝福するのはあなたの人生だけだ。あのヴィンターヴァルトの行く手には呪いをかけないことを幸いに思いなさい」
先王はわざと厳しく言った。
リュディガーに対する不満が依然として残っているが、この程度なら本当に長足の発展だ。
首が大きく動いた。
多くの感情を喉越しに飲み込んだ私は、もう逆に先王の手を取り合った。
そのしわの寄った手を撫でながら、私は当然のように先王に尋ねる。
「結婚式で私の手を握って登場してくれますよね?」
「もちろん」
「そのためには、早く快癒しなければなりません。分かりましたか?」
「私が遅く快癒すると結婚式が遅くなるのか?」
先王が意地悪そうに目を伏せて間いた。
私はにっこり笑って肩をすくめる。
「それではルカが手を握ってくれることになりますね」
「おや。味方だと思っていたのに、信じる者が一人もいないんだ!」
先王はため息とともに自分の額をぴしゃりと叩いた。
ー安心した彼は、自信満々だった以前に比べて、やや気力が足りなかった。
しかし、曲がった目つきからは、以前のような我執や逃げ場もなく追い込まれた焦りのようなものは消えていた。
ついに先王がリューディガーとの結婚を認めてくれました!
リューディガーが聞いたときの反応が気になりますね。