こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
今回は60話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
60話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 手放してはならない手④
もちろんだからと言って、両親に全てを任せて遊ぶつもりはなかった。
火種に火をつけたのは自分なので、責任も負うべきだと分かっている。
だから今回も堂々と対応した。
ずうずうしく!
驚くというより、予想通りと言った方が正しいだろう、彼らは本当に冷たい会話を交わしていた。
招待状を送っておきながら、無視されるような感覚を持つなんて、冷たい話だ。
「大臣の言った通りでした!テクラが・・・公爵が私たちを見下しているのは間違いありません!!」
私が立ち去った後、礼を言うか言わないかで、さらに議論が巻き起こったようだ。
国王は再び神殿に戻り、大臣と話を交わした。
「どうして、まだ幼い子供が私に危害を加えようとしたのに、警戒もしないとは・・・!」
国王は激怒して拳を振り下ろした。
その勢いがあまりに強かったのか、拳を叩きつけた腕が痛みを覚えながらも、礼儀のためにそれをこらえ、なんとか耐えている。
「落ち着いてください、陛下。あの子が意図的にやったわけではありません。すべてテクラ・エンデブランが指示したに違いありません! 平素からなんとおっしゃっていたか・・・」
それでも、王妃は何とか宥めようとしたのか、国王ルクシオスの手をそっと取り、優しく撫でながら彼を落ち着かせた。
「その通りですわ、陛下。私の目の前で王威をお示しください」
エンデブラン公爵は、関心がないふりをしつつも、「公爵はフランス山に真心を尽くしている」と言うだけだった。
王はそう言いながらも、何か考えを巡らせたようで、息を深く吸い込んだ。
「誰が命令したら、そんな策略を使うっていうんだ! まだ私が王子だった頃、命を狙う機会が何度もあったけど、私を見るときだけ・・・私だけを見て・・・!」
「陛下・・・」
「感謝するどころか、命を救われたのに恩知らずめ! この厳しい世の中を生き抜いてきたからこそ、命の重みを知らないのだな。おかげで王の威厳も危うい」
「これ以上怒られるとお体に良くありません、陛下」
「・・・ひどい目に遭ったよ、大臣」
「そんなことありません。どうしてお怒りになることがありましょうか。善意で何度もお勧めされたのに、射止めた者が釣り合うのを阻まなかったではありませんか」
それを聞くと、大臣は本当に心から納得していないような表情で言葉を続けた。
「親として、たとえ無謀な行為をしてしまったとしても、憐れみを覚えるだけです」
すると、ドルロリスは涙を流すこともなく静かに佇んでいる。
私は手早く彼らの話を切り上げて言った。
「その通りです。良い心でシャルロッテの隣に座る機会まで与えてくださったのです」
「心配なさらないでください、王妃陛下。神様はそのような誠実さをすべてご存知です。そして・・・」
大臣はそう言いながら静かに袖の中に手を入れた。
その静かな一動作に国王夫妻も息を飲んだ。
やはり、たとえ堕落した者たちでも話術の才能があるものだ。
だが、能力がなければ長く生き延びることはできまい。
大臣が袖から取り出したものは、彼が発見したという聖遺物。
「私に一つの考えがあります。本日拝見した末っ子の・・・」
「公女様には詐欺が絡んでいますね。受け取った者と長く過ごした跡があります」
「は、はあ・・・!それではどうすればよいのか、テクラが非常に傷ついてしまうでしょうに」
「心配そうな顔ではありませんね。表情を少し整えてくださいませ、国王陛下」
私は微笑をこらえつつ国王の顔を見て肩をすくめた。
しかし、本当に驚くべき言葉が大臣の口から飛び出した。
「この聖物は、神を冒涜する者を裁き、汚れた者を浄化する力を持っています」
彼は穏やかに微笑を浮かべ、柔らかいながらもどこか謎めいた表情を保った。
「国王陛下、公女様にこの聖物をお使いになられるのは如何でしょうか。貴重な聖物の第一試みであるなら、多少詐欺に巻き込まれていたとしても、公女様には最適ではありませんか」
「容赦してくださるのがよろしいかと存じます。」
「ほぅ・・・!それならテクラが加害者に感謝することになるだろうな」
「そうですね、どこぞの公爵夫人だけのことですから。すべて陛下のお慈悲深さを知ることでしょう」
心の中で舌打ちをし、愚かな者たちが目を輝かせながら互いに愉快そうに笑うのを眺めた。
もちろん私は、彼らの策略をまずはそのまま放置するつもりだった。
本来なら、煮えたぎる鍋に蓋をしておけば、さらに熱がこもるものだ。
そして彼らは私の予想通り、素早く動いた。
そして、その悠然とした性格がまた役に立つこともあった。
(これから何日かしたら母上が来られる)
母上が来られる前に一度しっかりと対処しておきたいところだ。
少なくとも国王の立場からすれば、父上のほうが母上よりも話をしやすい相手だろう。
「・・・了解しました」
父上は到着した国王からの招待状を見て、微かに口元を緩める。
私はその内容を大体推測できたが、知らないふりをして父上に尋ねてみた。
「何ですか?」
「なんでもないよ。我が末っ子よ」
「本当ですか?お父さんの顔がこんなに嬉しそうだなんて」
私は少し前まで困惑していた父上の表情が緩んでいるのを見て言った。
私は手に持った手紙をさっと奪いながら、こんな風に父に話しかけた。
「私の末っ子が怖がったんですか?アナスタシアがそんなことで怒るわけがありません」
「ううん、違うよ。お父さんは怖くないよ」
父は私の言葉に満足したのか、私をぎゅっと抱きしめた後、そっと唇を微笑ませた。
その間に、私は手に持った手紙を素早く奪い取る。
大神殿で神聖なる浄化の儀式が行われる予定です。
さて、彼はその間、貴殿がファルサンのために尽力していたことを踏まえ、我が娘アナスタシアにその功績を示そうとしております!
栄光ある場にふさわしいほど、喜ばしいことです。
信仰と魔道の唯一の仲介者、ファルサンの主、国王ルクシオス。
・
・
・
手紙の内容はすべて冗談めいていたが、特に面白かったのは、最後の署名部分が非常に真剣に書かれていた点だ。
あそこだけ妙に強調されていたと言えるだろう。
「うちのアナスタシア、明日お利口さんにしてくれるかな?」
いいえ、だめです。
もちろん父は、この冗談じみた舞台に私を連れて行くとは考えていなかったかもしれないが、私は絶対に行くつもりでいた。
(この面白いチャンスを逃すわけにはいかない)
ごめんなさい、お父さん。
娘は2000年以上も変な場所で生きてきたせいで、他人の問題に巻き込まれるのが楽しくなっちゃったみたい。
正直に言うと、私が今回の件に熱心になりすぎたのはわかってる。
でも、早く根を断ち切らないと、ミハイルに関する問題の傷は深まり、根が張ってしまう。
(それなら問題が大きくなるほどいいんじゃない?)
私が似たような経験をしたとき、「どうせ人生はリセットされる」と思って軽々しい言葉を片耳で流した。
でも、ミハイル・レベンティスにとっては、そんなことにはならない気がする。
(個人の問題だけじゃなく、家族にも迷惑をかけている)
熱中する理由としては、冷静さをはるかに超えていた。
私にとって約2000年ぶりに心の中で芽生えた大切な存在。
情をかけた以上、責任を果たすべきだ。