こんにちは、ピッコです。
「悪党たちに育てられてます!」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

94話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 家族会議⑥
「それよりも、この華やかな方がいいじゃない!」
「何言ってるの?派手だからって、みんなが好きになるわけじゃないわ。」
「ネルリア姉さんより、私の方が社交界ではずっと目立つのよ!こっちの方が何倍も素敵じゃない?」
「まあ、レア。あなた今、商人の目を無視してるの?こっちの方が絶対に大ヒットするわよ。」
「笑わせないで、それって姉さんの商会で売る予定のドレスじゃない!」
「じゃあ、それってあなたのブティックで扱っているデザインのドレスじゃないの?」
ネルリアとアクレアが言い合っている。
お互いにドレスを両手に持ったまま。
私は戸惑い、口ごもったままチャルニエルを見つめた。
彼は私の視線を感じたのか、しかめっ面をして再び私の妹たちを見た。
「うーん、それならこちらのペールグリーンはどうだ?末っ子の姪にはこっちの方が似合うんじゃないか?」
私はチャルニエルが掲げたドレスを見た。
そしてそのまま肉を噛み続けた。
「お兄ちゃん、ちょっと黙ってて。」
「同感。いや、今でも目がそんなにないのに……。そもそも姉さんにプロポーズはどうやったんだ?」
アクレア・サファイルとネルリア・ジャルダンの攻撃に、チャルニエル・エタムが唸った。
彼は大きな拳で口を軽く押さえ、ソファに沈み込んだ。
私は、強引に生地を引っ張る様子に思わず口を開けた。
「……」
「昔からこうだった。」
父は伸びたドレスを一つずつ見ながら、まるで後ろポケットに手を突っ込んでいるかのように私の好奇心に答えてくれた。
『会議のときは、完全にカリスマが溢れていたのに?』
華やかで活気のある雰囲気の中で、楽しそうにしていないのは良くない印象だった。
『……なんでドレス一着買うだけなのに、まるで宴会場ごと買い占めるような量のドレスが増えてるんだろう?』
財閥の金遣いが想像を超えるものだとは、ドラマやニュースで見て知っていたけれど、これは想像以上に異様だった。
「家主様……、これは、どう……?」
「え……、怖いです……。」
ハイエル・エタムが持ってきた黒と赤のドレスを見て、私は身をよじった。
「……あ、そう……?」
彼はがっかりしたように体をそらし、ドレスを元の場所に戻すと、再びショッピングを始めた。
『なんでみんな総出でショッピングしてるのよ。』
私はこみ上げる笑いを必死にこらえた。
「いくら兄弟とはいえ、こんな能天気な人間たちはとても見ていられない。」
やはりここでまともなのは、あのクルノ・エタムだけだ。
ただの興味本位なのか?
隣で聞こえる声に気を取られながら、クルノ・エタムはドレスの一着を私に手渡し、まるで何事もなかったかのように、私が座るソファの隣にどっかりと腰を下ろした。
「もうこれで決めて終わりにしろ。」
「……。」
叔父さん、いつの間に買い物してたんだ。
なのに、なんでこんなに堂々としてるんだろう。
『……まあ、可愛いし。』
それにしても、こんなにちゃんとしたドレスって……。
どれだけ本気で買い物したんだか。
私はぼんやりと遠くを見つめた。
みんなが私のために服を選んでいた。特に熱心というわけではなかったが、エタム家はお互いの仲が悪くない家族だ。
他の家門とは違っていた。
大半の家門は爵位のために、金と名誉のために必死に争うものだが、私がいるこの家門は違っていた。
これらすべては現実に起こっていることなのに、現実味がなく、私はどうしようもなく長い間抱えていた疑問を口にせざるを得なかった。
『なぜ私にこんなことが起こるの?』
パチッ——
考えた瞬間、瞳の奥でスパークが弾けるような感覚がした。
私も無意識に身体をぴくりと動かすと、クルノ・エタムが私を見ていた。
私がぎこちなく笑うと、彼はしかめっ面をしながら、再び兄弟たちへ視線を戻した。
『私はただ、寝ていて目を開けただけなのに。』
膝を抱え込むようにして、私はゆっくりと髪を梳いた。
・
・
・
何も考えたくない。
でも、何かがおかしいと感じずにはいられなかった。
すべてが思い通りに進む、ずっと夢見ていた家族がいる、そんな夢のような世界は楽しくて幸せだけど、どこか違和感を覚えていた。
『最後に私は、眠って……いたの……?』
疑問を抱いたと同時に、頭痛が押し寄せてきた。
パチッ——
目の中で閃くスパークに思わず瞼をぎゅっと閉じた。
『夢… じゃなかった?』
まるで答えを示すかのように、どこかで弾けていたスパークが消え、頭の中を引っ掻くような頭痛が消え去った。
『違ったの…?』
じゃあ、私は一体なぜここにいるの?
呆然としているなら死んでいたはずだ。
なら、この世界に来ることもなかったはずなのに。
「エイリン?大丈夫?」
「あ、パパ……。」
「そうか、呼んでも知らなかったな。体調が良くないなら、戻って休むか?」
「いいえ、大丈夫です。」
優しくて穏やかなパパ。
「うわぁ、本当にブティックを移動させたんだね!私たちにも選ぶ権利をちょうだい!」
「そうですよ、不公平です!」
「エイリンの服を選ぶんでしょ!ひ、ひゃっ、私も、えっと……選びます!」
夢に描いた兄弟たちといとこたち。
「子供たちは引っ込んでろ。」
「そうだ、勉強でもしてなさい。」
「神学も学んでおくといい。」
厄介な叔父や姑たちまで。
どうしてこんなにも全てが完璧でいられるのか?
ふと疑問を抱いた瞬間——
ギィ——
ガタン。
何かが倒れるような音が聞こえた。
ガタン。ガタン。ガタン。
まるで蓋付きの壺が転がるように、それは延々と壊れた音を響かせ、私に一片の疑念を残した。
「辛かったら戻ろう、子よ。」
「いいえ。好きです。全部好きです。」
私はひんやりとした頭を振りながら言った。
考えをさっさと追い払う。
こんなに楽しい日に、考えたくないことなんて必要ないから。
私の言葉に、心配そうに見つめていた父は、険しい顔をしながらもため息をつき、自然にクルノ・エタムが持ってきたドレスを床に置いた。
そして、その場所に自分で選んだドレスをそっと置くのだった。
「……地味な服は一体なぜ捨てられるんだ?」
「思春期の反抗だ。」
「それ、どういう意味?」
「この年になるまで思春期の反抗をしてるんだから、もしかすると病気かもしれんな。もし間違えて私の娘殿に反抗するつもりなら、どうするつもりだ?」
クルノ・エタムが世紀の大発見でもしたかのような表情で父を見つめた。
「呆れるな……。」
「兄さんこそ、思春期を経験したくせにもっと呆れない?」
「……。」
これは「中二病」だと言いたいのだろうか?
どうやらそんな感じがする。
作者がチャイムロマンスを描く際に、この単語をうまく使えず、思春期くらいに落ち着いた表現になってしまったようだ。
「末っ子!」
「おい!」
ネリアとアクレアが、他の兄弟たちをすべて押しのけて勝利を掴んだかのように、私のもとに駆け寄り、ドレスを次々と差し出した。
「どっちが気に入る?」
息をのむ私の後ろには、乱雑に積まれたドレスの山が見えた。
『これ、いくらするの……?』
値札もついていない服は手に取るなと言われていたのに、舞踏会用に用意された何百着もの服が無造作に床に散らばっていた。
そして、その間には、気まずそうな表情のハイエル・エタムとチャルニエル・エタムが立っていた。
どうやら二人は、姉妹には敵わなかったようだ。









