幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【43話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

43話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • シュペリオン公爵⑦

カリウスが出て行った少し後。

レリアの部屋に、いかにも身分の高そうな侍女たちが入ってきた。

その中で一番位が高そうな侍女は、自らを「ベッキー」と名乗った。

侍女たちは、必要なものがあればテーブルの上に置かれたベルを鳴らすか、ベッド横の紐を引くようにと優しく説明してくれた。

たくさんのお菓子を持ってきてくれたのだが、レリアはあまりにも嬉しくて声をあげてしまった。

侍女たちはそんなレリアを見て笑いながら部屋を出て行く。

「美味しい……」

レリアは嬉しそうにお菓子を食べ始めた。

甘いバターの香りが広がった。

ふと、神殿で食べたデザートたちが思い出された。

『みんなに会いたいな。』

自然と友達たちの顔が浮かび、恋しくなった。

レリアはまだバッグに大事にしまってある一番大切な宝物、万年筆と手紙たちを思い浮かべながら、クッキーをぎゅっと握りしめた。

『どこに隠しておこうかな?』

一番大切なものだからこそ、できるだけ安全で秘密の場所に隠しておきたかった。

『お母さんも、オドゥマクみたいにここに秘密の空間を作ってくれているかもしれない。』

レリアは、そんなことを考えながらクッキーをかじった。

『……それにしても。』

侍女たちがクッキーと一緒に持ってきてくれた飲み物を、レリアは飲み下しながら考え込んだ。

最近、原作に関する記憶が少しずつ薄れてきていた。

だからレリアは、完全に忘れてしまう前に、覚えておくべきことをいくつか書き留めておくことにした。

レリアは、リビングスペースの横、押し入れの向こう側にある書斎から紙とペンを持ってきた。

「ふう……」

真剣な顔で、まず重要なことから書き始めた。

それはすぐに、シュペリオン家が没落した理由だ。

『もちろん完全に滅びたわけじゃないけど。』

シュペリオン家は帝国の建国から共にしてきた大貴族家だった。

それだけに、そう簡単に滅びるような家門ではなかった。

しかし原作基準では、ユリアナが成人した後、シュペリオン家の家族たちに不幸が押し寄せ始める。

原作ではこの件で、セドリックとデミアンが深刻に悩む場面が描かれていた。

『だからユリアナが慰めてくれたんだ。』

結論から言えば、とりあえずシュペリオン家は家長が交代することになる。

次期家長は祖父の子供たち、つまり母の兄弟たちではなかった。

『家門を継ぐのは、公爵の長男だったジェノ、シュペリオンの幼い息子だったはずだけど…。』

祖父の子供たちが後継者になれなかった理由があった。

まず、長男だったジェノは戦場で命を落とす。

『光龍が死んだ後に起きた戦だった。』

原作では、光龍が死んだ後、大陸には一時的な平和が訪れたかのように見えたが、それも長くは続かなかった。

どこから現れたのかわからない者たちが光龍を神殿のように疎まれる異教徒となり、勢力を伸ばし始めたのだった。

そして次男のカリウスは、光竜との戦争に直接参戦し無事に戻ってきたが、その後ある日、突然消息を絶った。

『原作ではセドリックとデミアンが、失踪したカリウス叔父の遺体すら見つけられなかったと悲しんでいたっけ。』

最後に長女アティアス。

彼女は次期家主の有力な候補だった。

しかし、その間に私的にとてつもない量の借金を作っていたことが明らかになる。

『しかもその借金を使った場所が賭博場だったことまでバレたんだよね。』

そのため、元老会の反対が激しくなり、結局、彼女は家長になることはできなかった。

公爵が家門を統率できない危機的状況のとき、最も大きな力を持ったのは、公爵夫人を除けば元老会だった。

元老たちは公正な投票を通じて家門の方針を決めることができた。

こうして元老たちは、次期家長にジェノの息子を選び、その後は混乱の連続だった。

『元老たちは、自分たちに都合のいいように幼い家長を操り始めた。まぁ、表向きは「我々が家門を守る」という名目で。』

原作では、セドリックとデミアンが祖父の死を大きく悲しみ、深く傷ついていた。

レリアが知っているのは、その程度だ。

『おばあ様については何も語られていなかったから、もう亡くなっているものと思っていたけど…。』

それにしても……。

『おじいさまがなぜ亡くなるのか、その理由はわからない。』

ただひとつ確かなのは、原因不明の突然の死だったということだ。

レリアは唇をぎゅっと噛みしめた。

実際におじいさまとおばあさまに会ってからは、二人を必ず守ろうという気持ちが芽生えた。

また、おばあさまの認知症も治してあげたかった。

「システム」で作った薬なら、きっと効果があるはずだ。

『お母さんの代わりに、私が二人を守ってみせる。』

とりあえず今の目標は、成人するまでここで生き抜くこと。

『そして大人になる前に、“錬金復元”のレシピをできるだけ多く解放しておかなきゃ。』

特に、おばあ様の認知症を治療できる薬を集めることが重要だ。

レリアは再びペンを動かした。

『大人になったら、二つの目標を達成するんだ。』

まず一つ目、原作の男主人公ルートが聖物を奪い取り、聖物を完成させる。

禁忌の魔法を解いたあと、親しい仲間たちを探しに行く。

『聖物を奪い取る時期は……。』

レリアは目を閉じて考えた。

原作の男主人公ルートは平民出身だった。

ユリアナは幼い頃、酒に酔った実父から逃げ出して街をさまよったことがあった。

そのとき、子供たちをさらって奴隷として売り飛ばす悪党たちに捕まりかけたユリアナを救ったのがルートだった。

その後、ルートは貴族家に養子入りし、ユリアナは皇女となった。

時が流れ、二人は皇城の宴の日に再会する。

『あの日、私がユリアナの前でひざまずいて謝ったんだった…。』

うう…。

その日を思い出すと、レリアの瞳は真っ青になった。

何もかも恐ろしくて、怖くて、震えたあの日だった。

『…大丈夫、もうそんなことは起きない。』

レリアは額をくしゃくしゃにしながら、かすかな昔の記憶を手繰り寄せた。

ルートは結局、片翼の聖物を通して願いを叶え、強力な力を手に入れたのだった。

『魔竜を討伐した功績の一人でもあったし…。』

そう、あの物語の一部。

『そんな相手から力で聖物を奪うなんて無理な話だよね。』

最大限の力を使わず、自然に取り込めるならそれが一番良い方法だった。

そして、それにぴったりなタイミングが一つだけある。

それは、魔竜が倒され、大陸に平和が訪れた後だった。

男主人公のルートと女主人公のユリアナは、聖物を手に入れた後、どう扱うべきか悩んでいた。

その過程で、原作ではルートが聖物を失ったことがあった。

『ルートが聖物を失ったとき、そのタイミングを狙うんだ!』

完成した聖物で呪いの呪縛を解いた後には、友達を探しに行くつもりだった。

『そして謝らなきゃ。みんなを騙してごめんって。許してほしいって…。』

レリアは再びペンを動かした。

『そして、大人になった後に果たすべき二つ目の目標は…。』

二つ目は、シュペリオン家の人たちに降りかかる不幸を防ぐこと。

『おばあちゃんの認知症を治して、おじいちゃんの死を防ぐんだ。』

さらに、母の兄弟たちまで。

これは、自分が大人になるまで守ってくれるであろうおじいちゃんへの感謝の気持ちでもあった。

シュペリオン家に降りかかる不幸は、レリアが成人した後に起こることだった。

幸いにも、まだ準備する時間は残されているという話だ。

『絶対に、両方とも叶えてみせる。』

ペンを置いたレリアは、書き留めた紙を持ってベッドへ向かった。

ベッドの上に置かれていたウサギのぬいぐるみを見た瞬間、友達への恋しさがこみ上げてきた。

レリアはその人形をぎゅっと抱きしめた。

友達一人一人の顔が思い浮かび、心配になった。

それでも今は、自分はこの場所で比較的快適に、そして安全に過ごせるけれど――

『みんな元気にしているかな……?大丈夫かな?』

みんな心に傷を負った子供たちだった。

オスカーは幼い年齢で耐え難い傷を負い、カリクスは誰よりも孤独な子供だった。

そしてグリフィスは自分の内面を見ることができず、ロミオは内気だけれど誰よりも恐れを多く抱えた子供だった。

彼らを思い浮かべると、レリアは嗚咽しながら鼻をすすり、涙があふれ出た。

レリアは両手をぎゅっと握りしめ、祈った。

思い出だけで自分を支えてくれたあの子たちのために――この幸せが続くように。

『どんなに心に傷を負ったとしても、私がそうだったように…私たちが一緒に作った思い出で、乗り越えられますように。』

どうか、長く苦しまないでいられますように。

 



 

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