こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

194話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 試験の結果⑤
「一度やってみます。」
驚くべきことに、アイリスは堂々としていた。
彼女は自信に満ちた表情で話を続けた。
「いずれ私が王妃になるなら、こういったことに慣れておかなければなりません。練習できる機会だと思っています。」
「アイリス、何事も前向きに考えるのがあなたの強みよ。挑戦する精神も素晴らしいわ。」
私は茶杯を持ち上げてアイリスを称賛した。
この子は何事にも一生懸命で責任感がある。
そして前向きに考える。
それが彼女の長所だ。
驚くべきことに、アイリスは私の褒め言葉に軽く顔を赤らめた。
彼女は両手で頬を押さえた。
私は慎重に話し始めた。
「時々、あなたが少し強引すぎるように見えないかと心配になるの。」
アイリスはその言葉を本気で心配しているように受け取った。
私も同じだ。
それは一体どんな悩みなのか。
自分があまりにも強引に進めすぎるのではないか、自分がやりすぎているように見えないかと心配になること。
しかし、アイリスはもう少し堂々として、もっと強気でいるべきだった。
彼女、そして私の娘たちは、もっと自分が望むものをはっきりと主張できなければならない。
それが王妃や画家になるためには必要なことだ。
私は微笑みながら言った。
「もしあなたが王妃になったとしても、その時も人々はあなたが強引すぎると言うかしら?」
アイリスの表情が緩んだ。
彼女は手を胸元で振りながら答えた。
「いいえ、人間ってそういうものよ。」
置かれた場所や環境によって、同じ人でも評価が変わるものだ。
私は机からノートを取り出し、アイリスに差し出しながら言った。
「もし、あなたが直接人を集めて慈善活動をするつもりなら、計画から始めてみて。」
誰を招待するのか、誰を助けるのか、どんな活動をするのか、大まかに計画を立てて必要なことを考えなければならない。
そして、それに必要な時間と資金を計算することができる。
「お嬢様。」
アイリスが私からノートを受け取ったその時、執事が部屋のドアをノックして私を呼んだ。
私が顔を上げると、彼が手紙を差し出しながら言った。
「カシ夫人からです。」
知っている人物だ。
私は驚いてその手紙を受け取った。
リンダ・カシ夫人。
元々、リンダ・カシ男爵夫人だったが、数年前に夫を亡くしていた。
夫を亡くしたカシ夫人は、夫の弟である男爵に引き取られた。
そして、その弟の妻がカシ男爵夫人となり、彼女自身はただのカシ夫人となった。
彼女は、私がアイリスのドレスに刺繍を頼んだり、装飾を整えてもらうよう依頼した4人の夫人の一人だった。
「誰がこの手紙を届けてきたんですか?」
私はカシ夫人からの手紙を開封しながら、執事に尋ねた。
カシ夫人の置かれた状況は、ダニエルを出会う前の私とほぼ同じように見えた。
いや、それ以上に苦しい状況にあるようだ。
彼女には使用人を雇う余裕がなく、唯一の使用人と二人だけで生活しているらしく、以前サンドラがそのことを嫌がる様子を見せていたのを思い出した。
「それが……」
執事が困ったような表情を浮かべる間、私は手紙を再び開き、その内容に目を通した。
特別な用件は書かれておらず、ただ時間があれば早いうちにお話がしたいという内容だった。
しかし、それだけでも非常に衝撃的な行動だ。
これまで私が助けを求めた4人の女性たちは、一度たりとも私に先に連絡を取ってきたことはなかったからだ。
そして、それは当然のこと。
彼女たちが私に先に連絡をしてくるとすれば、それは助けを求めることでしかない。
それに私が助けを提供して、必要なものを「贈り物」として受け取るという状況自体が、彼女たちにとってはプライドを傷つけることなのに、助けを求めるだなんて?
その考え自体が非常識に思えるのだ。
だから私もまた、サンドラを通してではなく、個別に連絡を取ることは控えていた。
「夫人が直接いらしたようです。」
「カシ夫人ですか?直接?」
私は執事の答えに驚いて慌てて立ち上がった。
そして半ば混乱したまま書斎を出ていきながら尋ねた。
「どちらへ案内しましたか?」
「いいえ、手紙をお渡しして帰られました。」
「何に乗って来られたんですか?」
「……ただ歩いて来られたようです。」
なんということだ。
この暑さの中で貴族のご婦人が私の家まで歩いて来た状況を思い浮かべると、ただ呆然とせざるを得なかった。
何かが非常にまずかったことは明らかだ。
「ルイン!」
私の部屋にいたルインが素早く中から出てきた。
「行ってカシ夫人を連れてきて。私が少し時間がかかると言っておいて。歩いて行ったなら、この辺りにいるはずだ。どういう風貌かと言うと、金髪で……。」
「このくらいの背丈で金色の目をしたご婦人ですね?わかりました。」
ルインはすぐに私が探しているカシ夫人を見つけるべく急いで出て行った。
誰かが誰だか確認するため、私はすぐに外へ飛び出した。
そしてその場で体を向き直すと、出てきたエナとアイリス、アシュリーに出会った。
「アイリス、ノートを持ってこの階に上がって。アシュリー、今日やるべきことがあったわよね?」
アシュリーが今日する予定だったことを私は思い出せない。
彼女が筆記用具の使い方を練習するのだったか、それとも筆記体の練習だったか?
その時、アイリスが口を挟んだ。
「アシュリーは今日、筆記体の練習をする予定です。この階の書斎で一緒にやれば大丈夫ですよ。」
「そう、お願いするわね。エナ、お客様が来るから車の準備をお願い。デザートも。」
三人は私の指示に素早く従った。そして私はジムの元に戻り、口を開いた。
「ジム、カシ夫人は・・・」
「小さな応接室を準備して、誰も近づけないようにしておきます。」
我が家の人たちはみんな気が利くので、その点は心配ない。
私はジムに微笑みかけ、彼のきちんとした服装を確認した。
ジムがアシュリーとアイリスと一緒に小さな応接室を整えている間、アイスクリームをクッキーの間に挟んでデザートを完成させていると、ルインが戻ってきた。
その隣にはカシ夫人が緊張した表情でついてきていた。
私は明るく笑顔を見せながら彼女を迎えた。
「ようこそ、カシ夫人。」
「突然お邪魔して申し訳ありません。散歩のついでに手紙だけ届けようと思ったのですが……。」
この家まで散歩で来るわけがない。
でも私は何も知らないふりをした。
私にも同じような経験があるからだ。
散歩のついでと言い訳しながら馬車を呼んで訪問したことがあった。
「分かっています。たまたま時間がぴったりあったから、ただ送り出すには少し惜しいと思いました。そうでなくても料理人がデザートを作ってくれましたので。この機会にぜひ味を見ていただこうと思いました。」
カシ夫人は私の提案をまったく信じられない様子で見ていた。
むしろ私がそれを当然のように振る舞っていることに、さらに緊張しているようだった。
最初から緊張させようと思ったわけではないのに、私は穏やかに微笑んで彼女を小さな応接室へ案内した。
「カシ夫人にお会いできて光栄です。このデザートの反応がとても気になっていました。」
私が再びデザートの話題を振ると、カシ夫人は少し興味を示したようだった。
彼女は私が勧めた通りに席につきながら質問した。
「どんなデザートですか?」
「アイスクリームで作ったものです。」
私がそう言ったタイミングで、ちょうどよくルインが茶とクッキーサンドアイスクリームを持ってきた。
クッキーが挟まれたアイスクリームを見て、カシ夫人の表情が少し戸惑い気味に変わる。
「冷たいですよ。」
そう言いながら私はフォークとナイフでクッキーを半分に割り、彼女に中身を見せた。
やっぱりパンにするべきだったのだろうか。
カステラを使うのが最適な選択だと思ったが、カステラは大量生産が難しく、レストランでの販売には少し不向きに感じられた。
上に挟まれたクッキーが半分に割れると、中のアイスクリームが少し溶け始めた。
カシ夫人はフォークで一口分を切り取って口に運び、軽く息をついた。
久しぶりに甘いものを食べたようだった。
以前、子どもたちにクッキーを焼いてあげたときも、彼らの反応はまさにこんな感じだったことを思い出す。
私は、自分がちらっと見ただけで戸惑ったり動揺しているカシ夫人を少し和ませようとした。
私は素早くお茶を飲み顔を隠した。







