幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【80話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

80話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 予想もしていない再会③

一方、ルートはユリアナ皇女と楽しい時間を過ごしていた。

二人は最近、デート中であった。

交際を始めたが、まだ正式に婚約者とは明かされておらず、秘密裏に会っていた。

ユリアナ皇女は侍女たちと共にするティーパーティーに彼を招待したかのように装った。

だが、実際のティーパーティーの場所にはルートとユリアナの二人だけだった。

可愛く飾られたティーテーブルが置かれた小さな庭園。

デザートがなくても甘さが漂いそうなその風景にもかかわらず、ユリアナの表情はよくなかった。

ちょうど今朝、侍従が持ってきた知らせのせいだ。

息が詰まりそうだった。

セドリック、デミアン皇子がレイモンド卿を連れて決闘をしたという話まではまだよかったが——

『やっぱりお兄様たちは私の味方ね。』

そう思いながら話を聞いていたユリアナ皇女の眉間が、突然ぎゅっと寄った。

「突然グリフィス様が現れて、代わりに試合をすると言い出したんです!ところが皇女様が呆然として倒れてしまって……」

「言語道断よ!よりによって皇族の身体に傷をつけるなんて!」

「もちろん、その後すぐに自らの神聖力で治癒の魔法をかけて戻ったそうです……」

侍従は恐縮しながらそう答えた。

それでもユリアナは言葉が出なかった。

薬を与えるわけでもなく、死ぬほど殴って治癒すれば罪が消えるというのか?

話を聞く限り、そのグリフィスという人物は精神的に問題があるのは間違いない。

正気を失った殺人鬼のような者が、よりによって皇族にそんなことをするなんて。

もちろん、その人も皇族だとは聞いたが、ここはアウラリア帝国ではない。

まさかこの帝国の皇城内で、皇族にそんなことを!

その一件に腹を立ててルートに当たったところだった。

自分のせいでプライドを傷つけられた兄たちを思うと、ユリアナは胸が痛んだ。

ルートは優しく彼女を慰めながら、グリフィスという人間について非難した。

だが話題は「レイモンド卿」へと移っていった。

二人は真剣に付き合うことにした分、今後ケンカをすることがあっても敬語を使うことにした。

ユリアナは怒っていたが、きっちり敬語で話した。

「本当に信頼できず、ずるい人です!良い人だと思っていたのに…私を欺くだけでは足らず、グリフィスという人を呼んできてお兄様たちを侮辱するなんて?」

「……」

あまりにも腹が立って、レイモンド卿への悪口が次々と出てきたが、ルートには返答がなかった。

少し前まではグリフィスという人物をけなすときには同調してくれたのに?

『もしかして今、嫉妬してるの?』

ユリアナは少し膨れっ面になった。

頬をふくらませて腕を組むと、ルートは慌てた。

「い、いえ!あの…レイモンド卿は、あまり深く考えてなかったと思います。グリフィスとは違って、レイモンド卿はそんなに悪い人ではありません。」

「…本当にそう思ってるの?」

「実は…皇女様に告白するまで、レイモンド卿の助けをたくさん受けていたんです。」

その言葉にユリアナの目がわずかに見開かれた。

彼女はもっと詳しく話してほしいと促した。

ルートは戸惑いながらも、二人の間にあった出来事をざっくりと説明していった。

そうして話をすべて聞いた後、ユリアナは呆れたように笑った。

今思えば、最初から完全に誤解していたようだ。

ユリアナの顔が赤くなっていった。

だが、だからといってレイモンド卿がまともな人間というわけでもなかった。

彼は見事に風変わりだった。

数日前、ユリアナの侍女セシルが突然やって来て、わんわん泣いたことがあった。

セシルは以前からひそかにレイモンド卿に想いを寄せていた。

彼女が泣いた理由は、妙な噂のせいだった。

まさかレイモンド卿とグレイス嬢の間に親密な関係があるという噂が流れたのかと思ったが、まったく違う内容だった。

最近、皇城に客人として滞在している

ローズベリ帝国のロミオ皇子とレイモンド卿があんな関係だったなんて。

その言葉にユリアナはとても大きな衝撃を受けた。

同時に、どこか気まずさも感じた。

だからルートがこれ以上彼と関わってほしくなかった。

でもルートが何度も彼を擁護するので腹が立った。

レイモンド卿なのか、自分なのか。

はっきりと選んでほしいと思ったが、ユリアナは必死にこらえた。

そのとき、ルートが言った。

「でも、レイモンド卿はそんなに悪い人じゃないんです。あまりにも感謝して、いちばん大切にしていた宝物までくれたんですよ。もともと皇女様に差し上げようと思ってたのに……」

「…それって、何ですか?」

ユリアナの眉間がひそめられた。

自分にくれるはずだったものを、その男に渡したって?

まさか、ロミオ皇子だけでなくルートまで妙な勢力に引き込もうとしているのでは?

突然、不安な気持ちが押し寄せた。

「それは… 実は、僕が子どもの頃から大事にしていた品で、神殿の聖物なんです。」

ルートはレイモンド卿に渡した贈り物について、詳しく話し始めた。

その話を聞くユリアナの顔には暗い影が落ちていった。

「でも…!聖物なら神殿に納めなきゃいけないでしょう!!どうしてそんな人に聖物を――」

「分かっています。でもあのときはなぜか、それを渡さなければならない気がして……」

「私にくれたのなら、大切に保管して、神殿に寄贈したと思います。でもレイモンド卿は変わってるから、もしかすると売ってしまったかもしれません。そのときは、神殿でルート卿に責任を問えばいいのでは?」

「……!」

その言葉にルートの表情がこわばった。

突然、不安が押し寄せてきたのだ。

ユリアナは少しの間、ためらったあと、彼の耳元でそっとささやいた。

この四人を連れてシュペリオン領地へ行かなければならないとは。

領地で処理すべきことは山ほどあった。

祖母や祖父、おばやおじたちのこともあるし。

そんな中でこの四人の面倒まで見なきゃいけないなんて。

頭の中は混乱していた。

けれど、その一方で心臓は嬉しそうに高鳴っていた。

正直なところ、不安よりも嬉しさが勝っていた。

友達と離れずに済むのだ。

1000億を貯めるその日まで、友達が自分を信じてそばにいてくれるなら、それ以上に幸せなことはなかった。

そのとき、カーリクスと口喧嘩をしていたロミオが笑いを噛み殺しながら言った。

「…あ、そういえば君と僕に変な噂が立ってたよね?」

「えっ?」

レリアは戸惑いながら尋ねた。

ロミオは指先で顔を隠していた。

ロミオと自分の間に変な噂?

「君と僕が“そういう関係”だってさ。」

「……!」

その言葉に驚いてウサギのように目を見開いたレリアに、カーリクスはくすくすと笑った。

「あり得ないって!君たち二人が?」

「そうだよ、でもしばらくは僕の顔見て笑わないで。僕があまりにもイケてるから、見るだけでとろける微笑みが出るのはわかるけど、我慢してね。」

ロミオの隣で、レリアは震えながら首をすくめた。

グリフィスもまた、気まずそうに眉間にしわを寄せた。

「僕は男でも女でも関係ないと思うけど。」

その時、レリアの隣に座っていたオスカーが、淡々とした声で言った。

その言葉に、カーリクスとロミオはピクリと反応し、そっとオスカーから距離を取った。

グリフィスもまた、顔をしかめながら彼を見つめた。

しかし、オスカーは何食わぬ顔でレリアを見ながら笑った。

「ところで、お前、レリアって本名か?」

「…はい。」

皮肉を込めて茶々を入れていたカーリクスが、思わずぎょっとした。

「なんだって?かわいそうなやつめ!ああ…!幼い頃からだまされていたから、お母さんが女の子のような名前をつけたんだな!」

「…はい。」

「でも、まあ悪くないよ!男っぽい名前もあるし、大丈夫だよ。気にしないで。」

カーリクスは手を伸ばして慰めるように彼女の髪をくしゃくしゃと撫でた。

何事かとオスカーが目で問いかけると、カーリクスは「あっ!」と姿勢を正し、本格的に話をしようと身構えた。

レリアはすでに覚悟して眉をしかめていた。

カーリクスはレリアの不幸な過去について語り始めた。

レリアの母親は当時、皇位継承争いが激しかったため、息子が危険にさらされないようにと、娘として育てたのだと。

いずれにせよ、無邪気なカーリクスの顔を見て、レリアはため息をついた。

カーリクスが子供の頃の話を終えたあと、今度はレリアが皇帝の前で疑われた話を思い出した。

「その時だよ!急にあいつがどうしたと思う?」

そう言うと、彼は腕まくりして詳細な説明を始めた。

「なあ、どれだけ図太い神経のやつなんだよ?俺だったら皇帝の前じゃパンツも脱げねぇのに!お前は脱げんのか?おい?」

その言葉に皆が噴き出した。

レリアは耐えがたくなった。

「誰がレオの弟なのよ。すごい図々しいわね。」

「………」

話を聞いていたオスカーは、大きな白い手で口元を隠しながら笑っていた。

レリアはオスカーの視線に不快感を覚えた。

なぜかすべてを見抜いているような目だった。

もしかすると、全てを察していたのかもしれない。

それだけなら「私のことをわかってくれてありがとう」とオスカーに感謝してもよかったはずなのに……そんな気持ちは全く湧かなかった。

隠しているようでいて、彼女を見つめるオスカーの目には裏切られたという感情と失望がはっきりと現れていた。

だから不快だった。

「とにかく、一刻も早く皇城を離れたほうがよさそうです。」

レリアはオスカーの視線を避けてすっと立ち上がった。

彼の視線のせいで喉が締めつけられるような気がして、逃げ出したくなった。

「そうだな。明日にでもすぐ出発しよう。」

ロミオの言葉に、レリアはスツールを押しのけるようにして、自分の部屋へと逃げるように去っていった。

 



 

 

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