幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【91話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

91話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 集合④

午後3時ごろ。

レリアは叔父と祖父に呼ばれて会話を交わした。

二人はレリアに王都で何があったのかを尋ねた。

「………」

レリアが簡単に答えられずにいると、シュペリオン公爵は「大丈夫だ」と言いながらカップをなぞった。

「話したくないなら、これ以上は聞かない。」

無理に答えさせるつもりはなかった。

話さなければそれまでだ。

…ならば、何か事情があるのだろうと思いたかった。

公爵の穏やかな言葉に、レリアは黙って口元を震わせた。

「実は……」

レリアは、これ以上隠し通せないことを分かっていた。

もしかすると神殿の追跡を防ぐためにも、祖父には大まかな事情を説明しなければならなかった。

「首都にいる間、皇城で過ごしていました。」

「何だって?」

「どこ?皇城?」

レリアの驚くべき告白に、シュペリオン公爵とカリウスの顔が真っ青になった。

「その……なんだかんだで南帳に入ることになって。」

「南帳?南帳って、君が?」

「ああ!だから領地に戻ってきた日に、そんな服を着ていたのか……」

「はい……。」

「皇帝に会ったのか?」

公爵の問いに、レリアは小さくカップを握りしめた。

「でも、私のことはわかっていませんでした。男だと思っているんです。」

「完全に誤解してるってことじゃないか?どうして君を男だと信じられるんだ?」

「それは… 私が作った錬金術の薬のおかげです。」

レリアは大まかな話を説明した。

その中には、カーリクスが自分を男だと思っているという内容まで含まれていた。

カーリクスとレリアを結びつけようとしていたカリウスは、額を押さえた。

「カーリクスには、しばらく秘密にしてください。私の口からどうしても伝えたいことがあるんです。そのとき一緒に話そうと思っていて。どんな話かは今は詳しくは申し上げられませんが……」

「わかった。」

思ったよりもカリウスはあっさりと納得してくれた。

レリアは細かく説明しなくても、いつも自分の言葉を信じてくれる祖父と叔父に感謝した。

公爵は穏やかな表情でレリアの背中をさすった。

「かわいそうな子。あの子たちにいじめられなかった?」

「……」

レリアは大丈夫だと言いながら首を横に振った。

目頭が熱くなってきた。

その時、「ちょっと待って!」とカリウスが聞いた。

「双子のあいつら?お前に何もしてこなかったのか?」

その二人の話が出た途端、レリアの唇がわなわなと震えた。

レリアを殺したくてたまらなかった二人の顔が思い浮かんだ。

鼻の奥がツンとして、自然と涙が込み上げてきた。

あの時は本当に何もなかったのに…なぜか祖父と叔父が尋ねたことで、あのとき大きな傷を受けたのだと気づいた。

グリピスからすぐに治癒魔法を受けたとはいえ、そのときの傷は彼女の心に深い傷跡を残した。

「お二人とも、私のことがわからなかったんです。」

レリアは平然とした表情を装っていた。

叔父と祖父にとっては、セドリックやデミアンも大切な存在なのだ。

彼らをわざわざ困らせたくはなかった。

レリアは無理やり笑顔を浮かべながら話を続けた。

神殿が自分を追跡しているかもしれないという内容だった。

その重大な話を聞いた公爵は、拳で机をドン!と叩いた。

「その者たち!なんてことを!」

「そのユリアナってやつ、ただの小娘じゃないな。ユリアナ皇女はおとなしい子かと思ったけど、全然か弱くなんかなくて……」

ユリアナ皇女の話をする時、カリウスはそっとレリアの顔色をうかがった。

レリアは何ともないふりをした。

「かわいそうに… かわいそうな私の子。私の孫娘。」

公爵は怒りを抑えきれないような顔になり、レリアを抱きしめた。

「おじいさま……」

「そうだ、そうだ。」

カリウスは優しい表情を浮かべながら、二人をぎゅっと抱きしめた。

「おまえは、あっちへ行け。」

「父さん、息子にも少しは情けをかけてください。」

祖父は、そんな叔父を押しのけようとした。

レリアはそんな二人を見て、思わず笑ってしまった。

カリウスは父とレリアをそっと見守りながら、顔をしかめた。

空気を読まざるをえなかった。

双子の皇子たちがレリアを苦しめたのは明らかだった。

もっと詳しく調べなければと思いながら、彼はあえて何も言わないようにした。

 



 

友達がいつ戻ってくるのか、もしかして傷ついたのではないか——しばらく心配していた時だった。

彼らが到着する前に、他の人たちが先に本城に到着していた。

祖母と叔母、そして伯父だった。

「おばあちゃん!」

レリアは叔母に付き添われて入ってくる祖母に駆け寄って抱きついた。

出発前よりも体調が悪くなっていたということで、顔色が青白かった。

「えっ……?私の娘、エリザベス……」

公爵夫人はレリアをまったく見分けられず、ただ娘の名前だけをつぶやいた。

レリアはその姿に思わず涙をこぼした。

「私の娘、なんで泣いてるの……ん? 誰かがあなたをつらくさせたの……?」

祖母はゆっくりとした声で話しながら、レリアの頬をそっとなでた。

レリアは泣きたくなかったが、いつの間にか泣いていたかのように涙を拭った。

「私は泣いてません。」

「そうかい…うちの娘が泣いたら、このおばあちゃんの胸が引き裂かれるよ……」

レリアは無理に笑いながら、ぎゅっと祖母の手を握った。

「とりあえず部屋へご案内しましょう。」

叔母の言葉に、レリアはすぐに祖母を支えて部屋へ向かった。

都からの道のりで疲れていたのか、公爵夫人はベッドに横になるとすぐに静かに眠りについた。

レリアは遅れて喜びを分かち合った。

アティアスはレリアを呼び寄せ、力強く抱きしめてその額にキスをした。

「お姫様、無事に戻ってきてくれてうれしいよ。」

叔母の優しい手のひらに、レリアは心が安らいでいくのを感じた。

「どこか怪我はなかった?」

優しいアティアスとは違い、ジェノンは無表情で尋ねた。

ただ、その質問の内容には優しさがにじんでいた。

「はい。」

レリアが喉を詰まらせながら笑うと、ジェノンはレリアの頭をなでた。

「何事もなかったんだね?」

叔母の問いかけに、レリアはそっとうなずきながら、こくんと頷いた。

申し訳ないけれど、祖父とカリウスおじさんに話したことは、しばらくの間秘密だった。

二人もまた、レリアに他の質問はしなかった。

ただレリアが無事に戻ってきたということだけで、すべてが十分であるかのようだった。

その思いが静かに伝わり、レリアはぽっかりと空いていた胸の隙間が少しずつ埋まっていくのを感じた。

 



 

夜も更けて、ようやく友達が戻ってきた。

レリアは屋敷の中で彼らを待っていたが、誰よりも嬉しそうに彼らを出迎えた。

もし怪我をしていたらと思って、念入りに様子を確認したが、皆無事なようだった。

「どこか怪我はありませんか?」

レリアが尋ねたが、グリフィスとオスカーは答えずにさっと執務室へ行ってしまった。

レリアは訳も分からず、二人の後ろ姿を見つめた。

するとロミオがそんなレリアの肩に手を置いて、そっと囁いた。

「異教徒問題はすぐに解決したけど… あの二人が喧嘩ばかりしてたのが問題だったんだ。」

「えっ、どうして?なぜ喧嘩を?」

レリアは不思議そうに尋ねた。

以前からあの二人の仲は悪くなかったはずなのに……一体なぜそんなことに?

記憶の中の二人は、それほど仲が悪かったようには見えなかった。

ロミオはそんな彼女を見て言った。

「意外かもしれないけど、あの二人は仲が良くないんだ。大人たちも知らない事実だから、君も知らなかっただろうけど。」

「………」

「そんなに心配しないで。あれこれと召使いたちがざわついてるけど?」

「ああ、それは…おばあさまが避暑地に行かれて、今日戻られたんです。」

「なるほど。エリザベス前皇后のお母様?」

「………」

最も大事なところを突いてくるロミオの言葉に、レリアの表情が曇った。

そして気づけば、友達に説明すらしていなかった。

なぜレリアがここにいるのか、エリザベス前皇后の家族がなぜ孫娘のように彼女を扱っているのか。

「それは……」

レリアが説明しようとしたその時、ロミオの冷たい指が彼女の唇に触れた。

「言わなくていい。」

「……」

「今は。」

レリアがぽかんとして固まっていると、ロミオは微笑んだ。

唇をそっと押さえていた冷たい指先が、名残惜しそうにとてもゆっくりと離れた。

そしてその指先は、すぐにロミオの唇へと向かった。

「……?」

ロミオはレリアの唇に当てられていた自分の指先を、自分の唇にあてて軽く噛むふりをして、いたずらっぽく笑った。

「おやすみ。」

「………」

淡い微笑みであいさつを交わした後、ロミオは背を向けて軽やかな足取りで歩き去った。

レリアはロミオが部屋に入っていった後もしばらく、ぽかんとその場に立ち尽くしていた。

そんなとき――

突然、レリアの右肩に大きな手がトンッ!とのった。

驚いたレリアが「きゃっ!」と叫んで、首を振り向いた。

右の頬にコツンと、何かしっかりしたものが当たった。

カーリクスが彼女の肩に手を置き、無言で頬をつついて笑っていた。

「ここで何してるんだ?」

「……」

レリアは肩に乗ったカーリクスの重たい手を払いのけて、大きくため息をついた。

ほんとに……。

幼い頃からカーリクスにこのいたずらをされたのは一度や二度ではなかった。

レリアは内心のむかつきを抑え込んだ。

そして体をひねってカーリクスを上から下まで見回した。

どこか怪我をしていないか、視力がさらに悪化していないかを確認するために。

「な、なんでそんなに驚いてるの?上から……。」

けれど、カーリクスの反応は妙だった。

まるで誰かにいたずらされたように一歩下がったのだ。

レリアを警戒しているようだった。

しまいには腕をクロスさせて、自分を守るような姿勢まで取ったのだが……何してるの?

レリアはまるで犯罪者にでもなった気分だった。

「………」

レリアはカーリクスの様子が不思議で、思わず目を見開いた。

カーリクスは目が合うとすぐに顔をそらした。

レリアは不審に思いながらも、いたずらっぽく尋ねた。

「10分で終わるって言ってたのに、どうしてこんなに遅くなったんですか?」

「…お、お前…! なんでそんな小言を言うんだ?」

「えっ?」

ところが、返ってきたカーリクスの反応はやや予想外だった。

カーリクスは顔を真っ赤にして、目をそらしていた。

「ぜ、絶対に家で待ってる奥さんみたいなこと言うなよ!俺と似たような奴のくせに…!なんで奥さんぶるんだよ?!」

カーリクスは一人で怒りだしてぶつぶつ言いながら、レリアの横を通りすぎていった。

なんで、なんであんな態度なの?

そして——バンッ!とカーリクスが自分の部屋のドアを閉める音が聞こえた。

レリアは呆然と立ち尽くした。

一方、部屋に入ったカーリクスは、ドアにもたれかかりながら、心臓のあたりを押さえて、はっと息をついた。

「はあ、心臓がおかしい……。なんでこんなことに?片目が見えなくなってから心臓まで悪くなったのか?それとも… 関係あるのか?」

カーリクスはぎゅっと目を閉じ、その場にどさっと座り込んだ。

「全部あの野郎のせいだ。あの忌まわしい男!」

カーリクスは内心でレリアを責めながらも、ひどくもどかしく感じていた。

彼の頭の中に、昨日の出来事がぐるぐると浮かび上がっていた。

レリアが両頬を押さえて少し顔を上げた瞬間… あまりの驚きに体がそのまま固まってしまうということを初めて知った。

まだ心臓がドキドキしている。

いったいどうしてこんなことに…?

まさかキスされるとは思わなかった。

ただの一度も誰かとキスしたことなんてないのに…。

まさか私の“初めて”を奪おうとしたってこと?

もちろん奪われたわけじゃないけど。

でもちょっと残念… いや、なにが残念なんだ!?

カーリクスは妙な物足りなさを感じる自分に疑問を持ち、ふさふさの髪をぐしゃっとかき乱した。

なんで、なんで物足りないの?

同じ屋敷に住んでる奴とキスできなかったことが、なんでそんなに残念なんだ!?

「うわああっ!」

カーリクスは苦しさにうめきながら、床に倒れ込んだ。

「くそっ、あいつはどうやって俺の目の状態を知ったんだ?」

あいつは怪しいやつだ。

自分のために鎮痛剤と精神安定剤をぎっしり詰めて置いていったときには感動したけれど……

まさか自分の目の状態を見抜かれていたとは、なんだか妙な気分だった。

『誰にも気づかれないと思ってたのに。』

本当に気づかれないようにしてたのに……。

でも、無意識のうちに誰かに気づいてほしかったのかもしれない。

『ちくしょう、まだこんなに弱い気持ちがあるなんて… 自分が情けない。』

カーリクスは唇をぎゅっとかみしめた。

なんとなく胸がすっきりしていて熱かった。

自分の本心がすべてさらけ出されたようでムズムズして不快だった。

けれど一方では、心の奥がすっきりしていた。

レリア、あの子は特別だという思いが湧き上がった。

「…特別なんてくだらない。」

これは全部、あいつが突然ドレスを着て現れたせいだ。

最初に会ったときもドレス姿ではあったが… 今のようにキラキラと美しいレースのドレスを着ていたわけではなかった。

ここで再会したレリアはとても印象的だった。

正直に言えば… 本当にきれいだった。

だから、どこか見慣れているようでいて、また見慣れない感じがした。

どうしてあんなにも女性らしさが自然に出せるのか?と思っているうちに、ドキッと胸をつかれた。

そのとき、ふと前にオスカーが言っていた言葉が思い出された。

「俺は男でも女でも関係ないと思う。」

あのときは、「あいつバカなんじゃないか」と心の中で罵り、あきれ返ったものだった。

でもなぜか今なら、その言葉が理解できそうな気がした。

『そうだ、レリアがあいつなら、本当に関係ないかも…。』

カーリクスはその瞬間にふと浮かんだ考えに、思わずぎょっとした。

『いや、関係ないわけないだろ!?』

腕一本分しか違わないやつなんだぞ!…でも、何がどうだって?

どうせ私より小さいのに?

頭の中がグルグルしていた。

カーリクスは思考を止め、苛立ったように服を脱ぎ捨てて浴室へ向かった。

冷水を浴びなければ、頭がスッキリしない気がした。

 



 

 

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