幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【99話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

99話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 危険人物

その日の午後、レリアが薬瓶を持ってしばらくぼんやりしていたとき、ロミオがやって来た。

「ロミオ様、何かあったのですか?」

以前と同じようにレリアの存在を意識すると、ロミオは一瞬しかめっ面をしたが、すぐに笑った。

「まぁ…いいよ。ただ何かあったのかと思って来ただけ。今日は他の奴らが来たりしてないよね?」

「いえ、誰も来てませんけど。」

レリアがきっぱりと答えると、ロミオは静かな目で彼女の表情を観察した。

まるで心の中まで見透かされるような気がして、レリアは目をそらしてしまった。

「それが本当の理由ですか?」

「…いえ、それとは別にもうひとつ話があるんです。倉庫を整理してたときに、何かを見つけたんですよ。」

ロミオの言葉に、レリアの目が大きく見開かれた。

ウサギのようにまんまるな目でこちらを見つめるその眼差しに、ロミオは「やっぱりそうか」とでも言うように笑った。

そして自然と応接室のソファに腰を下ろした。

レリアは話が長くなりそうだったので、ベキーにお茶をお願いした。

ベキーがお茶を用意して出ていくと、ロミオはゆったりと口を開いた。

「異教徒のやつらが正しかったとして、その中に自分の仲間が何人かいたって?」

「………」

レリアは目を細めた。

本来あの戦闘には友人たちではなく、ジェノおじさんが出る予定だった。

その戦闘でおじさんが死ぬのが原作の流れだったのだ。

ロミオの話によると、原作ではジェノの叔父は異教徒と戦って死んだのではないかと思われる。

確かに怪しい。

「その中の一人をわざと逃がしてやった。」

「追跡魔法をかけたんですか?」

レリアの質問にロミオは小さく笑った。

「そうさ。ものすごく怪しかったから。」

「それじゃあ…。」

「うん、そいつが今、俺の本拠地に着いたみたいで…それを伝えに来たんだ。君のおじいさんかカリウス卿に知らせようと思ってたけど、途中でここに寄ったんだ。」

とても良いことだった。

レリアはむやみに祖父や叔父を心配させたくなかった。

誰にも知られず自分ひとりで処理できれば、それが一番良かった。

もちろん難しいだろうけど……。

しかし、ロミオの助けがあれば可能かもしれない。

レリアは信頼に満ちた目でロミオを見つめた。

ロミオはしばらくその眼差しを楽しんだ。

「…今のその目だけ?言いたいことはないの?」

ロミオが気をうかがうと、レリアは慌てて口を開いた。

「わっ、ロミオ様は本当に素晴らしいです!どうしてそんなことを知って、追跡魔法を…すごいです。さすが大陸最高の魔法使いです!」

「うーん…ちょっとおべっかが過ぎるな。」

「…ロミオ様はやっぱり几帳面で信頼できる方ですね。」

レリアが感心してつぶやくと、ロミオは口元が緩むのを抑えきれなかった。

『単純なやつめ…。』

ロミオは皮肉を言いたくなりながらも、こんなに単純なときがあるのかと思った。

レリアはもう一度、ロミオがどんな人なのか考えながら、彼が情報を教えてくれるのを待った。

ロミオはあきれたように、軽い口調で言った。

「領地の西部地域の端に人が住んでいる小さな村があるんだけど、知ってる?」

「西部地域の端ですか?」

領地の西部地域の端には「モレ砂漠」があった。

昔は村があったらしいが、砂嵐が起きた後、すべての住民が移住したと聞いていた。

なのに、人が住む村だって?

「詳しく調べてみないと分からないけど、結構多くの人がいるようだったよ。何か調査していることがあるの?」

ロミオがさりげなく尋ねると、レリアは迷った末に決心して口を開いた。

ロミオなら大きな助けになるかもしれない。

レリアはロミオを完全に信頼していた。

すべてを話すことはできないが、ロミオなら理由も聞かずに受け入れてくれるだろう。

しっかりと決心し、レリアは口を開いた。

「実は…ちょっとだけシュペリオンの件に関わっていて――たくさんのことが起こると思います。おじい様、カリウスおじさん、アティアスおばさんまで…私はそれを止めたいんです。」

「………」

ロミオはそれを君がどうして事前に知っているのか、詮索するような質問はしなかった。

ただレリアをしばらく見つめた後、尋ねた。

「怪しい人物は?」

レリアは首を横に振った。

今のところはまったくいない。

「ふうん……」

「今……別途で調査中です。」

「人を雇ったの?」

「それは違って……だから……」

レリアが言葉を詰まらせると、ロミオは顎をさすった。

「答えなくてもいいよ。でも……僕なら力になれると思うんだけど、どう?」

ロミオがそっと手を差し出しながら尋ねた。

レリアは釣られた魚のようにその手をぎゅっと握りしめた。

「ロミオ様が手伝ってくださるなら、私も心強いです!正直、あの4人の中で一番賢いのはロミオ様じゃないですか。ですよね?」

お世辞の言葉に、ロミオの表情はまるでご機嫌な猫のように緩んだ。

レリアは心の中で拳を握りしめた。

それに気づいたのか、ロミオが笑みを含んだ声で言った。

「隊長がこんなにおべっかが上手だなんて全然知らなかったよ?なかなかの才能だね。」

「………」

レリアはすぐにロミオの手を振り払った。

悔しくてプライドが傷ついたけれど……仕方なかった。

隊長としての威厳は、すでに地に落ちて久しいのだ。

レリアはプライドを必死に抑え、再びロミオの手をそっと握った。

「……とにかく、カリウスおじさんが当分の間 城から出られないように、しっかり見張っていないといけません。行方不明にならないように。」

「……ふうん。そう?」

ロミオはもう片方の手でレリアの手の甲をくすぐった。

手のひらに触れる感覚がむずがゆかったが、レリアは特に違和感を覚えなかった。

しかし、ロミオがくすくすと笑い出したことで、何か変だと気づいて彼を見つめた。

「私の説明、ちゃんと聞いてましたよね?」

「うん。」

……聞いてなかった気がするんだけど。

レリアは目を細めてロミオをにらんだ。

それでもロミオは嬉しそうに目を細めて笑っていた。

そして、彼女の手の甲を撫でていたその手を持ち上げて、レリアの頬を軽くトントンと叩きながら言った。

「本当にかわいくなったね。ね?」

まるで久しぶりに会った年下の妹をあやすような態度に、レリアはどう反応すればよいのかわからなかった。

気分がすっかり害されて手を放し、にらみつけるとロミオはお腹を抱えて笑った。

レリアは「禁言魔法(言葉を封じる魔法)」を完全に解き、すべての事実を自分の口で告白するまでは、いつも通りの態度を保とうとした。

しかしロミオがこう出てくると、つい「おい、死にたいの?」と叫んで、子どもの頃のように殴ってやりたくなった。

レリアは衝動を必死に堪え、ロミオを部屋から追い出した。

ロミオは追い出されながらもクスクス笑い、やれやれと言いながら言った。

「まっ、西部地域のことは心配しなくていいよ。僕が直接行ってくるから。」

「お一人でですか?」

レリアが心配そうに尋ねると、ロミオは笑いながら答えた。

「心配しなくていいよ。どんな奴でも俺の後ろに引き連れて行くつもりだから。」

ロミオは残りの三人の友人たちを必ず連れて行くようにと断言した。

レリアが笑うと、彼は最後にもう一言付け加えた。

「それと、グリピスかオスカーが来ても絶対に会わせないで。」

思いがけない言葉にレリアは吹き出して笑った。

ロミオは二、三度そんなふうにきっぱりと言ったあと、去っていった。

 



 

叔母と叔父と食事をし、祖母と一緒に散歩までもしてきた後のことだった。

いつの間にか日はすっかり傾いていた。

オスカーとグリフィスが訪ねてきたのは、太陽が完全に地平線の向こうへ沈んだあとだった。

「……」

ドアを開けた瞬間、レリアはなぜロミオがこの二人には会わせるなと言ったのか、すぐに理解した。

二人とも顔の様子がひどかった。

ちょうどレリアの元を訪れようとしていた二人は、ドアの前で互いに睨み合うように立っていた。

レリアは二人の視線と傷を見て察した。

「まさか二人、ケンカしたの……?」

「違う。」

「……違うよ。」

二人はほぼ同時に答えた。

それでもレリアは疑いを拭いきれなかった。

「じゃあ、顔の傷はなんなんですか?」

「これは…ロミオのやつが……」

グリピスが言い訳するように言葉を濁すと、レリアの眉間がひそめられた。

ロミオがやったって?ロミオが?

『カーリクスならまだしも、ロミオがそんなことするはずないのに……』

いずれにせよ。

レリアはグリピスを見ながらあきれた。

「早く治さないと、どうするつもりですか。」

友達の顔が痛々しいのを見て、胸が痛んだ。

『グリフィスは治癒力を自由に使えるのに、どうしてあんな傷を抱えたまま来たの?』

疑いの目を向けていたその時、グリフィスの顔の傷がゆっくりと消え始めた。

レリアはグリフィスに、オスカーも早く治してあげて、という視線を送った。

オスカーはそんなグリフィスを苦笑いしながら見つめ返した。

「……」

グリフィスは怒りに満ちた表情で、オスカーの顔の傷も癒した。

そして、二人は何も言わずただ互いにじっと見つめ合うだけだった。

一体なぜ来たのか、理由すらわからなかった。

レリアは疲れが押し寄せ、二人を振り払ってしまった。

「おい、お前……!」

オスカーの部屋で彼を待っていたロミオは、入ってきたオスカーを見るなり眉間にしわを寄せた。

「ったく、自然治癒にしておけって言っただろ!いや、それよりグリピスがお前を治療したのか?」

「………」

「どうせレリアが命令したんだろ?約束してからそんなに経ってないのに、またズカズカ来たのか?」

「…僕が来た。」

オスカーは苛立ち気味に返したが、ロミオは意に介さない様子で肩をすくめ、火の近くへ向かった。

「君には一緒に来てもらう場所がある。」

もちろんオスカーは聞く耳を持たない。

ロミオは一度目を閉じ、口を開いた。

「隊長の頼みなんだ。僕と君に特別に頼んだことだ。…それでも無視するつもり?」

「……」

そのときようやく、オスカーの視線がロミオへ向けられた。

レリアの頼みだと?それをロミオが言うなんて?

オスカーは冷ややかな態度でロミオをにらみつけた。

苛立つのは今回が初めてではなかった。

子どものころはレオと自分の間に他の友人たちが加わるのも悪くなかった。

レオ以外にも他の友人がいるというのは、心強く感じることもあった。

だが今は違った。

あの連中の存在は、彼の計画の妨げにしかならなかった。

本国の準備が整う前に、奴らを引き離さねばならなかった。

それに、もっと重要なのは――レリアの承諾を得ることだった。

「……何の頼みだって?」

そのため、オスカーはすぐにレリアの言葉を拒むことができなかった。

オスカーの態度が思ったよりも素直だったので、ロミオはにっこり笑って口を開いた。

「この領地の西部地域に行く件なんだけど。調べたいことがあってさ。朝になったらすぐ出発しよう。」

「……」

オスカーは「わかった」と言わんばかりに無言でうなずいた。

ロミオは満足げに口笛を吹きながら部屋を出ていった。

広々とした灰色のマントを翻し、ロミオは暗くなった空を見上げた。

片方の口元がゆっくりと持ち上がった。

西部地域へオスカーを連れて行くことにしたのだ。

それはレリアの選択ではなく、オスカーの選択だった。

しばらくの間、レリアのそばを離れなければならなかったが、オスカーを残して行くのは不安だった。

実際、一番危険なのはグリピスだが、

グリピスはそれでも基本的には理性的なやつだった。

短い間にレリアに何かをしでかすようなやつではないという意味だ。

せいぜい、親しくなろうと近づいてくる程度だろう。

『空気の読めるやつだから、しばらくは節度を守るだろう。』

しかし、オスカーは違った。

オスカーは一度スイッチが入れば、善も悪もないやつだった。

特にレオに関わることとなれば――。

 



 

 

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