こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は42話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
42話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- セシリア
エレナはセシリアの生き生きとした笑顔から目を離せずにいた。
見るだけで人を気持ち良くさせるあの微笑。
なぜあなたがここに?
あらゆる状況下でも善意を失わなかった孤高の女性。
誰よりも国母に相応しい恋敵。
(皇后さまがどうしてここにいるの?)
悪縁なら悪縁と言えるのかもしれない。
彼女と出会うとは夢にも思わなかった。
それもこのような偶然な再会なら尚更だ。
「あの・・・、手を握ってくれないと恥ずかしいわ」
「あ・・・、すみません。私はエレナと申します」
セシリアの苦笑いに気づき握手をする。
「新入生ですか?」
「はい」
「新入生だなんて。聞くだけでもワクワクする単語ですね。私もルシアちゃんのように爽やかな時代が・・・」
彼女は特有の明るい雰囲気を土台に、ぎこちなくなりかねない雰囲気を柔軟にリードした。
(あなたはいつもそうだった。貴族であるにもかかわらず、接しやすい態度があなたの魅力。だから、陛下も・・・)
過ぎ去ったことを思い出すと、エレナは胸が苦しくなる。
渇望していた彼への愛情を完全に手に入れた目の前のセシリアは、依然として憎かった。
気にしないように考えても、この感情は簡単には消え去らない。
「ところで本当のところ、二人の関係は?」
「言ったじゃないか。私のアドバイザー兼メンターだって」
「本当に?」
くるりと向きを変えてエレナを見るセシリアは驚きの表情を浮かべていた。
「眼目、識見、技法の理論をたくさん指導してもらっている」
「へえ!あなたのような天才を教えるほどなら、彼女の方が天才ということじゃないか!」
セシリアは心から感嘆する。
偽りなく本気で人に接するのは、彼女の天性だった。
(私には真似することさえ出来ない優しい人)
そのような性質のためかもしれないが、セシリアは社交界から淘汰された。
社交界の令嬢たちには、男を惑わそうとするキツネと陰口を叩かれる。
社交界の花形と呼ばれ、社交界を牛耳ってきたエレナとは逆の行動。
「お二人はどのような知り合いなのですか?」
「私たち?」
セシリアは肩をすくめ、ラファエルを見て大きく笑った。
「一目惚れよ」
「・・・惚れているのですか?」
「ええ。あ、誤解していませんか?私が惚れたのはラファエルの絵よ。それで、私が一方的に友達になろうと言ったのよ」
(忘れてた。卒業後、ラファエルがヴィレム伯爵家の後援を受けていたことを)
二人の間には因縁があったのだ。
- ヴィレム伯爵家
ヴィレム伯爵家は、伝統と骨組みのある帝国の名門。
唇をギュッと噛む。
すでにセシリアとラファエルには信頼関係が築かれている。
これはエレナにとって悪材料。
過去の人生のように、彼女が後援者になるのは良くない。
復讐のためにラファエルは必須だった。
時代を超越する彼の作品だけでなく、彼の存在感だけでも莫大な影響力を及ぼすのだから。
「朝ご飯食べてないでしょ?」
「ああ」
「そうだと思ってサンドイッチを買ってきたわ。ルシア様も一緒に食べましょ」
二人の関係は、エレナが思っている以上に近い。
しかし、それを顔に出すほど彼女は愚かではなかった。
むしろ新入生特有の陽気で活気に満ちた微笑を浮かべる。
その日は一日中胃がもたれ、消化不良だった。
- 人材という宝
「世間を操るのは金」という言葉がある。
ギルドに追加金を上乗せすると、彼らは熱心に情報を集めた。
エレナは記録室の机に置かれた分厚い明細書を見て、満足げに笑う。
「私の身元は、当然隠していただろうし、今回の依頼で、公女殿下が言及されることはないはず」
大公家に潜入して数年間他人の目を欺いたメイは、任務を完璧に遂行する適任者だった。
部屋の鍵をかけてエレナは明細書に視線を移す。
ランドル。
ルネサンス時代が生んだ稀代の建築家。
宝石細工と彫刻で知られた芸術家だったが、数年後、建築家に変わり帝国の歴史に残るサンタマリア聖堂を建てた。
「建築家として名を馳せたけど、それは数年後のこと。今は貧しい家長ね」
世間が注目しない彼に手を差し伸べるつもりだ。
次は、クリスティーナ・マムリス。
「革命的デザイナー」
帝国の衣装は、彼女の登場前後に分けられるという言葉が出るほど歴史的に一線を画したデザイナーだ。
エレナも彼女がデザインしたマーメイドドレスを好んで着ていた。
しかし、あまりにも先進的な考えは排斥されるもの。
現在の彼女は店をオープンしたが、人気は出ずに倒産している。
その為、エレナが彼女の借金を帳消しにする予定だった。
カミールは天文学を志し、星と月を近くで見たいという気持ちから望遠鏡を発明する。
彼の場合は、親の説得が必要だ。
交響曲「天上のアリア」
20歳の若さで聴力を失うヘントニオの耳を治療する。
この他にも医師、画家、技術者、哲学者など。
数え切れないほど多様な分野の巨匠に必要なものを逃さずチェックする。
エレナがまだ日の目を見ない巨匠たちに頼る理由は、彼らの心を買おうという理由だった。
「人材は宝よ」
単純に彼らを後援して、完成した芸術品を取引するのは愚の骨頂。
文化的波及力!
エレナは文字通り時代をリードし、支配を望んでいた。
「メイ、入って」
エレナが渡した羊皮紙には、一人一人に必要なことが詳しく書かれていた。
「彼らのところに行って、そこに書いてある通りにしてちょうだい」
「この人たち全員ですか?」
メイは戸惑いを隠せなかった。
「どうしたの?あなたなら十分上手くできると信じているのだけど?」
エレナの微笑みには絶対的な信頼が込められている。
それはメイ自身が困惑するほど。
「はい、やってみます」
「ええ。一日二日で実行できる仕事じゃないから、アンを騙すようなアリバイも事前に作っておくべきね」
「アリバイですか?」
メイが疑問を呈すると、エレナは有意義な笑みを浮かべる。
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