こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は42話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
42話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 毒蝶の誘惑
「私はただ自分を知っているかのように死にたくはなかったから。強いて言えば、生き残ること自体が目的だったと言えるかもしれないわ」
いつもと違う夜。
もしかしたら、これから二度とやってこない瞬間でもあった。
だからこそ、ロクサナとデオンも、お互いに向けあっていた鋭いトゲを破り、こんなことが言えるのかもしれない。
「でも今考えてみると、それが私の最後の目的ではなかったと思うの」
独り言のように呟く。
「多分、私はこうやってしぶとく生き残って、やりたいことがあったのよ」
「今までこんな瞬間があったのか」と思うほど、二人の間の雰囲気は落ち着いていた。
「デオン、あなたはそれが何なのか知ってる?」
ロクサナは静かな声で聞いた。
静かな光を持ったデオンの瞳が、そんな彼女をじっと見つめる。
「知っている」
ロクサナの顔に微かな笑みが浮かぶ。
互いに似ている点があるかもしれないから。
他人の欲望はいつも簡単に見透かすくせに、彼ら自身の欲望には確実に答えられないから。
外がさっきよりも少し騒がしくなる。
大勢の人々が一斉に移動する人の気配が感じられた。
一層濃くなった闇の中で、デオンがゆっくりと口を開く。
「お前も、俺に希望を与えてくれるのだろうか」
ロクサナは何も言わずに彼をじっと見つめる。
デオンは向かい合った目を静かに見つめた後、音もなく先に部屋を出た。
独りになったロクサナは、再び窓の外に目を向ける。
闇に呑まれた夜。
その向こうに隠れているのが何であるか彼女は分かっていた。
いつの間にか近づいてきた赤い蝶が、ぽつんと置かれたグラスの周りをうろついている。
「時間になったわね」
短い祝宴は終わった。
ロクサナは席を立ち、先ほどデオンが抜け出たドアを開ける。
しばらくしてドアが閉まった後、冷たい部屋の中に真暗が敷かれた。
いつの間にか窓の外には白い雪が舞っている。
「そんなに急いでどこへ行くの?」
アグリチェの使用人の一人であるジーンがビクッと肩を震わせる。
振り向くと、眩しいほどに美しい女性の姿が目に飛び込んできた。
「ロ、ロクサナお嬢様」
彼は思わずどもってしまう。
しかし、ロクサナの前でどもる程度は、他の人々もいつものことだったので、それほど変わった反応ではなかった。
「使用人たちを招集した場所は別館なのだから、あっちよ」
「あ、その、それが・・・、少し気分が悪くて・・・」
「そうなの?」
「は、はい・・・」
ジーンの顔は青ざめていた。
そして、冷や汗を流す様子を見ると、体の具合が良くないようにも見える。
ロクサナは理解してくれたかのように頷く。
「それなら、あなたは休んだほうがいいわね」
優しい声が耳元に響いた。
ジーンはロクサナを無事に騙したことに対する安心と罪悪感を同時に感じ、腰をかがめる。
しかし、ロクサナはすぐに引き返さず、なぜか彼に近づいてきた。
「目が覚めたら、全部済んでいるはずだから、あなたは何も心配しないで」
その言葉がどういう意味なのか聞き返す暇さえなかった。
「だから、楽に目を瞑りなさい」
溶け込むような笑顔で視野を失う。
柔らかい手が彼の頬を撫でる感覚は、まるで夢のよう。
近くから伝わる甘い香りで頭がクラクラした。
心臓を締め付ける美しい顔が近づいてきたのを最後に、ジーンの記憶は途絶える。
「最後まで父らしいと言うべきか」
ロクサナはしわくちゃになった手紙を手に取って、嘲笑うかのように笑顔を浮かべる。
他の人と連絡を取る時間などなかったはずなのに、このようにラントの伝言を外に出そうとする人がいるなんて・・・。
万一の場合に対する最小限の備えぐらいは、いつも行っていたという意味か。
冷ややかな視線が足元に倒れている男の上に舞い降りる。
現実のラントは、小説のように娘のロクサナに体を使って他の男たちを誘惑することをさせなかった。
その理由は、まさにロクサナの全身が致命的な毒だったため。
毒蝶の主人になりながら、地道に猛毒を多量に摂取してきたから。
そのため、毒に免疫のない人は、今のようにロクサナと近くで息を混ぜるだけでも中毒症状を起こし、気を失ってしまうのだ。
小説の中でシルビアのキスが人を治療したのとは逆に、ロクサナのキスは人を殺すことができる。
「ところで、またベルティウムなのね」
ラントがベルティウムと親交を深めたいと考えていることは、早くから分かっていたが、このような状況で兵力を要請するだけの関係だったとは。
少なくともラントはそう考えているに違いない。
それは、両家の間には他人の知らない密かな関係で繋がっているという意味だ。
ラントがベルティウムに何かを与えているということ。
しかし、彼は和合会でのカシスの一件でベルティウムに疑いを抱いていた。
ロクサナは少し考え、すぐにアグリチェとベルティウムの関係について考えるのを止める。
今になっては、そんなことはなんの役にも立たないと感じたからだ。
ベルティウムに今さら兵力を送ったとしても無駄なこと。
全てが面倒くさかった。
ロクサナの望みが気になります。
デオンを反乱の首謀者にした理由に関係があるのでしょうか?
全てが面倒という言葉が気になりますね!
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