こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は94話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
94話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- つまらない罠
<あなたの大切な人と一緒にお待ちしております。ノエル・ベルティウム>
「つまらない真似をするわね」
ノエル・ベルティウムからの手紙を読み終えて微笑む。
ここに書かれた内容と同封された髪の毛の意味が何なのか、疑いの余地もないだろう。
血肉の痕跡、そして私の大切な人。
この全ての連結点と繋がった人物は世界にただ一人だけ。
ノエル・ベルティウムは今、私の母を自分が連れていると脅しているのだ。
「非常に不愉快ね」
しかし、これが本当に母の髪の毛だとは思わなかった。
彼女が本当にノエル・ベルティウムの手中にいるはずがないと判断できる。
アグリチェにいた最終日、私はエミリーを母の元へ送り、母の望み通りに動くように命じた。
もし彼女がアグリチェに残ることを選んでいたら、邸内の安全な場所に避難させるつもりだった。
また、アグリチェを離れることを選択するなら、それもやはり彼女が望む通りにできるように予め準備を済ませていた。
母親のために用意しておいた場所は、当然ベルティウムの領域ではない。
何よりも、その後二人に何か起きた場合、私に届くはずの信号が届いていないのだ。
その理由でなくても、私の直感が、これは母の髪の毛でないと伝えている。
だからこれは色が似ている他人の髪の毛であるに違いない。
前回の和合会の時、鼻血を出しながら曖昧に振る舞う姿を見て、彼にも純朴な一面があると思っていたが・・・。
こんなにも卑劣でずる賢いやり方をするとはね。
もっとも、小説で描写されたノエル・ベルティウムは、子供のような純真無垢な顔の中に凶暴な一面を隠している人物だ。
私は手に持っていたものをテーブルの上に置く。
ノエルは私が動揺して自ら向かってくると考えて、このような真似をしたのかもしれないが、残念ながらあまり興味がなかった。
「・・・」
目の前に置いた封筒を見下ろして、指で椅子の肘掛けを軽く叩く。
それでも確認してみて悪いことはないだろう。
毒蝶と交信できる距離には限界があって、現在母の居場所に直接蝶を送ることはできなかった。
その代わりにグリセルダに連絡を取る。
アグリチェを離れてから、このように他の人に連絡するのは今回が初めてだ。
「しばらく席を外さなければならないことができた」
「そうなの?」
その晩、別館戻ってきたカシスが私に言った。
私はベッドにうつ伏せになりながら、さっき読んだノエル・ベルティウムの手紙について考えていた。
カシスが私のベッドの上に腰掛けると、私も体を動かして彼に近づく。
カシスは柔らかな手つきで私の髪を撫でた。
彼は近いうちに5つの家門の集まりに参加しなければならないそうだ。
アグリチェでの出来事の主役だっただけに、カシスも当然顔を出すべきだと。
リセルとの会話が長いと思ったら、やっぱり大事な会話を交わしていたのね。
カシスの顔をじっと見つめる。
実際、アグリチェでの出来事のほとんどは私が絡んでいた。
しかし、その事実を知っている人はごく少数で、ごく少数の人は私を水面上に置く気のない人たち。
私はアグリチェの破滅を、私が果たすべき最後の課題だと考えていた。
それ以外のことは何も想定していなかった。
なぜなら、その後の私の残って寿命がどれだけでも、私の人生はきっとアグリチェと一緒に終止符を打つことになると思っていたから。
けれど、今はあの時とは状況が変わった。
もちろん、今も私に何かをしろと催促する人は誰もいなかったが、このままいつまでもこの場に止まっているわけにはいかないのだろう。
そう思いながら、私はカシスを見て微笑む。
その笑顔を見たカシスも私に笑いかける。
ベルティウムはペデリアンにいる私宛に公然と書簡を送った。
だからカシスの耳にも便りが届いたはず。
しかし、彼は顔を出さなかった。
以前リセルの執務室に行った時、アグリチェの話を聞いたのか、私に先に確認しなかったように。
それで私も敢えて彼に説明しなかった。
私としては多少安心することもある。
もしカシスが私に何かを聞いても、率直に答えたか断言できなかったから。
「あなたのお母さん、良い方だったよ」
突然言い出した私の言葉に、カシスの目つきが少し変化する。
彼は私の顔を黙って見下ろす。
まるで私と彼の母親の会話を、私の表情から類推しようとしているようだった。
「シルビアは母親によく似ているみたいだけど」
「外見上はね。性格はあまり似ていない」
幸いにも私の顔から気になる点を発見できなかったのか、カシスの表情が少しほぐれる。
「そうね、性格はシルビアよりあなたの方がお母さんに似ているようだったわ」
「そんな話は初めて聞いたね」
私の髪を梳いていたカシスの手が顔に移り、顔のラインに沿って滑った手が私のあごを軽く上げた。
頭を下げたカシスは今までで一番優しくキスをする。
背中が痺れるほど荒々しく性急な口づけではなく、羽でくすぐられるような、気怠い口づけ。
それだけに、感慨深いキスでもあった。
グリセルダからの報告はどうだったのでしょうか?
ロクサナの考えだと、このままペデリアンの領地に居続けることはなさそう?
カシスが領地を離れている間に、ロクサナはベルティウムに向かうのでは?
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