こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は163話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
163話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ヴィオラ伯爵家のパーティー
支度を終えたエレナが邸宅を出た。
外出時、いつも一緒だったメイの代わりにアンを同行させたが、それほど不便はない。
監視者とはいえ、エレナの手のひらの中だったのだから。
首都の街道を走った馬車がヴィオラ伯爵の邸宅に到着する。
ヴィオラ伯爵家は正統と名望を兼ね備えた名門家だ。
今や皇室派に転じたリンドン伯爵と同様に貴族派が台頭する帝国内で数少ない中立貴族であり有力家門。
しばらく客用応接間に立ち寄り、着こなしを端正にしたエレナが立ち上がる。
「卿も一緒に行きましょう」
「はい、公女殿下」
素敵な制服姿のヒュレルバードが後に続いた。
草原を連想させる濃い緑色の髪の毛をなびかせながら歩くヒュレルバードを、侍女たちがチラチラしながら盗み見ている。
秀麗な外見も外見だが、むやみに近づくことができない彼の冷たい雰囲気に魅了されているのだ。
「そういえばヒュレルバードをパーティーに同行するのは今日が初めてね」
これまではヒュレルバードを隠そうと同行させなかったが、今日は例外だった。
パーティーに来なかったリアブリックがどこかに植えた監視者を探すためには、ヒュレルバードの助けが必ず必要なのだ。
「アン、休んでいなさい」
「はい、お嬢様。必要なものがありましたら、いつでもお呼びください」
アンにこの上なく優しい笑みを浮かべたエレナが応接室を出る。
ヴィオラ伯爵家が開かれるメインホールに入ると、貴族たちがエレナの登場を盛大に迎えてくれた。
社交的な笑みを浮かべたエレナがヴィオラ伯爵に祝いの言葉をかける。
「おめでとうございます、伯爵様。お父様もおめでとうと伝えてほしいと仰っていました」
「ありがとう。大公と公女の将来にもガイア女神の栄光が共にあることを祈ります」
ヴィオラ伯爵夫妻と短い談笑を交わしたエレナが挨拶をして後退する。
背後にお祝いの言葉を伝えようと列を作った貴族たちが大勢いるのもそうだが、彼女の関心事が別の所にあったためだ。
「あら、公女殿下じゃないですか。私を覚えていますか?晩餐の時に挨拶したフィリツです」
「もちろん覚えています」
エレナは微笑みながら挨拶する。
当然記憶にないが、このようなやり方で知ったふりをするのも社交界の礼儀だ。
ホールの雰囲気を身につけようとエレナはいくつかの令嬢と会話を交える。
本来ならエレナによく見せるためにおべっかを使うべき令嬢たち令嬢たちが特に慎ましく振る舞っていた。
後ろで待機しているヒュレルバードに良い印象を与えたいためだ。
「すみませんが、後ろの方はどなたでしょうか?」
「ああ、彼は私の騎士であるヒュレルバード卿です」
「騎士様なのですか?」
騎士ではないかと内心で察していたが、令嬢たちは実際にエレナの口を通じて確認するとさらに驚いた。
大多数の騎士は野外で剣術を修練するため、肌が荒れている場合が多い。
また、剣を修練していると、肩が開いて大柄な体格にならざるを得なかった。
それに反して、ヒュレルバードは貴族令息だと言われても信じるほど高貴で綺麗な外見を持っていた。
騎士よりも学者に近い印象だ。
「ヒュレルバードと申します」
ヒュレルバードが節度ある黙礼をすると、いくつかの令嬢の口から嘆声が出る。
低い重低音の声は令嬢たちをときめかせるのに十分だった。
そんな令嬢たちの反応をエレナもそれとなく楽しむ。
彼らが惚れたこの男性がまさに自分の騎士だと思うと、自ずと肩に力が入った。
(それよりボロニー伯爵が見えないわ)
どういうわけかホールの中のどこにも見当たらなかった。
(もしかして来てない?)
それはエレナの提案に対する拒絶を意味する。
内心不安が押し寄せてきたが、エレナは焦らなかった。
西部のボロニー伯爵を除いても、まだ東部と南部との有力貴族との出会いが残っていたためだ。
ヒュレルバードに関心を示す令嬢たちを後にし、エレナはしばらく貴婦人たちと交わって談笑した。
これくらいすれば、宴会場のどこかで見守っている監視者の疑いを避けるのに十分だろう。
席を外そうとすると、ボロニー伯爵とヴィオラ伯爵が挨拶を交わす姿が見えた。
(来た)
エレナの口元の笑みが濃くなる。
こっそりボロニー伯爵の隣に近づき、自分の存在を表した。
「またお目にかかりましたね、公女殿下」
「お会い出来て嬉しいです。伯爵様は今日も素敵ですね」
「公女殿下、一曲お付き合いいただけないでしょうか?」
軽い余談を交わしたボロニー伯爵が丁寧にダンスを勧めてくる。
断る理由がないだけにエレナも彼の手を握った。
ヒュレルバードの美しさが令嬢たちを虜にしていますね!
無事にボロニー伯爵と合流できましたが、彼の返答はどうなるのでしょうか?
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