こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は163話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
163話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- リュザック・ガストール
花園の入り口にはリュザック・ガストールの姿が。
彼は再び私を見て眉をひそめる。
周辺を見てみると、どうやらこれまで彼が他の人々が花園に入ってくるのを防いでいたようだった。
さらに、リュザックの隣には使用人まで待機している。
彼の手に持っていたものは、私が準備しようとしていたものと同じだ。
花園の入り口に出ると、使用人が手に持ったお盆を私に渡してくれた。
私はリュザックに挨拶する。
「ご好意に感謝します」
「いえ」
彼は相変わらず無愛想だった。
誰かが見たら、私とは言葉も交ぜたくないと感じるかもしれない。
もちろん、私はこれが彼の本来の性格であることを知っているけれど。
中でジェレミーが私を待っていたので、私もこれ以上長く話さずに席を外した。
そんな私の背中にチラッと短い視線が届く。
再び花園の奥に入った時、ジェレミーはさっきよりずっと遠くから私を待っていた。
彼はパッと見てもソワソワして体を震わせていたが、私が再び現れると一気に表情を明るくする。
その姿は、まるで飼い主を待っていた子犬のようだ。
むくんでいたジェレミーの目が最初の状態のままでなくても、ある程度に回復した頃、私たちは一緒に花園を離れた。
外に立っているリュザックを見るや否や、ジェレミーはすぐに表情に重みを与え、目に力を入れる。
もちろん、どれだけ謹厳なふりをしてもジェレミーの手は子供のように私の手をギュッと握っていて、またリュザックは既にジェレミーの泣く姿を見た後なのだが。
だけど、あえてそういう事を言ってジェレミーを恥ずかしくさせたくなかった。
ありがたいことに、リュザックもただ一度眉をひそめてから、私たちに無関心な態度で引き返していく。
「えっ、本当にロクサナ?」
「他の奴らが話していたのは本当だったんだな」
もう少し歩くと、久しぶりに見る他のアグリチェの人々も数人目についた。
彼らは先にユグドラシルに到着していた他の家族から私の話を聞いたようだ。
しかし、私は彼らがもっと近づいてきて、ジェレミーの赤くなった目が見つかる前に、事前に防がなければならない必要性を感じた。
ジェレミーがこんなに泣いたのは、私のせいでもあるから責任感を感じたりもしたし。
それで私はリュザックにしたように指を上げて唇に当てた後、ざわめく人々に向かって囁く口調で話した。
「ごめんなさい、挨拶は後で」
久しぶりに使う方法だが、相変わらず効果はありそうだ。
近づいてきた人々の歩みがグッと止まる。
私はジェレミーの手を握って頷く。
彼も大人しく私についてきて、私たちはすぐに宿に入ることができた。
その後、ジェレミーは日が暮れるまで私の部屋に泊まった。
彼とこのように一緒にいると、まるでアグリチェにいた時に戻ったようで、私も感慨深くなる。
久しぶりに会うジェレミーは身長だけでなく全体的な骨格が昨冬に比べて確実に大きくなっていた。
けれど、少し痩せたようで気が楽ではない。
気の毒な気持ちで前より痩せて目立つアゴのラインと頬を撫でると、ジェレミーが再び涙を流した。
それでも今度は目を見開いて涙を堪え、さっきのような状況にはならない。
ジェレミーは目の前にいる私がすぐにでも消えるのではないかと思っているのか、恐る恐るではあるが私の手を離さなかった。
そんなジェレミーを見ると、ユグドラシルに早く到着して良かったと思う。
私はカシスと話したように途中で彼らと合流せずに別々にユグドラシルに入った。
実は予定より早い到着ではある。
母親のいる住居で長く留まらず、そこを早く離れたためだ。
「・・・」
久しぶりに長く話をしたが、やがてジェレミーは物足りなさを残したまま私の部屋を出た後、私はテラスに出て外を眺めた。
今の私の部屋は、前回の和合会の時に泊まった部屋と同じ。
ここからはユグドラシルの正門がハッキリと見える。
ふと視界に長い斜線が引かれた。
さっきから空が曇っていたようで、1、2滴ずつ雨が降り始めていく。
赤い夕日まで完全に傾き、闇が訪れたユグドラシルの中に建物から漏れた光が黄色く溜まった。
外にいた数人が急いで建物の中に飛び込んでいく姿が見える。
ペデリアンはまだユグドラシルに到着していない。
ベルティウムも同様だ。
予想していたように、本当に彼らが途中で会ったのか気にもなる。
また、他に何か起きたのではないかと懸念もあった。
雨足がもう少し激しくなる。
テラスにも雨水が流れ込み、それに私の体も少しずつ濡れてきた。
コンコン。
扉を叩く音が聞こえる。
夕食会の準備を手伝いに来た人たちだろう。
考えるだけで解決するものは何もなかった。
だから私もここで自分なりに仕事をした方がいいだろう。
私は振り向いてテラスを出る。
それでも雨音はざわめく騒音のように背後に鳴り響いていた。
これまで関わりのなかったリュザックとの関係も気になりますね。
ジェレミーとペデリアンの人々の絡みが楽しみです。
ジェレミーとシルビアの会話もあるのでしょうか?
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