こんにちは、ピッコです。
「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。
今回は27話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
27話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ラシードのお願い
太陽が暖かく照りつける午後、ルビ一宮はごった返していた。
新しく入ってきた侍女、二ニとナナのためだ。
茶色の制服を着た2人は、鼻の甲のそばかすまでそっくりの双子。
ニニは何十ものレースとリボンのついたピンクのドレスをはためかせながら言った。
「誰が何と言おうと、アリス姫にはこんな可愛いドレスが似合うだろう。目も大きくて、まつげも長くて唇も桜桃のように赤く、人形のように綺麗ですから。分かった、ナナ・・・?」
それが何のうわごとかというように首を横に振ったナナは、花の飾りがついた水色のドレスを差し出しながら話す。
「あなたこそ知らなすぎるよ、ニニ。アリスお姫様は幼くない優雅さと霊特さをお持ちの方だと。そんなお姫様にはこんなに清楚なドレスがピッタリよ・・・!」
「ピンク色のドレスがもっと似合うんだって」
「違うよ。水色のドレスがもっとぴったりだって・・・!」
二二とナナ、2人の間に尋常でない気流が流れる。
いくら同じお腹から出てきた姉妹でも、絶対に譲れないという熾烈さが感じられた。
やがて二人は首を回してシアナを見る。
二人が同時に聞いた。
「シアナの意見はどうですか?」
「・・・」
じっとしていて、重大な選択の岐路に立ってシアナは丸い目を瞬きする。
「それは・・・」
二二とナナ、そっくりな顔を交互に見ながら悩んでいたシアナを助けてくれたのはアリスだった。
「あなたたち、シアナを困らせるな」
アリスの登場に二二とナナが目を見開く。
「お姫様・・・!」
ニニとナナは膝を曲げてアリスによく見えるようにドレスを広げた。
「数日間裁縫して完成したドレスです」
「どんなドレスがもっと気に入りますか?」
アリスはふむ、と目を細め、ドレスを交互に見て言った。
「どっちもいいね」
「「・・・」」
「元々、私くらいの美貌なら何を羽織っても綺麗じゃない?」
二二とナナは自信に満ちた言葉にショックを受けた。
それから叫んだ。
「そうですよ。そうですとも!」
「ああ、私たちは愚かでした。お姫様に似合わないドレスがどこにあるのでしょう」
「どうして、幼い年でこんなに聡明なのだろう」
「美しい上に、賢いとは。本当に素敵です、お姫様」
これでもかと思うほど激しい称賛にアリスの頬骨が上がる。
「両方とも着てみる。持ってきて」
二二とナナは「きゃー」と叫びながらアリスを追いかけた。
アリスの口元が上がる。
その姿を見たシアナはくすくす笑った。
「他の侍女は嫌だとおっしゃっていたのに」
アリスは新しい侍女が来るのを快く思わなかった。
侍女に対する不信のためだ。
そこでシアナは熟考して女中を選んだ。
二二とナナは卑しい出身のため、長い間下級侍女に留まっていたが、気さくで仕事が上手だった。
何よりも彼女たちはお姫様に憧れている。
アリスを見た初日、彼女たちはうっとりした顔でひざまずいた。
[美しいお姫様をお迎えできて光栄です]
[ふん]
[どうしよう、とても綺麗]
[皇居の侍女になってよかった]
褒め言葉は、邪悪なドラゴンも踊らせるということか。
アリスは次第に自分を褒め称える二人の侍女に心を開くようになった。
「本当によかった」
これにより、シアナは負担を軽減することができた。
アリスを置いて楽にルビ一宮を離れることができるほどに。
シアナは頭を下げた。
「それでは行ってきます」
アリスの両脇に羽のようにくっついていた二ニとナナが元気よく言った。
「今日はお姫様と一緒に皇太后さまが送ってくださった宝石とドレスで着せ替え遊びをします」
「だからお姫様は心配しないでゆっくり行ってきてください、シアナ」
2人の間にいたアリスも言葉を付け加える。
「その人間が変なことをしたら、我慢しないで、すぐに戻ってきてやれ」
シアナはその言葉ににっこり笑ってうなずく。
ルビ一宮を出たシアナが向かったところは、その人間、つまりアリスの兄であり、この皇居の階級の最上位層にある皇太子ラシードの宮だった。
先日、シアナはラシードにアリスの実母について話を聞いた。
「どうやって話の代金を払えばいいのか」というシアナの言葉に、ラシードは自分の宮殿に来るように言った。
シアナはその言葉を「宮殿に来て仕事をしなさい」という意味だと理解する。
「それでご飯もいっぱい食べて、手作りの掃除用品も持ってきた」
・・・しかし、皇太子宮に到着したシアナは当惑せざるを得なかった。
皿洗いの材料が積まれている台所も、雑草だらけの庭も、掃除するものだらけの廊下でもなく、奥深くにある応接室に案内されたためだ。
「皇太子殿下がもうすぐ到着するでしょう。それまでゆっくりお待ちください」
侍女は上級侍女の象徴である青色の制服を着ていた。
上級侍女が一介の下級侍女にこれほど丁寧に接するとは。
(一体これはどういうことなの?)
わけが分からず、椅子に座ることもできず、中途半端に立ったシアナに向かって侍女が言った。
「今日いらっしゃる方は皇太子殿下の貴重なお客様だということをお伝えいただきました」
「それに見合ったもてなしをするだけだから負担になる必要はない」という言葉だ。
そのように侍女はシアナの前に色とりどりの茶菓とお茶まで出してくれた。
シアナはラシードが来るまでお茶汲みをすることを急いで断る。
「うう、結構です!」
はるかな上司が注いでくれるお茶だなんて。
幸い、侍女はこれ以上勧めずに引き下がった。
「分かりました。それでは出ていますので必要なことがあれば呼んでください」
「はい」
シアナは女中が応接間を出るまで、こわばった顔で両手を合わせて立っていた。
ドアが閉まってやっと一人になったシアナは、大きなため息をついて椅子に座り込んだ。
「私が皇太子殿下の貴重なお客様?」
一介の下女にするいたずらにしてはやりすぎだ。
冗談じゃなければ、それはもっとおかしかったし。
(・・・あまり複雑に突っ込むのはやめよう)
シアナは「やはり皇太子殿下は正気ではない」と結論付けた。
その方が楽だから。
そのように心を落ち着かせたシアナは応接間を見回す。
さっきは上級侍女を気にしていたので知らなかったが、ここは普通の応接間ではなかった。
高い天井は透明なガラスでできていて青空が見え、その下には鬱蒼とした木と華やかな花々がいっぱいだ。
「応接間というよりは、よく手入れされた室内庭園みたい」と思っていたところだった。
足音に頭を向けると、いつの間にかラシードが応接間に入ってきた。
細い銀色の髪と紫色の瞳。
感嘆が出るほど美しい顔はいつもと同じだったが・・・。
「変わった姿をしていますね」
ラシードの懐には腰の長い真っ白なフェレットが抱かれており、肩には小さなリスが、頭の上には小さな鳥が鳴いていた。
ラシードは優しい声で答える。
「この子たちと散歩をしていたところだったんだ。君が来たという話を聞いて急いで走ってきて」
ラシードはシアナに微笑んだ。
「いらっしゃい、シアナ」
「・・・」
その瞬間、シアナの心臓はドキドキした。
彼の笑顔がまるで長い間待っていたプレゼントをもらった子供のように浮かれて見えたためだ。
変な気分だった。
シアナは心の中で首をぶんぶんと横に振る。
(揺れないで、シアナ。あの方が正気ではないことをよく知っているじゃないか)
感情を素早く整理したシアナは言った。
「先日約束した通り、皇太子殿下にお話の代金を払いに来ました。私は今日何をすればいいでしょう、殿下」
「私は決して殿下の客として来たのではありません。遊びに来たわけでもありません」ときっばりと線を引く言葉だ。
「・・・」
美しい男の顔が一瞬しょんぼりしたように見えるのは錯覚だろう。
知らず知らずに眉をひそめたシアナに向かって、ラシードは眉をひそめながら言った。
「せっかちだな。ゆっくり本論に戻ってもいいだろう」
「申し訳ございません。私がちょっと忙しくて・・・」
ラシードは自分の前で、忙しいと威張る侍女を責める代わりに、別のことを言った。
「分かった。じゃあ、すぐに話そう。今日あなたがすることは・・・」
「・・・」
ラシードの次の言葉にシアナの目が大きくなる。
ニニとナナが入ったことでシアナの負担も減りましたね。
ラシードが命じた内容とは?
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