メイドになったお姫様

メイドになったお姫様【40話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。

今回は40をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【メイドになったお姫様】まとめ こんにちは、ピッコです。 「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

40話 ネタバレ

メイドになったお姫様【39話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。 今回は39話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 母親として⑤

レイシスが以前よりずっと調子が良くなったのは事実だ。

大声を出したり泣き叫ぶ回数が減り、自分の名前を呼べば見つめたりもする。

しかし、それと誕生日の宴会をこなすのは全く別の問題だった。

誕生日パーティーというのは、ただじっと座っていればいい席ではなかったからだ。

人々に挨拶し、対話を交わし、健康な皇子の姿を見せなければならなかった。

それでアンジェリーナ皇妃はシアナの助言を受けてしつこくレイシスを誘い始めた。

「レイ、お母さんの真似をしてみて。うまくやり出したら、お母さんがチューしてあげる」

「・・・」

一抹の反応がない息子に向かって、アンジェリーナは少し赤くなった顔で話した。

「冗談だよ。新しい絵の具をプレゼントしてあげる」

「・・・」

いわゆる「餌に取り憑かれ、大作戦」

成果はあった。

「4皇子レイシス、です。私の誕生日パーティーに参加してくださってありがとうございます」

レイシスはちょっとした挨拶ができるようになった。

食事の礼法もまあまあよかった。

無表情な顔でフォークとナイフを動かすレイシスを眺めながら、アンジェリーナが苦しい顔で話した。

「お父さんが食事の礼法だけは何年も厳しく教えてくれたから・・・」

もちろん副作用もある。

レイシスは虐待に近い訓練のせいでテーブルに座るのが難しかった。

一見すると表に出なかったが、無表情な顔と違って機械的に動く面手は細く震えていた。

アンジェリーナはそのたびに幼い息子の手に手を当てて話してくれた。

「大丈夫だよ、レイ。ただご飯を食べることだけよ」

「・・・」

「君の好きなソフトなスープ、ふわふわのパン、甘い果物を食べる楽しい食事の時間ね」

優しく笑うアンジェリーナの顔を見たレイシスは、しばらくして震えを止める。

シアナは一歩離れたところで黙ってその姿を見た。

レイシスの誕生日パーティーの3日前にシアナは言った。

「皇妃様、今まで本当によくついてきてくれました。皇子殿下も頑張ってくださいまし」

「本当?」

シアナは目を輝かせるアンジェリーナに冷静に言った。

「・・・ですが、ここまでです」

「・・・」

「いくら一生懸命練習しても残りの3日で万が一、皇子殿下の状態が今より急激に良くなることはないでしょう。そして誕生日会の時に皇子殿下を見た人たちは確信するでしょう。レイシス皇子が賢いどころか、平凡さとも程遠いという事実を」

「・・・そうなんだ」

今にも泣き出しそうに落ち込んでいるアンジェリーナの姿が、シアナの心を重くする。

(あんなに気の弱い皇妃様が、その日にあふれる人々の視線に耐えることができるだろうか)

彼女だけでなくレイシスも同じだ。

音に敏感な幼い皇子は、人が多いところにいるだけで苦しいだろう。

シアナは決心したかのように尋ねる。

「あえてご意見を申し上げます、皇妃様。レイシス皇子殿下の今年の誕生日パーティーはキャンセルしたらどうでしょうか?」

ずっとレイシスを見せるなという意味ではない。

しかし、今は早すぎた。

レイシスにも、皇妃にも。

「時間はたっぷりあります。来年か再来年ごろ、皇子殿下の方が元気になった時に宴会を開いたほうがずっと経過がいいでしょう」

「・・・」

アンジェリーナは唇をかんだ。

アンジェリーナもそうしたかった。

でも・・・。

(レイシスは11年間、皇居の外で過ごした。今回も顔を出さないと大きな問題になるよ)

もしかしたら、皇子の位置まで危うくなるかもしれない。

皇子をスカートの幅に包んで見せてくれない皇妃にも非難が殺到するだろう。

(お父様は、勝手にして事を台無しにしたといって、ひどく怒るだろう)

アンジェリーナはそのすべてに耐える自信がなかった。

アンジェリーナはうなだれてつぶやく。

「私はどうしてこんなに弱いんだろう・・・」

「・・・」

シアナは今にも泣き出しそうな皇妃に何を話せばいいのか悩んだ。

その時、侍女一人が慌ててドアを開けて入ってきた。

「お、皇妃様、ヴィルヘルム侯爵が訪ねてきました」

「・・・!」

アンジェリーナの顔はあっという間に青ざめた。

 



 

ヴィルヘルム侯爵は怒りを抑えられなかった。

1か月前、彼はレイシスの状態を良くする方法を見つけるために首都を出た。

やっとのことで一つの方法を見つけて屋敷に戻ったが、レイシスは消えていた。

使用人たちは怯えた顔で話す。

『ア、アンジェリーナ皇妃様が皇子殿下をお連れしました。侯爵様の命令であったと』

『・・・』

呆れた。

急いで移動するために邸宅の消息を伝えなかった間に、このような荒唐無稽なことが起きるとは。

死んだようにおとなしくしていた娘が急にどうしてそんなことをするのか!

娘に対する裏切られた気持ちと孫に対する心配で、ヴィルヘルム侯爵はすぐに皇居に駆けつけた。

「皇居に入城するにはあらかじめ発給された許可証がなければなりません」

侯爵は困った顔で自分の前に立ちはだかった近衛兵に大声を上げる。

「どうして皇妃の父を阻むのか!」

火のように怒る侯爵を近衛兵はどうしても掴めなかった。

それだけ皇子を産んだ皇妃の立地がすごかったためだ。

そのように皇居に入場したヴィルヘルム侯爵は、すぐアンジェリーナ皇妃の宮に向かう。

皇妃宮の侍従たちは突然現れた客を防ぐ代わりに頭を下げる。

彼らは皆ヴィルヘルム侯爵が選別して送ってくれた人たちだったので当然だった。

彼らの主人はアンジェリーナ妃ではなくヴィルヘルム侯爵だった。

「レイシスは?」

どこからか素早く飛び出した侍従が、ヴィルヘルム侯爵を皇居の奥深くにある部屋に案内する。

 



 

ヴィルヘルム侯爵がドアを開けようとしたところ、弱い声が間こえてきた。

「ちょ、ちょっと待ってください、お父様」

侯爵の入宮の知らせを聞いて急いで駆けつけたアンジェリーナだった。

侯爵の険しい目つきにアンジェリーナは肩をびくっとしたが、彼を避けたわけではない。

アンジェリーナは勇気を出して言った。

「どうしてそんなに腹が立つのか分かります。でも、私の話をちょっと聞いてください」

レイシスを邸宅に置いて来ることができませんでした。

あのままにしておくと、あの子がとても苦しそうだったんですよ。

代わりに皇居に連れてきて努力しました。

おかげさまでレイシスの調子がかなりよくなりました。

きっとご覧になったら喜ばれると思います。

それはヴィルヘルム侯爵に会うと、言おうと数え切れないほど練習した言葉だ。

しかし、アンジェリーナが口を開く前に、侯爵が不気味な目つきで叫んだ。

「今がどんなに大事な時なのに、こんなことをするんだ!」

そうでなくてもあちこちで話がたくさん出ているところだった。

12年間、世間に顔を出さない幼い皇子に傷があることは明らかだと。

人々はそれを確認するためにもうすぐある誕生日の宴会だけを指折り数えて待っていた。

ヴィルヘルム侯爵は、まるで死刑の日が近づいているような気がした。

そのため、ヴィルヘルム侯爵は最後の方法を求めて首都を離れたのだ。

ヴィルヘルム侯爵は目を見開いて言った。

「旅に出る間、いろいろなことを考えた。最後までレイシスを正常にする方法を見つけられなかったらどうすればいいのか。レイシスを熱病にかかせて誕生会を延期しようか。それとも・・・レイシスを殺してしまおうか」

「・・・」

アンジェリーナは酷い言葉に自分の口を塞いだ。

顔を固めた娘を眺めながら、ヴィルヘルム侯爵は眉をひそめる。

「言葉がそうだということだ。本当にそんなはずがないじゃないか。私の孫なのに」

「・・・」

青白い顔で何も言えない娘を見て、ヴィルヘルム侯爵は言葉を続けた。

「しかし、幸いにもそのようなことを悩む必要はなくなった。レイシスが正常になる方法を探してきたから」

アンジェリーナはその言葉が信じられず、目を.見開いた。

「そ、それは本当ですか?」

ヴィルヘルム侯爵が不気味な顔で話し続ける。

「そう、まさに魔法使いだ。彼は人を操ることができるんだ」

「・・・」

その瞬間、アンジェリーナは息が詰まるような気分になった。

ヴィルヘルム侯爵はいらだたしい顔で話し続ける。

「もちろん私も魔法なんて大嫌いだよ。それは不吉で下品なことだから。しかし、この方法しかなかった」

一生依頼するつもりでもなかった。

誕生日の宴会の時だけしてくれればいい。

その日さえ過ぎれば峠を越したわけだから。

「その後にまたレイシスの教育を始めればいい。その後はやむを得ず参加しなけれはならない席がある時だけ、魔法使いの力を利用すればいいし」

そうなれば、誰もレイシス皇子がおかしいと疑うことはできないだろう。

レイシスの皇子としての位置が守られると同時に、ヴィルヘルム家とアンジェリーナ皇妃の名誉も守られるのだ。

しかし・・・。

「や、やめてください、お父様」

アンジェリーナの考えは違う。

アンジェリーナは震える手でヴィルヘルム侯爵を捕らえた。

彼女は首を横に振りながら言った。

「レ、レイにそんなひどいことをしてはいけません。そ、そうしてレイに間違いが起きたらどうするのですか」

涙ぐむ娘の顔にヴィルヘルム侯爵はいらいらした。

皇妃の地位に就いたにもかかわらず、娘はまだあまりにも弱く、愚かだった。

普段はその愚かさが可愛かったが、今のように自分に反旗を翻す時ではなかった。

ヴィルヘルム侯爵は「ふん」と振り向いてドアノブを握る。

「お父様、お願いです!」

アンジェリーナはひざまずいて父親の足を掴んだが無駄だった。

ヴィルヘルム侯爵は激しく体を動かし、娘を引き離し、部屋のドアを開ける。

部屋の中を見たヴィルヘルム侯爵は、はあ、と呆れたように声を出した。

酸っぱい絵の具の匂いに満ちた部屋。

レイシスは椅子に座って絵を描いていた。

それを見た瞬間、そうでなくても限界まで満ちていた怒りが飛び出す。

「誕生日の宴会がもうすぐなのに、今何を無駄なことをしているんだ!」

レイシスは大きな声に振り向く。

筆を持ったレイシスの顔は変わっていなかった。

相変わらず瞳は焦点がずれていて、口は毛先のように開いていた。

ヴィルヘルム侯爵は心の中で悪口を吐きながらレイシスに近づいた。

彼は筆を持っている若い孫の腕を乱暴に引っ張った。

「ついてこい、レイシス!」

「あ・・・」

ゆっくりと瞬きをしたレイシスは、一歩遅れて状況を認知し、首を横に振る。

「やだ、やだ」

しかし、侯爵は孫の微弱な反抗など気にしなかった。

小さな男の子にはそれを止める力がなかった。

引きずられていたレイシスがドアの前でためらって座っていたアンジェリーナと目を合わせる。

その瞬間、レイシスが口を開いた。

「・・・マ」

「・・・」

「ママ!」

細い声がもう一度響き渡る瞬間、アンジェリーナの顔が変わる。

先ほどまで子供のように泣いていた少女は消え、鋭い目つきをした女性だけが残った。

 



 

ついにヴィルヘルム侯爵にバレてしまいました。

アンジェリーナは息子を守ることができるのでしょうか?

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