メイドになったお姫様

メイドになったお姫様【42話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。

今回は42をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【メイドになったお姫様】まとめ こんにちは、ピッコです。 「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

42話 ネタバレ

メイドになったお姫様【41話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。 今回は41話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 見えない脅迫

ヴィルヘルム侯爵は歯ぎしりをした。

「この私を、ヴィルヘルム侯爵家の家主をこんな監獄に閉じ込めるなんて」

正確に言えば、監獄ではなく罪を犯した皇族や貴族を臨時に閉じ込める部屋だ。

部屋は派手ではなかったが、なんとか快適だった。

それにもかかわらず、ヴィルヘルム侯爵は耐え難い怒りを感じている。

「悪い奴ら!私をこんなところに閉じ込めておいて、そのまま見過ごすと思ってるの?」

間もなく邸宅に便りが届くだろう。

侯爵が城に閉じこめられているという言葉に大騒ぎになるだろうし、すぐに家門全体が立ち上がるだろう。

そうなれば、ヴィルヘルム侯爵はまもなく釈放されるはずだった。

「その時になれば許さないだろう。私をここに閉じ込めた兵士たちも、よくも父にこんな恥をかかせた娘も!」

その時だった。

堅く閉ざされていた部屋の戸が開いた。

ヴィルヘルム侯爵は不機嫌そうな顔で顔を上げる。

最初彼はアンジェリーナが入ってきたと思った。

この時点でここに入ってくるのは彼女だけだったからだ。

しかし、月明かりの下に立っている人は娘ではなかった。

丸顔で小柄、飾り気のない茶色の制服。

「あなたは・・・」

ヴィルヘルム侯爵は幼い顔をした侍女を認めた。

確かにさっき、兵士たちを連れて部屋の中に入ってきて、自分に向かって極悪非道な奴だの何のと騒いでいた侍女だった。

あっという間にヴィルヘルム侯爵の目に怒りがこもる。

「ふん、ここまではどうして来たのか。遅れて私が誰だか知って許しを請いに来たのなら無駄だ!一介の侍女などが侯爵も気づかずに事を大きくしたことに対する代価を必ず受け取るはずだから」

いくらひざまずいて哀願しても、両手をぎゅっとお祈りしても、慈悲を施さないつもりだ。

しかし、シアナはヴィルヘルム侯爵が予想する通り、腰を下げる代わりに彼の前に立つ。

「許しを請いに来たのではありません、侯爵様」

「なんだと?」

「私が訪ねてきたのは、アンジェリーナ皇妃様の言葉を代わりに伝えるためです」

「・・・は?」

ヴィルヘルム侯爵の顔が歪んだ。

しかし、シアナは侯爵がそうであろうとなかろうと関係ないかのように平穏な顔で話を続ける。

「お父さん、私が許すまで皇居に来ないでください。また、これからレイシスも私が育てますので。今までありがとうございました」

「・・・」

ぼんやりと話を聞いていたヴィルヘルム侯爵は、すぐに手がぶるぶる震え始めた。

娘があまりにも、あまりにもけしからんので我慢できなかった。

ヴィルヘルム侯爵が叫んだ。

「とんでもないことを言わないで、今すぐアンジェリーナを連れて来い!私の目の前でもそんなことが言えるのか見ようじゃないか!」

シアナが答えた。

「皇妃様は今、侯爵と顔を合わせたくないようです」

今日何をしたのかご存知だと思いますが、というシアナの目つきにヴィルヘルム侯爵の顔が真っ赤になる。

「あの子は私の娘だ!娘を教育するのは父の権利だ!」

シアナの目つきが変わった。

「いいえ、娘ではなく、皇妃様です」

「・・・何?」

「侯爵様が今日手を代わったのは、帝国で最も尊い皇帝陛下の妻であり、皇子殿下の母です」

「・・・」

「そんな方に手を出したということは、つまり皇権に剣を突きつけたようなものです」

「そ、それはどういうことだ」

かわいい顔の侍女が吐き出すぞっとする言葉に、ヴィルヘルム侯爵は慌てる。

皇帝は残酷で、皇太子は戦争の神。

そんな者たちにあえて立ち向かうつもりは少しもなかった。

ヴィルヘルム侯爵が何か言う前にシアナは冷ややかな声で告げる。

「ヴィルヘルム侯爵家は反逆を企てているのですか?」

ヴィルヘルム侯爵は大声で叫んだ。

「とんでもないことを!」

「・・・」

ヴィルヘルム侯爵を黙って眺めていたシアナが顔をほぐして言った。

「このように追い込むこともあり得ることだということです。侯爵様が皇妃様の頬を殴った小さな事件がですね」

「・・・」

「ですから、とうかアンジェリーナ皇妃様の言葉に同意してください。事が静かに解決されるように」

シアナは両手を合わせて丁寧に話していた。

しかし、その内容は明白な脅迫だ。

皇妃の思い通りにしなければ大変なことになるだろうという。

 



 

1時間もたたないうちにヴィルヘルム侯爵は決定を下した。

「分かった。アンジェリーナの言葉を受け入れる」

もちろん感情的には全く容認されなかった。

従順だった娘が自分に反旗を翻すこと、自分を怖がらせることすべて。

どうしても娘を負かしたかった。

(しかし、そうすると事が複雑になるだろう)

いくら弱い娘でも皇妃は皇妃だ。

皇帝の保護の下にいる女性という言葉。

それに彼女は配下に子供までいる。

そんな彼女とぶつかると、ヴィルヘルム侯爵にも打撃が大きかった。

(そこにあらゆる淫らな言葉が出回るだろう。ヴィルヘルム侯爵が娘一人も守れずに戦っているという話が)

考えただけでもぞっとするほど恥辱的なことだ。

ヴィルヘルム侯爵はそのようなやり方で世間の噂になることを望んでいない。

シアナが予想した通りだった。

シアナは微笑んで1枚の紙とペンを持ってきた。

ヴィルヘルム侯爵は眉をひそめる。

「これは何だ?」

「今後、侯爵様が皇妃様にむやみに訪ねてこず、皇子殿下に過度な関心を持たないという内容を文書で残してください」

ヴィルヘルム侯爵の額に血筋が生えた。

「私はヴィルヘルム侯爵だ。自分が言ったことも守らないと思うのか!?」

耳元がひりひりするほど凛々しい声だったが、シアナは揺るぎない顔で話した。

「侯爵様を信用していないからではなく、お互いの信頼を強固にするためのものです」

「はあ・・・本当にいろいろやってるね」

ヴィルヘルム侯爵は舌打ちをする。

すぐにヴィルヘルム侯爵は神経質な顔で紙を持って行き、字をなびかせ始めた。

シアナは満足そうな顔でその姿を見下ろす。

ヴィルヘルム侯爵が紙に書き下ろし口を開いた。

「アンジェリーナは弱い上に、賢いわけでもない。敢えて父を追い詰めるような女ではない」

ヴィルヘルム侯爵が書いたものを止める。

「あの子を操る者は誰だ?」

アンジェリーナのそばにきっと誰かがいると確信する目つきだった。

シアナはしばらく悩んだ。

それは私です。

正確に言えばアンジェリーナ皇妃を操るというよりは、手助け中だったが。

いずれにせよ、侯爵を追い詰めたものは自分だった。

(しかし、そのように率直に話したら、この恐ろしい侯爵様に目をつけられるだろう)

それは面倒だ。

それでシアナは目を伏せて言った。

「アンジェリーナ皇妃様は、誰の操縦も受けていません。ただ・・・」

シアナはヴィルヘルム侯爵と目を合わせながら言った。

「皇太子殿下が皇妃宮を注視しているということだけ知っていてください」

「・・・」

ヴィルヘルム侯爵は衝撃的な言葉に青ざめる。

「まさかアンジェリーナの後ろにいる者が皇太子だというのか?」という表情だ。

もちろんそうではなかった。

ラシードは皇太子だったが、皇居で起こることにあまり関心がなかった。

皇族に関することも同様だ。

だからこの言葉はただ・・・。

嘘です、侯爵様。

ラシードはシアナにアンジェリーナ皇妃とレイシス皇子について聞いたことがあるので、興味はある。

・・・アリの糞くらいだろうが。

いずれにせよ、脅迫のような嘘は確実に受け入れられた。

ヴィルヘルム侯爵は以前よりも速いペースで文書を作成し始める。

事がもっと大きくなる前に何とか収拾しなければならないというように。

そして、おそらくここを出てもアンジェリーナ皇妃に報復する考えはないだろう。

あの「皇太子」が見守っていると思うはずだから。

 



 

紙の下段にサインまで終えたヴィルヘルム侯爵は、神経質な顔でシアナに紙を投げた。

「これでいいのか?」

シアナは紙に素早く目を通し、うなずいた。

「はい、結構です。ご協力ありがとうございます、侯爵様」

「・・・」

侯爵はしかめっ面をしてシアナを見た。

シアナは侯爵が書いてくれた紙を胸に抱いて言った。

「ついて来てください。外へご案内いたします」

「ふん!」

ヴィルヘルム侯爵はシアナの後を追って歩いた。

部屋を出ると廊下には誰も見えなかった。

シアナが事前に措置を取っておいたのだ。

ヴィルヘルム侯爵は静かな廊下を歩きながら尋ねる。

「アンジェリーナに必ず伝えなさい。言われた通りにしたから、今日の一件を絶対に誰にも口を開けないようにと」

「分かりました」

「目撃者たちはどう処理するつもりか」

アンジェリーナだけが黙っているからといってできることではなかった。

ヴィルヘルム侯爵がアンジェリーナを殴ったのを見た者がいる。

シアナと彼女が連れてきた皇室の近衛兵だ。

シアナは心配しないよう言った。

「近衛兵には私が状況を誤解して大きな間違いを犯したと言います。アンジェリーナ皇妃様もお口づけされると思います。侯爵様に誰かになることがないようにうまく処理します」

「・・・」

ヴィルヘルム侯爵は返事の代わりに目を細める。

そのようにしばらくシアナを眺めていた侯爵が尋ねた。

「一つだけ聞いてみよう」

「おっしゃってください」

「あなた、まさか・・・私がアンジェリーナを殴るまで待って、部屋に入ってきたのか?」

「・・・」

シアナは何も答えなかった。

ヴィルヘルム侯爵はシアナを呆然と見てつぶやく。

「アンジェリーナが皇居に来て、無駄なことばかりしてはいないね。あなたという侍女がいるのだから」

「・・・」

彼の声にはかすかに喜びがこもっていた。

ほんの少しだけだったが。

ヴィルヘルム侯爵の顔は再び神経質な貴族の顔になって言った。

「もうすぐレイシスの誕生日の宴会だね。アンジェリーナがどんな風にレイシスを披露するか楽しみだ」

「・・・」

「その時、私に助けてくれとお願いしても手遅れだ。仕事を台無しにしたのはあの子だよ」

不信と恨みに満ちた声で。

 



 

巧みな話術で侯爵を説得したシアナ。

ですが、レイシスのお披露目はどう切り抜けるつもりでしょうか?

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