こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は134話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
134話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 絶望を呼ぶ再会②
「そう、私だ。ああ、アシュリー」
フレッドはミルドレッドから聞いた娘の名前を思い出し、うれしそうに彼女を呼んだ。
そして素早く窓にくっつきながら言った。
「会いたかった。私がどれだけあなたに会いたがっていたか知ってる?」
凍りついたアシュリーの体が揺れる。
彼女の夢でもそうだった。
死んだと思っていた父は、会うやいなや彼女を抱きしめ、「とれだけ会いたがっていたか知っているか」と話してくれた。
「お、お父さん」
アシュリーは窓に駆け寄り、すき間から手を伸ばす。
父親が戻ってきた。
アシュリーの目から涙が流れ始める。
「お嬢様、温室でアシュリー様を見ましたか?」
リリーがパトリシアヘの手紙まで書き終えた時、今度はアンナが入ってきて尋ねた。
今日は何の日かな?
リリーは手紙のインクが乾くまで手をこすりながら口を開く。
「見てないけど。どうしたんですか?」
「えっと・・・」
ルーインのようにアンナも簡単には答えられなかった。
彼女はミルドレッドにアシュリーをよく見てくれと指示されたからだ。
1時間前までは自分の部屋で刺繍していたアシュリーが今行ってみると消えた。
「ただ、お部屋にいらっしゃらないので」
アンナの言葉にリリーはインクが乾いた手紙を折って封筒に入れて封じた。
そして立ち上がりながら言った。
「家の中にいるだろう。私が探してみます」
「温室にいらっしゃるのではないでしょうか?」
そうではなく、まさにその温室にいる。
これまでリリーは温室から人々の関心を取り除くためにあれこれ嘘をついてきた。
彼女は肩をすくめて知らんぷりをして言った。
「さっきはいなかったので、私が行ってみます」
「一緒に行きましょう」
アンナが追い付いた。
仕方ない。
リリーは肩をすくめて温室に向かう。
彼女がアシュリーを庇うのもこれが限界だ。
それに今頃はアシュリーも満足できるほど本を読んだのではないだろうか。
「どんなに会いたかったか」
温室に入ったフレッドはアシュリーの手を取りながら言った。
アシュリーがいなかったら入ってこれなかっただろう。
彼は温室のドアを見つけることもできなかったから。
しかし、アシュリーは死んだと思っていた父親が生きて帰ってきたという喜びに、フレッドが温室のドアを見つけられなかったことに気付いてもいなかった。
彼女はフレッドの手を握って涙を流す。
「顔はどうしたんですか?」
「船から落ちて・・・でも大丈夫。君を見ることができる目はまともだから」
「お父さん・・・」
アシュリーは涙を流しながらフレッドを抱きしめる。
フレッドは自分を抱きしめるアシュリーの背中を撫でながらにっこり笑った。
やっばり簡単なんだって。
彼女が妙に難しかったのだ。
ミルドレッド・バンズ夫人が彼の頭の中に浮かんだ。
普通は死んだと思っていた夫が生きて帰ってきたと言えば、喜んで疑うこともできないものだ。
しかし、彼女は違う。
死んだ夫が生きて帰ってきたことを喜ぶこともなく、執拗なほど「医師に会わなければならない」と主張した。
別の男ができたのだろう。
彼はミルドレッドのそばにいた男のことを心の中で鼻を鳴らし、思い出した。
どうやらバーンズ夫人はかなり顔を見ているようだ。
死んだフレッドも相当な美男子だったが、彼女のそばにいたウィルフォード男爵は「ハンサム」という言葉だけでは足りなかったからだ。
「今までどこでどのように過ごしましたか?」
アシュリーは涙を流しながら尋ねる。
最後に見た時より父親が痩せていたからだ。
彼女は父親が苦労したに違いないと思った。
そんなアシュリーにフレッドが沈痛な声で言った。
「国内に入ってからずいぶん経ったね。君に会いたくて何度も訪ねて来たのに・・・」
訪ねてきたって?
アシュリーの目が大きくなる。
父がすでに自分を訪ねてきたとは知らなかった。
それも知らずに自分は安らかに暮らしていたなんて。
罪悪感で再びアシュリーの顔が涙で染まる。
フレッドは彼女が涙を流すのを見てわざとじらすように言った。
「君のお母さんが君に会うことを許してくれなかったんだ」
わざとアシュリーがミルドレッドに敵意を持たせるための言葉。
そうしてこそアシュリーを操りやすくなるから。
彼はアシュリーがミルドレッドにあまり従わないということを、そしてミルドレッドもアシュリーを困っているという話を聞いて知っていた。
しかし、その間に二人の仲がよくなったとは夢にも思わなかった。
「お、お母さんが?」
思いもよらなかった言葉にアシュリーは驚いて目を大きく開ける。
フレッドは彼女を慰めるふりをして言った。
「あなたのお母さんも寂しかったのだろう。そばに他の男がいたよ」
アシュリーの表情はこわばった。
彼女は母親とウィルフォード男爵が普通の間柄ではないことを知っている。
しかし、その言葉が生きて帰ってきた父親の口から出るとは思わなかった。
「アシュリー」
フレッドはわざとじらすように口を開いた。
ここでアシュリーとミルドレッドの仲を引き裂かなければならない。
そうしてこそアシュリーがミルドレッドが隠しておいたお金を自分にあげるから。
彼は気の毒そうに言った。
「あなたのお母さんはそんなにいい人じゃなかったんだ。あんな女の下にあなただけ置いて行ってごめんね」
アシュリーは信じられないようにフレッドを見る。
ついさっきまでは、彼女のために厳しい苦難を乗り越えて生きて帰ってきた父親が、とても遠くに感じられた。
いや、別人のように感じられた。
母親は父親なしで彼女を含む3人の娘を育てた。
そんなお母さんに、どうやって到着してすぐにいい人じゃないって言えるの?
フレッドを見つめるアシュリーの視線に疑いが込められる。
他の人はともかく、フレッドだけはミルドレッドをいい人ではないと言うべきではなかった。
アシュリーの頭の中が冷たくなる。
彼女はフレッドから退いて尋ねた。
「お母さまが、私とお父さまに会わせなかったのは、理由があったのでしょう」
余裕がない時は、「お父さん」と呼ばれた呼称が、アシュリーが気がつくと、「お父さま」に変わった。
貴族は幼い時から親を「父と母」と呼ぶように教える。
アシュリーが父親だと言ったのは、彼女が貴族に育っていないためだった。
しかし、気がついたアシュリーが考えてみると、本当の彼女の父親は父親と呼ぶのが好きではなかった。
彼がミルドレッドと結婚する前に、貴族出身の妻に恥ずかしいという理由でパパと呼ぶと厳しく叱ったことを思い出す。
変な感じがした。
アシュリーは目の前の男を変な人を見るように見つめた。
それは勘だったが、アシュリーはそれを簡単に受け入れることができなかった。
もし本当に生きて帰ってきた父親なら、嫌われたくなかった。
大怪我をして包帯まで巻かなければならない父親に意地悪をしたくもなかった。
「お父さんが娘を見るというのに邪魔する理由が何があるだろうか?」
フレッドはアシュリーが自分の言葉を信じようとしないようにすると、より積極的に彼女とミルドレッドの間を仲違いし始める。
彼はアシュリーに向かって腕を広げて言った。
「アシュリー、彼女の隣に男がいるのを見たじゃないか?彼女は私があなたのために残した財産を盗もうとする心算だということを知らないのか?」
やはりフレッド?は財産目当てだったのですね。
違和感を覚えたアシュリーですが、下手に動くと危険ですし・・・。
https://recommended.tsubasa-cham.com/matome/