こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は145話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
145話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 展示会⑦
その時、人々のざわめきが聞こえた。
ダニエルとミルドレッドが首をかしげると、玄関にアイリスがリアンを連れて入ってきていたのだ。
「お母さま、男爵様、殿下がおいでになりました」
アイリスの話を聞いてミルドレッドは眉をつり上げ、すぐに表情を整える。
リアンと仲直りしたのかと聞きたかったが、人々の目があってそうすることができなかった。
「ご招待ありがとうございます」
リアンはミルドレッドとダニエルに礼儀正しく挨拶をし、あたりを見回しながら言った。
「先生の収集品を公開するというので、ちょっと立ち寄りました。私には気にせず気楽にいてください」
ミルドレッドの視線がアイリスに向けられる。
彼女はアイリスの顔が明るいのを見て、2人が仲直りしたことに気づいた
(よかった。ミルドレッドの顔も明るくなった)
ダニエルはミルドレッドを振り返りながら言った。
「奥様が殿下を案内してくださるのはいかがでしょうか?バーンズさんも一緒に」
その間に、自分はマリアンヌと話をしてみるという意味だ。
ミルドレッドはうなずいてリアンの方を向く。
リアンが来たおかげで人々の関心が彼に注がれた。
ダニエルは難なくマリアンヌに近づく。
マリアンヌのそばに立っていたエレナは、ダニエルが近づいてきてもあまり表情が良くなかった。
姉に勧められて来たが、このギャラリーを準備したのがバーンズ夫人だという話を聞いた。
甚だしくはバーンズ夫人が女主人のようにお客さんを迎えているのを見た瞬間、エレナの心は崩れ落ちる。
「夫の葬式もしていないのに、厚かましくああしているね」
マリアンヌはエレナにだけ聞こえる声でささやいた。
エレナは、バーンス氏がすでに2年前に行方不明になっており、死んだのがほぼ確実だという噂を思い出したが、何も言わなかった。
いくらバーンズ夫人が彼女の命を救ってくれたとしても、彼女も失恋を経験していて、姉にバーンズ夫人の悪口をするなと言う気はなかったためだ。
「スチュワード伯爵夫人。ガスさん」
ダニエルは2人に向かって軽く挨拶する。
マリアンヌはダニエルに微笑んだ。
そしてエレナが彼ともっと親しくなれるように体を回しながら話した。
「立派なコレクションですね、男爵様」
「お褒めの言葉、ありがとうございます」
ダニエルは丁寧に感謝の意を表し、エレナに尋ねる。
「不便なところや足りないところはありませんか?」
ある。
エレナはそう言いたかったが、我慢して嘘をついた。
「ありません。すべてが完璧ですね」
本当にウィルフォード男爵のギャラリーはすべてが完璧だった。
途切れることなく流れる音楽と、パリッとして冷たいお茶菓子。
そして、人々の感嘆を呼ぶレベルの高いコレクションまで。
それに、病院に人を招待することで、病院のための後援までお願いするなんて。
自分には考えられなかっただろう。
エレナはバーンズ夫人のしたことに劣等感を感じていた。
ダニエルはすべてが完璧だという言葉が本気だということに気づいて微笑んだ。
しかし、その時、マリアンヌが割り込んでくる。
「収集品を公開されたのは初めてだと思いますが。これからも定期的に公開する予定なのですか?」
彼はこれが落とし穴であることに気づいた。
今と同じギャラリーを開くとすれば、ミルドレッドがウィルフォード男爵夫人になるが、彼女のセンスはこれが限界という意味になり、新しいギャラリーを見ることができるとすれば、ミルドレッドはウィルフォード男爵夫人にはなれないという意味になる。
ダニエルはエレナが動揺するのを見て、彼女の意図が反映されていないことにも気づいた。
しかし、マリアンヌはエレナの姉であり、彼女は妹のために行動している。
エレナがここで無実だと主張するのは難しいだろう。
「そうですね、来年は丸屋根のお屋敷で開けてみようかという気もしているのですが」
ダニエルはゆっくりと口を開いた。
エレナの顔は彼の言葉に真っ青になる。
マリアンヌは思わずエレナの方を向いて、無理やり平気なふりをしてダニエルに向かって言った
「ああ、まだそこに泊まっているんですね?お宅が火災の被害に遭ったと聞きましたが、まだ修理が終わっていないのですか?」
「修理はほとんど終わりました。しかし、そのまま賃貸することもできますので」
エレナの耳にダニエルの言葉は、このままバーンズ夫人の邸宅にとどまるというように聞こえた。
彼女が唇をかんだとき、マリアンヌは言った。
「あら、ずっとそこに泊まるという意味ではないでしょうね?私が聞いたところではバーンズさんが戻ってきたそうですが」
ダニエルの目は細くなる。
彼は不思議そうに首をかしげながら言った。
「親、間違った知らせを聞いたようですね。バーンズさんは亡くなりました。死体を発見しましたので」
「あら、どこでですか?」
マリアンヌの言葉にダニエルの目が輝いた。
彼はわざと知らないふりをする。
「外国からですね。幸いなことに、バーンズさんのお友逹が死体を船で送ってくれました。その方が医師に死亡日が書かれた確認証までもらって送ってくれたのです」
マリアンの目が細くなった。
彼女は唇をかみしめながらエレナを見る。
エレナはバーンズ夫人の夫が亡くなったことに絶望していた。
ならば、もうダニエルとミルドレッドの結婚を防ぐことが一つもないという話になる。
妹が空が崩れた表情をするのを見たマリアンヌが勇気を出した。
「おかしいですね。私はこの前バーンズさんを見たんですよ」
ダニエルは変な顔をした。
彼は再び頭を傾けながら言った。
「詐欺師でしょう」
「あら、そんなはずがないわ。自分がフレッド・バーンズだと言っていましたよ。バーンズ夫人のこともよく知っていました」
「伯爵夫人は以前バーンズさんにお会いしたことがあるのですか?」
「いや、そうじゃないですが・・・」
「だったら、バーンズさんの顔を見分けることができなかったと思いますが」
「そ、それが。船から落ちて顔が壊れたと言ったんですよ。顔に包帯を巻いていました」
ダニエルは愉快そうに笑った。
そして、話にならないように言った。
「顔を包帯で巻いて、自分がフレッド・バーンズだと主張する男ですか。とても信憑性に欠けるのですが」
「でもバーンズ夫人のことはよく知っていました」
「スチュワード伯爵夫人」
ダニエルの声は低くなった。
なんだか周りがひんやりと感じられて、マリアンヌは思わず身震いする。
彼は軽蔑のまなざしを消さずに尋ねた。
「バーンズ夫人についてよくご存じですか?」
「よく知ってるわけじゃないけど・・・」
「それでは彼の言うバーンズ夫人についての話が本当かどうか、どうして知ってそうおっしゃるのですか?」
マリアンの目が大きくなった。
彼女はダニエルの顔を見て彼が何かを知っていることに気づいた。
これは困った。
マリアンヌの背中から冷や汗が流れる。
「マリアンヌ?」
ダニエルとマリアンの会話を見守っていたエレナが、これはどういうことかとマリアンヌを振り返った。
マリアンヌの顔が彼女の目に白く映っているのが見えた。
「行きましょう、エレナ。あまりにも長くいたよ」
マリアンヌはエレナの手を取って振り向いた。
「どうしたの?男爵様と何の話をしたの?」
エレナはマリアンヌに手を握られ、彼女に連れ去られ、絶え間なく尋ねた。
マリアンヌとウィルフォード男爵の会話は彼女の目には奇妙なものだった。
「何でもない」
マリアンヌは馬車に乗り込みながら言った。
エレナは知らないことだ。
これはあくまでもマリアンヌの独断でやったことだから。
二人が席に座ると、馬車がガス男爵家に向かって動き始める。
エレナは不安そうな表情で唇をかんだマリアンヌを見ていた。
「マリアンヌ、何かしたんじゃないよね?」
「何の仕業だって?何を言ってるの?」
「今、ウィルフォード男爵様との会話。あれは何だったの?バーンズさんに会ったなんて、どういうこと?」
エレナの質問にマリアンヌの目が揺れる。
フレッド・バーンズの遺体は彼女が持っている。
だからバーンズ夫人は夫の遺体を見つけることができないだろう。
夫の遺体は消え、自分をフレッド・バーンズと主張する男が現れた。
ウィルフォード男爵との関係は当然食い違うだろうと思った。
その上、自らをフレッド・バーンズと言い張る者がフレッド・バーンズでないことが明らかになっても構わない。
どうせ死体は彼女の元にある。
バーンズ夫人は、遺体がないため葬式ができないだろうし、書類上では既婚女性だ。
ウィルフォード男爵と再婚できるはずがない。
マリアンヌが今回の黒幕だったのですね。
ダニエルがエレナと結婚できるようにするために。
何とも身勝手な話ですが、ダニエルは今回の件をどう処理するのでしょうか?
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