こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は149話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
149話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アイリスのティーパーティー
マリアンとエレナが帰った翌日、私はダニエルと一緒にマリアンが所有した家に行ってフレッドの遺体を収拾してきた。
そして、詐欺罪で裁判にかけられたロニーは、数ヵ月や数年ほど監獄刑であるというニュースを伝えられる。
どうでもいい。
ロニーの包帯を巻いた顔を思い出す。
あの包帯の中の顔がどうなのかは分からないが、その魔法を解くためには莫大なお金と魔法使いを紹介してもらう人脈がなければならない。
ロニーは決して自分の顔を返してもらえないだろう。
そして、スチューワード伯爵夫人は・・・。
「お母さん、お呼びになりましたか?」
アシュリーは少し荒れた顔で書斎に入ってきた。
私は机の前にある椅子を指差して言った。
「あなたの意見を聞きたくて呼んだの」
「何の意見ですか?」
アシュリーの顔に疑問が浮かんだ。
ロニーの仕業に驚いたアシュリーの状態は急速に改善されている。
初日は、寝ている間に悲鳴を上げて目を覚ましたが、今はよく眠り、ご飯もよく食べる。
それでも時々ぼんやりと窓の外を見るアシュリーを発見する時には胸が潰れたりもした。
「あなたのお父さんの遺体を見つけたじゃないか」
アシュリーの顔は明らかに暗くなった。
私は身を乗り出して机の上に両手を重ねる。
そして静かにアシュリーを呼んだ。
「アシュリー、お母さんを見て」
アシュリーの青い瞳が私の方を向く。
ただでさえ、小さな顔が数日痩せたせいで、さらに小さくなり、彼女の瞳が目立って見えた。
「あなたは私の娘だよ。あなたのお父さんに関係なく、私はあなたを愛している。あなたも知ってるよね?」
アシュリーの目が潤んだ。
彼女は頭を下げ、すぐにかすかにうなずいた。
分かればいい。
それで十分だ。
私は黙って2枚の計画表をのぞき込んだ。
一つはアイリスのティーパーティーの計画表で、もう一つはフレッドの葬式の計画表だった。
「アイリスのティーパーティーを一週間後に開かなけれはならないの」
私の言葉にアシュリーが知っているかのように再びうなずいた。
私はフレッドの葬式の計画を取り上げながら続ける。
「そして、君のお父さんの葬式も行わなければならない。あなたに聞きたい。どっちを先にやるか」
「どっちを先にやるんですかって?」
やっとアシュリーが顔を上げた。
私は彼女の前に2枚の予定表を押した。
「それぞれ長所と短所がある。あなたのお父さんの葬式を先に行えば、あなたのお父さんにできるだけ早く安息をもたらすことができる。しかし、すぐにアイリスのティーパーティーの準備をしなければならないので、あなたが思う存分追慕する時間を持つのは難しいだろう」
そして、彼女を除くすべての人がアイリスのティーパーティーを準備することに混乱を感じるだろう。
私は計画表を注意深く見ているアシュリーを見ながら話を続けた。
「そしてアイリスのティーパーティーを先にすれば、あなたがお父さんをゆっくり追慕できるだろう。代わりに、あなたのお父さんに安息を与えるのを一週間ほど延ばさなければならないだろうし」
どっちにする?
私は何も言わずにアシュリーを見た。
彼女に選択権を与えるのは、今この状況で自分が無力だと感じないでほしいからだ。
幸い、私の考え通り、アシュリーの瞳に生気がつき始めた。
「アイリスのティーパーティーを先にしましょう」
アシュリーの言葉に私は椅子から立ち上がり、机の前に戻った。
そしてアシュリーの手を握りながら聞いた。
「大丈夫?」
「お父さんの葬式を急いで片付けたくないです。あと、あとお父さんを追悼する時間を長く持ちたいですしね」
「分かったわ」
私はため息をついてアシュリーを抱きしめる。
私は彼女が疎外されたので、全てが彼女の意志に反して戻ってくると思わないことを願った。
それなら、マリアンヌの謝罪を受け入れるかどうかも、彼女が決めなければならないだろう。
私は再び深く息を吸い込み、アシュリーの前にひざまずいた。
そして、彼女の手を握ったまま、マリアンヌが何をしたのか説明し始めた。
「あなたの娘たちはとても優しいですね」
その夜、2階の書斎に座っていたダニエルは不満そうに言った。
私は彼の胸に頬を当ててうなずく。
私の説明をすべて聞いたアシュリーはマリアンヌに会うことにした。
彼女の謝罪を受け入れるというわけではない。
アシュリーの意見は、彼女がどんな言い訳をしてどんな謝罪をしているのか聞いてみるというものだった。
しかし、それだけでもとても優しい。
私はため息をついて言った。
「アシュリーにボクシングを教えようかと思って」
ダニエルの体がこわばっているのが感じられた。
なぜ?
私が顔を上げると、彼が悟ったという表情で話した。
「ボクシングができると思ったんですね」
「いいえ、できません」
「それではアシュリーをどのように教えるつもりですか?」
「拳を握って殴れと言いますよ」
「は」
ダニエルの口から変な音がした。
え?
あなた今、呆れたって言ったの?
私が顔をしかめると、彼は無邪気な顔をして、私の額にキスをした。
「私は教えることができますが」
「結構です。あなたは忙しいじゃないですか」
私は再びダニエルの胸に顔を寄せて断る。
すでに彼は子供たちと私に神になるようなことを教えていた。
剣の扱い方、弓の撃ち方、盾の使い方など。
誰かが手を握ったらどうすればいいのか、後ろから抱きしめたらどうやって抜け出さなければならないのかも教えてくれた。
私はまっすぐ腰を下ろし、ダニエルの膝の上で彼の方を向く。
そして、彼の頬を両手で包み込みながらかんだ。
「ところでボクシングもすると思いましたか?」
「ちょっとね」
う一ん。
ダニエルが少しということは、かなり上手だという意味だ。
私は彼の肩をつかんでキスするように近づいて尋ねた。
「どうしてボクシングも習ったんですか?」
「習ったわけではありません。なんだかんだで身につけたのです」
「なんだかんだ?」
ダニエルの手が私の腰を掴むのを感じた。
彼は首を横に傾けて聞いた。
「キス、してくれないんですか?」
「どうしてボクシングを習ったのか答えてくれれば」
「ただ誰かがかかってきたので、相手の行動を真似してみました」
誰がかかってくるの?
私は驚いて顔を上げる。
するとダニエルが私の腰を引き寄せて不満そうに言った。
「答えたじゃないですか」
答えてくれればキスしてくれることにしたのに、どうしてしてしてくれないのかというのだ。
私は彼の頬をつかんで、ちゅっとキスをして、また尋ねた。
「誰がかかってくるんですか?」
ダニエルの表情は相変わらず不満足そうだ。
彼は私の背中に手のひらを当てて、低い声で言った。
「子供たちにしてあげるキスじゃなくて」
「ふむ、私はうちの子たちに唇にキスをしてあげません」
ダニエルはうめき声を上げる。
私はくすくす笑いながら再び彼の唇にキスをした。
そして、彼が望むように彼の下唇を軽く噛んでから放した。
しかし、ダニエルが私を放してくれなかった。
彼は片手で私の首を支え、私の唇を吸い始めた。
気がるいたとき、いつの間にか我々の立場は逆になっていた。
私はダニエルを当惑した表情で彼の下に置いた。
いつこうなったんだろう?
「続けてもいいですか?」
その時、ダニエルが尋ねる。
何を?
私はほうっとしてる彼を見上げながら目を細めた。
そして彼の胸を押しながら言った。
「元の状態で」
「はい」
また元に戻った。
アシュリーも少しずつ元気を取り戻しているようで安心しました。
マリアンヌを許すかどうか、それはアシュリーが決めることでしょう。