こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は153話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
153話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 妖精のお茶会②
「この方はジャクソン伯爵夫人です。王大妃殿下の侍女としていらっしゃるそうです」
アイリスは招待するよう指示が下された人の一人であるジャクソン伯爵夫人を紹介した。
王大妃の侍女という話に人々の目が輝く。
権力者の一番隣にいる人だ。
みんな親しくなりたがるしかない。
ミルドレッドはジャクソン伯爵夫人が不快そうに見えないか、彼女の顔色をうかがった。
城から招待するよう指示したというのは、その人たちが今回の試験の試験官という意味だからだ。
王妃と王妃の侍女はそれぞれ二人。
その中で王妃の侍女であるクレイグ侯爵夫人が王子妃候補の母親なので、残りの3人がそれぞれ候補たちのティーパーティーに招待されたということは予想できることだ。
紹介が終わると、待機していた使用人がサービングカートを引いて近づいてきた。
そしてアイリスが指示した通り、それぞれお客さんの好みに合わせてお茶を注いでいく。
「3つのお茶を用意しました。好きそうなものを私が先に注いであげるように言いました。もし他のお茶を味わいたいのでしたら、すぐにお取り替えいたします」
アイリスの説明に客らは自分の湯飲みを持ち上げ、お茶を味わってうなずいた。
そこまで見たミルドレッドは、デザートの準備がどうなっているかを確認するためにこっそり席を立つ。
最初のデザートとしてはティラミスとシューを先に出すことにした。
ティラミスは冷たく出さなけれはならないので昨日あらかじめ作って冷凍倉庫に入れておいた。
だから別に無理なく出てくるだろう。
実際、ミルドレッドはデザートが完璧に準備されるという事実を疑わなかった。
ゴシンは自分の仕事に自負心を持つ者であり、すべてを完璧に処理しようとしているのが目に見えたからだ。
「殺してやる!」
もちろん、その完璧さを他人にも要求するというのが問題だったが・・・。
厨房に入ったミルドレッドの目に入ったのは、棒を持って暴れるゴシンと真っ青な顔でどうしていいか分からないウィリアムだった。
「どうしたんですか?」
ミルドレッドはゴシンとウィリアムの間をすばやく塞ぎながら尋ねた。
生地を押したのか、ゴシンがモップを振ると、そこに付いていた白い小麦粉が落ちてきた。
「あいつが!あいつが塩を入れたのです!」
これはまたどういうことだ。
ミルドレッドはウィリアムを振り返り、彼が真っ青になってどう.していいか分からないことを確認する。
もう一つのデザートはトリプルベリータルト。
3種類のベリーを砂糖に煮詰めてパイ生地を詰めなければならない。
オーブンの上に砂糖ではなく塩漬けしたベリーがぐつぐつ煮えていた。
「砂糖の代わりに塩をあげたんですって!失敗しました!台無しにしたんですよ!」
ミルドレッドの口がばっちり開く。
彼女は鍋をのぞき込み、ベリーが焦げ始めるのを確認した。
どうせ使うわけにもいかない。
塩漬けにした果物をどこに使うというのか。
しかし、ミルドレッドは鍋まで焦げるかと思い、素早く鍋を持ち上げて流し台の上に置く。
そして真っ青になったウィリアムを一度見て、ゴシンに小さな声で尋ねた。
「ウィリアムが砂糖をくれた時、それが砂糖なのか確認しなかったんですか?」
彼女の質問にゴシンの動きがぴたりと止まる。
もちろん砂糖と塩を区分できなかったウィリアムのミスではあるが、厳密に言えばウィリアムは厨房の使用人ではない。
厨房は完全にゴシンの所管。
問題が生じれは彼の責任だ。
ショックはゆっくりとゴシンの顔に広がった。
彼はよろよろと向きを変え、調理台の上の包丁を持ち上げる。
死ぬためには、ウィリアムではなく自分が死ななければならない。
ゴシンは包丁で胸を剌そうとした。
「ゴシン!」
その場面を見たミルドレッドがびっくりして、まな板を持ち上げてゴシンの刀と胸の間を塞いだ。
その隙にウィリアムが飛びついて、ゴシンの手からナイフを奪う。
「砂糖と塩の見分けがつかないなんて!料理人として恥ずかしいです!そんな恥をかくより・・・」
何を言ってるんだよ。
ミルドレッドはむしろ死んだ方がましだということを彼の言葉に呆れて口を開いた。
ウィリアムも驚いて包丁を持ったまま彼を見ている。
その間、ゴシンはまた別の包丁を探した。
「ああ、やめてください!」
ミルドレッドは今度も彼の包丁を奪う。
そして、ウィリアムに包丁を渡して再び話した。
「あなたが死んだらその死体は誰が片付けるのですか?」
ミルドレッドの話を間いたゴシンの動きが止まった。
もちろんウィリアムも口を開けてミルドレッドを見る。
ミルドレッドは腰に手を当てて言った。
「塩と砂糖を区分できなかったのは失敗で、今行われている行事を仕上げられないのは失敗ではないですか?それなら完全に消えます」
「はぁ、でも果物がなくて・・・」
「桃は?」
ミルドレッドの質問にゴシンがびっくりしてオーブンの上にのせたまた別の鍋をのぞいてみた。
桃パイも結局、桃を砂糖に煮込まなければならない。
「ウィリアム」
鍋のふたを開けると、焦げたにおいがした。
しかし、どうせこれも使えなかったはずだ。
やっばり塩に煮詰めたから。
ミルドレッドは、ゴシンの顔が赤くなったり青くなったりするのを見て、素早くウィリアムを引っ張って自分の体の後ろに隠す。
「あ、あなた!」
ゴシンはウィリアムに向かって真っ赤な顔をして指差した。
しかし、そんな時ではない。
ミルドレッドは目を細め、鋭く尋ねる。
「残った果物は何がありますか?」
「え?」
ミルドレッドの質問にガシンの動きが止まった。
残った果物は何があるかって?
彼の頭の中が混乱し始めた。
ベリーは足りない。
しかし、桃はまだ多い。
「時間が足りないと思いますが・・・」
ゴシンが桃の入ったかごを持ってきて言った。
ティラミスとシューを先に出すとしても、煮詰める時間が必要だ。
パイの上に蓋をするなら、蓋を焼く時間も必要だ。
しかし、ミルドレッドはパイの上を覆うつもりはなかった。
「バラの桃のタルトを作ります」
「バラの桃ですか?」
「桃を薄くスライスします」
ミルドレッドの言葉にガシンが何を言っているのか分からないという表情をした。
仕方ない。
ミルドレッドは直接包丁で桃の皮を剥く。
上手に桃の皮をむく彼女の実力に、ガシンの顔に驚きが浮かんだ。
もちろん、それで終わりではない
ミルドレッドは桃を半分に切り、薄くスライスしてウィリアムに言った。
「鍋を新しく出してくれる?」
ぼんやりとミルドレッドを見ていたウィリアムは彼女の頼みであわてて鍋を取り出した。
ミルドレッドは素早く桃を1本全部かき混ぜ、2番目の桃を拾い上げ、ガシンに言った。
「同じようにしてください」
「そして砂糖に煮詰めるのですか?」
「薄いからもっと早いと思います。潰れるほど煮詰めてはいけません。バラの形でのせるので、形は維持しないといけません」
依然としてゴシンはバラの形に乗せるということが何の話か分からなかったが、ミルドレッドが言うとおりに桃を皮をむいてつぶし始めた。
最初の掴みは成功しましたが、まさかの塩と砂糖を間違えたウィリアム。
ミルドレッドはこのピンチを乗り越えることができるのでしょうか?