こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は147話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
147話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 雪遊び②
「どんな表情ですか?」
笑いを抑えようとして、目の周りの涙を拭い、それからそっと尋ねると、どうもイースケは、この辺でもっと相手にしても自分だけが損すると判断したらしい。
突然背中を向けて立った後ろ姿が本当に孤独で寂しそうに見える。
「イース、私がどんな表情をしているのですか?」
「・・・」
「うん?私はストレートな北部式の話法に慣れてしまって、ありのままに言ってくれないと分からないのです」
返事がない。
さすがお義父さんの言うとおり、世の中で自分一人がカッコいいと思っている男だ。
「イース、怒っていますか?」
「・・・怒っていない」
「じゃあ、拗ねているのですか?」
「俺は10歳になった子供か?」
「では、どうして急に無視するのですか?」
「・・・」
相次ぐ気まずい沈黙の流れの中で、イースケはちっとも動かず、雄大な背中ばかり見せている。
本当に図体に似合わない奴だな。
パチンという音とともに雪玉が壁のような肩にぶつかり、粉々に散らばった。
その時になってようやく振り向く血色の瞳は、実に不気味だ。
「今、何をしたんだ?」
あら、頭に命中したのかな?
白い雪の粉が銀色の髪の毛を覆って流れ落ちる。
私が再び雪玉を固めている間、イースケは現実をまともに認知するのに少し時間がかかっているようだ。
そうして何かに取り憑かれて呆然としていたとしても、すぐに彼らしい姿を取り戻した。
おお、なんて背筋がゾッとする表情だろうか?
「一体何をしている・・・」
パッ。
「んだ・・・」
パッ。
「ルビ、やめろって・・・」
パッ、パッ、パッ、パッ。
「やめろって!」
「悔しかったら、あなたも投げなさいよ」
「話にならないことを・・・、ちょっと待て、待てって!パラディンは顔が命なんだ!」
何を言ってるのだろうか、この男は。
こいつも知れば知るほど尋常ではない。
聖なる官職がついた面相に正統に当たったにもかかわらず、報復心の優れた夫は、どういうわけか全く対抗する気配を見せなかった。
ただ腕であちこちを防ぐことに徹底しているだけ。
えぇ、これじゃあ面白くない・・・。
「面白そうですね」
雪玉を拾い上げたばかりの私も、一面にかぶった雪を軽くはたいていたイースケも、並んで首を傾げる。
私たちの視線が向かう先には、厚いショールをかけたまま出てこられた美しい公女様が、とても見応えがあるという表情をして立っていた。
「兄さんがこんな風に遊ぶこともできるなんて思わなかったわ」
しばらく私たち夫婦の視線が交差し、やがて夫が先に口を開く。
「こちらなら可能だが」
「エレン、エレンも入りますか?」
エレニアの顔に浮かんでいた得意満面の表情があっという間に消えたのは当然の手順だった。
「え?いいえ、私はしませ___」
パッ。
私が口をつぐむ前に激しく投げた雪がエレニアの肩から粉々に砕ける。
イースケは低い呻き声をあげた。
「これは面白そうだね」
「何をするの、兄さん!」
パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ。
先ほどまでの防御的な態度はどこへ行ったのか、イースケはもう私とは比べものにならないスピードで先攻を繰り広げていた。
これはもう、ちょっと心配になるくらいなんだけど。
あっという間に白く覆われて地面に座り込んだエレニアが突然頭を隠していた腕を下ろしたのはその時だった。
パッ。
「・・・私も顔に投げればいいの?」
パッ。
エレニアが投げた雪玉で、私の頭もすぐに白く染まった。
やがて私たち3人とも原因不明の豪勝心でメラメラと燃え上がり、お互いに向かって楽しそうに雪玉を飛ばし始めたが、ふと気がつくと、いつのまにか私とエレニアが味方になってイースケを攻撃する格好になっていた。
「おい、ちょっと待って!夫を捨てる妻がどこにいるんだ?二人はいつそんなに親しくなったんだ!」
「あなたが先に私を無視したからじゃないですか!」
「嫉妬なんて、兄さんらしくないですね!」
「何だと!」
笑い声が広がる。
正確に誰の笑いなのか分からないけど。
そしてついに、ドンというエレニアの猛々しい一撃を最後に、イースケが地面に座り込み、両腕を持ち上げた。
「降参だ、降参。そもそも勝とうとした俺が悪い」
「今頃知ったのですか?」
「偉そうに威張って・・・。お前が俺の女房を誘ってさえいなければ・・・」
「私たちはシェパードパイも一緒に食べる仲ですから」
小麦粉がかぶったような顔を、パタパタと振っていたイースケが、モゾモゾと私の方を見る。
さらに、エレニアもどこか慎重な目つきで私の方をチラッと振り向いた。
おお、まったく・・・。
私もありきたりだけど、あなたたちも本当にありきたりだね。
3人で仲良く雪合戦。
この光景をようやく見ることができました。
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