こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は154話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
154話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 成長痛②
「みんな、大丈夫ですか?」
しばらくの間、何の返事も間こえてこない。
グリフィンがそっと私たちを降ろす間,私は頭をこすりつけ、意識を取り戻そうとした。
どれどれ・・・、ちょっと待って・・・。
ところで、ここは元々こんなに明るかったっけ?
「・・・はは、イースケ卿、夫人は毎回劇的に登場するが、並外れた才能を誇っているのですね。私たちは大丈夫です、公子妃」
ぺろぺろ。
私の体は宝石の丘をずるずると滑り降りる。
ポポ、あなたこの裏切り者・・・。
「こんにちは、あなた?」
流れてくる私を器用にひったくって抱き上げたイースケは、とても見下すような表情をしていた。
折しもこの宝石倉庫の主人がドラマチックなうめき声を上げる。
「カオオ・・・、カオオオ・・・」
その時になってようやく周りがまともに見えた。
誰かが持ってきたような灯火が周囲を照らしている中で、宝石の山がずらりと押された石床の上に巨大な藍色のうろこの山が垂れ下がって上がったり下がったりしている。
だらりと垂れ下がった翼の近くにいた中年のパラディン、すなわちロンギヌス・パラディンの騎士団長が私に向かって微笑んだ。
バロンズ卿って言ったっけ?
「成長痛だ」
「成長痛ですか?」
「時期が合わなくてまさかと思ったが、このように肉眼で見てみると、やはり合っているようだ。私たちがそばでうろうろしているのにこんなに大人しいほどの苦痛ならそれだけだから・・・」
イースケが私をそっと降ろす。
私はうろこの山を探りながら、うめき声が流れる口の部分を探した。
頭はどっちだ、これ?
「大丈夫かい?」
慎重に話しかけると、長く閉じたまぶたがしばらくびくびくするかと思ったら、やがて巨大な金色の目玉が明らかになる。
一瞬息が止まった。
「カオオ・・・、カオ、カオ・・・、カオ、カオ・・・」
何か言いたいようだが間き取れない。
そっと手を伸ばして硬い鼻柱を摘むと、巨大な鼻の穴がふうっと鼻息を吹き出した。
怪我をしたり病気になったりしないのは幸いだが、こうしていると少しかわいそうに見える。
「ところで時期が合わないというのは・・・」
「その通りだ。たかが成長痛で苦しんでいる。時期は、幼い時に一度だけだから。青少年期に移る時だけなのに、つまりこいつが図体に比べて私たちが推測したよりはるかに幼いこともあるということだ」
案外親切に説明してくれた旦那さんが私のそばに膝を当てて座り、半開きの竜の口の近くに手を当てる。
竜の子はびくともしなかった。
病気の中でも、半開きの目をむくように光らせて見えたが・・・。
「こんなに大きいのにまだ子供だったんですか?」
「私もそれが疑問ではあったんだけど、団長?」
「公子妃、こいつの前にエレンディルで最後に目撃された竜は、19年前の冬の竜だ。私たちは今までそれがこいつの兄弟ぐらいだと思ってきたが、今帰るのを見るとどうも母だったらしい。それではあの時あんなに虚しく捕まって死んだ理由がこれを隠すためだったとは・・・」
「団長が殺したわけでもないじゃないですか。とにかく、あの時こいつがどんな状態だったか知らないけど、その後ずっとこの中に閉じこもって宝石ばかり吸って寝てばかりいたような気がするんだけど、こんなに大きくなったというのが本当に・・・」
「そうだね。竜の子なりに精一杯生き残った寂しい子供だったんだね・・・」
でも、まだ子供ならここからどれくらい大きくなるかな?
今もこんなに大きいのに。
「その母と推定されるやつの大きさはどのぐらいでしたか?」
「たぶん、今のやつより半分ぐらい大きい体格で覚えてるね。この無知なやつが早熟症や肥大症になったとしても、あまり驚かないが、用途肥大症になるのか?」
「それをどうして私に聞くんですか、団長がもっとよくご存じだと主張された時はいつですか」
「卿は北部最高のパラディンじゃないか」
「ルビ、どう思う?」
「そうだ、公子妃。公子妃はどう思われますか?」
「今私に聞いているんですか?」
呆れて反問すると、2人とも直ちに堂々と先を争って答える。
「この子はあなた好きじゃないか」
「こいつ、今どこが痛いと言って公子妃にぶつぶつ言ったのではないですか?」
「この成長痛というのは、いつ頃終わりますか?」
「それは誰も断言できません。個体ごとに違ったりする上、10人に7人は成長に失敗して死んでしまうのが常なので」
つんつんと陰惨な響きがした。
人間の主張がひどく気に入らなかったことが明らかな竜の子が尻尾をパタパタと振ったせいで四方が轟き、あちこちで宝石たちがばたばたと跳ね返る。
空中に舞い散るきらめく金貨を何かを見るように脱んでいた騎士団長が、すぐに私の表情を見ては、ばっと気がついた。
「ああ、もちろんこいつが死ぬという意味ではない。ただ昔は時々そうだったという意味で・・・」
「一体どうして余計なことを言って人の奥さんを不安にさせるんですか」
「そうしようとした意図ではなかった。今見ると、こいつはあまり心配する必要がないように見える」
「急にどうしたのですか?」
「卿は何も見ていなかったのか?私に頼む時間を惜しんでまっすぐに見るように、今、公子妃が来て安心しているじゃないか!」
私たちは一時、時ならぬ成長痛に苦しんでいる肥大症の子供ドラゴンをじっと見つめた。
巨大な尻尾を激しく振りながら鼻息をふうふうと吐き出していた子供が私たちに向かって目をむいている。
「あまり安心しているようには見えないが」
「卿はちょっとよく知らないくせに、疑いからする習慣を捨てなさい。私が若かった頃、龍を1、2回見たと思う?」
「まあそれにしても、それが無事に成長するのと何の関係があるんですか?」
「それをどうして私に聞くんだ。ただ、成長痛を患う個体は、何よりも情緒的安定が重要なものだと言った。餌も食べさせるが、たまに這ってくる雑魔物だけでは・・・。いや、ところで公子妃、あれら一体はお互いに何の関係ですか?」
それらはまさに宝石の山の中で楽しく転がっているポポとグリフィンのことだ。
うちの竜の子が病気だから早く行こうと引っ張ってきた様子だったが、なぜか、それなりに積もったものが多いからか、それとも単純に遊んで興味を失ったのか、竜の子の方には目もくれない。
非常に不満そうな目つきで私の家出友逹を一つ一つ睨んだイースケが、今や辛いため息を吐いた。
「この野郎用じゃないと思う」
「・・・え?」
「どう見ても仮病に違いない、今わざとこうしているに違いないと。君が慰めてくれる間、私は生きていて肥満のトカゲの餌を捕まえてくる仕業をしろということだ。やれやれ、どうして最近のやつらはこいつもあいつも隣人の妻を貪る罪を平気で犯すんだ?」
北部最高のパラディンは、とうも私には理解できない奇妙な結論を一人で下し、精神的混乱状態に陥ったようだ。
私はそっと手を上げて彼のだらりとした肩を軽くたたいた。
「誰もあなたにそうしろとは言っていませんよ」
「言えなくても全身でデモしているじゃないか、今!そして私じゃなければ誰がやるんだよ、暴言でこいつに積もったやつが一人や二人ではない!ちっ、日用の糧で悪戯をする不敬な奴らは誰でもただじゃおかない。たとえ聖職者の奴らだとしても北部の神聖守護者として即決処分を下してやる!いくら懺悔しても無駄だ」
これが一体どうすれば出てくる論理なのかはよく分からないが、とにかくこうだからなぜか心から心配しているように見える。
肥大症のベビードラゴンの保母役という恐ろしい現実にどうしていいか分からない彼が好きで、私はつい笑ってしまった。
「私たち2人がよく面倒を見て、この子が無事に成長すればとても嬉しいと思います。まるで親遊びをしているようですね」
「・・・そうかな?」
若い頃、成体用2頭を相手にしたという伝説的なロンギヌス騎士団長が、どのような目つきで非凡な指揮下の騎士を見始めたのかは、あえて取り上げない。
バロンズ卿はすぐに鈍い覗線をそらし、反対側に向かって謹厳に口を開いた。
「卿たちはここに遊びに来たのか?」
しまった、あの3人の存在をうっかり忘れていたよ。
何のために今まで静かにされていたのかは分かりませんが。
「団長、私たちがどれほど心配していたか知っていますか?」
「うわごとはやめて、ポケットに詰め込んだ宝石か、また出しておくように。鼻のついた子供のおやつを盗むと楽しいのかな?君たちはそれでも聖騎士と言えるのか!」
北部最高聖騎士団の長がサタンの下水に鼻のついた子供と称されるとは。
いったいこの国の両班たちの信仰の基準が何なのか時がたつにつれて混乱する。
「盗もうとしたのではなく、転げ落ちたので、とにかく私たちだけで心配で死ぬかと思ったんです!あの鳥の頭と豚のタヌキがさえぎっているのに、追いかけようとしたのでしょうか?成長痛なのか何なのか、私たちとしては知る術もないのに___」
「公子妃の面前で、いつもいがみ合っているのか騎士道精稗と礼節はどこに売ってしまったんだ!とにかく、最近の若者たちは剣を振り回せば、みんな騎士だと思うのが問題だね、問題だよ!」
まさかドラゴンが子供だったとは・・・。
成長したらどれだけ大きくなるのか想像できませんね。