こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は163話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
163話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私の息子
アンデッドの魔物が大胆にもアイヴァン卿の目の前で私を襲ったの?
茂みの中で遊んでいたポポのため、魔物の接近を逃した可能性が高かった。
大声を出そうと口を開いたが、声が詰まったように何の音も出てこない。
あるいは出てくるが、この煙なのか霧が遮断しているのかもしれない。
シー、シー、シー、という相次ぐ響きに続き、何かけたたましく囁くような音が響いた。
一つや二つではなく、相当な数の奇怪な声が彼ら同士で早く、楽しいというように囁く響きが頭をぐるぐるさせる。
耳をふさいでしまおうかと思った瞬間だった。
「ウフフフフ・・・」
これは誰かな?
オメルタ城でよく私の耳に聞こえた、あの泣き声の主人ではないか?
バンシーか何か、じゃあここにバンシーもいるのかな?
「フフフ・・・」
バンシーの姿を見ようと目を見開いてあちこちを見たが、くすくすとした霧だけだった。
「フフ・・・」
一体何だよ、いつも泣いてばかりいないで正体を現してよ!
あなたが泣くと不安になる、なぜならバンシー家の中の誰かが死ぬという言葉があるから・・・。
真っ黒な煙を散らそうともがいていた腕が急に何かにしっかりとしがみついたように、正面に向かってすっぽりと流されたのはその時だった。
感触はないが、首筋が自然に逆立つような鳥肌が立つような感覚にカー杯振り払おうとする。
「私のむ、息子・・・」
はっきりと耳の中に入り込む、折れるような奇怪な声に息が一瞬止まった。
幻聴かな?
幻聴でなければ魔物が人の話をするはずがない。
それに私は魔物の言葉を自動通訳して聞き取る能力はなかった。
でも・・・。
「あ・・・息子・・・息子・・」
両腕がつかまりながら、ひんやりとした何かが近づいてくる、自分に近づいてくる感覚。
全身の毛が逆立つ中でも、私は身動きもできなかった。
ほとんど息も吐くことができない。
「私の・・・息子・・・私の・・・」
私の息子?
「私の・・・私の息子・・・私の赤ちゃん・・・」
後頭部がポンと鳴る音がしたようだった。
それと同時に、視野を遮ったカーテンのような灰色の煙の間から、ある形が点滅する。
文字通りまばたきしていた。
ぞっとして嫌な雲の形と美しい女性の形が、まるで二重に重なったホログラムのように交互に点滅しながら現れる。
二つの形態が一つであること、どちらが実際の姿であり、どちらが本質であることぐらいは明確に分かった。
彼女がひどく苦しんでいること、悲しみと悔恨に浸っていること、私に何かを話したがっていることも。
冷たくてねっとりした感じが頬に触れる。
彼女が誰なのか疑問に思う暇もなかった。
グールの姿を全力で退けた本質の姿は、他でもない私があまりにもよく知っている誰かとそっくりだから。
エレニアとあまりにも似ていたから。
なぜ泣いていたのですか、あなたは・・・そこの周りをうろつきながら。
毎回2回死ぬ危険まで甘受して。
もう気づかないということを知っていながら。
私の耳にだけ間こえるすすり泣きは何の役にも立たないものです。
どうしてここで私を捕まえてそんな顔をしているんですか。
私はあなたを知ったことがないのに、あなたにしてあげられることが何もない人なのに・・・。
「私の・・・私の赤ちゃん。赤ちゃんたち・・・はい、よく・・・」
まさにその瞬間、ばっと銃声に群衆が散らばるように、目の前に見えたすべてのものが現れたほどあっという間に散らばって消えていく。
最後に耳元に残ったのは断末魔の悲鳴だけだった。
「奥様!」
「フォー!」
戻ってきた世の中で、私はしっかりしようと努力する。
辺り一面うるさくて、何かふわふわしたものが私を激しく抱きしめた。
見たらポポだった。
「大丈夫?」
ポポをさっと押して、近づいてきたイースケが私の肩をつかんだ。
焦って心配に満ちた姿、その横に彼の剣が青白く光っていた。
「私、どうなって・・・」
「アンデッドたちが突然襲ってきたんだ。この豚ポポリのせいで、魔物をきちんと浄化できなったんだけど大丈夫か?すごく驚いたと思うけど、怪我はない?」
「すみません、奥様。私がすぐそばにいておきながら」
「ポ、ポ!」
「ルビ?」
私は瞬きしながら心配そうにせき立てる顔を見上げた。
ねえ、今・・・。
「今・・・あれはあなたが退けたのでしょう?」
「そうだけど、他のものも一緒にあった。この森ではいろんな種類が一緒に群がって、全部無くしてしまったからもう大丈夫」
そうなんだ、そうなんだ・・・。
「ルビ、ぢうしたの?もしかして幻覚でも見えたの?」
ごつい手のひらが私の頬を注意深く包み、夕日が降り注ぐ。
私はしばらく夕陽を背にして立った夢見のような姿の騎士をじっと眺めていたが、すぐに駄々をこねながら微笑を浮かべた。
「いいえ、何でもありません」
何でもない。
それの本質は何でもないことを願うから。
だから何でもない。
あなたは大丈夫だろう。
私たちは大丈夫だろう。
私たちは皆大丈夫です、だから・・・。
私の微笑が変に見えたのか、イースケが躊躇うように両目を瞬かせた。
手を上げて彼の頬を撫でると、ざわざわしながら私たちを見守っていた親愛なる卿たちがこっそりとお互いに叩き合って席を離れ始める。
遠くは行かないけど、また会いましょう・・・。
「ポ、ポ、ポ、ポ!」
片方に転がっていたポポが急にまたぴょんと起き上がり、ぴょんぴょんと飛び出した。
追って回ったそこには青い霜花の茂みが茂った森の道の真ん中、いつのまにか紫色と藍色に染まっていく空に向かって並んで浮び上がる無数のホタルが。
「うわぁ・・・」
ポポに沿って走り、幻想的な風景の真ん中に埋もれる。
霜花の山に落ち、頭を上げると鼻が痒かった。
私の後を追ってきた夫がくしゃみをする。
「とにかく子供でもないし・・・」
「とても綺麗じゃないですか?こんな風景見たことありますか?」
「・・・綺麗だね」
「うわ、どうして素直に納得するんですか?」
「それでも不満なら・・・」
私は彼の首に腕を巻きつけ、引き寄せたため、イースケはもう何も言えなかった。
天地で黄金色のホタルが漂う風景の真ん中で、私たちは仲良く高い茂みの中に倒れる。
「ルビ」
「し一っ。何も言わないで」
指を彼の唇に当てると、夕日の色に似た瞳が少し揺れた。
そうしてホタルでも入れられたのか、きらきらと輝く笑いが広がった。
「ポ、ポ、ポ、ポ、ポ!」
そこらへんで、ポポが青い花びらをはらはらと空中にまき散らし、ホタルたちと遊んでいる。
そして、私たちは他のことに気を取られていた。
ここがどこなのか忘れるほど幻想的な風景に溶け込み、この上なく悦惚とした2人だけの無我の境地に陥る。
美しくて美しい。
本当に美しい風景だった、あなたは。
あの日のあなたを永遠に忘れられない。
だからあなたも私を覚えていると言ってくれ。
いつか時間が長く経って私が先にあなたを去るようになる日が来ても。
まぶしく輝く鎧を着て、きらびやかな夕日を眺めながらね。
ジプシーの正体は、イースケの母親?
確証はありませんが、無事に成仏されるといいですね。
https://recommended.tsubasa-cham.com/matome/