こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は176話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
176話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 中身が変わっても
チェシアレが送った兵士たちが私を訪ねてきた時、私は久しぶりにレディー・アデラと一緒に法王庁のすぐ前の広場でクリスマスの祝祭が盛んな街を見物していた。
周囲がざわざわしている中、噴水台に腰かけて青い空を彩る風船をぼんやりと眺めていた私を、豹のような歩き方で近づいてきた奴らがいきなり囲んで同行を要求する。
事実上、引きずられるも同然だった。
かつてない不遜な行為だったが、これといった疑問や問い質す気はない。
チェシアレが北部との破局を公表し、私に対して何と言質したのかよく分かったからだ。
私が現在精神が完全ではないと知らされたのは、それほど驚くことでもないことだ。
そのまま広場を出て法王庁の中に引きずり込まれ、ついにたどり着いたのは法王の個室。
中で私を迎えた人は、やはりチェシアレだった。
乱暴に私を押し込んだような警備員が後ろのドアをバタンと閉める。
二人きりになるやいなやチェシアレが口を開いた。
「聖杯はどこ?」
「・・・え?」
「聖杯はどこにあるんだ」
しばらく沈黙が流れた。
腕を組んだまま立って、斜めに私を見つめるチェシアレは、そういえば例のその手段ではなく、ゴンパロニエレの服装をしていた。
いつかエンツォが着ていたあの華麗な銀白色の板金鎧。
まだ私の離婚問題も終わっていないのに、もう還俗してしまったのか。
エンツォが死んだ言い訳でさっさと居座るつもりらしい。
滑稽にも、あるいは矛盾しても、元の主人よりよく似合っていた。
いっそ最初から生まれ変わっていたら・・・。
「ロクロワ枢機卿が消えた。それは誰だという決まりきった質問はしないで。他の何人かのやつらも急に仲良く姿を消したよ」
私はしばらく引きずられて息切れをした。
そうなんだ、もう行方をくらましたんだ。
幸いにも無事に流出したんだね・・・。
「・・・それをどうして私に言うの?」
「君が面白がるような話がそれだけではないから」
「え?」
「君の夫が今回のことを名分に四方八方に同盟を結成したようだね」
「・・・」
「こいつもあいつも自分の国のことのように同時に非難声明を出していると。とにかく帰る姿を見ると、ここで逃げた奴らが聖杯を持って逃げたに違いないが、その間に父親を丸めて保管場所を突き止めるに値する人があなた以外に誰がいるだろうか?」
物静かな声。
それとは対照的に、濃い青の目は暗くて青白く見えるほどだった。
怒りをかろうじて抑えているのが明らかだ。
頭の中で古い警告音がきしむ音を立てる。
「それで?」
「え?」
「それで、これからどうするの?」
「あなた今それがどんな物なのか・・・」
「どんな品物かは私も知っている。だからやったんだよ。それでもう私も殺そうと?エンツォも殺してお父さんも殺して、もう私なの?」
投げられたように、カウチに座り込んだ私の首筋を、彼の強い手が乱暴に握りしめ、押さえつけた。
痛い、この野郎!
暗くなった濃い青の目が危なげにじりじりと燃え上がった。
その目に映った私の淡い青い目がゆっくりと瞬きをする。
どうするの、これから?とうするの?
お父さんも亡くなってしまったのに、これからどうするつもり?
お父さんが亡くなるのは知っていたじゃないか。
そもそも殺すつもりじゃなかったのどうしてそうしたの?
お父さんが生きていてはいけないことでもあるの?
まだ不可能な夢を見るの?
何に君の目が曇ったんだろう?
何が君の目を隠したのだろうか?
それも私のせいだって?
「あいつのせいでこうなの・・・?お前を助けに来ると言っていたのか?」
「・・・」
「艦隊でも率いてきてくれると思う?たった一人のために?小説を読みすぎじゃない?」
いいや・・・。
イースケに二度と会えないかもしれないということを私もすでに知っている。
たとえ本当に原作のように連合軍が結ばれて聖徒侵攻が行われるとしても、これからしばらくかかるだろうし、これまで法王が死んだ聖徒の情勢がどのように変わるか分からないことだった。
万が一、窮地に追い込まれたチェシアレが目を見張る前で私を引き抜いたり処理してしまうと・・・。
「それとも単に君が阿呆なのかい?言ってみて、あの子がそんなに好きだったの?こんなに全部背を向けるほど?」
「全部だなんて、ここには私の何もないよ。最初から何もなかったって」
すぐにでも私を野獣のように引き裂く勢いだった彼の目つきが突然消えたのはその時だった。
急にどんな心境の変化でもあるのか、チェシアレは私の首を持った手に力を解きながらゆっくりと上体を立てて、そのまましばらく私をじっと見つめる。
「そう、私もあなたが変わったのは知っていた」
「・・・」
「15歳のあの日以来・・・病気になってから急に魂でも変わったように別人になったということを」
実際に変わったんだって。
私の目もまた彼の目をじっと見つめた。
「それだけでなく君の固有コアまで消えた」
君。
本当に他の人に変わったのではないかという話にならない想像までするほどだ。
「・・・」
「私が知っていた彼女はどこへ行って・・・」
がらんとしたような変な目つきをした女の子がどうして現れたのか分からなかった。
「最初はただ辛かった後の後遺症のようなものだと思ったが・・・」
彼の歯がぎゅっと食いしばられる。
傷ついた猛獣のように変わった目つきが改めて見慣れない。
「・・・それで私をそんなにすぐ殴ったの?ちょっとよくしてくれるふりをして?あの子じゃないみたいだから、確認しようと思って?」
「・・・」
「言ってごらん、私にキスしたのもあの子じゃないみたいだから?あれこれ全部やりながらずっと見守るつもりだったの?」
首に巻いた手が少しびくっとするかと思ったらまた痺れを切らしてきた。
息が詰まるほどではなかったが、窮屈だ。
久しぶりに鳴ったゆっくりとした声は荒々しく低かった。
「そうだね・・・ずっと見守るつもりだった。最初は、いや、最初から君を噛みちぎろうと見守っていたよ」
彼の頭がしゃがみ込んできた。
そう向き合った顔は、思いがけず見たことのない表情をしている。
苦しさに染みるような表情。
まるで私の姿が自分を苦しめるようなそんな・・・。
「そのために見守っていたのに・・・噛みちぎろうと、ずたずたにちぎって粉々にしてしまおうとしていたのに・・・」
粉々にしてしまおうと思って。
ずたずたに裂いて粉々にしてしまおうとしたと。
それほど猛烈な憎悪だったら・・・。
それほど猛烈な憎悪だけなら、どんなに良かっただろうか。
そんな純粋な憎悪だけだったら、私もあなたを許すことができたのに。
「そんなに君のすべてを壊してしまおうとしていたのに・・・。はあ、逆に君のすべてが私を食べてしまった」
「・・・」
「むちゃくちゃに崩れ落ちる私の姿が君の目にはどう見えたのか・・・?」
首を握った手に力がぐっと入っていく。
呼吸が苦しくなった。
「今はただ悲惨なだけだよ・・・。君がその目で私を見る度にとても惨めになって・・・」
「・・・」
「いっそのこと、このままあなたも私も終わらせてしまうなら・・・全部終わらせてしまうなら・・・」
体が自然に揺れる刹那、手が落ちながらその下に、首筋の下に下がった。
一瞬、全身に鳥肌が立つ。
「うっ・・・」
「いっそのこと、最初からこのまま勝手に持っていたら、もっと簡単だったかもしれない」
苦しそうに沈んでいた瞳が、また徐々に燃え始めていた。
体が引き裂かれる感覚と同時に、頭の中で警告灯が激しく点滅する。
私が悲嗚を上げる暇もなかった。
いや、正確には悲嗚を上げたことはある。
しかし、私が悲嗚をあげると同時に、突然の神の怒りか、乾いた空の天の雷か、あるいは何の地震のような自然災害なのかわからない、ものすごい轟音が嗚り響いたので、そのまま埋もれてしまった。
あっという間に一体何が起こったのか分からなかった。
ククン、と天地が揺るがすような衝撃波とともに体が激しく飛んだ。
いや、体ではなくただ風景全体が激しく飛んだ。
チェシアレもルビの中身が変わったことに気づいていたのですね。
ピンチの時に起きた出来事。
一体何が起きたのでしょうか?
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