こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は84話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
84話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 兄との再会
雄大な宴会場の正門から国王が座った上座まで、人々があっという間に両側に分かれる姿は非常に珍しい光景だった。
ブリタニア歓迎団の厳重な護衛を受けながら入ってくるロマーニャ枢機卿団、敬虔かつ神聖に感じられるべき登場に、時ならぬ不気味な緊張感と威圧感が溢れる理由は、一番先頭に立った二人のせいだろう。
私の兄と、私の夫。
上座に座ったペアノール王と、その隣に立つオメルタ公爵を除いて宴会場の男女両方が二人から目を離すことができなかった。
一瞬、すべての息が止まってしまったような。
悪魔の気運できらめく紺青色の目が陰鬱で孤独なカリスマを発散している。
数か月ぶりに見るチェシアレだった。
今の彼は私の18歳の誕生日に着ていた服と同じ格好をしている。
実に悪魔のような美貌だが、私の目には悪魔の再臨に他ならない。
本当の意味でのラスボスの登場だね。
そして、うちの旦那様。
私は正直、イースケは今日も真っ黒な鎧姿だと思っていた。
しかし、特有の揶揄するような冷笑を含んだまま、大股で長い脚を動かすイースケは、全く別人のように見えるほど着飾った状態だ。
燕尾服ではなく、どうやら行事用の制服のようだった。
肩にはパラディンの青いマントの代わりに白い毛皮マントを囲み、華麗な腕章と金糸模様、ルビーとダイヤモンドブローチなどを重ねた銀色の制服が彫刻のような長身と調和し、まさに芸術的なカリスマを醸し出していた。
人性と美貌を交換した二人が並んで立つ姿を見ていると、自ずと背筋がゾッとする。
まるでクロヒョウとシロヒョウの組み合わせ。
残りの私たちは哀れな被食者に過ぎない。
養父と王でさえ、ただの歯の抜けたライオンに感じられるほど。
「神聖ロマーニャの教皇聖下がブリタニアのペアノール王に祝福を祈ります」
「感謝を。皆さん、遠いところまでお越しいただき、お疲れ様でした」
淡々と挨拶をする国王の隣席の上座はがらんとしている。
外国使節団を迎える席には王妃も同行するものだったが、いくら愛する王だとしてもロマーニャ枢機卿団を迎える席に改宗した異教徒国舞姫出身の王妃を見せることはできなかったようだ。
確かに些細なことでも責められる可能性は最初から排除したほうがいいだろう。
チェシアレと養父が挨拶を交わす姿が、なぜこんなに非現実的に感じられるのか分からない。
あいつ、非常に礼儀正しく振舞っているけど・・・。
「それでは詳しい話はどんどんするようにして、皆さん思う存分宴会を楽しんでください」
国王が軽く手を叩くのを合図に、宴会場を侵食していた緊張感が解けた。
ざわめく会話の音と宮廷楽団が演奏する音楽の音、道化師と魔術師たちが妙技を振るう音が広がっていく。
「それでは、またお目にかかりますように」
静かに挨拶をした昔の婚約者が去っていく。
私はしばらく顔を上げて上を見た。
巨大なドーム天井を覆う「審判の日」のフレスコ画。
生命の本に私の名前はあるのかな?
「ルビ?」
私が視線を正す前に、彼らの方が先に私を見つけた。
二組の色違いの瞳が同じように大きく開く姿は、本当に見ごたえがあるね。
私はできるだけ嬉しそうにニッコリと笑いながらスカートの裾を掴んでかがんだ。
「危うく遅れると思いました」
イースケが私をじっと見つめているのが感じられる。
何にそんなに魂が抜けて、釘付けになって見ているのか分からないことだ。
今日の私はちょっと綺麗だからかな、えっへん。
夫とあまり変わらない表情で私を見ていたチェシアレが、すぐに謹厳な表情をほぐしながら微笑んだ。
人目には限りなく優しく秀麗に見える、明るい笑顔で。
「なんてこった、その固い挨拶は一体何だい?」
「お兄様・・・」
「こっちにおいで。険しい船に乗ってきた兄にハグくらいはしてもらわないと」
そう言って腕を広げる小僧は、実に優しいお兄さんに見えることだろう。
このサイコの本性を知るはずのないエレンディルの令嬢たちは、ひたすら魂が抜けた目をこちらに投げかけ、顔を赤くしていた。
「さあ、早く」
嬉しいフリ、嬉しいフリ。
私は何も引っかかることがないかのように忍び寄り、彼の腕に抱きついた。
見慣れたサヒャンの匂いが鼻先をくすぐり、この生き生きとした現実感を無慈悲に刺激する。
同様に無慈悲な腕が私をギュッと抱きしめ、一度手放した。
「ちょっと太ったみたいだね、公子妃。新婚が楽しいみたいだね」
悪戯っぽく付け加える兄の濃い青色の瞳は純真な喜びで煌めくだけで、予想していた薄暗い怒りの気配は見当たらない。
微笑んだ顔でイースケを振り返る姿も謙虚と丁重そのものだった。
まれに完璧な仮面をかぶった姿に、私は今まで以上に緊張感で背筋が硬くなるのを感じた。
ついにチェシアレとの再会。
人前では優しい兄のふりをするのが余計に怖いですね。
イースケの反応も気になります。
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