悪党たちに育てられてます!

悪党たちに育てられてます!【2話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「悪党たちに育てられてます!」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【悪党たちに育てられてます!】まとめ こんにちは、ピッコです。 「悪党たちに育てられてます!」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介と...

 




 

2話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • プロローグ②

憂鬱に頬をぷっくり膨らませていると、そばにいたマイラが戻ってきた。

私はなんとなくホットチョコを飲みながら、昼寝のふりをしていたが、マイラが部屋を出るとすぐに顔を上げた。

「それなら、まず新しい収入源について情報を集めてみようか?」

しかし、このときの私は知らなかった。

その場所で絶対に出会ってはいけない『入.養.角』の登場人物トップ5の一人に会うことになるとは。

いつものように私が書庫に到着したとき、書庫の扉は半開きになっていた。

奇妙なことだった。

ここは利用客がほとんどおらず、いつも埃だらけで放置されている場所だからだ。

「え……?」

明らかに数日前にしっかり閉じておいたはずなのに。

不審に思いながら書庫に入ると、本棚の近くで何かを興味深そうに見回している見慣れない人物が目に入った。

「……誰?」

黒髪を持ち、ここにいるのは高位の貴族か、直接関係者の一人だという話だが。

「初めて見る人だな。」

この別館は、分家や直系の者なら誰でも利用できる場所。

しかし、直系の人間がこの別館を利用することはまずあり得ない。

本館の書庫の方がはるかに質が良く、部屋や設備も比較にならないほど整っているのだから。

男性は、私の視線に気づいたのか、ゆっくりと頭を動かしてこちらを振り向いた。

彼もまた、私を観察するように軽く首を傾げた。

「もしかして、神聖魔法に関する適切な本がどこにあるか知っている?」

声は柔らかく、それでいてどこか堂々とした響きがあった。

かすかに笑みを浮かべた唇の様子が、妙に親しみやすく感じられた。

天井から差し込む光の中で、一瞬彼に目を奪われそうになる。

私が黙り込んで返事をしないでいると、彼はすぐに興味を失ったように無関心な態度で再び身体を背けた。

「あっ!」

返事をしなければ。

「1番エリアの1章、第2棚にあります。」

私は遅ればせながら正気を取り戻し、彼にそう答えた。

彼の視線が再び私に向けられたが、私もまたマイラが来る前に早く戻らなければならなかったので、自分の行くべき道を進むことにした。

まるで小説の一節が思い浮かんでくるかのようだったが、それは決して偶然ではなかった。

<エルノー・エタムはその観察力が鋭いことで知られる。>

彼の黄金色の瞳は蜂蜜を湛えて輝いているようで、世界中のすべての暗闇を吸い込むかのように美しい。

黒い髪は、一度触れてみたいと思うほどに完璧だった。

彼はまるで天上の神があらゆる素材を精魂込めて作り上げたと言えるほどの美しい人物だったが、誰も彼に軽々しく近づこうとはしなかった。

『そういえば、送ったものは気に入っていただけましたか? どうやら贈り物を受け取るのがお好きなようでしたので、全身にたっぷり注ぎ込んでみましたが、満足していただけたらと思います。』

優しい微笑みと控えめな皮肉が混じったこの言葉。

エタム家の最後の後継者候補であり、悪童エルノ・エタムの象徴的な存在である彼は、そんな態度を見せた。

そこまで考えが及ぶと、目が見開き、全身が固まった。

エルノー・エタム!

彼はエタム家の期待の天才と呼ばれ、エタム家の末っ子公爵でありながらも、最も有力な後継者候補として議論されるエタムの悪童だ。

実際、彼が有名な理由は別にあった。

<彼は極度の快楽主義者だった。興味がなければ決して動かず、やりたいことは何であれ成し遂げ、欲しいものは何であれ手に入れた。また、敵意を向けられると、必ず応じて反撃した。>

唯一の例外があるとすれば、彼の二人の息子だけだった。

エルノー・エタムの悪い点は、一度手にしたものを飽きるまで弄び、飽きてしまうと他の誰にも持たせないよう徹底的に破壊するということである。

<世間は彼の変態性と残酷さを挙げて、ドラゴンの血を最も濃く受け継いだ人物だと評していた。>

彼は<入・養・各>の中で最も穏やかに見えるが、実際には最も変態的で性格の歪んだサイコパスだった。

そして、「狂暴化」と呼ばれるエタム特有の難病においても、最も症状が重い人物とされていた。

時には魔力を抑制するアクセサリーをいくつも装着するほどだ。

『まあ、私とは関係ないしね。』

どうしてここまで来たのかは分からないけれど、どうせ明日には捨てられる運命なのだから。

私は孤児院のリストを指でなぞりながら、じっくりと読み進めていった。

『あっ、見つけた!』

目を輝かせたその瞬間、本の上に長い影が落ちた。

「何を見ているんだ?」

エルノー・エタムだった。

彼は何か欲しいものを見つけたらしく、横に置いた本を二冊抱えながら立っていた。

私は緊張しながらそっと息を呑んだ。

「…本です。」

私はもごもごと答えながら、彼が誤解して怒らないようにわざと笑みを浮かべてみせた。

彼は目の前でそわそわしている人間を一番嫌う性格だったからだ。

エルノー・エタムの目が、興味を探るようにゆっくりと細められていく。

「孤児院のリスト?」

その突飛な質問と疑惑に満ちた視線に、私は慌てて頭を振った。

「こ…これはなんというか……?私はただ文字の練習をしていただけ!」

とりあえず適当にごまかすことにした。

手を動かしながら焦りつつ文字をゆっくりなぞるふりを続けていた。

「そうか?おかげで本はうまく見つけられた。でも、この書庫は結構広いけど、よく知っているみたいだな?」

「よく来てますから。」

「そうなのか?」

幸いなことに、彼はそれ以上深く突っ込んでくることはなかった。

『自分には興味がないんだろう。』

彼は興味がなければ、目の前で誰かが死にかけていても助けることはしない人だ。

「はい、よく来ています。」

私のつまらない返事に、彼は興味を失ったかのように薄っすらと微笑みながら、さっさと体を翻した。

バタン。

扉が閉まる音とともに、私は本に顔を埋めた。

「うわ……」

とても緊張している。

心臓が大きく跳ね上がったように感じた。

深呼吸を一つして、孤児院の住所が書かれたページを破り取り、それをポケットに押し込んで本を再び閉じた。

孤児院の名前は、

「新しい時の孤児院」という言葉が指先に引っかかるような感覚だった。

孤児院の名前を見ていると、そこでようやくこの場所に関する情報がふっと思い浮かんだ。

「そういえば、この孤児院には未来の魔塔主がいたんじゃなかったか……?」

そしてその未来の魔塔主は、どこかの貴族家で失われた子供だった。

「誰だったっけ……?」

うーん、わからない。

どうせ明日首が飛ぶかもしれない状況で、他人の私情に気を回している場合か。

本をきちんと整理して、ちょうど書庫を出ようとしたところだった。

チリン!

ガラガラ。

何かが足元に引っかかる。

視線を下に向けると、転がってきたのは銀色の指輪だった。

赤銅色の小さな宝石がはめ込まれており、高級感のある精緻なカットが施されているのは、最低限の装飾ではない。

「これは……」

ふと、ここにいたエルノー・エタムの顔が浮かんだ。

「まさか……」

『拡幅化』を抑制する指輪なのか?

彼は『拡幅化』を抑制するペンダントをはじめ、いくつかのアクセサリーを身につけていると聞いていたが。

冷や汗が背中をつたって流れた。

『これ……危険じゃないの?』

私は急いで指輪を拾い上げ、図書室を出ようとした。

すると、彼は少し離れた場所からゆっくりとした足取りで戻ってきた。

「こ、これ……」

私は恐る恐る、彼が怒り出すのではないかと怯えながら、急いで指輪を差し出した。

「ああ、見つけてくれたんだ。」

「机の下に落ちてたよ!」

「そう?」

エルノー・エタムがほほえみながら手を差し出した。

彼の手先が触れないように、私は指輪をそっと置き、すぐに手を引っ込めた。

彼は潔癖な性格があり、自分が許可しない限り、他人の手が触れることを非常に嫌がると聞いていたからだ。

指輪を軽く受け取った彼は、振り返って去ろうとしたが、一瞬立ち止まり、私が渡した指輪をじっと見つめた。

『え、それほど汚いの……?』

私としても、何の汚れも残っていないようにハンカチで拭いたつもりなのだが……。

「じゃあ、忙しいのでこれで……さようなら。」

私は無言で返事をする代わりに、彼をじっと見つめながら、拳を固めて小さく震えた。

「はは、面白いな。」

彼と距離が空いたと思った瞬間、背後からまるで皮肉めいた低い笑い声が聞こえた。

私は完全に逃げ出すことなく、かろうじて冷静さを保つために、歯を食いしばり必死に堪えた。

『逃げる者は追われる運命だ……。』

『逃げる者は追われる運命だ……。』

『逃げる者は追われる運命だ……。』

どれだけ歯を食いしばっていたのか、自室に戻った頃には顎が痛むほどだった。

そして翌日、待ちに待った新年の会がやってきた。

 



 

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