悪党たちに育てられてます！【３話】ネタバレ

「眠い……。」

朝から疲労困憊の状態で目をこすりながら、私は壁に頭を押し付けてうなだれていた。

夜通し探し回ったおかげで、新たに見つけた何かが目の前にかすかに浮かんだ。

夜中、一人の侍女たちの目を避けて倉庫をくまなく探し回った。

その理由は金目のものを見つけ出すためだった。

それは取るに足らない場所だったが、家門が家門である以上、金目のものを見つけること自体はそう難しくはなかった。

「それでも準備は万全だ。」

今日、予定通りに事が起きたとしても、すべてのシミュレーションを終えていた。

上でも述べた通り、私はまだ物語の端役にすぎない。

幼い主人公は、いずれ激しい感情に揺さぶられることで人間関係が崩壊することがある。

物語の中でもエキストラの物語ゆえ、詳細に描写されていなかったが、まさにここで人間関係が崩れることになるだろう。

いずれにしても、すべての状況に対する計画を立てておいた。

第一に、最も理想的なのは、人間化が解けずに私が首の皮一枚で生き延びられること。

第二に、人間化が解けても慌てず、あらかじめ脱出経路を確保しておき、すぐさま逃げ出し、この邸宅から脱出すること。

第三に、自らの口で出て行くと宣言し、何もせずにその場を後にすること。

一番目が一番良いが、二番目も三番目も悪くはない。

「お嬢様、行かれますか？」

「うん……！」

私はマイラと一緒に、この邸宅に付属する会議室へと向かった。

彼女は会議室の前に到着すると、しゃがんで私と視線を合わせた。

「お嬢様、ここからは私が入ることはできません。名前が書かれた席を見つけて座り、指示されたことだけ行って戻ってきてください。挨拶の仕方はお教えしましたよね？」

「うん。」

「はい、私はここで待っていますので、お嬢様、気をつけて行ってらっしゃいませ。」

「行ってくるね、マイラ！」

できるだけ良い姿勢を見せたいところだ。

マイラの応援を背に、私は拳をぎゅっと握りしめながら中へと入っていった。

中に入った私は、一歩進んだところで足を止めざるを得なかった。

私の登場に、会議室にいた全員の視線が一斉に私に向けられた。

心臓がドキドキと速く打ち始めた。

人が多いのは苦手なのに……

こんなに多くの人がいるとは思わなかった。

唾を飲み込み、名前札が書かれている自分の席を探して動き始めた。

私の席は、広い会議室の配置の中でも目立つ場所にあり、自分の位置をはっきりと示す席だった。

「ねぇ、この子、誰？」

「おい、なんであいつがいるんだよ。あの田舎者が外から来たやつだろ。」

「あぁ……あの子でも子どもを産むんだね。私も自分の子どもを一人でも産むのがあんなに願いだったのに……」

「お前、もう7年目か？エタム家では血筋的にも子どもを持つのは難しいって話だな。それに、あの田舎者が外でどれだけ遊びまわってきたとしても、その難しい確率を引き当てたとは……」

ざわめき立つ声が耳に響き、私の耳元に突き刺さった。

（……いったいあの人は何を言っているの？）

ただの田舎者どころか、「田舎者の成り上がり」レベルのあだ名が飛び交っているようだった。

「それでも、酒臭さをぷんぷんさせていた奴の子どもにしては、さすがに度が過ぎてるんじゃないか……」

「どうだ、いっそのことお前たちで養子にして育ててみたら？」

「養子縁組？」

「そうだよ。あの子もあんなふうに親なしで育つよりは、養子にしたほうがいいだろう。手も足りないしね。」

え……？

世の中に、私が家門に養子として迎えられる選択肢があるのか？

いやいや、でもそもそも私はこの家門の血縁じゃないじゃないか？

今日その事実が明らかになれば、この不安な気持ちも消えるだろうか？

考えている最中に、扉がバタンと開いた。

ざわざわしていた声がピタリと止んだ。

みんなが息を殺して静まり返る中、ゆっくりと席を立ち上がる。

私もふらふらと席を立ち、近くの椅子の横に立った。

「エタム家の第12代家長、ミルエル・エタム公の入場です！」

ざわざわと響く扉の大きな音とともに、カーペットの上を堂々と歩く威厳ある人物がゆっくりと入ってきた。

金と銀の指輪をはめた拳が力強く握られており、腕には長い傷跡が刻まれていた。

その後ろには、黒い髪と黄金の瞳を持つ直系の子孫たちが整然と列をなして入場してきた。

その中には、薄く笑みを浮かべているエルノー・エタムもいる。

ゆったりとした歩調で、堂々とした態度で入ってきた。

近づいてきた彼は、私に気づいたように足を止め、こちらに向かって手を振った。

……何だ？

私が振り返さないと、彼はしつこく手を振り続けている。

「何だ？いきなりあの悪ガキが……」

「悪ガキなんてものじゃない。あいつはただの悪魔だ……」

「でも、あいつが何で手を振ってるんだ……？」

「さぁな。あの変わり者、また何か始めたみたいだな。」

彼がしつこく手を振ると、視線が次々と私に集中し始めた。

私も慌ててぎこちなく手をひらひらと振り返した。

彼は最後に到着したにもかかわらず、堂々とゆっくりとした態度でミルエル・エタム公爵の隣に座った。

「新年会議を始める。皆がそれぞれ心にある計画案を持ってきたことを願う。」

計画案？

『これは一体どういうこと？』

戸惑いながら目をあちこち動かしていると、不意に脳裏に思い浮かんだのは、家の中で語られていた話の一節だった。

<エタム公爵家の新年とは、公爵家のすべての者が集まり、自身の一年の計画を発表する場である。>

「こんなものを計画だと言って持ってきたのか？昨年一年間、酔い潰れて家を混乱させた上に、酒浸りになっただけじゃないか。」

「あいつ、完全に脳までアルコールに浸かってしまったのか。どこかで一生酒に溺れて生きていけばいいのに。」

うん、いや、全くその通りだ。

<一年を大いに騒がしくすることから始まる。
ミルエル・エタム公爵の心に響く計画案を出す者はほとんどおらず、計画案が彼の心に響かなければ、彼らは昨年のような災難の日々を繰り返すことになる。>

私は思わず口を開けたまま固まってしまった。

マジかよ、こんな話聞いてないって！！

口をぽかんと開けたまま呆然としているときだった。

最初に名前を呼ばれた誰かが、緊張して硬直した足取りで家長の前に立つ。

公爵は冷淡な表情で彼を見下ろした。

公爵の前に立った男は厚い書類を慎重に下ろしながら、口を開いた。

「今年は新しい研究を始めようと思います……最近、東大陸で新しい植物が発見されました。この植物は精神を安定させる独特な香りを放つと言われており、それを基に……」

「お前は既存の研究資料も読んでいないのか？」

公爵は無言で書類をめくりながら話を聞いていたが、言葉を切ると書類を軽く投げ捨てた。

「え……？」

彼は短く息を吸い込み、口を開いた。

「頭が花畑だな。薬草だけ研究していたら、竹にも花が咲くと思ったのか？これは以前研究された植物だ。この愚かなアメーバのような奴が。地面だけを見つめて生きているのか？まあ、研究費を受け取って高級酒場をうろつきながら、酒に溺れて『自分はエタム家の血族だ』なんてブツブツ呟き、酒場で女を口説き回っていたかと思えば、毒キノコでも食べたのか、裁判沙汰を起こしてしまうなんて、そりゃあ派手にやらかしてくれたもんだ。ふん、どうした？死にかけながらも正気を置き忘れてきたのか？どこかに捨ててきた正気を拾いに行けってか？」

「い、いえ！違います！」

「違う？おや、よく言った。それで、何が違うのか言ってみろ。」

「あ、いや、それは違います……家長様のおっしゃることはすべて正しいです！ 家長様、申し訳ございません……もう一度やり直させてください。」

目の前で繰り広げられていたのは、まさに壮絶な暴言と屈辱の現場だった。

彼はパニック状態で、今にも泣き出しそうな様子だった。

……いや、あれはもはや叱責を超えて罰ゲームじゃないのか？

酒に酔って真実を語り、さらに侮辱を重ねられるとは。

その後も公爵の前に立った者たちは震え上がるばかりだった。

尽きることのない悪口と辛辣な皮肉が、会議室全体に鳴り響いていた。

あの人たちは、この1年間いったい何をしていたんだ？

演壇の前に立つことのなかった人々の顔は、真っ青になっていた。

そして次に呼ばれたのは少年だった。

まだ十歳そこそこの少年に見える。

家門の子どもの一人らしく、体を震わせながら、今にも泣き出しそうな様子だった。

「こ、公爵閣下……私、私の今年の目標は……アカデミーで10位以内に入ることです……。」

「去年、1学期の成績が87位、2学期は128位だったお前が、10位以内に入るだと？それが現実的だと思っているのか？今さら急に真面目になるつもりか？」

「い、いえ！それは、その……努力すれば、可能なことだと思います……。」

「可能なことだと思う？やると言い切ったわけでもないな。では、自分で成功の確率がどれくらいだと思っている？」

「それは……。」

「お前の話は聞いている。最近、教師たちの評価が最低だと聞いた。悪い仲間とつるみ、勉強は二の次、同級生をいじめているという話もな。」

公爵の言葉に少年は真っ青になった。

「リサイクルだと？竹でも再利用できるものとできないものがある。私は明確に権力で他者を引きずり下ろすのが好きだが、それは私が築いた権力だから可能なことだ。私がいなくなったらお前には何が残る？」何も持たないくせに同級生をいじめて自殺未遂をさせたという噂が私の耳に入ってきたが、それでも自分が正常だと思うのか？私は、自分の家で再利用不可能な石ころが出るのは許せない。石は火にも燃えないから処分しようと思えば、私の手がどれほど傷つくか、お前は分かっているのか？」

ミルエル公爵は容赦なく攻撃の言葉を浴びせた。

私は口を開けたまま、その少年の涙目を見つめていた。

この人、もし韓国に生まれていたら、ラッパーになっても名を馳せていたんじゃないか。

「す、すみません……。」

「よく聞け。もう一度、こんなくだらない噂が私の耳に入ってきたら……。」

冷たく静かな声が、会議室全体に響き渡った。

突然、重苦しい雰囲気が広がっていく。

公爵の視線がゆっくりと動き、片側に座っている中年の男性と女性に向けられた。

その顔が真っ青になっているのを見て、あの少年の両親であることが明らかだった。

「田舎者が花を咲かせると思うなよ。」

おっと、名台詞が出た。

この家で最も強い侮辱と皮肉がまさにその言葉だった。

『田舎者が花を咲かせると思うなよ。』

つまり、私の父……として見なされる人を指す言葉であり、エタム家から追放される運命にあることを意味している。

エタム家で追放されることは、それだけで恐ろしいことだった。

「ひっ……ひっ……はい……、はい……。」

少年は泣くことすらできず、ただ震えながら涙をこらえている姿が痛々しいとは思うが、学校での暴力は許されるものではない。

その後も家門の子どもたちや直系の子孫たちの行動が続いた。

それをじっと見守っているうちに、突然一つの疑問が浮かんだ。

え？もしかしてこれ、私もやらなきゃいけないの？