もう一度、光の中へ

もう一度、光の中へ【8話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「もう一度、光の中へ」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【もう一度、光の中へ】まとめ こんにちは、ピッコです。 「もう一度、光の中へ」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となってお...

 




 

8話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 誕生日

時間は流れ、ついに私の誕生日の宴が近づいてきた。

皇帝が宴を一ヶ月間も開くと宣言したことは、都の人々なら誰もが知っている事実だった。

その事実自体も驚くべきことだったが、それ以上に、彼女たちが私を恥ずかしくなるほど大々的に宣伝していたことが、より衝撃的だった。

皇宮で開かれる宴はもちろんのこと、都だけでなく全国各地で一ヶ月間にわたる祭りが開催される予定だという。

それに加えて、私のための演劇や芸術祭、私の名前を冠した貧民救済事業まで……。

一つ一つ挙げていくと、口が塞がらないほどの規模だった。

やりすぎではないかと思ったが、これを準備するために尽力した人々の気持ちを思うと、軽々しく否定することもできなかった。

考えてみると、少し感謝の気持ちも湧いてきた。

今日はまさに、その宴の初日だった。

安全上の理由や礼儀作法の観点から、私は誕生日の宴の初日にしか公の場に姿を見せないことになっていた。

だからこそ、さまざまな催しや贈り物の贈呈式は、宴の初日に集中していた。

私の誕生日、大勢の人々に初めて姿を見せるということで、侍女たちはいつも以上に気合いが入っていた。

「分かりましたね? 今日は皇女殿下を、この世で最も美しく装わなければなりません!」

「もともと、この世で一番美しい方なのに!」

「それでも! 今日は完璧以上の完璧を目指します!」

「はい!」

そう言いながら、侍女たちはやたらと張り切って、私を飾り付け、飾り付け、さらに飾り付け続けた。

気づけば、私は淡いピンクのフリルがたっぷり施されたドレスを身にまとい、両側を包み込むような銀色のティアラをかぶっていた。

鏡を覗き込むと、私はもう翼のない天使ではなかった。

背後で羽がひらひらと舞う幻想が見えたからだ。

それほど今日の私は輝いていた。

幼い首に負担がかからないよう、一部には軽量化の魔法が施されているというティアラには、拳ほどの大きさのサファイアが埋め込まれていた。

聞くところによると、皇帝は私のために国宝を惜しみなく使ったらしい。

皇后も着飾ってやって来ると、しばらくの間、私をしっかりと抱きしめていた。

私とおそろいの淡いピンクのドレスを着た彼女は、どんな時よりも美しく輝いていた。

そして、私の頬に軽くキスをして、嬉しそうに微笑んだ。

「私の愛しい娘。」

それから、彼女は私を抱きしめたまま、応接室の奥へと進んだ。

窓の白いレースカーテンを開くと、午後の日差しが一面に降り注いだ。

いつも私の周りを舞う光の精霊たちが、嬉しそうに踊っていた。

彼らも今日が特別な日だと分かっているかのようだった。

「ちょっと見てみる?」

窓は閉じられていたが、ガラスが水のように澄んでいたため、開けなくても都の景色が一望できた。

都は完全にお祭りの雰囲気に包まれていた。

淡いピンクの花びらが街中に撒かれ、薄く繊細な花びらが宙を舞っていた。

エルミールの花だろうか?

皇后はそっと囁いた。

「みんな、あなたの誕生日を祝うために、こうしてお祭りを開いているのよ。」

私はそっと下を見下ろした。

人々は心から楽しそうに見えた。

「みんな、あなたを愛しているからよ。」

『……』

私は無意識のうちに皇后の袖をそっと握った。

すると彼女は、「まあ」と小さく驚きつつも、どこか嬉しそうに微笑んだ。

そんな彼女を見つめながら、私は心の中で考えていた。

愛とは何なのだろう?

皇后と皇帝、そしてイシスの愛は、まるで傷に効く薬のようだった。

痛む傷を、ゆっくりと癒してくれる薬。

遠くから賑やかな祝祭の音楽が風に乗って微かに聞こえてきた。

私たちはしばらくの間、窓の外の景色を眺め続けた。

どれくらいの時間が経ったのだろうか。

やがて、皇后は優しく私を見つめ、穏やかに微笑んだ。

「初めての誕生日、おめでとう。アイシャ。」

気がつけば、私が生まれ変わってからもう一年が経っていた。

私はそっと、皇后の瞳を見つめ返した。

そして私は、ほんの少しだけ微笑んだ。

今日は皇后とイシスと一緒に宴の会場へ入ることにした。

午後から始まる式典には、首都のあらゆる貴族たちが集まると聞いていたが、それは決して誇張ではなかった。

宮殿の前には、びっしりと並んだ馬車と、そこから降りてくる貴族たちの果てしない行列……。

その威圧感に、思わず気圧されそうになった。

宴が正式に始まる前、イシスは私たちを探して応接室にやって来た。

彼がこうして私を訪ねてくるのは、もはや日常の一部となり、すっかり慣れた光景だった。

「アイシャ!」

彼は金の刺繍が施された淡い青の礼服を身にまとっていた。

まだ幼いはずなのに、その端正な姿には、すでに皇太子らしい気品と威厳が漂っていた。

「今日、本当に綺麗だよ!可愛い!愛らしい!」

しかし、その威厳はすぐに消えてしまった。

彼は私の周りをぐるぐる回りながら、自分が知っているすべての美辞麗句を並べ立てるかのようだった。

「やっぱり、僕の妹が最高だね!」

彼は幸せそうに満面の笑みを浮かべた。

「誕生日おめでとう。これからもずっと一緒にいてくれるよね?」

まるでヒナ鳥が母親を見つめるように、彼は私を見ながら小さく羽ばたくように飛び跳ねていた。

そんな彼を見ながら、皇后はやさしく微笑んでいた。

しばらく私を「かわいい」と言い続けていたイシスだったが、ふと皇后を見上げ、探るように尋ねた。

「もし僕が、宴の会場までアイシャを抱っこして行ったら…大丈夫でしょうか?」

「宴の会場まで?」

皇后は少し考えるように目を細めた。

ここから宴会場まではかなり距離がある。

イシスがその重責を果たせるかどうかを考えているようだ。

しかし、結局のところ彼女はイシスの力をそれなりに信じているようだった。

「ええ、でも落とさないように気をつけてね。アイシャはまだ小さくて弱いのだから。」

「もちろん!」

結局、私はイシスに抱っこされて入場することになってしまった。

イシスはそれが嬉しくてたまらないかのように、満面の笑みを浮かべていた。

それほど時間が経たないうちに、私たちは宴の会場へ向かって歩き出した。

応接室を抜け、大宴会場へと続く道。

私たちの後ろには、静かに付き従う多くの侍女たちがいた。

それは彼女たちの尽力のおかげかもしれないし、あるいは、壁際に控えている多くの貴族たちの視線のせいかもしれない。

私だけでなく、皇后も緊張感を漂わせているのを感じた。

長い礼服の裾を引きずりながら、私たちは大きな扉の前で足を止めた。

「さあ、入りましょうか?」

侍女長の言葉に、私たちの前に立っていた門番二人が深く腰を折った。

この先には数え切れないほどの貴族たちが、私を一目見ようと待ち構えているのだろう。

その事実に、私は大きなプレッシャーを感じていた。

私の一挙手一投足が彼らの注目を浴びるだろう。

まるで前世でもそうであったように――。

皇后の末娘、皇女として生まれた私は、12歳の社交界デビュー以来、完璧な振る舞いを求められてきた。

だからなのか、毎年のように開かれるこの宴の場では、一日中喉を通るのは水一口だけだった。

緊張感のせいで、どんな食べ物も喉を通らなかったからだ。

『大丈夫かな……?』

その記憶が蘇り、私は無意識に体を強ばらせていた。

その瞬間、イシスがまるで私の気持ちを見透かしたかのように、彼は私の体をそっと抱き寄せた。

そして、にっこりと明るい笑顔を見せながら言った。

「アイシャ、笑おう!」

唐突なその言葉に、私は目をパチクリさせた。

『突然、なんで笑うの……?』

そんな私に、イシスは優しく説明した。

「僕はアイシャが、今日という日を心の底から幸せに過ごしてくれることを願ってるんだ。だから、この宴が開かれ、みんながここに集まっているんだから。」

「………」

「ほかの人の視線なんて、気にする必要ないよ。アイシャはただ、今日一日ここで、心から笑って楽しんでくれればいい。」

言葉を継がずに、イシスは私に輝くような笑顔を向けた。

彼は、私が人前で緊張しやすいことをよく知っているからこそ、こうして言葉をかけてくれたのだろう。

私には、それがよくわかった。

聞き入る暇もないほどの言葉だ。

『……そうだね。』

可笑しな話だけれど、私は彼の言葉に感化された。

『私がすることなんて何もない。ただ、緊張しないようにしよう。』

私は今、まだ一歳の赤ん坊だ。ただ大人しく座っているだけで賞賛される存在。

余計な気負いを抱く必要なんてない。

以前のように、互いに牽制し合う社交の場でもない。

大丈夫。

私はただ、ゆったりと過ごそう。

イシスの言葉が終わると、扉を守る衛兵が巨大な宴会場の扉をゆっくりと開け始めた。

そして、その声を高らかに響かせた。

「アイリス・ド・エルミール皇后陛下、イシス・ド・エルミール皇太子殿下、そして……」

私は息をのんだ。

「アイシャ・ド・エルミール皇女殿下、ご入場!」

 



 

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