こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
今回は56話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
56話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 赤ちゃん画家③
そして、誰かの強烈な期待に満ちた視線も完全に私の役割だった。
「赤ちゃん、どうして私だけ描いてくれないの?」
数日は絵の話をしなかったミハイル・レベンティスが本格的にせがんだ。
それも寂しさをいっぱい込めて。
「私も赤ちゃんを描いてきたんだけど、私も描いてあげたらダメ?」
ミハイルがそう言って展開した絵に私は言葉を失った。
(上手に描いたじゃん)
平凡な7歳の絵の実力ではなかった。
私を一度でも見た人なら誰でもエンデブラン公爵家のアナスタシアと言うような絵だったから。
こんなものを見せて私に図形の束を出せと言うなんて、この子は正気か?
「・・・気に入らないの?これでも一生懸命描いたのに」
いや、こんなに上手に描いておいて、お前はなんで意気消沈するんだよ。
私、からかわれてるのかな?
ミハイルが絶対にそんな性格ではないということを知りながらも、ふと、そんな気がした。
この子が純粋な好意で私に接することぐらいはよく分かったから。
「気に入らないところがあればまた描くよ、それとも何か欲しいものがあればプレゼントするよ」
すると、切実な目でせがんできた。
「私も一度だけ描いてくれ、うん?」
どう考えてもミハイル・レベンティスに私の姉と兄の観察を禁止しなければならないようだ。
幽霊のように私が断れない行動を真似するのを見ると。
それで私は。
「・・・私、分からない」
「いや、赤ちゃんが描いた絵は全部上手く描けてるよ?」
最後に最後のうごめきをしてみた後、涙をこらえて図形の束を描いてしまった。
ところが、描き終わったと絵をあげるやいなや、ミハイルは今までの中で一番幸せな顔を浮かべる。
「これが私なの?赤ちゃんが見る私?」
「・・・うん」
本当に認めたくなかったけど。
黄色と紫で描いた部分を除いて、ミハイルの特徴が少しも生きていなかったから。
「赤ちゃんが私にくれた初めてのプレゼントだね」
なんでこんなことを受けて感激するんだよ。
おかげさまで、すごく絵を返してもらいたくなった。
今まで私にあれこれくれたミハイルにあんなものを初めてプレゼントしてくれるなんて、本当に認めたくなかった。
私は気に入らないけど、ミハイルは何がそんなに嬉しいのか、その後何日もへらへらした。
普段はいつも無愛想な子がいつも笑っているので、下女たちもその子が去った後は可愛いと騒いだりした。
「最近、小公爵様がとても親切だよね?」
「そう、ダミアン坊ちゃんと友逹であることが最近になってもっと感じられる」
女中だけではなかった。
「ねえ、今日はミハイルがララに挨拶してくれたの。しかも、笑いながら。そしてララと剣道をこうやってぶつけてくれたか?」
以前のようにぶっきらぼうではないだけで、相変わらずよそよそしいお姉さんにも親切を発揮したようだ。
しかも何日も私のそばに臨度に幸せそうな顔を隠さないので、私が恥ずかしいほどだった。
絵一つでこんなに喜ぶことか。
そう思いながらも嫌ではなかった。
私のつまらない絵でも誰かを幸せにできるという事実は気持ちが良かったから。
そのため、邸宅内の他の人たちが私に図形の束を描いてほしいと要請した時も、恥ずかしがりながら手を動かしたこともあったし。
しかし。
(こうなると分かっていたら、絶対にあげなかったのに)
私はなぜか子供たちが皆勉強する午前の時間に乗じて私を横領したレベンティス大公の姿に心の中でため息をつく。
「末っ子公女」
「・・・」
「私も描いてほしい」
外出の準備までさせて近くの山に連れてきてくれたのは良かったのに。
このきれいな風景を置いて、あえて私の絵が見たいんですか?
その上、大公は高級紙と筆まで用意して私に握らせてくれた。
なぜこの祖孫は私をずっと試験に入れるようにするのだろうか。
(本当にレベンティス大公にまでめちゃくちゃな窓の絵を与えなければならないの?)
特有の重い視線の中に密かな期待が込められていて、私はどうしても筆を置くのが難しかった。
(こういう時、お姉さんはどうしたんだっけ?)
大体、こういう時にお姉さんの真似をすれば、適当に赤ちゃんらしく問題が解決されたりしたから。
『村長おじいさん、ララ、スイカ食べたいの・・・!お兄さんとシャシャと分けて食べるんだけど!』
去年の夏、姉がスイカを得ようと訪問した村長に頼んでいた姿が思い浮かんだ。
もちろん結果は成功だった。
(私はお姉さんほど可愛くはないけど・・・)
それでも話題を変える程度にはなるんじゃないかな?
それで私は筆をそっと置いてレベンティス大公に近づく。
大公の紫色の瞳が、私の行動を見て少し濃くなった。
「ミャイハラバディ」
瞬間的にレベンティス大公の瞳が揺れているのが見えた。
(よし、このまま他の方に時間を稼ごう)
敵を動揺させたのだから、半分は成功したも同然だった。
「私、ノヤ」
「今、私と遊ぼうって言ってるのか、末っ子のお嬢さん」
「ん」
私が大きくうなずくと、大公の口元になんとなく満足そうな笑みが浮かんだ。
いつも早く消えてよく見られなかった表情だったので不思議でじっと見るようになった。
「何をして?」
いや、そんな質問をするなんて反則じゃないですか。
私が遊ぼうって言ったのだから、遊びくらいはいい加減に言ってくれない?
心の中で不満を感じながらも、私は早くこれまで姉が父親にした行動を思い出した。
「ノピノピ・・・?」
反射的に吐いた後、少し後悔したけど。
いっそ散歩をしようと言えば・・・!
この謹厳なレベンティス大公に、高く高くブンブン飛ばしてくれというのをしてくれと言うなんて。
しかし、私の中でレベンティス大公は予想に反して大声で笑った。
「私に乗り込んでみたいものか、末っ子の公女?そう、そのくらいの度胸があってこそ、私の孫娘と言える」
え?孫娘ですか?
私は突然飛躍した関係に戸惑った。
しかし、それもしばらくの間、視野がぐんと高まった。
レベンティス大公は私の体を軽く抱き上げて肩の上に乗せてくれたのだ。
「わあ・・・!」
今まで父親の胸に抱かれない以上、見られなかった高さに思わず嘆声を上げる。
レベンティス大公が私を連れてきたところが、よりによって山の中腹ぐらいなので、なおさらだ。
視界いっぱいに見える公爵領の姿になぜか気持ちが妙になった。
「もう一度呼んでみるか、末っ子公女。いや、アナスタシアと呼ぶべきか。孫娘になってくれると言ったのだから」
なんで一回呼んだだけでそこまで行くの?
急に妹になってくれるのかとしつこく聞いていた孫を思い出すんだけど。
血は争えないらしいよ。
(仕方ないよ、水はひっくり返したのは私だから)
それに代わりに絵を描かないこともあるじゃない?
悪くない条件だね。
今までこれよりもっと恥ずかしい話もたくさんしてみたから。
特に、聖女として生きていた時、心にもない言葉をどれほどたくさん言っただろうか。
この2千年の人生が私の絵の実力を伸ばしてくれたわけではないが、少なくとも図々しさだけは伸ばしてくれた。
私はどうせやるならもっと気持ちよくなるように優しく彼を呼んだ。
「おじいちゃん」
「ああ、私の孫娘よ」
なんでこんなに喜んでるの。
「貴い孫娘を授かったのだから、私も何かしてあげないと」
いいえ、何もしていただかなくてもいいのですが。
なんでこの祖孫には何もあげられなくて大騒ぎなの?
私が大丈夫だと言おうとしたとき。
「ルビー鉱山を一つやろう、それくらいなら威信が立つだろう」
いいえ、今たった3歳の子供に何を与えようとしているんですか。
私は必死に口を開いた。
「いや、あの子ちやあ!いいょ、ハラバディ、いい子だって!」
あまりにも焦って適当に話をしたら、レベンテイス大公の肩が楽しそうに揺れる。
それから。
「負担を持たなくてもいい。私を描いてくれるだけでもあげようとしたものだったから」
そちらを免除してほしいということです!
しかし、私の切実な願いは通じなかった。
ついに私は大公の肩から降りてきた後、おとなしく筆を握らなければならなかったし、歴代級にめちゃくちゃな図形の束を描くようになった。
筆は色鉗筆より扱いにくいんだよ!
しかし、私の愚痴とは別に。
「大事にしまっておこう」
そのつまらない絵を見て喜ぶ大公の姿は人の心を感動させる何かがあった。
何故か彼が今の私ではなく、何か遥か昔の記憶を思い出しているようで。
だから私は自分の片腕を埋めておくことにした。
(こんな下手な絵でも、あんな表情をさせたからいいんだよ)
少なくとも大公にはルビー鉱山をかけるほどの価値があったということだろうから。
それは単純に幼い子供の可愛さや、孫とよく過ごしてくれることに対する感謝とは違う感情だろうという気がした。
その年の夏、悲しいことに私の図形が邸宅の人のほとんどの手に入るようになった。
お母さん、お父さんまで含めて、使用人たちでさえ私を見たら蹟躇しながら描いてくださることができるかと話したから。
それにもらった後は。
「魔王騎士に自慢しないと!」
「羨ましくてたまらないでしょう?」
「うちのお嬢さんは後でものすごい画家になるに違いありません!」
みんな大騒ぎして喜んでくれて、ある時点からは恥ずかしさも忘れるようになった。
たとえおびただしい画家になるという期待はどうかしないでほしいと願いながら。
(その期待だけは私が満たしてあげることができないから)
夏が過ぎて、秋が終わった頃。
公爵邸に当たり前のように、首都社交界シーズンの.招待状がたくさん届いた。
「この前、それだけ苦労したならそれでいいですね、今年は休むことにします」
「そうです、すでに殿下に最善を尽くしていますから」
両親はそう言って,今シーズンは公爵領で平和に過ごすことを選んだ。
父が「最善を尽くす」と言うほど国王夫妻の仕事を引き受けていたのも事実だったし。
また春、夏、秋。公爵領での日々は平和だが着実に流れていった。
その間、行ったことのないところも家族と旅行に行ってきたし、私の遅い成長とは違って、ミハイルや姉、兄はすくすくとよく育つようだった。
一生懸命食べて、一生懸命歩いてるのに。
「赤ちゃんはいつも小さくて可愛い」
まだミハイルにはこんな話を聞かされている。
そしていつの間にか4回目の冬、そして5歳を目前に控えた時期。
家族たちは今度の社交界シーズンには首都へ行くことに決めたし、私は。
—こんにちは?
久しぶりに夢を見た。
レベンティス大公も、アナスタシアにメロメロですね。
そして久しぶりに見た夢。
謎の人物の正体は判明するのでしょうか?