こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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71話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 特別な誕生日
国王が席を空けていたせいだろうか。
1月は静かに過ぎていった。
貴族たちは控えめにティーパーティーを開き、大規模な集会は避けられた。
そのおかげで、私は穏やかな日々を送ることができた。
シャルロッテと2回ほど一緒に時間を過ごせたのも嬉しい思い出だ。
妹って本当に可愛い存在だな。
私は、成長が遅めの方だったけれど、それでも…また向き合ってみても、私よりも体格が小さな子供はいなかった。
でもロッテは小さい!
小さな子供が私の後ろをちょこちょことついて歩いてくる様子を見たとき、なぜか可愛がりたいという気持ちが湧いてきた。
小さな赤ちゃんはとても愛らしい!
しかもシャルロッテは本当に可愛らしい赤ちゃんだった。
国王と王妃が甘やかすのも、この子がこれだけ魅力的だからだろう。
いろいろと考えた末に、王妃がまず子供たち同士で親しくなるようにしようと提案してくれたおかげで、母は私と姉、兄を連れて何度か王宮を訪れた。
シャルロッテの新しい乳母は少し口うるさい面もあったが、良い人だ。
「ロッテ様にはこんなにお姉さんとお兄さんがいらっしゃるんですね!」
その言葉の意味をシャルロッテは十分に理解していないようだったが、自分が褒められていると感じたのか、にっこり笑った。
ともあれ、国王が起きてくるまでの間は、非常に幸福な時間だった。
あれほど怖がっていたのに、国王が目を覚ますや否や、どうしてあんなにも態度をがらりと変えることができるのだろう?
王妃はやはり王妃だった。
彼女は国王に対して毅然とした態度を崩さない。
ベッドから飛び起きるとすぐに心配していたと訴えながら涙を浮かべた。
『私が、私がここにいない間、どれほど心配したことか……。はぁ、ハンカチを……ふぅ。』
『ドロリス……!』
『絶対、絶対にこんな風に無理をしないと約束してください。私を守ると約束してくださったじゃないですか。』
まるで運命的な愛を描いたドラマの一場面のようだ。
それが終わると、ドロリスはシャルロッテを見守るという母の頼みを何やかんやと理由をつけて回避した。
さらには、一週間後までその場に現れることはなかった。
まるで伝言のような手紙を送ってきた。
【王女がたくさんの人と会っていたから風邪を引いたそうです。少し気を付けてくださいね?】
まず最初に来てほしいと言ったのは誰なのだろう!
母は手紙に対して何か返事をするのではなく、ただシャルロッテが心配な様子で動揺していた。
ロッテは人々が好きなように見えたのだけど。
それは私にも分かることだった。
シャルロッテのように愛情を求める子どもだったのだから。
それでも、親がその子を一人にすることを選んだのだから、どうしようもなかった。
・
・
・
2月だった。
国王は休息を取り、貴族たちも平和を楽しんでいた。
そして、特に目立った変化はなかったものの、一人の少女だけが不思議なことをし始めた。
「いるよ、赤ちゃん。」
「うん。」
「赤ちゃんが作ったものなら、なんでも好きだよ。」
私はその言葉に驚いた顔をしてミハイルを見つめた。
そして、自分が持っていた微妙に歪んだ壊れたブラシを見た。
……この子、ついに私が修復不可能なブラシが欲しいと言い出すとは思わなかったの?
それはちょっと奇妙すぎる趣味じゃない?
私は新年が始まったばかりでミハイルに対してあまりにも否定的だったのではないかと反省する時間を取った。
私が複雑な表情をしていると、ミハイルは笑いながら隣に来て私と視線を合わせた。
「本当だよ。何でも赤ちゃんが手をかけたものは良い感じがする。」
「……これは汚い。」
それでもこれはちょっと……いくらなんでも壊れたブラシを修復するわけにはいかないよ。
「それをプレゼントとして渡すなら、本当に大切にしてくれるだろうから、逆に怖くなるよ。」
そう言いながら、ミハイルはまた笑った。
何がそんなに面白いの?
ミハイル・レベンティスはいつもそうだ。
私の疑問にちゃんと答えずに、妙なアピールだけを続けてくる。
「赤ちゃん、私は目の人形も好きだよ。」
「もう目がすり減ってきてるけど?」
「君が使っていたリボンもいい感じだね。」
「髪にリボンでも結ぼうって?……それを聞くたびに、私は『君って本当に変だね』って顔をしていたけど、その様子を見ていたダミアンお兄ちゃんまで笑い出して、さらに怪しく感じた。」
一体何なの?私が知らない何かがあるの?
ある日、私はミハイルに髪に結んでいたリボンを外して渡してみた。
だけど、あれだけ「好きだ、好きだ」と言っていた彼が、それを拒否するなんて信じられなかった。
「うん、今はやめておこう。」
今じゃないならいつなの!
私は何かを忘れているかのような、この時期に何か特別な行事があるのかと思い巡らせた。
一番近いのは春祭りだけど、そこで特にプレゼントを交換するような習慣はなかったはず。
そう考えながらも、私の疑問はさほど時間を置かずに解消された。
「じゃーん!これ見て、シャシャ。かわいい?」
お姉ちゃんがカードに可愛らしい絵を描いて見せてくれた。
まだ拙い私の絵とは違って、お姉ちゃんの絵はとても子どもらしく可愛かった。
「かわいい。」
「でしょ?大切なプレゼントなんだから!」
「プレゼント?」
「うん!」
お姉ちゃんは嬉しそうに跳ねながら声を弾ませた。
「もうすぐミハイルの誕生日なんだよ!」
誕生日なら、誕生日としてちゃんと祝えばいいのに!
考えてみると、私がミハイルと顔を合わせてからもう4年になるけど、一度もこの子の誕生日パーティーに招待されたことがなかった。
その理由は単純だ。
2月29日が誕生日だから……。
ただ、毎年2月の最終日に誕生日を祝ってもよかったはずなのに。
どうやら、この場所では誕生日を必ずその当日だけで祝うという文化があるらしい。
ミハイル本人も、それを残念に思うというよりは、むしろ面白がっているようだった。
2月が30日まであった世界もあったのに。
13月や15月が存在する場所もあったらしい。
まあ、この場所では年齢を数える方法や暦の仕組みはすべて自分に馴染みのあるものだったけど、それを惜しいと感じたのは今回が初めてだった。
ミハイル・レベントィスは傷を抱えながらも生きる子で、もっと喜びや祝福を受けるべきだと思った。
プレゼントは何を贈ろうか。
深いため息が漏れた。
人に何かを受け取ったなら、それをお返しするのが礼儀なのに。
だけどあいつは今まで私にたくさんくれすぎたよな。
私の意志とは無関係に、出会った瞬間からあのよく分からない奴はプレゼントだと言いながら、これやあれやと押し付けてきた。
その多くは受け取るのを断ったけれど、手元に残ったものもはっきりと覚えている。
ルビーが含まれていたことさえも。
あるいは、前にくれた紫水晶のかけらのようなもののことだ。
私はダイヤモンドだって欲しくないのに……。
今や5歳にも満たない子どもが、どうしてそんな才能があるのだろうか。
初めて出会ったときには、小さな工作のようなものしか渡してこなかったのに、それも変わった。
もちろん、両親にお願いすれば、何でも買ってくれるんだろうけど……。
ただ、そんな適当なプレゼントを渡したくはなかった。
あの子が今までくれたプレゼントはすべて、自分なりに考えたものだったからだ。
課題ができたな。
短く息を吐きながらも、本当に困惑していた。
結論として、ミハイルは私が何をあげても、彼自身が言った通りに喜ぶだろう。
だからこそ、ちゃんとしたものをあげたいんだ。
4年に一度しかない特別な誕生日だから、その日は本当にミハイルにとって幸せだけが詰まった日であってほしかった。
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