ちびっ子リスは頑張り屋さん

ちびっ子リスは頑張り屋さん【4話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ちびっ子リスは頑張り屋さん」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【ちびっ子リスは頑張り屋さん】まとめ こんにちは、ピッコです。 「ちびっ子リスは頑張り屋さん」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介と...

 




 

4話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • プロローグ④

数週間後。

どこかの道端で転がっていた千切れた紙切れのような小さな体をしたしっぽの太いリスが、公爵邸の前に現れた。

険しい高さの頂上が万年雪で覆われた北方山脈。

その巨大な自然の壁の下、まるで山脈と同じように頑丈に見える雄大な城郭。

その前で、短い両手を勢いよく挙げて喜びを表現するリスは――

『ついに到着した!』」

「首都から北部まで、王国の半分を横断する過酷な旅路を経て、公爵邸にたどり着いたベアティ。

アスラン領地の象徴ともいえる北部山脈を目の当たりにし、感動のあまりベアティは尾を震わせた。

『ジュッ……』

ほっと安堵のため息が漏れた。

『幸運だったわ。』

隠れていた馬車の行き先が北部アスラン領地だったことは、本当に幸運だった。

『途中でどうなることかと心配したけど……どうにかたどり着けたわ。』

馬車のおかげで、他の場所をさまようことなく領地に到着できたのだ。

『ただ、食べ物を探すのは難しかったけど……』

グゥルル。

痩せ細った腹から、情けない音が響いた。

過去の馬車生活の間、まともな食事ができなかったベアティは必死に耐え抜いた。

人がいる都市ではリスの姿よりも、8歳の子供の姿の方が危険であることを知っていた。

万が一捕まることに備え、常にリスの姿を保っていたため、温かい食べ物を口にしたのがいつだったかすら思い出せない。

『お金もないし。』

他人の目を避けながらリスの姿で邸宅を抜け出し、何かを盗むのは決して簡単なことではなかった。

『まあ、今の年齢の姿ではお金を持っている方がもっと危険だったかもね。』

むしろ、人間の姿をしている時の方が、犯罪に巻き込まれるリスクがはるかに高いと感じた。

だからこそ、これまでベアティが空腹をしのげたのは、たまに馬車が止まった際、近くの木から見つけたわずかな木の実のおかげだった。

『リスの姿を取れたのが役に立ったわね。』」

馬車に同乗していたリスにすっかり慣れた乗客たちが差し出すのは、ほんのひとつまみの種やナッツといった軽食だけだった。

長い間、木の実しか食べられず空腹を感じたが、辛いとは思わなかった。

それは過去を振り返ると、自分の人生のほとんどの時間を邸宅の中だけで過ごしていたベアティにとって、通り過ぎる村ごとに変わる風景がただただ新鮮で魅力的だったからだ。

『緑の野原は本当に美しかった。』

途中で見た花が咲く野原の風景を思い浮かべながら、リスが小さな口で鳴らす愉快な音が耳に入る。

ヒュー。

乾いた風が吹き、涼しい北方の風が遅い夏にも関わらず寒々とした感覚を運んできた。

首都での安定した気候とはまるで違う。

「フシュッ!」

小さく再び鳴いたリスが鼻を擦りながら何かを考えているようだった。

『急いで中に入らないと。』
彼女は少し首を上げて巨大な鉄門を見上げた。

『ここがアスランか。』

ライオン家の紋章にふさわしく、城門の上に彫られた威圧的なライオンの像が訪問者を見下ろしていた。

ベアティはどこか緊張した気持ちになり、思わず唾を飲み込んだ。

『公爵家の本邸を見るのは初めてだわ。』

自分を捨てた家門を直に目にするというのは妙な気分だった。

しっぽを振りながら、心に渦巻く複雑な感情を整理しようとしながらベアティは思った。

『……それでもここが一番安全な場所よ。』

純粋な獣人のシンボルを狙わない場所など、ほとんど存在しない。

平民ではなく貴族であれば、シンボルの価値に相当する献金を王室に納めることで地位を上げることができるからだ。

「シンボルを持つことでこれ以上昇進できない高位貴族、アスラン公爵家。そしてもう一つは貴族階級とは一線を画する王家だ。」

『どうせリテルがいる場所よりはマシでしょ?』

リテルがいる王家に保護を求めるつもりなど毛頭なかったベアティにとって、選択肢は実質的に限られていた。

『あまり歓迎されないだろうけど……。』

深呼吸をしながらベアティは自然と動きそうになる尾をしっかり握りしめ、自分に言い聞かせた。

『大丈夫。公爵家が直面する危険を解決する方法を私が知っていると分かれば、追い返されることはないはず……』

その時、ふと自分の手で豊かな尾を撫でているのを見て、ベアティはハッとした。

「そうなると、この姿では自分が誰かなんて誰にも分からないだろうな。」

そう考えたベアティは、情報を持って説得する前に、とりあえず城内に入るのが難しいと感じていた。

「たとえどんなに取り繕ったとしても、自分が公爵の実の娘だと分かれば、話くらいは聞いてもらえるだろうけど、それが分からなければどうだろう?」

「……チュウッ……?」

どうしよう……?

通り過ぎる誰もがただのリスとしか見てくれず、公爵に会わせてくれるとは思えなかった。

どんなに幼い姿をしていても、今の状態では野良のリスとしてこの場にいることしかできないのだ。

「まだ8歳だと言っても、さすがにみすぼらしすぎる……。」

そんな風にベアティが悩みに沈んでいると、不意に城門の上から大きな声が響いてきた。

「おい、あの城門の前のやつ、何だ?」

「何だって?おい、何かそこにあるのか?おい、誰か望遠鏡を持ってきて見てみろ!」

「待て!あの姿……まさか!」

明らかに高まった声に、ベアティの大きな耳が興味津々でピクピクと動いた。

『何だ?まさかシンルムが見つかったのか?そんなはずない、この距離で、しかも籠に入っているのに?』

不安に駆られ、自然と身を固くして前をじっと見つめていると、

ゴゴゴゴゴゴ——

重たい鉄門がゆっくりと上に持ち上がった。

「!」

驚いたベアティは、何が起きているのか分からないまま急いで後ろを向いて逃げようとした。

タタタタ——

しかし、走り出して間もなく後ろから大きな声が彼女の足を止めた。

「お嬢様!」

「え?」

突然の呼びかけにベアティが立ち止まる間に、開かれた門の中から一人の騎士が飛び出してきた。

「お嬢様!行ってはいけません、お嬢様、いや、違う……アスラン公女様!」

『私を呼んでるの?』

初めて会う人間から自分の称号で呼ばれ、ベアティの目は丸くなった。

息を切らしながら駆け寄ってきた騎士が片膝をついて跪く。

「ご高貴な方が随行者もなく一人で歩き回るとは!お嬢様、絶対にお嬢様のような方が一人で……いけません……!ひっ!」

思わず慌てた口調で話し始めた騎士は、何か失言したような表情で急いで自分の口を塞いだ。

「ゴホン、ゴホン。それもそうかもしれませんね。なるほど。」

「?」

「お嬢様、私は決してお嬢様に何か無礼を働くつもりはありません!」

「まだ幼い顔立ちですね。とても成人したとは思えないくらいの。」

「……。」

流れる月日の気配がほのかに感じられるその顔を、騎士がそう評した言葉に対し、だらしなくも微妙な表情を浮かべるベアティ。

それでも、彼がどこかぎこちない様子で立っているのを見て、少しだけ好奇心が芽生えた。

『あれ?』

慎重に騎士を観察していたベアティの視線が何かに気づく。

『あの紙は何だろう?』

彼の服の隙間からはみ出している、場違いに見える紙切れが腰のポーチから顔を覗かせていた。

「おっと!」

彼女の視線に気づいた騎士は慌ててその紙を掴み、素早くポーチに押し込んだ。

「ゴホン、申し訳ありません。お嬢様の前で装いが乱れてしまい……。」

微妙に揺れるリスの視線に気づかないふりをした騎士は、小さなリス嬢が驚かないようにと、自身の威厳を最大限に装った。

目をパチパチと瞬かせるその純朴な表情が、かえってベアティの口を開かせた。

騎士の顔には、鼻をかすめるほどの大きな傷跡があったからだ。

「ヂュッヂュヂュッ?」

どうして私をご存じなのですか?

突発的な出来事にまだ慌てていたベアティは、思わずリス語で尋ねてしまったが、すぐさま自身の口を押さえた。

「申し訳ありません、お嬢様。おっしゃったことが私には理解できず……。」

当然、理解できるはずもない騎士は気まずそうに頭を掻きながら困った表情を浮かべていた。

しかし、急に吹いた風がベアティの平衡感覚を奪い、彼女の体がぐらりと揺れる。

「この悪い風が我らのお嬢様を……!」

苦しげな表情を浮かべ、深く胸を抑えながら息をつく騎士。

「お嬢様、外にこのようにいらっしゃるのは危険です!とりあえず中にお入りいただき、改めて説明していただけますか?」

騎士は彼女に慎重に手を差し出した。

「中へお連れいたします。」

ベアティは前に差し出された大きな手をじっと見つめた。

目を何度も瞬かせるうちに、少しずつ緊張が解けていく。

「……」

まだ少し警戒し、不安げではあるものの、結局は中に入るしかない状況だと悟ったベアティ。

彼女は「しばらくお付き合いください」と言うように小さく頷き、手をそっとその大きな手のひらに重ねた。

「……!」

騎士はそっともう一方の手を上げ、口元にあてがった。

「お嬢様が私の手に乗ってくださいました……!」

感激に満ちた騎士の顔を、ベアティは不思議そうに見つめた。

 



 

 

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