幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【41話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

41話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • シュペリオン公爵⑤

シュペリオン公爵は、かつてエリザベスが結婚する前まで過ごしていた部屋へと、レリアを案内した。

先ほど侍女たちが部屋をきれいに整えてくれていた。

しかし、部屋の中はいつも清潔に管理されているようだった。

レリアは小ぢんまりと飾られた部屋を眺める。

薄暗い中でも感じたが、ここは母の趣味がより濃く染み込んだ場所だった。

だから気に入った。

『それに、セドリックやデミアン兄さんたちに取られる心配もないし。』

母の部屋は広々としたリビングと寝室、浴室、衣装部屋、書斎が、ドアなしのアーチ型の入り口で分かれていた。

とても広くて、もうここで暮らせるという事実が夢のようだった。

神殿で過ごした独房のような部屋より、ずっといいと思った。

レリアはそんなふうに部屋の隅々を見回しながら、母の痕跡をたどった。

そしてシュペリオン公爵は、そんなレリアを後ろからそっと見守っていた。

「そうだ。渡すものがある。」

「……はい?」

シュペリオン公爵は、レリアを部屋の中の、まるで小さな応接間のような空間へと連れて行った。

テーブルの上には、見慣れない箱が置かれていた。

「開けてみなさい。」

公爵に促され、レリアは慎重に箱を開けた。

箱の中には、金色にきらめく工芸品が収められていた。

そっと持ち上げて開いてみると、透き通ったきれいなオルゴールの音色が響き始めた。

「オルゴールですね。」

レリアは嬉しそうな表情で言った。

「そう、エリザベスにあげようと思っていた贈り物だったんだ。エリザベスは小さいころからオルゴールが大好きだったからね。」

「……あ……」

その言葉に、レリアの胸は暖かい何かでいっぱいになるような気がした。

だから大事そうに胸に抱きしめた。

「これはお前の母さんの代わりにあげる贈り物だ。これからはレリア、お前にたくさんあげよう。絶対に断らずに全部受け取るんだ。いいね?」

「……はい。」

レリアが返事をすると、公爵は満足そうに微笑み、彼女の頭を撫でるかのように、そっと手を伸ばした。

そのときだった。

トントントン──いや、それよりももっと激しく、ドンドンとノックする音が聞こえた。

シュペリオン公爵の表情がわずかに曇った。

やがて扉が開き、誰かが怒りに満ちた足音で中に入ってきた。

「……っ!」

レリアは驚いて思わず、シュペリオン公爵の背後に隠れた。

「……父上!」

扉を開けて現れたのは、怒りで顔を真っ赤にした若い男性だった。

レリアが母の葬儀で見たことのある、母の兄弟の一人だった。

「ちょっと待て……」

怒りに任せて飛び込んできたカリウスは、レリアが公爵の背後に隠れる前に、その顔を見て思わず立ち止まった。

父がどこかの子供を連れてきたと聞いて腹を立てて見に来たのに……まさかあの子だったなんて。

彼は信じられないというように目を見開いた。

そしてすぐに顔を真っ赤にし、ぶるぶる震えながら大声を張り上げた。

これまで一度も父の前で怒りを露わにしたことはなかったが、今ばかりは我慢できなかった。

「お父様!皇城で捜していた子がなぜここにいるんですか…。いったい何をしているんですか!まったく、あの子が誰の娘かご存じなんですか?」

公爵が答えないと、彼はさらに声を荒らげた。

「どうして……!どうしてこの部屋に連れてきたんだ!それにどうしてあんな奴を”父”と呼べるんだ?!」

カリウスはほとんど泣き叫ばんばかりだった。

怒りで真っ赤に染まった目から涙がこぼれ落ちる。

「どうして、どうして……!イリスの娘をここへ連れてくるなんて!」

カリウスは歯を食いしばりながら、レリアをにらみつけた。

胸が張り裂けそうになり、今すぐにでもその子を引きずり出したかった。

姉の葬儀を踏みにじっただけでなく、今度は自分の城にまで侵入するとは!

息が詰まり、喉が締めつけられるような思いだった。

しかも──父親の背にぴったりと隠れている小さな存在を見たとき、背筋に寒気が走った。

「…薄情な奴め。」

シュペリオン公爵はため息をつきながら、じっと息子を見つめた。

「父上!今、皇帝があの子を探しているのをご存じないんですか?!そこに隠れているんですよ!誰かの背中の後ろに!」

カリウスは公爵の背中に隠れているレリアに向かって叫んだ。

レリアは暗闇の中で出会ったときよりも怒り狂ったカリウスの様子に、ぴんと緊張した。

そのときだった。

「ぎゃっ!」

見守っていた公爵が手を伸ばし、カリウスの頬をひっぱたいた。

カリウスは片方の頬を押さえ呆然とした目で父親を見上げた。

「誰の前でそんな無礼な態度を取るつもりだ!それに、甥の顔も見分けられないとは……。
情けないやつめ。エリザベスに申し訳ないと思わないのか?」

「放してください!」

片頬をふくらませながら、カリウスは叫んだ。

公爵は目を細めながら、しぶしぶ手を放した。

カリウスの片頬は赤く染まっていた。

「お、甥だなんて……それは……」

カリウスは赤くなった頬に手を当てたまま、呆然と立ち尽くしていた。

そのとき、公爵の背後に隠れていたレリアが、そっと首を伸ばして彼を見上げた。

『ものすごく怒ってるみたい。でも、怒るのも無理ないか…。』

暗闇で見たときもかなり怒っていたが、ここまで押し入られたと思うとさらに腹が立つのも当然だろう。

カリウスは混乱した目でレリアを見た。

そして、ようやく我に返ったように父親を見つめた。

「…たとえ駄犬でも、出てきたか…ぎゃっ!」

今度は反対側の頬を強くつねられた。

シュペリオン城。

公爵邸宅内の奥の会議室。

普段、上級家臣たちの会議が行われる円卓には、三人のシュペリオン家の兄弟たちが座っていた。

そして最上座には、顔に深いしわを刻んだ公爵が座っていた。

六十を目前にした老人であったが、若いころよりもなお威圧感に満ちていた。

四十年近くシュペリオン家を束ねてきた当主の風格があった。

円卓に座る三兄弟の顔には、一様に不満の色が浮かんでいた。

長男ジェノは三十五歳で、エリザベスの兄だった。

彼はシュペリオン家の騎士団を総括する騎士であり、二人の息子の父親だった。

隣に座っているカリウスは、すこしふっくらとした体つきで、エリザベスが亡くなる前に彼女と最も親しくしていた。

この中で一番激しく憤った表情をしている。

最後に、アティアスはエリザベスの妹で、瓜二つなほど似た者同士だった。

首都で幼い頃を過ごし、エリザベスが皇太子妃になった時期に領地へ戻ってきたため、エリザベスとはそこまで親密な姉妹ではなかった。

それでも亡くなった姉への切なさと恋しさは残っていた。

そんな彼女もまた、不満に満ちた表情をしていた。

「父上はあの子の言葉を鵜呑みにされるおつもりですか?」

兄妹たちは不満げな顔を浮かべている。

理由は少し前に父が発した一言にあった。

首都から連れてきたあの少女が、エリザベスの娘だというのだ。

事情はすべて聞かされていたが、兄弟たちは簡単には信じられなかった。

だが、ジェノだけは、もしかすると……と考えているようだった。

「まあ、確かにエリザベスが幼いころの面影に似ている気もしますね。」

「似てるって何がだよ! 瞳の色以外、似たところなんてどこにもないだろ!」

長兄ジェノの言葉に、カリウスが反発した。

「エリザベスが幼かったころの姿は、俺のほうがよく覚えている。可能性はゼロではない。もし本当なら……。」

もしそれが本当なら……?

カリウスの目の前が暗くなった。

もしあの小娘が、本当に亡くなった姉の娘だとしたら……。

「本当ならカリウス、あなたは大変なことになるわね。ただ死んでしまえよ?」

「……黙れ、アティアス。」

カリウスとアティアスは言い争いながら、互いに険しい目つきを向け始めた。

兄妹喧嘩に慣れているのか、ジェノンはその様子を見ながら溜め息をついた。

「やめろ。」

ずっと黙っていた公爵が口を開いた。

「どうせお前たちの許可を得るつもりもない。あの子を首都に送ることなど、なおさらありえん。」

その言葉は、皇城で行方を追っているレリアの存在を、ここで匿うという意味だった。

そもそもシュペリオン領は首都からかなり離れている。

そして皇帝も、シュペリオンを疑うことはないだろう。

公式には、レリアの母であるイリス皇女は、シュペリオン家とは敵対関係にあったわけではない。

死んだ者は死んだも同然であり、生きて守っているなどとは考えもしないはずだ。

皇帝もまた、あの子の安否を本気で心配して探しているわけではないのだから。

「でも、父上。本当にエリザベスの娘かどうか、確かめる必要があるのではないでしょうか?」

「私がやる。」

ジェノンの言葉に、公爵は簡潔に答えた。

返事を聞いたジェノンは少し考えた後、再び尋ねた。

「家臣たちはどうするおつもりですか?」

「とりあえず、夫人の病気を治すためにエリザベスに似た子どもを連れてきたと公表する。」

「承知しました。」

「この件は徹底的に秘密にしなければならない。」

公爵の言葉に、三兄弟は「わかりました」とうなずいた。

公爵は子どもたちの返事を聞くと、もう問題はないとばかりに会議室を後にした。

三人だけが残った兄弟たちは、互いに視線を交わした。

父親の言葉を信じる、という意味だ。

「とにかく私は信じてる。母上があの子を見た途端、どうしたか知ってるか?」

「どうした?」

アティアスの言葉にジェノンが尋ねた。

アティアスは口元が震えるように語った。

「『エリザベス!』って叫んで、駆け寄ったんだ。どれほど驚いたか分からない。姉さんが幼い頃にどんな顔をしていたかは覚えてないけど、本当にそっくりだったよ。髪色まで違うのに、それでもあれだけ似てるんだから。」

「……全然似てなかったけどな。」

アティアスの話を聞いていたカリウスがぼそっと呟いた。

その言葉にジェノンがくすりと笑った。

「たしかに、エリザベスは幼い頃と成長してからでは雰囲気が変わったな。目の輝きも、表情も、全部違っていた。」

「そうだよ。小さい頃は本当にお転婆だったんだ。」

「何歳か離れているけど……僕も姉さんの幼い頃は覚えているよ。でも……」

「君はエリザベスと親しかったから、成長した頃の姿の方が記憶に残っているだろう。」

「……」

ジェノンの言葉にカリウスは深く考え込んだ。

幼い頃の記憶はときに曖昧になることもあった。

カリウスにとって、あの子が姉に似ているという事実を完全に受け入れるのは難しかった。

ジェノンとアティアスが戻った後も、カリウスはその場にじっと座ったまま考え続けた。

しかし、ある瞬間、ぱっと立ち上がりどこかへ向かった。

レリアがいるのは、エリザベスの部屋だった。

 



 

 

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