こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

61話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- サブクエスト
執務室に戻ると、すでに先に来ていたロミオが二人を迎えた。
「何だ?どこに行ってきたんだ?」
「食後の散策。」
カーリクスが淡々と答えると、ロミオはレリアをじっと見つめた。
目には「うまくいった?」と問う光が宿っていた。
「うまくいったけど…。でも…。」
「でも何?」
「やっぱり皇城にもう少し滞在しなきゃいけない気がします。」
「そう?問題ないよ。僕たちもどうせグリフィスやオスカーが戻ってくるまで、ここで待たなきゃならないし。」
ロミオは理由を尋ねることもなく、そうかとばかりにテーブルの上の雑誌に目を落とした。
「なぜ?」
質問を投げかけたのはカーリクスだった。
ロミオの向かい側にどっしり座っていた彼は、レリアをじっと見つめた。
どこか不満げな視線で。
「…実は昔、レオ兄さんに頼まれたことがあるんです。それを引き受けるには、もう少し時間が必要かと思いまして。」
「………」
カーリクスの目つきが鋭くなった。
二人のいるテーブルに近づこうとしたレリアは、ふと何かに気づき歩みを止めた。
「……!」
「何?」
分明プラス数値だったカルリクスの好感度が、突然すっと下がってマイナスに変わった。
一体なぜ?
レリアはドキドキしながら、二人の正面に座っている位置でカーリクスと目を合わせた。
私が何をしたっていうの?
ふとクエストウィンドウを見てみると、カーリクスのクエストが灰色になって非アクティブ状態に変わっていた。
クエストの内容は「[+10]を上げる」というものだったが、急に[-]と表示され、非アクティブになったのだった。
最初の頃はクエストは好感度が[+]のときだけ出てくるんだから。
レリアは息苦しさに叫びたかったが、ぐっとこらえてカーリクスを見つめた。
一体原因は何なの?
「怒… 怒ってるんですか?」
「そうだ。お前、どう見てもレオそっくりだ。」
「……!」
レリアは衝撃を受けた人のように驚いて固まってしまった。
一方、ロミオは沈着冷静な態度で尋ねた。
「何だって?」
「…レオの奴が死なずに生きてたら、こんなに育つはずがないよな。あいつ、昔からビリビリしてたじゃないか。」
「それがどうした。」
「髪型をああしてるからか?なんだかより似てきた気がする。まるでレオが生きてて隣にいるような気分だよ…。だから、お前は気をつけろ。」
カーリクスが眉をしかめながらレリアに警告した。
ロミオは何も気にしない様子で彼女の話を聞いていた。
「何をしたって騒いでるんだ?妹みたいに可愛がってたくせに、告白するのを惜しむのか?」
「違う!こいつ、あの王女に気があるのが見え見えだろ。」
「え?」
レリアはカーリクスの冗談交じりの声に緊張が解け、止めていた息をふっと吐き出した。
『びっくりした……』
てっきり叱られるかと思った。
「こいつ、さっきどうしたか知ってる?手の甲にキスしてじっと見つめて…『レイモンド・ルベスターです。』って言ったんだ。」
カーリクスは「レイモンド・ルベスターです。」と言う部分を言うとき、普段より声を低くして真似した。
レリアは最初からそんな低い声を出せるはずがない。
一体どんな真似をしたのか。
「お前、レオみたいな顔してるからって、誰にでもちょっかい出すなよ、わかった?」
レリアは少し震えながらグラスを持ち上げた。
何が原因で気分を害されたのか、また、なぜそんな警告をされるのか、理解できなかった。
カーリクスは最初から理解しがたい性格だったので、レリアは気にしないことにした。
ロミオはカーリクスが彼女をからかっているのを見て、お腹を押さえて笑いをこらえていた。
「まったく…。」
レリアは目を細めてカーリクスとロミオを見つめた。
『なんで君たちは行かないんだろう…?』
レリアは神殿で過ごした幼い頃を思い出し、疲れたように肩を落とした。
幸いにも幼い頃とは違い、二人はレリアに「行きなさい」と言う前に席を立った。
レリアが女性だと知っているから、気を利かせて席を外してくれたのだろう。
一人残ったレリアはドアをしっかり閉めた後、浴室へと向かった。
誰もいないのは分かっているが、性別を隠しているためか無意識に周囲に気を使っていた。
服を脱ぐ前に鏡をぼんやりと見つめると、さっきユリアナと侍女たちが向けてきた視線が脳裏に蘇った。
『…まさかユリアナの手の甲にキスすることになるなんて。』
なんとなく気分が落ち着かなかった。
それに、自分を見て恥ずかしそうにしているユリアナなんて。
ユリアナだけじゃない。後ろにいた婦人たちも同じだった。
婦人たちはまるで欲しそうな目で、レリアをじっと見つめ、鼻まで膨らませてレリアをそっと眺めていた。
幸運か不運か、男だと疑う視線ではなかった。
むしろ、異性的な好感を持った瞳が近づいてきたのだ。
『…私って本当に男に見えるの?』
なんだか居心地が悪かった。
カーテンをめくってテクスチャーを触りながら料理道具を見ていた。
どう見てもテクスチャーも首筋も全部女だった。
『まあ、疑われるよりはマシだ。』
レリアはあまり気にせず、そう考えて肩をすくめた。
彼女は知らなかったが、ルートの言葉は事実だった。
現在、首都の貴族令嬢たちの間で最も人気のある男性のタイプは、まさに「美しい美少年」だった。
まるで男装しているレリアのように。
この現象は、最近首都で最も注目を集めている「ドナテッリ」という画家の影響だった。
ドナテッリはもともと酷評される画家だったが、突然ある行動を取り、これまでにないスタイルの絵を発表した。
彼の絵を好む貴族たちが多かったため、皆が新しい作品を期待していた。
しかし彼が描いた絵は、現在の美術界で最も高い評価を受ける分野である雄大な神話的な絵画ではなかった。
線は繊細で優雅で、まるで女性のように見えるほど美しい美少年を描いた絵だった。
貴族の男性たちは「変態の男色家が描いた退廃的なゴミ」と非難したが、貴族の女性たちは歓喜した。
賛否両論だったが、いずれにせよその画家が描いた「美男子の肖像画」は、貴族の若い女性たちに人気で、飛ぶように売れていった。
一部の男性貴族の中には、密かにその絵を集めているという噂もあった。
あまりにも人気が高く、複製品もないため手に入れられないほどだった。
こうして画家は名を馳せ、地方の画家たちの間でも、稼ぐためにそうした絵を描く者が増えたのだった。
しかし絵の中の美少年たちは、現実では滅多に見かけないほどの美少年だったため、みんな夢中になった。
貴族の男性たちは「美少年幻想画」のようになろうと、水泳を習い、体重を減らし、筋肉を減らしたりもした。
しかし貴族の女性たちの目には、そんな彼らの努力はただただ滑稽に映るばかりだった。
そんな理由で、ユリアナをはじめとする侍女たちもレリアを見て目を輝かせたのだ。
ロミオも確かに美しい外見を持っていたが、彼は背も高く体格も良いため、男性らしさが強く感じられた。
その点で男装したレリアは、彼女たちの趣向にぴったりと合致していた。
レリアはそんな理由があるとは夢にも思わず、誰もいない浴室で気まずさを感じてため息をついた。
ベッドに横たわった後、なぜか奇妙な気分がこみ上げてきた。
『また皇城に戻って寝ることになるなんて…』
シュペリオンの領地にいる家族たちがこのことを知ったら、きっと心配するだろう。
『なるべく早く聖物を探して戻らなければ。』
しかし先ほど、ルートの視線が自分を刺すように見ていたことを思い出し、ため息が漏れた。
『サブクエスト…やりたくない。』
だが、やりたくなくてもやらなければならないことがあるのが世の常だ。
レリアにとってはこのクエストがまさにそれだった。
聖物も、ショップシステムも、未来のためにはとても重要なので、諦めるわけにはいかなかった。
そして聖物を探し、友人たちに事実を打ち明けることも重要だが、それよりももっと時間が急を要するのは領地のことだった。
祖父と叔父たちの死、叔母の不幸、そしてついにはシュペリオン領地が家臣たちの手に渡ってしまうことまで。
すべてを防がなければならなかった。
『でも、カリウスおじさんは無事に到着しただろうか。』
ロミオに頼んで調べてもらったところ、カリウスは首都に戻ったその日にはすぐ領地に帰還したという。
レリアとは入れ違いになったらしい。
『せめて一言でも話したかったのに。』
それでも行列の中で見たときは、怪我ひとつなく元気そうだった。
レリアはこうした考えで、夜が明けるまで眠れずにいたが、やがて朝日が昇り、ようやく目を閉じた。
緊張したまま眠りについたのか、レリアはこの時間に目を覚ました。
窓の外では明るい鳥のさえずりが聞こえてきた。
その音を聞きながら、軽く体を洗った後、召使いが持ってきた食事を少しだけ食べ、衣装棚に向かった。
『そういえば、男性用の服が全然ないな……。』
もともと彼女は、粗末な小屋で材料を探し、すぐに皇城を出ようと考えていたのだから当然だった。
サブクエストを完了してルートの聖物を手に入れたら、もうしばらく皇城に滞在しなければならなかった。
『まずは服を買わなきゃ。』
レリアはそう考えながら、残り一着の女性用の服を着て、しっかりとネクタイを締めた。
その後、ロミオの住居を訪ねた。
ロミオと一緒に男性用の服飾室に行って服を選んでもらおうと考えていた。
ロミオは会うたびに派手な服を着ていた。
少なくとも、いつも暗い色の服ばかり着ていたカーリクスよりは目を引くように見えた。
「何?服を買いに行くのに、選んでくれって?冗談でしょ?俺はお前の召使いか?」
レリアのお願いを聞いたロミオは大声で呆れたように言った。
彼は自分の執務室のソファに堂々と座り、視線をそらしながら肘掛けを軽く叩いていた。
レリアは気まずそうに立ち尽くし、目を伏せた。
「……でも、私、男性服はよくわからなくて、お願いできる人はロミオ様しかいなくて……。」
「なんだよ、カーリクスがいるだろ。面倒ならそいつに頼め。」
「……でも、服を選ぶセンスならロミオ様のほうがずっと良いのではありませんか?」
「……」
本に視線を落としていたロミオは顎を上げてレリアを見た。
『これだ。』
ロミオの目つきを見て、レリアは確信した。
彼の表情だけで心の中を読み取ることができた。
ロミオの顔はまさに「…それでも見る目はあるんだな」という表情だった。
レリアはどうやってロミオを説得すればいいか分かっていた。
頼むのはプライドが傷ついたが、仕方がなかった。
本当に男性服については何も知らないのだから。
ひとりで男性服の売り場に行っても、きっと服が炭にされる(失敗する)だけだろう。
だからといって、デザイナーを呼ぶのも…。
レリアは戸惑った。
彼女は皇城でできるだけ目立たずに過ごしたかった。
「ロミオ様はいつも本当に素敵な服を着こなしていらっしゃいますよね。服も全て派手で、視線を集めますし。」
「まあ、確かにそんな感じだな……俺は。」
「私が持ってきた男物の服はたった2着だけで……。これからも城に滞在するなら服を買わないといけないと思います。ロミオ様が一緒にいてくだされば、誰も私を怪しまないでしょうし……。」
「……なぜ?」
これでも不満なの?
レリアはぎゅっと握った拳を背中に隠したまま、ロミオを見つめた。
「…そうです、ロミオ様が選んでくださった服を着れば、当然私もロミオ様のように立派な紳士に見えるんじゃないでしょうか? もちろん、ロミオ様ほどではないでしょうけど。」
「……」
すると彼は満足そうに口元を少し上げた。
「まあ、いいさ。だけど、カーリクスはそっち系は…そうだな。あいつは裸で歩き回ったほうが楽だろう、野獣みたいに。」
その言葉を終えると、ロミオは読んでいた本を閉じ、ぱっと立ち上がった。
レリアのご機嫌取りに気分が良くなったようだ。
その時だった。
ピロン!
明るい音と共にクエストウィンドウが現れた。
【特別好感度対象者〈ロミオ〉様はとても感情の起伏が激しいタイプのようです(≧◡≦)!!! そんな彼に最高に気分の良い一日をプレゼントしてみませんか?! (。•̀ᴗ-)✧】
※クエストストーリー進行度:0%
【受ける】【断る】
その下には報酬リストも書かれていた。
<報酬アイテム>
・好感度確認チケット 1枚
・特別レシピパズルの欠片 1個
・Lv.1 ランダムプレゼントボックス[?]1個
・金券クーポン 1枚
報酬リストはカーリクスの最初のクエストとまったく同じだった。
だが…。
『なんだよ、このクエストは?』
あの気難しいロミオに、気分の良い一日をプレゼントしろって…もう疲れたよ。
それだけでも十分だったのに、今このタイミングでクエストが出てくるなんて、どういうこと?
『褒めてあげただけで、-80だった好感度がプラスに変わったっていうのか?』
事実だった。
レリアは訳もわからず隣をちらりと見た。
すると、ロミオは鼻歌を歌いながら服を選び、着替えるために奥の部屋へ向かっていた。
レリアは幼い頃と変わらず…。
ロミオがとてもいい人なのに…ちょっと微妙だった。









