こんにちは、ピッコです。
「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

62話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- サブクエスト②
ロミオは華やかな刺繍が施された優雅な服を着て現れた。
体格がいいせいか、シルエットが見事だった。
レリアが着た服はそれに比べるとずっと地味で、一緒に立つとまるでロミオの使用人になったような気分だった。
ロミオは気にすることなく、レリアをカーリクスの執務室へと連れて行った。
ロミオはノックもせずにドアを勢いよく開けて入った。
レリアはかなり驚いたが、すぐに後ろをついて入った。
しかし、深く考えずに廊下を過ぎ、寝室の奥までロミオについて行ったとき、レリアは立ち止まった。
1秒、2秒、3秒。
正確に3秒後、レリアはようやく我に返り、バッと背を向けた。
ベッドの上には上半身裸で横たわっているカーリクスがいたのだ。
「………」
レリアはそそくさと応接室へ歩いて行った。
なんとも言えない気分だった。
成人男性の裸の背中を実際に見たのは初めてだった。
神殿にある石像のようなものなら見たことがあるけれど…。
それにしてもカーリクスの背中には、古びて見える傷跡がとても多かった。
戦場で苦労した跡なんだろう。
レリアは思わず唇をきゅっと噛みしめた。
だが、傷跡よりもむしろぴくぴく動く背中の筋肉の方がさらに目についたのは事実だ。
それもそのはずだった。
カーリクスは服を着ているときはそんなに体が厚く見えなかったのに、服を脱いでそばにいると、どれほど引き締まった体なのか実感が湧いた。
ぼんやり窓の外を見て別の考えをしようとしたが、内側から小さな物音が聞こえてきた。
「行かない、行かないってば!」
ぐずぐずしたカーリクスの声と、くすくす笑うロミオの声が続けて聞こえた。
ほどなく、明るい表情のロミオが寝室から出てきた。
彼はなんだか爽やかな表情だった。
『朝起きてカーリクスをいじめるのが、仕事始めか?』
レリアはそう思いながら、ロミオと一緒に皇城を出て行った。
馬車で着いた場所は、皇城の都の繁華街で、特に貴族たちが好んで訪れる通りだった。
そこは道に書かれた落書きや建物を見るだけでも、貴族たちがよく来る通りだとわかるような場所だった。
レリアは静かに立ち、ロミオの横に並んでいた。
高級なショップを見ていたら、急かすように呼ぶロミオの声に誘われ、目の前の店に入った。
入る前にちらっと見たところ、ここは男性専用の服飾室だった。
なんだか隠していることがあるようで、妙に緊張感が込み上げてきた。
『ロミオが一緒なら大丈夫だろう。』
幸い、服飾室の中にはお客は誰もいなかった。
まあ、買い物をするにはまだ早い時間。
しかし、店員は時間なんて関係ないというように、とても親切な笑顔を見せてくれた。
「この紳士に似合いそうな服をいくつか選んでもらえる?」
ロミオの言葉に、店員はすぐさまレリアのところに近づいてきた。
「……!」
レリアと目が合うと、男性の店員は少し驚いたように彼女を上から下まで見た。
無視するような視線ではなく、何か不思議に思っているような表情だった。
「どうしたの?」
隣にいたロミオが眉をひそめて聞くと、店員は軽く手を振って「いいえ」と言った。
そして、何事もなかったかのように後ろから何着かの服を取り出し、スタンドにかけて見せた。
店員が選んだ服は全部で七着だった。
どれも色合いが明るく華やかで、刺繍も美しかった。
ロミオは服をじっと眺めた後、気に入ったように軽く頷いた。
『ロミオに素直になってよかった。』
レリアは女性用の服もよくわかっていなかったが、男性用の服については特に何も知らないので、ロミオのこうした態度は頼もしく感じられた。
「この服には別のネクタイが合いそうだ。」
ロミオがそう言うと、店員はすぐに様々なネクタイが並んだ丸いトレイを持ってきた。
「これとこれ。それからカフスボタンはこれで。」
ロミオがあれこれ指示すると、担当の店員のほかに何人かのスタッフも慌ただしく動き出した。
「これで全部だ。」
こちらの画像の内容の日本語訳を以下にまとめます。
レリアは彼が選んだ服をざっと見てみた。
どれもとても気に入ったもので…ロミオがネクタイやカフスボタンなど、いろいろな小物まで追加したせいで、金額はかなり高くなりそうだった。
余ったお金はどれくらいだろう?
レリアが考えている間に、ロミオは懐から何かを取り出して店員に渡した。
「え?」
よく見てみると、それは神殿で発行された通貨だった。
大陸にある五つの帝国と、周辺の小国で使われている通貨は、すべて統一されていた。
五つの帝国の中央にある神殿では、活発な交易のために共通の通貨を発行していたのだ。
服を作って交換してくれる役目もしていたが、すぐに廃棄された。
『買ってくれるのか?』
レリアが目で問いかけたが、ロミオの顔は全く曇りがなかった。本当に買ってくれるつもりらしい。
『素直になってよかった。』
レリアは心の中でそう思い、笑った。
その時、店員が近づいてきて立ち止まった。
「では、これから採寸を行いますが……。」
「ああ。」
店員は片側の広い試着室を示した。
そちらに行って採寸を行うという意味だった。
レリアが戸惑っていると、ロミオは、店員が持っていたメジャーを取り上げた。
「寸法は僕が直接測る。」
「はい、かしこまりました。」
ロミオはレリアの腕を取って、店員が中に案内した試着室に入った。
店員がカーテンを閉めると、狭い部屋にはロミオと二人きりになった。
「…胸と腰は君が直接測って。」
「はい。」
レリアはロミオが差し出したメジャーを受け取り、緊張しながら鏡を見た。
試着室はスタッフが服を着替えるのを手伝えるように、かなり広めに作られていたが、三方を囲まれていたため全部鏡張りだった。
ロミオは背を向けてカーテンの方を見て立っていた。
店員が採寸をすれば、レリアが女性であることがばれてしまうかもしれない部分に手がかかる可能性もあった。
ロミオがその点を配慮してくれたのだと考え、レリアは心の中で感謝の気持ちを抱いた。
やっぱり私の友達だ。
そう思いながら、レリアは腰と胸のサイズを測った。
そしてロミオを呼ぶと、彼はメジャーを受け取って手に取った。
「肩と上半身、脚は僕が測ってあげる。」
そこは一人では測りづらい部分なので、レリアは襟元をぎゅっと引き締めた。
ロミオがメジャーを持ち、レリアの横にすっと寄ってきた。
彼はレリアの腰から脚の長さ、肩幅から骨盤の長さ、腕の長さ、腕の長さを測り始めた。
初めてのはずなのに、動きは自然で滑らかで、手が触れないように細心の注意を払っている様子だった。
しかし、肩幅を測るときだけは、手の先が少し触れているように感じた。
左肩に続いて右肩に、ロミオの指先が触れた瞬間、理由もなく突然、息が詰まるような感覚がした。
「……」
その瞬間、レリアは鏡越しにロミオと視線が合った。
瞬間的に驚いたレリアとは違い、ロミオは何も表情を変えなかった。
「このために連れてきたのか? 執事みたいに呼びつけるため?」
「………」
ロミオはもじもじしながらも測ったサイズを横の紙に記録した。
再び鏡越しに目が合うと、レリアは気まずそうに笑みを浮かべた。
「………」
ロミオはその笑みを見てしばらく口元を引き締め、すぐに視線をそらした。
『それでもこのくらいなら結構紳士っぽいかもな。』
レリアは衣服の乱れを整えながら、鏡に映る自分の姿を見つめた。
男装をしていて一番不便な点は、何といっても…胸を押さえなければならないこと。
それでも幸いなことに、錬金福券のアイテムの中に「とてもきつい包帯」があったので、それを利用した。
このアイテムはゲーム内では特に鼻を鳴らすゾウのお客様用のアイテムだった。
確かに息苦しさは半端なかった。
ゾウのお客様がこのアイテムに熱狂する理由がわかる気がした。
そのとき、寸法をすべて書き終えたのか、ペンを置いたロミオが突然近づいてきた。
一方、更衣室の外では店員たちがそわそわし…
「見た? 私はドナテッリ様の絵から飛び出してきたのかと思ったわ。」
「そうだね。ああいう絵から出てきたような男はよく見かけるけど、あの人は……。」
社員たちはレリアの外見について、それぞれ意見を交わしていた。
無理もない、ドナテッリ画家の絵に出てくる、あの繊細な美少年と黄金の前髪の男性に、彼がとても似ていたからだ。
もちろん、髪の色や瞳の色は違ったが、特有の優雅な雰囲気や清楚さがあまりにも似ていて、まるで絵の中から抜け出してきたかのようだった。
しかも、彼と一緒にいた男性の雰囲気もまた、目を引いた。
ひと目見ただけで、高貴な貴族だとわかるような、金髪の男性だった。
彼は思わず口を開けてしまうほど高級な服を着ていた。
体格が大きい方なのに服の着こなしが見事だった。
そんな男が若い男を連れてきて服を選んでやる?
これは誰が見てもそういう関係だった。
しまいには店員の手が触れるのを嫌がって、採寸まで自分でやっているのを見て言葉を失った。
恋人の体に他人の手が触れるのが嫌なのだ!
店員たちは朝から始まったこの面白い状況に興奮していた。
こっそりと男色を楽しむ貴族はいるとはいえ、あんなに堂々と恋人のように連れ回して服を買い与える人は極めて珍しかった。
もちろん、いないわけではないが、そういう人たちはほとんどが日が沈み暗い時間に現れた。
少なくとも、こんなふうに朝から堂々と現れることはない。
「でも、あんな顔をしていたら、国でも自慢して連れ歩くだろうね。」
店員たちは、突然都に現れたこの青年の正体が何なのか、気になって仕方がなかった。
「でも、あのクラバット(ネクタイの一種)はちょっとないね。」
突然近づいてきたロミオは、レリアの首元に手を伸ばした。
結ばれていたクラバットをするりと解いてざっと投げ捨てた。
ロミオの手には、さっき更衣室に入るときに持ってきたクラバットが握られていた。
彼はレリアの首に華やかな模様のクラバットを結んでやった。
確かに不器用なレリアより手つきが慣れていた。
レリアはその手つきをじっと見守った。
明日の朝に乱れないよう、ちゃんと結んでもらうために。
そのとき、ふとレリアは視線を上げ、ロミオの顔を見つめたが、急いで目を伏せた。
「……」
こんなに近くにいると、なんだか変な感じだった。
ロミオは幼い頃と同じように、いまだに肌がきめ細かく、まつ毛もきれいだった。
でも大きくなりすぎたせいなのか?
突然何かがそわそわと感じた。
首を傾けると、今回は別の場所が気になった。
そして気づけば、ロミオからはとても良い香りがした。
花の香りのようでいて、すっきりとした香り。
私も思わずドキドキしてしまい、ロミオの表情が曇った。
「何?」
「ごめん……。」
ロミオは面倒くさそうにぼやきながらも、レリアの首に新しいクラバットを完璧に結んでくれた。
鏡の中の自分の姿を見て、レリアの表情がパッと明るくなった。
クラバットを変えただけなのに、ずいぶんと爽やかに見えた。
少なくとも、これでロミオの召使いのようには見えなくなっただろう。
「ありがとうございます。」
レリアが挨拶すると、ロミオはそれを聞くや否や更衣室を出て行ってしまった。
集まってひそひそしていた店員たちはすぐに姿勢を正して腰をかがめた。
あとから出てきたレリアは持っていた紐を店員に渡した。
「ご購入された衣装は手入れをして、明日までに邸宅までお届けするようにいたします。どちらにお持ちすればよろしいでしょうか……」
店員がロミオに慎重に尋ねた。
ロミオはさっき選んだものだけでは足りないのか、今度は帽子を見ていた。
ロミオは帽子を数個まとめて包装するよう指示し、こう言った。
「皇城別宮へ。ロミオ皇子宛に来たものなら、使用人が分かって処理してくれるだろう。」
「……!」
その言葉に、店員は驚いたウサギのような目をした。









