幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【73話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

73話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • ある仮設

二人が向かったのは本城の回廊から続く庭園だった。

人影がまばらになると、レリアは柵を回ってルートを見つめた。

ルートは「言いたいことがあるなら言ってみろ」というような目つきだった。

レリアは一度深いため息をつき、そして言った。

「…皇帝陛下に、実は女ではないのではないかと侮辱されました。」

「…何ですって?」

ルートは目をぱちくりさせた。

自分が今何を聞いたのか理解できていないような茫然とした表情だった。

どうして陛下がそんな侮辱を――!?

レリアは続けて言った。

「だから私は、陛下の前で堂々と男として証明して、陛下は謝罪されました。罵倒に対する謝罪の代わりに、私のお願いを一つ聞き入れてくださるとおっしゃいました。」

「……」

「それで、あなたの話を持ち出したのです。」

「……!」

「ルート卿、あなたがどれほど誠実で素晴らしい方か… お伝えしまして、ユリアナ皇女の婚約者として推薦しました。お二人に正式な面会の場を設けてほしいというのが、私のお願いでした。」

「…レイモンド卿!」

ルートは信じられないというように目をぱちくりさせた。

そして案の定、ルートは「世の中にこんな偶然があるわけがない」と言いたげな目でレリアを見つめ始めた。

『このムカつく奴。』

レリアはそんなルートの態度に内心で悪態をつきながらも、一刻も早くルートがユリアナに告白するよう祈るしかなかった。

ふつふつと沸き上がる思いを胸に、彼女はサイドコンソールに固定されたクエスト画面を見つめた。

【サブクエスト〜】

・詩に酔った青年の恋の告白をサポートせよ

まだクエストが完了しておらず、灰色に輝いている姿が虚しく見えただけだった。

 



 

一方、執務室近くに戻ってきたカーリクスは、魂が抜けたように部屋の中へ入った。

部屋の中にはいつ戻ってきたのか、ロミオがいた。

彼が真剣な様子で尋ねた。

「どこ行ってきたんだ?」

カーリクスはロミオを見つけるや否や、すぐに駆け寄った。

「おい!!お前どこ行ってたんだよ、今頃来やがって!!お前……俺が何見たと思ってんだよ?!」

「何なんだよ。」

ロミオは冷めきった顔をしていた。

「今の俺は……」

カーリクスはとりあえず落ち着かせたかったのか、ロミオの前の席にどかっと座り、彼が飲みかけていたカップをぐいっと持ち上げた。

「うわっ!熱いって!!」

「……お前、今何してんだ?」

ロミオが呆れたように見つめると、

カーリクスは火傷した手のひらを冷やそうと慌てふためいた。

しばらくその様子を眺めていたロミオは、深くため息をついて、再び口を開いた。

「…レリア、あいつのことだ。」

「なぜ?」

もともとレリアを怪しく思っていたロミオだった。

あたふたするカーリクスがレリアの話を切り出すと、疑いの目を向けた。

真剣な目で睨みつけたカーリクスは慎重に言った。

「彼(レリア)…男なんだ。」

「……」

たった一日見なかった間に頭がどうかしたのか?

ロミオはおかしな人を見るような目でカーリクスを睨んだ。

「男だって?もっともらしいこと言えよ。」

ロミオは呆れていた。

レリア――あの子がどれだけ巧妙に人を惑わせたのか知らないが、カーリクスまであんな風になるなんて?

…待てよ。

『まさか変な薬でも使ったのか?』

ロミオはすでにレリアが錬金術師ではないかと疑っていた。

レオを死に至らしめた犯人が誰なのかはまだ分からないが、少なくともレリアが錬金術の能力を持っていることだけは確信していた。

しかも、かなり高いレベルの。

だからこそ、ロミオは真剣に尋ねた。

「お前、なんか変な薬でも飲んだのか?」

「何言ってんだ!」

カーリクスは内心ひやりとしたが、何も知らないふりをした。

薬を飲んでいたのだ、レリアがくれた薬を。

だが言えなかった。

光竜との戦いで負った傷によって発作を起こすという事実は、友人たちには秘密だった。

絶対に知られたくなかった。

そして思い出した。レリアに口止めをしていなかったことを。

カーリクスは、レリアが戻ってきたら必ず注意を促さねばと心に決めた。

ロミオはため息をつきながら尋ねた。

「じゃあ、急にどうしてそんな戯言を?ぼーっとした女の子に向かって男だなんて。」

「俺が見たんだ。」

「何が?」

「……それは。」

「だから何だって。」

カーリクスは呆然とし、うまく口に出せず、黒い布で自分の下半身、具体的には股間のあたりを隠した。

「…お前、今何してんだ?」

「マジで!本当に?マジであったの!?俺もびっくりしたんだよ!」

「……」

ロミオはそのまま無言で顔をしかめた。

カーリクスは完全に頭がおかしい。

光竜との戦闘で頭をやられたのは間違いない。

ロミオがまるで狂った人のようにカーリクスを見つめると、カーリクスは焦った様子で最初から説明し始めた。

セドリックとデミアンが訪ねてきたこと。

レリアがとてもふらふらしていたので一緒に行ってあげたこと。

皇帝が隣の部屋で待っていると言っていたこと。

退屈で思わずドアを少しだけ開けて隣室の二人の会話を盗み聞きしてしまったこと。(この一件でロミオはカーリクスの図々しさに感心した。)

皇帝がレリアを女性ではないかと疑ったことまで、すべてを話した。

「それでいきなり、あいつが……!男であることを証明するとか言って、皇帝の前でズボンをずるっと下げたんだよ!ズボンを!」

「……」

「俺、あいつが頭おかしくなったと思ったってば!とにかく止めに入ろうとしたんだけど、さあ……」

カーリクスは言葉を止めると、自分のたくましい腕を持ち上げて言った。

「つまり、このくらい?俺と似たようなもんだったよ。」

「……」

「うん、これくらい?いや、俺よりはちょっと小さいか。」

「いや……」

(今それ重要か?)

ロミオは苛立たしげに手のひらで顔を覆った。

いったいこれはどういう状況なのか、まるでわからなかった。

彼の知る限り、肉体を変化させる魔法はこれまで誰一人として成功した魔法使いがいない。

それに、レリアは魔法使いですらないのだ。

ロミオはドラゴンの心臓を持っていて、一般的な魔法使いよりははるかに優れた魔力を持っていた。

それで確信できた。

レリアは魔法使いではなく、錬金術師でもなかった。

錬金術師特有の魔力に似た気配はまったく感じられなかった。

かといって、それを魔力で隠していたわけでもない。

レリアには魔力が感じられなかった。

「…気が狂いそうだ。」

疑わしい点は一つや二つではなかった。

自分がかけた追跡魔法を見破ったのも明らかだ。

どうやって見破ったのかもわからない。

皇城の魔法使いたちですら見破れないレベルの魔法だったのに。

昨日、皇城を出たのもレリアについて調査するためだった。

もしかしたら彼女自身も知らないようなことがあるかもしれないと。

つまり、錬金術師たちの間で伝わる術式が変化したのではないかということだ。

もし錬金術師がその痕跡を完全に消すことができるようになったとしたら、彼らの勢力は今よりはるかに強大になる。

神殿の監視を逃れることができるからだ。

だからロミオは、レリアがそのような人物のひとりではないかと疑った。

だが、いくら極秘裏に調査しても、そういった人物に関する情報はまったく得られなかった。

情報力が不足していたからではなく、最初から存在していなかったのだ。

魔力まで使って調べた結果であることから、それは確かだった。

それなのに何?男だって?付いてるって?

ロミオは言葉も出ないほど呆然とした。

『一体あの女は何者なんだ……。』

いや、男と言うべきか?

レリアが本当にレオを殺した真犯人かどうか、確信は持てなかった。

もちろん最初はレリアを信じていたが……、ずっと怪しい錬金薬を使うのが疑わしかった。

ロミオは混乱した様子で唇を噛みしめた。

カーリクスは今も自分の前腕をいじくりながら、形はどうだったか、大きさはどうだったか、ああでもないこうでもないと考えていた。

そのとき、ふと一つの可能性が思い浮かんだ。

レリア、最初からあの女は男だったのではないか?

『もしそうなら……』

ロミオの目が細められた。

自然と片方の口元がわずかに吊り上がった。

 



 

レリアはとぼとぼと庁舎へ戻った。

ルートは話をすべて聞いてから、世の中にそんな恩人はいないと疑ってしまったことを謝った。

予想通りの反応ではあったが、レリアは何の反応も示さなかった。

ルートはそんなレリアを見て傷ついているのだろうと、慰めの言葉をかけた。

『でも陛下は、どうしてあれほどまでに立派な人物を、性別や監修の違いだけで怪しんだりしたんでしょうか!私にはまったく理解できません!』

性別を偽っていた変態扱いされてしまったレリアは、疲れた足取りで部屋へと戻った。

ロミオが戻ったのか、カーリクスが無事か確認したかったが、全身から力が抜けて倒れそうだった。

レリアはそのままベッドの端に体を丸めて横たわった。

しかし、その薬がうまく作用したのは奇跡だった。

もしそうでなければ、すべてが崩れていたかもしれない。

実際、皇帝に疑われたとき、心臓が床に落ちそうなほどドキドキした。

とても震え、不安だった。

シュペリオン領にいる家族が恋しかった。

友達と一緒にいるのももちろん嬉しいけれど……彼らは自分の正体を知らなかった。

だからか、一枚の壁があるように感じられることもあった。

レリアは丸太のように、未来についての計画を心の中でぶつぶつ考えているうちに、眠ってしまった。

自分の知らぬところで、あの仲間たちがどんな話をしているかなんて、夢にも思わずに——。

 



 

ロミオがある仮説を思いついたとき、カーリクスも同じことを考えていた。

ただし、ロミオの考えた内容とは若干違っていたが。

「そういえば、傭兵団にいた頃に聞いたことがある。普通に暮らしていた人が、ある日突然、女性の姿に変わってしまったっていう話。」

「…そうなの?」

「そうだよ!あいつもそうだったんじゃない?もともとは女として皇女として生きてたけど…急に現れたんだよ!」

「………」

するとカーリクスは、突然手のひらを叩いて「パチン!」と音を立て、こう言った。

「わかったぞ!だから逃げたんだ!」

「………」

「皇帝にバレたら変に思われて急に取り調べされるから逃げたんだよ!子どもの頃に行方不明になったって?そこから急に出てきたんだから逃げたんだ!」

「まぁ、そうかもしれないね。」

ロミオは全くそうは思っていなかったが、そうだそうだ、と適当に相づちを打ってやった。

どうせカーリクスは単純で頭の軽い奴だから、思ったままにさせておく方がよかった。

ロミオが考えていた仮説はまだ確信が持てず、口に出すのもためらわれるものだった。

しかしカーリクスは、ロミオが同意してくれたことで、むしろ考えがさらに確かになってしまった。

「なんてこった。じゃあ、これがあるから男ってことになるんだろ?でも俺、あいつに『お兄様』って呼ばせたよな……どれだけ騙されたんだか。」

「……」

「とんでもねぇ奴だよ。サイズを見りゃ、そいつの深さがわかるんだ。俺も深いと思わねぇ?どうだ?」

ロミオはカーリクスの話を片耳で聞きながら、ため息をついた。

「大胆で不憫なやつだ。俺は決めたよ。これからはあいつを俺の弟だと思うことにする。どうせレオの弟なんだから、俺の弟でもあるさ。そうじゃない?」

「…そうだな、好きにしろ。」

「あいつ、どうしてあんなに心に傷を抱えながらも、あんなにちゃんと育ったんだ?すごいやつだよ。尊敬に値する。」

「…お前…本当にすごいな。」

「なにが?」

「いや、単純でいいってこと。」

カーリクスはくすっと笑った。

ロミオはそんなカーリクスを見て、内心でため息をついた。

 



 

一方、アウラリア帝国の国境地帯。

黒いローブをまとい、白い馬に乗った男が国境を越えた。

彼を通過させた兵士たちは、皆どこか畏敬の念を抱いた面持ちで彼を見送った。

彼らがそうしたのは、かつて光竜との戦いで目覚ましい活躍を見せた英雄の姿を思い出したからである。

その男の名は「グリフィス」。

美しい外見を持つ謎の人物だった。

彼は国境を越えると、すぐさまアウラリア帝国の首都を目指して進んでいった。

その夜、カーリクスはベッドに横たわったが一晩中眠れなかった。

レリアのことが頭から離れなかったからだ。

見守ってみた結果、あの子はとても良い子だった。

さっき訪ねて行って秘密について問い詰めたときにも、そう感じた。

「なあ、その…この前の夜、ちょっとやったことは、誰にも言っちゃダメだぞ。」

「…はい。心配しないでください。それより、大丈夫ですか?」

「うん…まあ、大丈夫だよ。」

もしかして発作を起こしてしまったことをロミオに言われるのではないかと心配して、念のために警告しに行ったのだ。

レリアは当然のように、ためらいもなく彼の肩を軽く叩きながら、心から彼のことを気遣った。

その姿にカーリクスはさらに信頼を覚えた。

本当に頼りがいがあって、信じられる女性だ。

『そんな辛さがあったなんて知らなかった……』

頬を赤らめるたびにレオが思い出されたが、それでもカーリクスはレリアに好感を抱いていた。

『どうしてだろう、女性なのにこんなに落ち着いていて不快感がないなんて。』

カーリクスは幼い頃から女性と話すのが苦手だった。

いい意味では純粋で、悪く言えば行動がぎこちなかった。

女性の前では必要以上に礼儀正しくしないといけないような気がして、つい慎重になり、うまく話せなかったのだ。

それでもレリアは最初から居心地が良かった。

レオに似ていたからだろうか。

そんなふうに一晩中レリアのことを考えていたカーリクスは、もう一つの仮説を思いついた。

「それとも、最初は男だったけど、王女として育てられたのでは?」

かつて傭兵だった頃、どこかで似たような話を聞いたことがあった。

昔、男性しか王位を継げなかったある国で、王位継承の脅威となるのを恐れて、男の子を女の子として育てたという人がいたという。

なかなか信じがたい話だった。

すぐ隣にロミオがいたら「妄想はそのへんにして、ちょっと寝ろよ」と言っただろうが、カーリクスはひたすら真剣に、そして深く考え込んでいた。

そんなこんなであれこれ想像をめぐらせているうちに、夜を明かしてしまった。

 



 

 

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