政略結婚なのにどうして執着するのですか?

政略結婚なのにどうして執着するのですか?【65話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。

今回は65をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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65話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • バラジット公爵の誤算

(どこから間違ってしまったのだろう? いつからか物事が一つずつずれていったのか?)

そもそも、どうしてこんなにも状況が悪化してしまったのだろうか?

バラジット公爵は窓の外を眺めながら、事の原因と結果を振り返っている最中だった。

北部をカラアイの宮廷に引き込んだ時点で、勝利を収めたと思っていた。

首都は完全に自分の掌中にあり、公爵家と握手した王位継承者はこれ以上ないほど策だった。

さらに、敵の中心部に私の目となる情報網を巧みに植え付けることまで。

すべてが彼の思い通りに進んでいた。

ウィンターフェルが一時的に低迷していた勢力を盛り返し始めたのはその後・・・そう、ナディアが集中し始めてからだ。

娘が毎日仕入れていたトゲのある薬草が伝染病の治療薬であることが明らかになり始めてから。

ウィンターフェルがレイナ地域を掌握したことも、王位継承者として支持された第二王子の名声によるものだった。

致命的な損害を受けたことも・・・。

自然災害を利用して第一王子を害そうとしたのは、ナディアが侯爵から内部の情報を伝えた後ではなかったか?

愚かしいほどの軽率さで、無理にフレイを引きずり下ろそうとして、結果的にリアムだけを警戒させてしまった。

頭がくらくらするような感覚だった。

それが怒りによるものなのか、恐怖によるものなのか、本人にもわからなかった。

「は、はは・・・。」

最初からだったのだ、最初からそうだったのだ。

北部に行って密偵として働きたいと言っていたが・・・。

父のために働いてくれるよう頼んだときから、そしてあの大胆な一歩を踏み出したときから!

絶対的な信頼を寄せていた姉を信用してはいけない、とカレンの言葉が頭をよぎった。

その時は危機を避けるための弁明だと思っていたが、まさか彼女の言葉が真実だったとは。

しかし彼は既にカレンを「使い」としての役目を与え、首都に送り出していた。

それだけか?

ナディアは莫大な持参金を持って結婚し、ウィンターフェルの財政を立て直した。

家門の秘密情報を漏洩させ、侯爵領を拡大させた一方で、父が築き上げた王位継承者の位置を揺るがす結果となった。

(私は愚かだったな。なんて愚かだったんだ・・・)

公爵はゆっくりと口を開いた。

「すべてだ。すべてナディアの計画だったんだ。」

「それは・・・どういう意味ですか? ナディアの計画とは?」

「私がフレイを害するように誘導されたこと自体が、ナディアの計略だったという意味だ。あの言葉に乗せられなければ、こんなことにはならなかっただろう。いや、そもそも北部で労働をするという話に引っかからなければ・・・!」

エイデンは突然、事態を理解できないような様子で目をぱちくりとさせた。

「つまり、伯父様のお言葉は、ナディアがウィンターフェルを支援しているかどうかも分からない、という意味でしょうか?」

「そうだ。あの子が北部へ行った理由は、そこで斥候の役割を果たすためだった。しかし、1年も経ってなお、我々に実質的な助けを与えたことがあるか?」

「しかし、それは間違っています。彼女にはそんな理由はないはずです。どうして彼女が、生き残りのウィンターフェル侯爵を助けるなんてことになるんですか?」

「それは本人に聞いてみなければ分からないことだ。もしかしたら、同じ境遇で生き延びた者同士として共感したのかもしれないし、情が湧いたのかもしれない。よく分からないが、裏切られた気分だ。」

その瞬間、同じ部屋にいたタクミの拳に強い力がこもった。

しかし、バラジット公爵に視線が集中していたため、その場面に気づく者はいなかった。

「首都内で彼女の行動について目撃談はあるか?」

「王妃殿下のもとを頻繁に訪れていると聞いています。会話の内容は特に特別なものではなく、一般的な貴婦人たちの会話だそうです。ただ、注目すべき点があるとすれば、王妃殿下に薬を贈ったという話くらいでしょうか?」

「・・・薬?」

「侯爵がまだ首都を離れていない理由がそれだそうです。王妃殿下の依頼で薬を製造していて、時間がかかっているとのことです。」

エイデンは、それが貴婦人たちの些細な問題であるかのように話した。

しかし、バラジット公爵の考えは少し違っていた。

「ここに長く居座る計画まで準備していたのか。」

初めに王位継承の構造に変化を起こす計画として、国王の誕生日のお祝いに参加したのだろう。

その慎重さがどれほど巧妙で・・・また一方ではどれほど危険であるか。

彼の唇の間からかすかに漏れる声が聞こえた。

「ナディアを首都から離れる前に何とか押さえつける必要があるな。私の領域である首都を出る前に解決しなければならない。」

彼は急いで言葉を続けた。

「エイデン、ナディアに連絡して公爵をここに呼び寄せろ。そうだ、出発する前にもう一度顔を合わせておいた方がいいだろう。」

「かしこまりました。」

怒りに気を取られていたバラジット公爵は、気づかなかった。

惜しんでいた臣下の目の光が微妙に変わることを。

 



 

「ふっ、ふっ。」

荘厳に装飾された王妃の応接室。

その場所の主人がすすり泣く声を漏らしながら涙を流していた。

その姿を見つめながら、ナディアは考えた。

(慰めは・・・得意な方じゃないけど・・・)

頼まれた薬を完成させて持ってきたものの、どうにも重苦しい雰囲気が漂っている。

跡継ぎになりそうだった息子の前に、不運が突然舞い込んできたのだから、そうなるのも当然だった。

しばらくすすり泣いていた王妃が口を開いた。

「こんな理不尽なことがまたあるのですか?この時期に大雨が降ったのはその子のせいではありません・・・なのに、なぜその子がすべての責任を負わなければならないのですか!」

まあ、先に手を出せば相手から殴られる覚悟もしなければならない。

そんな考えが浮かんだが、ナディアは軍隊の中で軽々しく口にする過ちを犯さなかった。

(他人が泣いているのに、私が知らないふりをするわけにはいかないでしょ。)

言いたいことはたくさんあったが、ここは我慢すべき時だった。

ナディアは静かに慰めを始める。

「一時的な配置換えに過ぎないということをご存知ですよね?民心を落ち着かせるための見せかけの処置に過ぎません。すぐに戻って来られるでしょう。」

「それにしても、宮殿から一歩も出られないなんて・・・。」

監獄に入れられたわけでもなく、彼女の寝室で快適に過ごしている人間が、どうしてそんなに窮屈に感じるのか。

ナディアは表情を取り繕いながら言葉を続けた。

「国政を守るために、王子殿下もお疲れでしょう。この機会に休息を取られるのも良いのではありませんか。」

「しかし・・・。」

「それより、私が何を持ってきたのか気になりませんか?お願いされた薬です。」

そう言うと、涙ぐんでいた王妃が顔を上げる。

彼女の視線がナディアが差し出した箱に向けられた。

「私のお願いを聞いていただきありがとうございます、夫人。製造にかなり時間がかかったところを見ると、これは手間のかかる薬のようですね。」

「いえいえ、そんなことはありませんよ。」

もちろん嘘だ。

(供給量を調整すれば価値を上げられるからね)

美容薬は時間と費用がかかるものの、裕福な貴婦人たちには欠かせない商品だった。

したがって、彼女はその価格を低く設定する必要など全くない。

ナディアは眉一つ動かさずにその嘘を言い切った。

彼女は流れるように話を続けた。

「ただ、小規模生産ですので時間が少しだけかかりましたが・・・最近では侯爵様が領地に戻ることを計画されています。しかし、ご心配なさらないでください。領地に戻られた後も引き続きお届けしますので。」

「なんとありがたいことか。毎回贈り物をいただくのも申し訳ないので、次回からは代金をお支払いします。侍女に適正な価格を伝えておいてください。」

ついに待ち望んでいた言葉が出た。

貴族に贈り物をするだけでは王室の体面が保てないのだ。

いよいよ王国全域に商品が広まるのは時間の問題である。

最初の試作品の薬が成功すれば、次の計画も徐々に進めることができる。

 



 

すべての目的を達成したナディアは、少し時間を置いて応接室を出ていった。

「王妃様との話はうまくいきましたか?」

「うん、そんなところ。これで戻ろう。」

王宮の中心部では馬車を使えないため、しばらく歩く必要があった。

馬車が止まっている場所までは少し距離があり、その道中で誰かと偶然出会うにはちょうどいい状況だ。

問題の出会いがまさにその時起こったのだ。馬車が待っている場所に向かって歩いていた、ちょうどその時に。

「ここにいらっしゃったのですね、侯爵夫人。」

「・・・タクミ卿?」

 



 

 

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