こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は182話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
182話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 芳しい囁き
そのようにしばらく視線を合わせ、やがてデオンが動いた。
手の節からゆっくりと力が抜かれ、首を閉められていた二人が芝生に落ちる。
デオンは少し前までは殺意を感じた人たちに完全に興味を失ったかのように、彼らに視線を一度も向けなかった。
続いてデオンを殺すように睨んでいたジェレミーが席から足を運んだ。
彼は倒れた男たちを両腕に一人ずつ背負う。
その後、万が一の誰かと出会うことを避けて、道ではなく茂みの中に影のように消えた。
息が詰まるほど奥ゆかしい花の香りの中に三人が残る。
ロクサナの視線がカシスに届いた。
「ちょっと席を外してくれる?」
カシスは心の中で暴れる感情を抑えようとする。
その後、彼はロクサナの言う通り、先に席を離れた。
花園の内側に消えるカシスの後ろ姿にデオンの視線が釘付けになった。
「後をついて行かなくてもいいのか?お前のとても可愛いペットだろうに」
露骨な嘲弄にもかかわらず、ロクサナが眉をひそめることはない。
「デオン、あなたそんなに気になることばかりするなら、どうしてユグドラシルに来たの?」
低い声が耳元を横切った。
「こうなるなら、いっそのことあの日にあのまま死んでいた方が良かったんじゃない?」
口調だけは平坦だったが、その中に盛り込まれた内容はいつものように鋭い。
デオンはそのようなロクサナを一瞬黙って見つめた。
その後、再び唇を開いて無情な声を流す。
「そんな事はお前の母親に聞いてくれ。あの日、私を助けたのは彼女なのだから」
ロクサナを傷つけたいという欲望が、デオンにシエラの責任だと口にするようにした。
デオンが知っているロクサナなら、他の誰でもない自分の母親が彼の命を救ったという事実を簡単に容認できるはずがないのだから。
しかし次の瞬間、ロクサナの赤い唇が細い孤線を描く。
その間からため息のような笑い声が漏れた。
「あなた、関心を貰いたくてヤキモキした子供みたいね」
デオンに一歩近づいたロクサナが囁く。
「でもどうしよう?」
そして相次ぐ言葉に、デオンの目がこれまで以上に鮮明に冷たい光を放った。
「デオン。もう私はあなたがいらない」
少し前に人の首を絞めていた手が、ロクサナの腕を痛めるほど強く縛り付ける。
「もう一度言ってみろ」
音声がポタポタと切れるように感じられるほど、ゆっくりと重い声が赤いバラの間に落ちた。
ロクサナはそれを振り切らず、ただ向き合った顔をじっと見つめるだけ。
「不思議ね。あなたの中が以前よりもっと透けて見えるわ」
水が流れるように滑った綺麗な手がデオンの胸に落ちた。
「今、この中は怒りに満ちている。今までそうしてきたように、目の前にいる私を殺したくてヤキモキした目つきね」
か細く弱い手。
しかし、デオンは心臓でも掴まれたかのように身動きできなかった。
「相変わらず命がいくつもあるように怖がらず行動するのに」
ロクサナの唇に一層濃い笑みが浮かんだ。
「あなたは私を殺せない」
芳しい囁きが背後に揺れるバラの棘のように鋭くデオンの胸を突き抜ける。
『けれど、私は私の息子を殺したあなたが私の娘のためには死ぬかもしれないということを知っているから』
その瞬間、シエラから聞いた言葉が再び浮上し、ロクサナの声の上に薄くかぶせられた。
「だからといって今ここで腹いせするように他の人を代わりに殺すこともできない。私が許さない限りは」
足先から徐々にデオンの体をよじ登っていた訳の分からない不快感が初めて心臓まで到達する。
「以前は好きなように誰でも躊躇なく殺してきたあなたが、今あの人たちを大事に生かして送ったのを見ても正解はとても簡単じゃない?」
胸の真ん中に留まり、気分が悪くなる感情をロクサナの指先がそっと押す。
「一本の薄い紐でやっと維持されているあなたと私の関係・・・」
ロクサナは体を動かして、それまで彼女の手を握っていたデオンの手を簡単に離した。
「その時こそ完全に終わるということを、誰よりもあなたがよく知っているはずなのだから」
目の前で広がる笑顔は、一瞬視野が遥かに遠くなるほど美しい。
「こんなことを想像できなかったとは言わないで。。望んでもいなかった私の手に直接首輪を握らせたのは、デオン、あなたなのだから」
デオンはじっと立ち尽くし、冷えるように微笑むロクサナの顔を見た。
「けれど残念ながら、私はその首輪を手放すつもりも、だからと言って、あなたに食べさせるつもりもないから」
しかし、そもそもロクサナの手から抜け出すことを拒否したのはデオン・アグリチェだ。
そうしてあの解き方今まで、彼はこの果てしない飢えを癒す道を見つけることもできないまま、日々増殖する飢えと乾きに苦しんでいた。
「あなたの使い道はもう終わったわ。だからこのまま何もしないで、私の目立たないところで大人しくしていて」
血のように赤い声がデオンの耳に無惨に突き刺さる。
「それが私の最後の命令よ、デオン・アグリチェ」
彼の存在を根こそぎ否定する残酷な判決だった。
対象を殺すことで、これまで自分の存在意義を見出してきたデオン。
そんな彼に何もするなと告げるロクサナの宣告は、デオンにとって衝撃でしょう。
二人の関係はこのまま終わるのでしょうか?
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