こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は220話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
220話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱走⑤
「姉ちゃん!」
その奇妙な緊張感を打ち砕いたのはジェレミーだった。
彼はロクサナに向かって黒髪を靡かせながら走っていた。
そんなジェレミーの後を継いでバドリサとリュザーク、そしてジャンヌも庭に入ってくる。
偶然にも、ジェレミーは少し前にニックスがロクサナの手を乱暴に打つ場面を見たようだった。
「お前・・・!姉ちゃんに何をした?」
慌ててロクサナのそばに近づいてきたジェレミー、素早く彼女を保護するように包み込み、ぼんやりと立っているニックスに向かって唸り声を上げる。
「お前がアシルの体を持っている奴か?それでも偽物のくせに・・・!お前が今あえて姉ちゃんを攻撃するのか?」
その勢いはひどく、じっとしていればすぐにでもニックスに飛びついて彼の顔を殴ってもおかしくなさそうだ。
「落ち着いてください、黒の首長」
ヒアキン・フィペリオンがジェレミーを止めた。
それでもジェレミーはまだ怒りが収まっていないのかニックスに刑形な目つきを送る。
「ベルティウムの人形が、なぜここにあるのですか?」
「それは歩哨に立っていた人に聞かなければならないようだね。今は席が少しあれだから、他の所に行って経緯を調べてみよう」
リセルに続き、しばらく様子をうかがっていたバドリサも手伝った。
「私の考えでもそれがいいと思う。君の姉がとても驚いたようなので、とりあえず今は心を落ち着かせた方がいいと思いますが」
結局、ジェレミーも仕方がないかのように頷いてロクサナの方を振り返った。
「姉ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫よ」
ロクサナに向けた彼の表情は心配で満ちている。
ロクサナはそんなジェレミーの手をもう少し強く握り締めながら答えた。
しかし、努めて淡々と吐き出す音声とは異なり、陰影の瞳には弱い光が満ちていて、実は彼女が今ニックスと向き合ったことで少なからぬ心的打撃を受けたということを類推することができる。
「姉ちゃん、部屋に戻ろう。顔色が悪いよ」
ジェレミーは目の前でロクサナを慰めた。
「いいえ、私よりも大変な目に遭うところだったシルビアさんが心配よ」
ロクサナの心配そうな目つきが再び自分に向かうと、シルビアが素早く首を横に振る。
ジェレミーもアグリチェの首長としてシルビアの安否を確認した。
「そういえば、あのベルティウムの人形のせいで大変な目に遭うところだったんですよね?大丈夫ですか、ペデリアンさん?」
「はい、本当に大丈夫です。心配してくれてありがとう」
カシスは状況を整理するために付け加える。
「アグリチェさんも、そしてシルビアもそろそろ部屋に戻って安静にしたほうがいいと思います」
カシスとロクサナの目が一瞬合う。
話したいことがあったが、今はその時ではない。
ロクサナが先に視線を伏せた。
「それでは先に失礼します」
このような状況で彼女を捕まえる人は誰もいなかった。
事情を正確に知らない人たちも、少し前まで聞いた内容を拾い集め、彼ら同士でそれなりに推論したことをひそめた。
ニックスは、すでに他の腹心に捕まって移送される途中だ。
彼はなぜかぼうっとして戦闘意志を完全に失ったように振る舞っている。
ロクサナとジェレミーが先に振り向くと、アグリチェの人々が後に続く。
各家の首長も自分の家政婦を率いて動き出す。
シルビアはニックスの遠のく後ろ姿を見た。
彼のいた席は血で小さく染まっている。
『ここを離れるまでじっとしていて。怪我はさせないから』
「・・・」
ふと、さっき耳元で囁いた声が浮かんできて、気分がおかしくなった。
行動はやや荒かったが、なぜかニックスは本当に心からシルビアを脅かそうとしたわけではないようだ。
もちろん、それでも彼女は反射的にニックスを攻撃してしまったし、それは仕方のないことだと思うけど・・・、それでも余計に気が重く複雑になった。
「シルビア」
カシスがシルビアに近づいたのはその時だった。
よりによってニックスのことを考えていたところだったので、シルビアはビックリしてしまう。
「ベルティウムの人形のせいでビックリしたと思うけど、大丈夫?本当に怪我はないよね?」
しかし、カシスはやはり優しい兄らしく、再びシルビアの体調を心配して尋ねただけだ。
「うん、大丈夫」
彼は答えるシルビアの顔をしばらくじっと見つめた。
そして本当に彼女が大丈夫だということを確認した後、カシスは再び口を開く。
「さっきはよくやったね、シルビア」
「うん?」
シルビアの肩に励ましの手が置かれる。
意外な褒め言葉に彼女は立ち止まった。
カシスは誇らしげに頷きながら続ける。
「他の人たちと一人で離れて怖くて驚いたはずなのに、慌てずにとても勇敢に行動した。しかも習ったことを実践で使ったのが初めてなのに、あんなに正確に急所を攻撃するなんて。急な状況でもあんなに落ち着いて対応するのは誰にでも出来ることではない」
ロクサナの精神面が心配ですね。
カシスのフォローに期待です。